2013年08月15日

労働はこの世から自由にする

労働時間規制に特例 一部企業で実験導入 年収800万円超


 政府が、一定水準以上の年収がある人には週40時間が上限といった労働時間の規制を適用しない「ホワイトカラー・エグゼンプション(労働時間の規制除外制度)」の実験的な導入を、一部の企業に特例的に認める方向で検討していることが14日、分かった。

 年収で800万円を超えるような大企業の課長級以上の社員を想定しており、時間外労働に対する残業代などは支払わない上、休日、深夜勤務での割り増しなどはない。仕事の繁閑に応じて自分の判断で働き方を柔軟に調整できるようにし、成果を上げやすくする狙いがある。

 経済産業省によると、トヨタ自動車や三菱重工業など数社が導入を検討しているという。ただ、労働界からは長時間労働を助長するとの反発も予想される。

 経産省は、今秋の臨時国会に提出予定の「産業競争力強化法案」に、先進的な技術開発などに取り組む企業に対し、規制緩和を特例的に認める「企業実証特例制度」の創設を盛り込む方針だ。この特例制度の一環で、労働時間規制の適用除外の実験的な導入も認める。

 法案の成立後、年内にも導入を希望する企業からの申請を正式に受け付け、早ければ2014年度にも実施する。

2013年8月14日 MSN産経ニュース


流石は我等が安倍晋三、期待を裏切りません。てゆーかイキナリの裏切りです。7月26日に「明らかになった」ところによれば、こういうマネは「国家戦略特区ワーキンググループ」が「特区で地域を限定した上で」やることになっていたのですが、1カ月もしないうちに「地域を限定」という縛りを外してしまったのです。

もっとも、「国家戦略特区」とかいうものも、日本の主要都市圏を全て網羅した上でそこに本社がある企業の支店支社はどこにあろうとも「特区」に入っちゃうという話ですから、事実上日本はどこでも特区だったんですが、そんな文字通り「申し訳」程度にしか過ぎなかった「限定」もどこへやら、ということが「14日、分かった」模様であります。

全く世の中何を信じればよいのか、てゆーか政府さえ信じなければ大抵大丈夫だという意見もありますが、そういうワケで、「一部の企業に特例的に認める方向で検討している」というんですが、これもオカシナ話です。「経済産業省によると、トヨタ自動車や三菱重工業など数社が導入を検討している」んですから、実は「検討している」のは政府ではないようです。政府は「トヨタ自動車や三菱重工業など数社」の都合に合わせているだけなのでした。

いずれにしても下手な言い訳にしか過ぎない「特区」がナレアイの結果である「特例」に変更になりました。しかもその「特例」は、「法案の成立」前から明らかになっている「一部の企業」に認められるんですから話は穏やかではありません。なるほど「トヨタ自動車や三菱重工業など数社」には「特例」が認められることは今からもう分かり切ったことなんですが、そうなると他の企業が黙って見ているはずがありません。

本当であればこれは人件費の大幅な節減に繋がることですから、この状況は極めて不平等であり、公正な競争を阻害するものであるはずです。ところが実はそうでもないらしく、「特例」が認められる具体的な社名を事前に挙げても問題がありません。まあ確かにトヨタや三菱に文句を付けるというのは勇気の要ることではあります。

しかしこの「特例」は、実はこれらの「数社」に取り立てて大きな経済的利得をもたらすものではない様です。こんなことで「数社」の「競争力」が跳ね上がる、なんてことはありません。実際のところ裁判にでもならない限り、現状でも「年収で800万円を超えるような大企業の課長級以上の社員」に「時間外労働に対する残業代など」を支払っていないんですから、特に経費が浮くとかそういう効果は期待できないのです。

むしろそんな事ではなく、今回残念ながら「特例」を認めてもらえない企業様にとっても、これは正に「突破口」なのであり、共通の利益になるんですからみんなが一致団結して協力することが大事であります。とにかく、まずは「一部の企業」であっても「年収で800万円を超えるような大企業の課長級以上の社員」であっても構わないので「ホワイトカラー・エグゼンプション」導入の実績を作ることが極めて重要です。

順序としては数年後、しかしなるべく早い時期に「提言」が行われるでしょう。例えば4月に、既に頸断連は以下の如き極めて有用な「指摘」と「提言」を実施しています。

労働法制、実態に即して見直しを 労働基準法などで経団連が提言

 経団連は15日、現行の労働基準法は明治時代の工場法を下敷きにしており実態に即していない、として労働時間や勤務地などの規定を柔軟に見直すことを求める提言を発表した。

 とくに一日働いた労働時間を実際にカウントするのではなく一定時間働いたことにできる“みなし労働時間”を規定した「企画業務型裁量労働制」は対象業務や労働者の範囲が狭く企業にとって導入メリットが低いと指摘。対象業務は労使の話し合いに委ね、労働者の範囲も現行法の「常態」ではなく「主として」に改めるべきとした。

 経団連は毎年1月に春闘の指針となる「経営労働政策委員会報告」で労働時間や労働条件に関する基本的な考え方を示しているが、提言の形で発表したのは2005年以来。「よりわかりやすい形で発信することが大事」(労働法制本部)としている。

2013年4月15日 MSN産経ニュース


「ホワイトカラー・エグゼンプション」についても、近く「労働者の範囲が狭く企業にとって導入メリットが低い」などという「指摘」が行われるでしょう。「実態」としては「年収」に関わりなく無制限の労働が強要されているのですから、そのような「実態に即して」規制除外対象を拡大することになります。もちろん、労働者の生活生命よりも「企業にとっての導入メリット」を重視する立場ですから、理想としては全企業の全労働が対象になることが望ましいとされるでしょう。

これも「特区」同様、労基法の改正など抜きで「特例」に関する規定の変更を持って行うことが出来ます。言わずと知れたナチスの「手口」がここでも学ばれるでしょう。「ある日気づいたら」「誰も気づかないで」変えることが出来るのです。

したがって「突破口」を作らせないこと、作られてしまったらそれを塞ぐことが必要です。経済産業省がトヨタ辺りとどんな癒着をしているのか知りませんが、この「特例」には極めて厳しい条件が課されなければならないでしょう。過去に過労死が発生した企業やグループにこの「特例」を認めることは殺人免許を与えることに等しく、時間外手当の未払いや過重労働で労基署の是正勧告を受けた企業もこの「特例」を「悪用」する可能性があるので認めるわけにはいきません。

もっともこれに「善用」があり得るのかどうかという点は是非考えておかなければいけないことです。しかし企業経営者というものは例のバイト先でイタズラする連中と全く同様であって、平気で違反行為を行って何ら罪悪感を感じない人たちである模様ですから、厳しい監視化に置くのはむしろ当然なんですが、どうせ政府は何もしないでしょう。僕たちは麻生さんの「反面教師」に学ぶ必要があります。誰もが「わーわーわーわー騒ぐ」こと、是非そういった意味で、喧騒の中で、安倍には何一つ決めさせないでほしい。
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2013年08月05日

男の夏は熱湯浴

麻生副総理の親ナチ発言の詳細


 麻生太郎副総理が29日、東京都内でのシンポジウムでナチス政権を引き合いにした発言は次の通り。

 僕は今、(憲法改正案の発議要件の衆参)3分の2(議席)という話がよく出ていますが、ドイツはヒトラーは、民主主義によって、きちんとした議会で多数を握って、ヒトラー出てきたんですよ。ヒトラーはいかにも軍事力で(政権を)とったように思われる。全然違いますよ。ヒトラーは、選挙で選ばれたんだから。ドイツ国民はヒトラーを選んだんですよ。間違わないでください。

 そして、彼はワイマール憲法という、当時ヨーロッパでもっとも進んだ憲法下にあって、ヒトラーが出てきた。常に、憲法はよくても、そういうことはありうるということですよ。ここはよくよく頭に入れておかないといけないところであって、私どもは、憲法はきちんと改正すべきだとずっと言い続けていますが、その上で、どう運営していくかは、かかって皆さん方が投票する議員の行動であったり、その人たちがもっている見識であったり、矜持(きょうじ)であったり、そうしたものが最終的に決めていく。

 私どもは、周りに置かれている状況は、極めて厳しい状況になっていると認識していますから、それなりに予算で対応しておりますし、事実、若い人の意識は、今回の世論調査でも、20代、30代の方が、極めて前向き。一番足りないのは50代、60代。ここに一番多いけど。ここが一番問題なんです。私らから言ったら。なんとなくいい思いをした世代。バブルの時代でいい思いをした世代が、ところが、今の20代、30代は、バブルでいい思いなんて一つもしていないですから。記憶あるときから就職難。記憶のあるときから不況ですよ。

 この人たちの方が、よほどしゃべっていて現実的。50代、60代、一番頼りないと思う。しゃべっていて。おれたちの世代になると、戦前、戦後の不況を知っているから、結構しゃべる。しかし、そうじゃない。

 しつこく言いますけど、そういった意味で、憲法改正は静かに、みんなでもう一度考えてください。どこが問題なのか。きちっと、書いて、おれたちは(自民党憲法改正草案を)作ったよ。べちゃべちゃ、べちゃべちゃ、いろんな意見を何十時間もかけて、作り上げた。そういった思いが、我々にある。

 そのときに喧々諤々(けんけんがくがく)、やりあった。30人いようと、40人いようと、極めて静かに対応してきた。自民党の部会で怒鳴りあいもなく。『ちょっと待ってください、違うんじゃないですか』と言うと、『そうか』と。偉い人が『ちょっと待て』と。『しかし、君ね』と、偉かったというべきか、元大臣が、30代の若い当選2回ぐらいの若い国会議員に、『そうか、そういう考え方もあるんだな』ということを聞けるところが、自民党のすごいところだなと。何回か参加してそう思いました。

 ぜひ、そういう中で作られた。ぜひ、今回の憲法の話も、私どもは狂騒の中、わーっとなったときの中でやってほしくない。

 靖国神社の話にしても、静かに参拝すべきなんですよ。騒ぎにするのがおかしいんだって。静かに、お国のために命を投げ出してくれた人に対して、敬意と感謝の念を払わない方がおかしい。静かに、きちっとお参りすればいい。

 何も、戦争に負けた日だけ行くことはない。いろんな日がある。大祭の日だってある。8月15日だけに限っていくから、また話が込み入る。日露戦争に勝った日でも行けって。といったおかげで、えらい物議をかもしたこともありますが。

 僕は4月28日、昭和27年、その日から、今日は日本が独立した日だからと、靖国神社に連れて行かれた。それが、初めて靖国神社に参拝した記憶です。それから今日まで、毎年1回、必ず行っていますが、わーわー騒ぎになったのは、いつからですか。

 昔は静かに行っておられました。各総理も行っておられた。いつから騒ぎにした。マスコミですよ。いつのときからか、騒ぎになった。騒がれたら、中国も騒がざるをえない。韓国も騒ぎますよ。だから、静かにやろうやと。憲法は、ある日気づいたら、ワイマール憲法が変わって、ナチス憲法に変わっていたんですよ。だれも気づかないで変わった。あの手口学んだらどうかね。

 わーわー騒がないで。本当に、みんないい憲法と、みんな納得して、あの憲法変わっているからね。ぜひ、そういった意味で、僕は民主主義を否定するつもりはまったくありませんが、しかし、私どもは重ねて言いますが、喧噪(けんそう)のなかで決めてほしくない。

2013年7月30日 朝日新聞デジタル


なるほど始めは「3分の2という話」の話をしていて、それを「ヒトラー出てきた」ことと比較しています。すなわちヴァイマール憲法体制下でヒトラーが「選挙で選ばれた」ことを指摘し、「憲法はよくても、そういうことはありうる」ことに注意を喚起している様なのですが、これだと「3分の2」議席を獲得して改憲することをヒトラーと同じだ、と言っていることになります。

これはいくらなんでもちょっと具合が悪い様です。そこで麻生さんあわてて、改憲はすべきだが「どう運営していくかは」「議員の行動であったり、その人たちがもっている見識であったり、矜持であったり、そうしたものが最終的に決めていく」などと、かなりいい加減なことを言い出します。つまりそういった要因によって、改憲の結果がヒトラーと同じようになるとは限らない、というようなことを言って難を逃れたつもりのようですが、早くもグダグダです。

これは要するに解釈でどうにでもなるというような意味ですから、わざわざ改憲する意味がわからないことになってしまうんですが、そうこうするうちにもう一つの難点が生じていることに気がつかざるを得ません。「3分の2」と「ヒトラー」を絡めてしゃべっちゃったので、現日本国憲法はヴァイマール憲法と比較されることになってしまうんですが、それを「憲法はよくても」なんて言っちゃったもんですから大変です。これではまるで日本国憲法が「よい憲法」みたいではないですか。それならどうして改憲するのか、ますます分からなくなって来ました。

そこで「周りに置かれている状況は、極めて厳しい状況になっている」とか言っているのは、これはどうやら改憲の必要性を言っているものと思われますが、あまりハッキリしません。極めて厳しい、てゆーか極めて漠然とした話で、どうも困ったもんですが、それに続いて「若い人の意識」について言っているのは、「世論調査」で改憲に賛成する「若い人」の割合が多いという事なんでしょうが、しかし、そんなことは改憲する理由にはなり難い様です。ここではむしろ日本国憲法が「よい憲法」ではないと主張しなければならないところ、そこらへんについてはフニャフニャになってしまいました。

「若い人」が「記憶あるときから就職難。記憶のあるときから不況」である、だから改憲だ、というのでは「ヒトラー」とあまり言っていることが変わらないのですが、若くもないのに記憶がある時から何を言っているのかよく分からない麻生さんは、引き続いて自民党の改憲草案がいかに優れているか、てゆーかまあ一生懸命作ったんだとか、若い奴の意見も聞いたんだとかという話であって、草案の内容が良いとか言っているわけではないんですが、そんなことを言って、そのような「草案」と比較して、日本国憲法はダメだとか言いたいものと思われます。

そこでイキナリ、「狂騒の中、わーっとなったときの中でやってほしくない」と言うんですが、ここで話は急に靖国神社に飛びます。意外な展開といえば意外な展開なんですが、麻生さんの中ではつながっています。麻生さんにとっては靖国神社は「狂騒」と切っても切れない関係にあるようなのです。なるほど、日によってはその通りなんですが、しかし、麻生さんの言う「狂騒」は街宣車とかそういうものではありません。

「狂騒」というのは「マスコミですよ」なんだそうですよ。報道が行われることが「狂騒」だというわけです。ですから麻生さんは「静かにやろうや」と囁きかけるわけですが、その相手は一緒に靖国神社に行く連中でもなければ国民でもないのです。麻生さんは「マスコミ」に対して「静かにやろうや」と言っています。つまるところ靖国神社に参拝しても報道するなよな、ということが言いたいらしい。

そしてここのところで麻生さんは再び憲法問題に帰って来ます。これが話の筋道になっていると言われれば、これは極めて難解なスピーチであるとしか言いようがないんですが、要するに改憲も報道しないで「静かにやろうや」マスコミの諸君。そうすれば「ワイマール憲法が変わって、ナチス憲法に変わっていた」ときのように「だれも気づかない」うちに改憲できるでしょう。

というのは麻生さんの独特の見解でありまして、ナチスは改憲などはしていません。ここで麻生さんの無知を詳らかに論じて「あほやなあ」ですませたい向きもおありかも知れませんが、そうはセメント屋が卸しません。麻生さんだってそれほどバカではありません。てゆーか日本国のために是非ともバカであってはならないのですが、世の中は上手くいかないものであります。それはともかく、確かに世の中に「ナチス憲法」はありません。しかしながら、ナチスがヴァイマール憲法を死文化した体制を比喩的に「ナチス憲法」と言うことが出来るのではないでしょうか。

僕は今、麻生さんを精一杯擁護しているつもりです。したがって大変苦しい立場に追い込まれています。そんな意味で「ナチス憲法」という言葉を使った人などいないのです。しかしここで僕たちは、人生最大の譲歩が求められています。ここは百歩でも百万歩でも譲って、いわゆる全権委任法、1933年の「民族および国家の危難を除去するための法律」もしくはその法律による体制を「ナチス憲法」と呼んであげることにしてもよいことにしてあげようではありませんか。

そうすると、麻生さんが前に言った言葉が生きて来る、という利点もあります。これは専ら麻生さんに取っての利点なんですが、つまり「周りに置かれている状況は、極めて厳しい状況になっている」というのが、ドイツ語で言うと「民族および国家の危難」という風になりますよ、ということになり得る時に、僕たちは麻生さんは意外と終始一貫した話をしていたんだなあ、なんてちょっと見直してみたり、ヤクザのカッコも悪くないなあなんて思ったりしてみたり、しません。

この要に解釈するならば、改憲ということになれば報道しないわけにもいかないし何より国民投票をしなければならないのに「静かにやろうや」と言われても困る、ということはありません。改憲などしなくても、「議員の行動であったり、その人たちがもっている見識であったり、矜持であったり、そうしたもの」によって「だれも気づかないで」事実上憲法が「変わったんだ」、体制を変えることが出来たという、そのような「手口」が実際に存在したのであり、それに「学んだらどうかね」というのが麻生さんのお話の要点です。

なお、この『朝日新聞』の記事は、事実と違うところがあるんだそうですから、僕が発表されている録音から後半の部分を聴き取ったところ、

 僕は、4月28日、忘れもしません4月28日、昭和27年、その日から、今日は日本が独立した日だからといって、日曜日だったかなあ、靖国神社に連れて行かれましたよ。それが、初めて靖国神社に参拝した記憶です。それから今日まで、まあ、こんな歳食ってからも毎年1回、必ず行っているところですけど、そういったようなもんで行ったときに、わーわーわーわー騒ぎになったのは、いつからですかこりゃ。昔は静かに行っておられましたよ。各総理大臣も皆行っておられたんですよこりゃ。いつから騒ぎにしたんです。マスコミですよ。(拍手)いつのときからか、騒ぎになった、と私は、騒がれたら、中国も騒がざるをえない。韓国も騒ぎますよ。だから、静かにやろうや(くすくす笑い)、というんでね、憲法もある日気づいたら、ドイツの環境の話ししましたけども、ワイマール憲法がいつの間にか変わって、ナチス憲法に変わっていたんですよ。だれも気づかないで変わったんだ。あの手口学んだらどうかね(爆笑)。もうちょっと、わーわーわーわー騒がれてる。本当にみんないい憲法、これは、と言って、そうみんな納得して、あの憲法変わってるからね。だから、ぜひ、そういった意味で、僕は民主主義を否定するつもりはまったくありませんし、しかし、私どもはこういうとこで重ねて言いますが、喧噪のなかで決めないでほしい。


やはり『朝日新聞』は捏造です。麻生さんは「わーわー」などとは言っていません。極めて丁寧な言い方で、「わーわーわーわー」と繰り返しておられるのです。これを省略してしまうのは礼を失すると言うべきでしょう。しかし最大の問題は最後の重要な一文です。麻生さんは「喧噪のなかで決めないでほしい」とおっしゃっているのに、こともあろうに『朝日新聞』は「喧噪のなかで決めてほしくない」などと書いています。まさにこれは事実を歪めた報道であり、何らかの意図を持った捏造記事であるといい切ることが出来ます。

というわけで要するに別段どこも違っていないようなんですが、一部の人は橋下さんが自分の発言が報道された記事を「誤報」と言い張ったのを見習っているようです。あれはしかし、橋下さんの今までの発言というか失言というか言い訳というか生まれてこのかた口を開けば出て来る例のヤツの中で、特に上手いとか、上手くいったとか、そんなモンでもないようなんですが、どうしてマネをするのかは不明です。

尚、最後の方の「本当にみんないい憲法、これは、と言って、そうみんな納得して、あの憲法変わってるからね」という部分は、解釈不能です。「全権委任法によってヴァイマール憲法が死文化された体制」を「ナチス憲法」と呼ぶという解釈に立つ以上、みんなが納得して憲法が変わったとかいうのは何の話だか分かりません。この解釈ではこの部分は意味をなさず、この部分に拘ると、麻生さんがナチス政権下でヴァイマール憲法が「ナチス憲法」に改憲されたと考えている、ということになってしまうのですが、その場合は麻生さんは単に無知であるということになります。その無知は「ナチス政権下のワイマール憲法に係る経緯」(撤回コメント)に止まらず、肝心の日本の憲法についての無知でもあります。日本国憲法は「ある日気づいたら」、「だれも気づかないで」改憲されることは、規定上あり得ないのです。

それはともかく、このようにいわば「憲法解釈」によって改憲の先取りのようなことをコッソリやってしまおうという「手口」は、自民党によって現在行われていることでしかありません。実際、麻生さんはあるいは改憲に積極的ではないのかも知れませんが、ナチスには親和的である可能性が高いといえるでしょう。てゆーか、自民党がそうではないと言い張ってもナチスの方でラヴコールを送ってくるんですから仕方がありません。何だかんだ言ってる様ですが結局は自民党のために働いてくれる人です。
http://matome.naver.jp/odai/2136878460795536101

この雷韻出版さん、1998年頃に例の「河上イチロー」の本を出したりしてまして、河上イチローさんという人は「Der Angriff」などというゲッベルスの新聞にちなんだ物騒極まる名前のサイトをやっていたオウム真理教の人です。もちろん麻原彰晃さんもナチスには多大な関心を寄せていたわけですが、そこら辺の流れと、山田一成さんの周辺の右翼系の「ネットワーカー」とか、ハッカーとかクラッカー系で電脳無政府主義から電脳無政府資本主義的に寄ってった人たちとか、この辺の流れが現在のネット右翼の一部の源流である可能性もあるのではないかと思うと中々馬鹿に出来ないんですが、その末裔と思われる人たちが現在、トゥイッターや掲示板で麻生さんを無理矢理擁護する書き込みを盛んに行ったり、『朝日新聞』に広告出している企業に電凸したりメル凸したりして大活躍しているようなんですから自民党としちゃナチでもナスでも仲良くして置くに越したことはないってなもんでしょう。
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2013年07月30日

俺の妹がこんなにワカメなわけわかめ

まあ、これなんですが
かつを.jpg

「かつを」が魚なのかワカメのお兄さんなのか知りませんが、ある人々によれば保見さんは「トラブルメーカー」なんだそうで、何だか知りませんが困った人なんだそうです。

山口連続殺人放火、過去に川崎でも“近隣トラブル”


 山口県周南市の集落で5人が殺害された事件です。逮捕された保見容疑者は30代半ば頃に生活していた川崎市でも近所の住民とトラブルを起こしていたことが明らかになりました。



 これは35歳の頃の保見光成容疑者の写真。会社の社員旅行の際に撮られたものです。バンダナにサングラスがトレードマークで気さくな人柄だったといいます。中学卒業後、関東地方で左官の仕事を始め、30代の頃は神奈川県川崎市で暮らしていました。一体、どのような生活を送っていたでしょうか。



 「口数は多いですよ。すごく気のいい兄貴みたいな人でしたね」(当時の保見容疑者を知る男性)



 職場のムードメーカーで孤立することもなかったという保見容疑者。当時住んでいたアパートではトラブルがあり、引っ越しを余儀なくされていたことが取材で明らかになりました。



 「最初は駅の向こうのアパートにいて、アパートの住民同士でケンカになって、大家さんに追い出されたのよ。今晩泊まるところがないっていうのが気の毒で(アパートに)入れてあげちゃったの」(保見容疑者の引っ越し先の大家)



 引っ越し先の大家は、気の毒と思って受け入れたということです。しかし・・・



 「仕事の仲間とケンカしたとか、トラブルになったとか言っていたからね。責任感が強いのよ。それがあだになっちゃうの」(保見容疑者の引っ越し先の大家)



 保見容疑者はこの数年後、40代の頃、両親の介護のため故郷の山口県に戻りました。両親のために自宅を増築するなど当初はトラブルもなく、親の介護をしていた保見容疑者。しかし、高齢者の多い集落で次第に孤立を深めていったといいます。おととし元日、保見容疑者は警察に、「集落で悪口を言われ、孤立している」と相談を持ちかけていました。今回、凄惨な事件を起こしたのはなぜなのでしょうか。保見容疑者の動機について、犯罪心理に詳しい長谷川さんは・・・



 「基本的には真面目で優しく、明るく人に振る舞うところがある。多少のストレスがあっても不快な気持ちは抑圧、そういうのが働きやすい。それが限界に達するとキレるということが起きるタイプ。そういうものが積み重ねになるんだが、親が亡くなったことが大きいものになった」(こころぎふ臨床心理センター 長谷川博一 センター長)



 周囲からの孤立が保見容疑者の心理に影響を与えたのでしょうか。両親を亡くした後、1人暮らしだった保見容疑者は愛犬を2頭飼っていました。そのうち1頭の大型犬が保見容疑者身柄確保の直後に死んでいたことが明らかになりました。保見容疑者は今月26日午前9時5分に現場近くの山の中で身柄を確保されましたが、大型犬が死んでいたことがわかったのはその1分後でした。死因は心臓発作だということです。今月25日、動物愛護団体に引き取られた保見容疑者の犬。7〜8年前に捨てられていたのを引き取り、オリーブと名づけてかわいがっていたということです。



 6日間にわたって逃走していた保見容疑者。発見された現場は、住民が避難していた公民館から北に1キロほど行った山の中でした。身柄が確保されるまでの間、どのような潜伏生活を送っていたのでしょうか。うっそうと木が生い茂り、地元の人でもほとんど通らない林道。中学卒業までこの地で育った保見容疑者はこの付近の山については詳しかったとみられています。



 地元の人によりますと今の時期、山の中ではクマやイノシシ、マムシなどが出没するということです。保見容疑者は逃走経路について「ほとんど覚えていない」と供述していて、警察が追及しています。

2013年7月29日 TBS


この、ちょいとイケてないグラサンのお兄さんなんですが、「30代半ば頃に生活していた川崎市でも近所の住民とトラブルを起こしていた」んだそうです。「トラブル」に巻き込まれたんじゃない様です。「起こしていた」というんですから、このお兄さんがその「トラブル」の責任者みたいに読めます。

どんな「トラブル」であるかは結局明らかにされないのですが、その前に何だか知りませんがとにかく「ムードメーカー」と言った後に直ちに「トラブル」という言葉を使用します。前提として保見さんが「トラブル」を「起こしていた」と言っているもんですから、受け手の頭の中には「トラブルメーカー」という馴染み深い言葉が浮かび上がることになっています。

いや、TBSとあろうものが、そんな決めつけるようなことを言っているわけではありませんが、言わなくても聞こえるようにキーワードをバラして埋め込むという高度なテクニックを駆使しています。実際のところ記事の内容としてはほとんどゼロでして、問題の「トラブル」にしても「責任感が強いのよ。それがあだになっちゃうの」という話ですから、保見さんは「責任感が強い」だけだったようで、殊更に「トラブルを起こしていた」という証拠は全くありません。

というわけですからこの記事は責任感が強いのは良くない、これからは無責任で行こう、という無責任なメッセージを発信しているのかも知れませんが、そんないい加減な事で何がどうなるわけでもありません。むしろこの記事は貴社の卓越したテクニックを純粋に鑑賞する希有な機会であると言うことが出来るでしょう。まあ、一応は「放火」だの「殺人」だのという血腥い凶悪事件の「犯人」なんだそうですから、国民の皆さんには悪印象を持ってもらわないといけないんでしょうが、要はそんな材料が見つからなかったということでしょう。そんな時に慌てず騒がず、どんな薄汚い手を使ってでも印象操作を買って出る姿勢は、まさにマスゴミの鑑というべきものであります。

ところが実際の保見さんという人はどうも「かつを」の書き物を掲示したり、家の屋根に画が描いてあるという話も有りますし、どこで拾って来たのかマネキンというかトルソというか廃物を利用したオブジェを制作するなどという風流人であります。ところがこういう人は山口県の山中などではどうしてもハブにされがちなセンスの所有者であると思われるところ、何かと苦労して来たことが推測されるわけで、この点については材料が一杯あるようなのですが、「排除されていった」状況を「孤立を深めていった」というように真逆に表現してみたりするのもマスゴミのテクニッック、てゆーかもうありふれたいつものやり口であると言えましょう。

そういうわけで悪口一つ書く材料が見つからないマスゴミ泣かせの保見さんは、犬を食ったりしないで大切に飼っている点も含めて津山事件との比較がどの程度有効なのか分かりません、てゆーか今のところこれしかない。

mutsuo.jpg


いやこれは僕のでっちあげだ。とはいうものの、両事件に共通する、いわば「同情すべき点」がこんな記事の中にも書いてあるわけで、それは「基本的には真面目で優しく、明るく人に振る舞うところがある。多少のストレスがあっても不快な気持ちは抑圧、そういうのが働きやすい。それが限界に達するとキレるということが起きるタイプ。そういうものが積み重ねになるんだが、親が亡くなったことが大きいものになった」という「こころぎふ臨床心理センター 長谷川博一 センター長」の、些かお座なりの感なきにしもあらずのコメントです。

まあ現段階ではこのような、要するに誰にでも当てはまりそうな「限界に達するとキレるということが起きるタイプ」ということぐらいしか言えないのかも知れませんが、この事件の解釈はこの方向で定まりそうな気もします。ところがそれはそれで困ったことではあるわけで、こんなところで同情して終わってしまうと「社会の被害者」は結局「キレて」オオゴトをシデカスしかなくなっちゃうんですが、そうなると「限界に達してキレる」前に「ストレス」や「不快な気持ち」を「抑圧」しないで解決を図るべく働きかけたりするという方向が失われてしまうでしょう。

てゆーか、正にそれこそ下々の連中にやってほしくないことなのです。時々誰かに「キレて」もらったほうが、「ストレス」をひとつひとつ解決していくよりも遥かに安上がりなんですから、このような事件がたまに起こってくれた方が良い、という人々存在するでしょう。「俺がキレたら怖いんだぞ」とか思っていてもらえるならば、数々の理不尽や不条理を我慢させることが容易になります。キレた奴は処刑すれば終わりですが、そのおかげで他の人々は今日立ち上がるのを明日に延ばしたり来年に延ばしたり来世に延ばしたりするんですから何人か死んだからといってそれがどうしたというのか。
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2013年07月26日

日本全国ブラック特区

選挙で勝ったので早速ですが「労働特区」です。

特区で雇用規制緩和 政府検討、残業・解雇柔軟に


 政府は残業や解雇などの雇用条件を柔軟に設定できる規制緩和を、地域限定で検討する。安倍晋三首相の主導で決める国家戦略特区を活用し、成長産業への労働移動など人材の流動化を進め、日本経済の活力を高める。参院選前は世論の反発を招きかねない労働改革に踏み込まなかったが、特区に絞って抜本的に規制を改革する。

 国家戦略特区は地域を限って大胆な規制緩和や税制優遇に踏み切る仕組み。政府は8月末にも東京、大阪、愛知…

関連キーワード
安倍晋三

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2013年7月26日 日本経済新聞電子板


非常に人が悪いというか、「有料会員限定」ということなので、「無料」でしかも「会員」ではない僕のようなビンボー人には、ここまでの記事から全体を推量する権利が与えられております。そこで安倍晋三なるバカ殿の「特区」好きはつとに知られているところでありますが、この「労働特区」、そもそもは維新の会から出て来ています。

「西成特区」で仰天改革案 生活保護受給者時給400円で強制労働


 大阪市の橋下徹市長が活性化に向けた特区構想を打ち出した同市西成区で、生活保護受給者が働いて得た収入を行政側で積み立て、生活保護から抜ける自立時に一括返還して初期生活費に充ててもらう制度を導入するという改革案を、特区構想担当の市特別顧問、鈴木亘・学習院大教授(社会保障論)がまとめたことが7日、分かった。区民の4人に1人が生活保護受給者という状況の中、受給者の就労・自立を促し、市財政を圧迫する生活保護費の縮減にもつながる一石二鳥の案としており、鈴木氏は近く橋下市長に提示する。

 不況を背景に、生活保護受給者数は全国的にも過去最多の更新が続いており、厚生労働省も同様の制度創設の検討に入ったが、自治体の事務量増大などの課題がある。西成区で制度が導入されれば全国のモデルケースとなる可能性もあり、成否が注目される。

 現行の生活保護制度では、原則として受給者の就労所得などが増えるとその分保護費がカットされるため「労働意欲の向上につながらない」との指摘がある。また、受給者が自立すると、それまで不要だった公的医療の保険料や医療費の窓口負担などが必要となり、自立時の生活費を圧迫する実情もある。

 鈴木氏の案では、西成区の受給者に自立支援プログラムによる5年間の就労義務を課し、収入は区の福祉事務所で貯蓄。自立時に返却するとしている。就労報酬額は、3年程度は最低賃金(大阪府は時給786円)の適用除外として同400円程度とし、その後は最低賃金にすると仮定。企業側にも雇用義務を課し、若い労働者と雇用者のマッチングが図れるとともに、就労経験による技術習得にもつながるとしている。

2012年4月8日 MSN産経west


大阪市特別顧問で学習院大学教授の鈴木亘さんが恥知らずにも「生活保護受給者だから最低賃金適用除外」という「西成特区」構想を打ち出したのが昨年の4月です。さすがは安倍晋三にラブコールを送る維新の会のブレーンでありまして、「特区」だから何をしても良い、という解釈は「特区」=法の停止、という安倍晋三と腹の中は一緒です。

安倍晋三と腹の中が一緒では先が思いやられるわけですが、安倍さんと鈴木さんが枕を並べてくたばっても誰も困りません。この半年先には、今度は自民党からのレスポンスがありまして、

企業が世界で一番活動しやすい国をめざす 自民


 自民党は企業が世界で一番活動しやすい国をめざすとして、日本経済再生・競争力強化基本法の制定など、日本経済再生プランを5日までに発表した。

 産業投資立国と価値の創造拠点をめざし、今後5年間を集中改革期間と設定。総合特区制度を活用しながら、海外投資の促進と国内への還元、成長分野への集中的な政策投入などをあげる。

 また、科学技術を国家戦略として推進するとし、産業競争力会議を創設し、司令塔としての機能を強化するなどとしている。

2012年9月6日 財経新聞


「総合特区制度を活用しながら」「企業が世界で一番活動しやすい国をめざす」と言っています。もちろんそんなことは「企業」ではない普通の人々には迷惑千万な話なんですが、


金銭解雇ルールを再検討=特区での実現目指し−政府


 政府が、金銭の支払いによる解雇を認めるなどの雇用規制の緩和を検討することが26日、明らかになった。国家戦略特区ワーキンググループ(WG)が国家戦略特区の新たな検討課題に盛り込んだ。


 金銭で解雇を可能とするルールの導入は政府の規制改革会議が検討していたが、厚生労働省などが反対したことから、6月の答申では見送られた経緯がある。WGは、7月に行った有識者ヒアリングの結果を受けて、特区で地域を限定した上での導入を再検討することにした。一定の条件を満たした社員に法定労働時間の規制を適用しない「ホワイトカラー・エグゼンプション」の導入も議論する。


 新たな検討課題は約130項目に上り、WGは8月末をめどに10項目程度に絞り込んだ上で実現を目指す。

2013年7月26日 時事


日経さんはあわてて「参院選前は世論の反発を招きかねない労働改革に踏み込まなかった」と書いてしまったんですが、そこには「厚生労働省などが反対した」という言い訳が用意されていたようなのです。大事なことを書き忘れたような気もしますし、あまり大事ではないので書かなかったような気もしますが、参院選の結果が出たら直ちに発表することになっており、実際にそうされたのがこの「労働特区」、いや、参院選の結果を尊重するならば「ブラック企業特区」構想なのでした。

この構想の恐るべき全体像は金次第で「有料会員」とならなければ伺い知ることが出来ませんが、気になるのが最後の「東京、大阪、愛知…」というところ、特に思わせぶりな「…」が巧妙であり、うっかりするとお金を出してしまいそうになるあたり、商売がうまいと言うべきでしょう。

しかしながらいくら相手が商売上手でもない袖は振れないビンボー人の悲しさ、朝の貴重な時間を、ビンボー人といっても朝の時間は貴重なんですが、そんな貴重な時間を割いて、電車の網棚なんかを探すことになります。そこで明らかになった、この「…」に隠された真実とは…

東京、大阪、愛知の三大都市圏などを特区に指定する。



全国に支店を持つ大企業の場合、特区内に本社があれば、地方の支店も適用対象にすることも検討する。

2013年7月26日 日本網棚新聞


ということですから、この「…」の意味するところは極めて重要です。「三大都市圏」がブラック企業特区なんですが、そこに本社を置くとブラック企業特区以外にところにある支店でも合法的にブラック企業になれる、ということです。ということはつまり、いやしくも名前の知れた企業はほぼ全部が「ブラック企業特区」の適用対象となるということになります。これはもはや「特区」を超えています。ほとんど労働法改定の裏口入学と言うことが出来るでしょう。

これは憲法96条改定と同様の発想であり、こんな事をする人は一体どういう風にして大学に入ったのかが偲ばれるというものですが、ろくに字も書けないしやっぱりな、このような一種の「ズル」によって「世論の反発」をかわそうと思っているつもりの様です。

そこでこの「特区」、てゆーか要するに全国的な労働法の停止とは何かと言うと、拾った新聞紙によれば

雇用分野ではまず、解雇規制を緩和する。企業が従業員に再就職支援金を支払えば解雇できる「事前型の金銭解決制度」の導入を検討する。…

有期雇用契約の期間を延長しやすくすることも検討する。同じ職場で5年を超えて働く契約社員らは、本人が希望すれば無期雇用に転換しなければならない。この規制を緩めて企業の人材確保に幅を持たせる。 

企業の従業員は原則、労働基準法などが定める法定労働時間(1日8時間、週40時間)のしばりがある。一定の条件を満たした社員には法定労働時間の規制を適用しない「ホワイトカラー・エグゼンプション」の導入も検討課題だ。

2013年7月26日 日本拾得新聞


このような、議論の多い、てゆーか労働者の生活の質を落とし健康を損ない生命を奪うばかりではなく社会を解体し経済破綻に導く「規制緩和」が、「特区」を利用して、選挙の争点とすることもなく、立法府の審議を経ることすらなく実質的には全国で行われようとしています。これは「特区」というよりは「無法」であり、これと比較可能なものとしては「セクハラ特区」とか「殺人特区」、あるいは「痴漢専用車両」などのフザケタ思いつき以外には考えることも出来ません。

しかしながら「痴漢専用車両」に自らすすで乗り込んだ女性の皆さん、これが参院選の、しかも直ちに与えられた結果です。大勝した自民党からの、ほとんど全ての労働者に贈られるプレゼントです。労働者諸君はこれを受け取るか、さもなければ大嫌いな「左翼」に相談するか、それがイヤなら相談先は下記から探して下さい。

http://www.e-sogi.com/list/list.html
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2013年07月24日

和民党の有差別殺人政治

渡辺美樹氏「頑張りたい」

明け方当選


 飲食店チェーン、ワタミの元会長で、参院選比例代表で当選した自民党の渡辺美樹氏(53)は22日午前4時ごろ、東京都大田区の事務所で「一票一票下さった人のために頑張りたい」と抱負を語った。

 選挙戦では、学校運営や介護ビジネスも手掛ける経営者としての経験を、経済や教育、福祉分野で生かしたいと訴えた。

 2011年の東京都知事選に出馬したが、石原慎太郎氏に敗れた。

2013年7月22日 新潟日報


渡邉美樹さんが当選してしまうというのも考えてみればスゴい話で、まあ予想はしていた、という人も多いとは思いますが、やっぱり考えてみればこれはとんでもない話しです。なんたって人殺しですから。それも個人的な恨みやなんかで人を殺したというわけではありません。彼の「経営者としての経験」の中で、その事業には死人が出ることが織り込み済みであったという意味で、人殺しを生業としてたと言って良いでしょう。

このいわば「プロの殺し屋」に、という言い方は言い過ぎかも知れませんが、てゆーか実際には「織り込む」というほど人命を気にかけているわけではない渡邉さんにとっては従業員や顧客の相次ぐ死は偶発的で不都合な事故であり、せいぜい「1億」程度で解決できる、とはいえ極めて残念な「コスト増要因」なんでしょうが、この人に何と104,176票が入っていたということでありますから、少なくとも日本には10万人以上の人が商売のために人が死ぬことを求めているのです。

ご本人も、そんな「一票一票下さった人のために頑張」るんだと言っています。まあしかしこの10万4千人の人々というのは、もし政治家が誰かのために頑張るんだとすれば、最もその人たちのために頑張ってはいけない人々です。何故ならその人たちは他人にモノスゴイ迷惑をかける可能性があるからです。彼等が自分の利益のために他人が不利益を被ることをどこまでも肯定する人たちであるとすれば、そしてその可能性は決して低いものではないと思われますが、そういう人が誰に投票しても勝手であるとはいえ、政治家がそんな人たちのために働くことは「政治」の自己否定であるといって良いでしょう。

しかしそんなことを言ったところで、世の中の大勢は決しました。過重労働に喘ぐ労働者は誰にも助けてもらえまえん。てゆーかそんな労働者は自殺しろというのが「ワタミ自民党」の政策であり、今後は人を死に追いやる様々な制度づくりが進められて行くでしょう。それが有権者の中で投票した過半数のうちの多数が望むところなのですが、これからの労働者は、「ついて来れないなら死ね」とばかりに多数派から自殺に追いやられるのです。

しかし人々は他人に言われるままに死ぬわけにはいきませんのでどのようにこれと戦うか、しかし当分選挙が行われない状況において、ということが問題になるでしょう。しかも法は、憲法に至るまでワタミ自民党によって書き換えられようとしていますので、そのうち何の参考にも武器にもならなくなる、という事が予想されるのですが一方、渡邉さんによると「1年生は何でもやります」だそうですから、自殺するとか、議員を辞職するとか、もうこうなったら「何でも」やってもらいたいものです。
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2013年07月17日

人生の邪魔物と一緒に人生も山に捨てて

齢を重ねた方は自分の体験で語ることが出来ます。千葉県の自由民主党の元県議金子和夫さんが「いきなり」共産党に期待したりするのはその良い例ですが、悪い例もあって

広島の遺棄被害少女が書き込み 感情暴発 「いきなり型」増える


 専門家によると、最近の少年、少女がからんだ事件では、悪口への報復や一方的な好意などを発端に感情に歯止めが利かず、命を奪う行為につながるケースが多くみられるという。

 常磐大学大学院の藤本哲也教授(72)=犯罪学=は「少年事件は従来、不良行為から次第に犯罪に発展する『エスカレーション型』が多くみられたが、近年は重大犯罪に突然至る『いきなり型』が増えてきている」と話す。「少子化の影響で幼少期に兄弟や姉妹げんかがなく、挫折感の経験が少ないなどの要因で、一時的な感情に歯止めがかかりにくい」という。

 ささいとも思える感情のもつれが、殺害にまで発展するのはなぜか。藤本教授は、電子メールや携帯電話が広く普及してきた点を背景に挙げ、「直接言葉を交わすことが少なくなったことで、うまく意思疎通ができなくなっている傾向がある」と分析する。

 専修大学の森武夫名誉教授(84)も犯罪心理学の立場から、「女子は力を伴うけんかや感情のぶつけあいが少ない。そのため短絡的に殺人を犯してしまう傾向がある。以前は凶悪犯は圧倒的に男性だったが、近年は女性の事件も増えた」とも話した。

2013年7月15日 MSN産經ニユウス


藤本さんが「幼少期」にどんな「挫折感」を経験していたのかは不明ですし、森さんが「女子」の生態に詳しくないらしいのが何故なのかも知りません。その辺りに関しては僕だって不案内なんですが、「女子」における「感情のぶつけあい」が必ずしも「力を伴う」ものではない、とは言い切れないのではないか、と考える程度には、僕の「幼少期」における「女子」の「生態」は年が20以上離れた方々とは違うようであります。

これはまあ、教授とか名誉教授といった皆さんとは生育環境が違っていたようで悪かったね、というようなもんですが、この事件の被害者は「グループの中でいじめられていた」という話もありますから、「短絡的」で「いきなり」なのかどうかはまだ分かりません。とは言うものの、この自首をした「少女」にフォーカスして色んな思いつきを書いちゃったりしたのは『週刊新潮』も同じですから、産経さんだけがアホなわけでもない様です。

むしろ「いじめ」が、一見その加入脱退が任意に見える非公式の集団においても発生しうることが注目されるでしょう。学校におけるいじめが話題になっているわけですが、たとえ学校がなくても地縁などの何らかの結びつきによって集団が形成されるときに、それは学校における学級と同じ程度に、あるいはより強く拘束的であり簡単に縁を切ったりすることが出来ないものである可能性があります。そこでは多くのメンバーがその集団との繋がりを保持したままで天寿を全うするまで生きて行くのですから、いかなるメディアによるものであれその中で悪口を言った言われたということがあれば、それは生涯にわたる社会的地位に関わる人生の一大事となる可能性があるのです。

しかしこの事件におけるもう一つの問題としては、この事件がその処理の仕方において若い世代の能力に不安を抱かせるものであるということであることも確かな事ではないでしょうか。

16歳が不明、遺体発見 遺棄容疑で知人少女逮捕へ 広島


 広島市の少女(16)が行方不明になり、広島県警が知人の少女の供述から同県呉市の山中で13日に不明少女とみられる遺体を発見していたことが14日、捜査関係者への取材で分かった。

 県警は死体遺棄容疑が固まり次第、知人の少女を逮捕する。

 県警によると、知人少女は不明少女を殺害したこともほのめかしているといい、殺人容疑も視野に入れて、慎重に調べる方針。

 知人少女は12日に広島東署に出頭。県警が13日捜索して、供述通りの場所から遺体を発見したという。

2013年7月14日 スポニチ


この辺りが第一報に近いんですが、最初のうち自首した少女は殺された少女と一緒にタクシーに乗って山へ行ったと供述しています。これは嘘だったんですが、調べれば直ぐにバレる類いの嘘であることは人を殺そうという人であれば分かりそうなものです。てゆーか分かっていてほしいもんだ。

被害者と落ち合い車で行った


広島県呉市の山中に、女性の遺体を遺棄したとして、16歳の少女が逮捕された事件で、警察の調べに対し少女は、現場の山に行く際の交通手段について、「午前2時前後に、広島市の繁華街で被害者と落ち合い、車で行った」と供述していることが分かりました。

警察は、車を運転していた人物の特定を進めています。

13日、広島県呉市の山中で女性の遺体が見つかり、「友人を殺害して山に遺体を遺棄した」と自首して、死体遺棄の疑いで逮捕された広島市の16歳の少女は、15日、身柄を検察庁に送られました。警察は、遺体は少女が通っていた高等専修学校の元同級生で、先月下旬から行方が分からなくなっている16歳の少女とみて、確認を急いでいます。

その後の調べで、逮捕された少女は、現場の山に行く際の交通手段について、「午前2時前後に、広島市の繁華街で被害者と落ち合って、車で行った。遺棄したあとは、歩いて下山し、ふもとから広島市まで車で帰った」と供述していることが、警察への取材で分かりました。

少女は当初、「タクシーで行った」と供述していましたが、これまでの調べでタクシーは見つかっておらず、その後、「車で行った」と供述を変えたということです。

車の持ち主や誰が運転していたかについては、答えていないということで、警察は、車を運転していた人物の特定を進めています。

2013年7月15日 NHK


結局は「タクシーは見つかっておらず」ということで「車で行った」まで言わされてしまった模様です。こうなればしめたもので、あとは「車の持ち主や誰が運転していたかについて」ゆっくり話し合おうじゃないかということになるわけで、それでそうなりました。

広島女性遺体遺棄事件 男女3人が出頭、死体遺棄容疑で逮捕へ


広島県で、16歳の少女が元同級生とみられる遺体を山中で捨てたとして逮捕された事件で、少女とともに車で遺棄現場に向かったとされる男女3人が、警察に出頭した。
警察は、容疑が固まり次第、死体遺棄の疑いで逮捕する方針。

一方、逮捕された少女は、無料通信アプリ「LINE」で、「ほんまにもお1回チャンスくれるなら、うちが出てくるまでまっとってほしい」などと、警察に自首する8時間ほど前につづっていた。

元同級生とみられる遺体を広島・呉市の山中に遺棄した疑いで、16歳の少女が逮捕された事件で、新たな動きがあった。

これまでに、遺体を遺棄した現場に向かった車には、複数の男女が同乗していたことがわかっているが、広島県警は、呉警察署で、その車に同乗していたとみられる男女3人から任意で事情を聴いた。

犯行前の状況と移動手段について、少女は「未明に広島市の中心部で待ち合わせて、別の人の車で遺棄現場に行った」と供述しているという。
その後の調べで、少女は、元同級生と合流する直前、友人らと広島市内のカラオケ店にいたことが明らかになっ
た。
そのあと合流した元同級生を含め、少なくとも5人で呉市の現場に移動した。
今回、出頭したのは、そのうちの少年少女あわせて3人となっている。
1人は、逮捕された少女の交際相手で、さらに友人である16歳の少女と、その交際相手のあわせて3人となる。

逮捕されている16歳の少女は、元同級生を殴ったり、けったり、首を絞めたりして殺したと話し、その犯行日時を6月29日の未明と供述している。
6月29日午前2時すぎ、無料通信アプリ「LINE」に少女が書き込んだとみられるメッセージには、「プリとってラーメン食べにいって帰宅して」、「楽しかった楽しかった」などとあった。
その文面には、元同級生に対する犯行をうかがわせる言葉はない。

そして、翌30日の夕方には、「きょうの予定ごちゃごちゃになっちった」、「この生活リズム直さんといけんな。朝と夜が逆転しとる」、「てか、腹立つのー」などのメッセージがあった。
何に腹が立つのかははっきりせず、その後も、数日にわたって、友人と遊んだという話や交際相手とみられる男性への思いなどを中心につづられていた。

その書き込みが一変するのが、7月11日になってからで、少女が、母親に付き添われて自首をする前日のことだった。
自首をする前日の11日には、「きょうだって一緒に泣いてくれたし、話も聞いてくれて、自分のことみたいに真剣になってくれて、ほんまうれしかった」、「うちもがんばるけん。ちゃんとしてくるけん。いつ会えるかわからんけど、変わったうちを見したるけん。楽しみにまっといてや」などとつづられていた。

逮捕された少女が自首する前日の書き込みには、自首を決意したからか、友人宛ての別れのメッセージが残されていた。
しかし、当日の書き込みには、不安や緊張の胸中が記されていた。
自首およそ11時間前の12日1時41分には、「もう、涙が止まらん。最近泣いてばっか。泣きたいのに泣いとるわけじゃなくて、涙流したくて流れとるわけじゃないのに。10年も15年も耐えれん。耐えれるわけがない。支えてくれよった人も今じゃおらん」、「みんな、本当にごめんなさい。あと9時間気持ちの整理をしとこう」とつづられ、自首およそ8時間前には、「ほんまにもお1回チャンスくれるなら、うちが出てくるまでまっとってほしい」とつづられていた。

その後、この日の午後1時すぎ、母親に付き添われて広島市内の警察署に自首した少女は、その翌日も、事情聴取の最中に書き込みをしていたとみられている。
自首した翌日の13日には、「支えてくれとったみんなに、ちゃんとゆっとかんといけんことがある。うち、捕まるのいやで逃げようとした。でも、捕まってすごい動揺しとる。今ちゃんと事情聴取もしよる。みんな裏切ってごめんね」とつづられていた。

その後、少女の供述に基づく捜索の結果、警察は呉市の山中で、死後2週間から4週間ほど経過した遺体を発見した。
司法解剖を行ったものの、損傷が激しく、死因や身元の特定にはまだ至っていないという。
新たに出頭した少年少女3人は、事件について何を語っているのか、警察は容疑が固まり次第、死体遺棄容疑で逮捕する方針。

2013年7月17日 NHK


これはことによると、この「少女」に罪をかぶせようとしたのかも知れません。しかしそのやり方はあまりにも杜撰です。ほとんど何も考えていません。どうやって山に行ったか。タクシーで行ったと言えば警察はタクシーを調べますからバレます。他の人の車で行ったと言えばもう何もかもバレたのと同じでしょう。この子たちは人が一人死んでいるという事の重大さが分かっているのでしょうか。

犯罪は決して遠いものではありません。既にプラカード一枚でオマワリさんに勤務先まで調べられることになっています。収入は減り、税金は増え、医者にかかるにも全財産を叩く世の中がもうすぐやって来ます。誰でも犯罪に手を染めなければ生きて行けない社会になろうとしているのです。そしてそんな世の中ではお互いに助け合い庇いあう事がとても大切になるのですが、そうするためには知恵が必要です。ちゃんと隅々まで考え抜かれていなければ一網打尽です。

そんな世の中になったとしても、それはもちろん16歳の「少女」にもその「交際相手」にも全く責任がありません。大人の人が阻止しない限りそうなってしまうのですし、どうもそうなりそうだというのがマスゴミ各社の「予想」ではあります。現状分析は最も悲観的である必要があります。悲観的な予想の中で楽観的に生きなければならないのです。それなのにこれからの若い人がこんな調子で大丈夫なのでしょうか。オジサンは若い人たちの将来を憂うこと頻りなのでした。
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2013年07月07日

頭がグルグルお腹もグルグル

 安倍氏 立憲主義には確かに、憲法は権力を縛るという側面がある。しかし、権力をすべて縛るものであるという考え方は王権の時代、専制主義的な政府に対する憲法という考え方だ。いまは民主主義の国家だ。民主主義国家である以上、権力を縛るものであると同時に、国の姿について書き込んでいるものだと私たちは考えている。(自民党案は)国民主権、基本的人権、平和主義は現行憲法、昭和憲法とかわっていない。(自民党案では)いくらでも基本的人権を制限できる、というのは明らかに間違った読み方だ。
 私たちは案を示しているが、ただちにこれを次の国会で発議しようということにはなっていない。3分の2を勝ち得るためにどういう知恵が必要か考えるのは当然だ。一般の法律でも、お互いに修正しあったりするのは当たり前だ。私たちは第一歩として自民党の草案を示した。憲法改正がリアリティーをもって議論された意味では、第一の目標は達成することができた。

 海江田氏 (首相は)憲法96条について当初の言っていることと違ってきているのではないか。(民主党は)96条から改正に入っていくのは反対だ。憲法9条をはじめとした他の項目は過去に何度も議論して集約する作業に入っている。9条についていえば、私たちは平和主義とか専守防衛、徴兵制はやらないという考え方、国会がしっかりと統制しないといけないという考え方の柱を決めたから、そのなかで議論をしていく。

 小沢氏 基本的人権は永久の権利として与えられたものだ、と規定されている憲法97条が自民党案では削除となっている。これはどういう考えのもとに、どういう憲法、日本にしようとしているのか。

 福島氏 憲法は国家権力を縛るものだ。立憲主義だ。総理はこれに同意するか。同意するなら、自民党の憲法改正案はこれにのっとったものか。自民党の憲法改正草案は基本的人権を公益、および公の秩序によっていくらでも制限できるというものになっている。表現の自由を公益で制限すれば、権利がなくなってしまう、あやうくなる。

 谷岡氏 いまの私たちの憲法は「日本国民は」という言葉から始まる。あきらかに憲法は日本国民のものと規定されている。それに対して、自民党案は「日本国は」ということから始められている。なぜ「日本国民は」という言葉を「日本国は」としたのか。この違いはなんなのか。

2013年7月4日 朝日新聞デジタル


ひどい書き方もあったもので、発言の順序がバラバラなので意味が分かりません。よく読めば「安倍氏」がよせば良いのに「立憲主義」について一知半解の「所説」を述べた発言は、「福島氏」の「立憲主義に同意するか」「自民党の憲法改正草案は基本的人権を公益、および公の秩序によっていくらでも制限できるというものになっている」という指摘を受けたものですから、その後に持って来ないとオカシイわけです。

これが「立憲主義からの離脱」だということですが、あまり良く知らないものから「離脱」したりするのはそんなに簡単なことではありません。これはむしろ「離脱」というよりは「誤解」とか「無知」とかいうものでしょう。「安倍氏」は「立憲主義」について、もし何かを考えているのであるとすれば混乱した考えを抱いています。何が混乱しているかというとこれは元々漢字がよく分からないことに起因するものと思われますが、「憲」の字と「権」の字との間で混乱、てゆーか「僕わかんなくなっちゃった」が生じているようです。

「福島氏」によるサルでもわかる立憲主義の説明は極めて簡潔なものであり、「憲法は国家権力を縛るものだ」という必要にして充分なものであります。ところが「安倍氏」は、憲法で何を縛るのか分からなくなっています。なるほど「権力を縛る」ことは分かっているようなのですが、下手に「ウィキペディア」とかを読んで覚えて来ちゃったせいで「王権」が出て来るともう混乱します。「民主主義の国家」になると国民主権なもんですからどうしたら良いのか分からない。

要は「権力」と「主権」の区別がついていないのです。「主権」を縛ることが出来ると思っちゃったんで頭がグルグルお腹もグルグルです。そんな人が立憲主義から「離脱」するなど烏滸がましい話で、単にものを知らないだけです。ちなみに「国の姿について書き込んでいるものだと私たちは考えている」というのはウィキペディアの「固有の意味の憲法」を読んできたんだろうと思いますが、この意味で「国の姿」と言いたいのであればそれは国家権力のあり方や組織構造を定めるという意味になるのであって、「安倍氏」が考えているような「国民のあり方」を定めるということにはなりません。

こういう人がやろうとしている以上、その「案」の内容に関わらずその行為自体が「壊憲」とか「潰憲」と呼ばれるしかありません。おまけに「安倍氏」は法律一般についても認識が甘く、後世の人が「間違った読み方」をする可能性については考えてもいません、てな顔をして澄ましていますが、まあ、ただのバカです。

もっとも「安倍氏」が本当に「ただのバカ」なのかどうかは注意を要するところです。もちろん、実際にそうである可能性は否定できませんが、憲法についてはバカのフリをして逃げ切るつもりなのかも知れません。しかしそれを言うなら経済もバカのフリをして逃げている様ですし、核発電もTPPも全部バカのフリをしていると言えないこともありません。そして政策が全部バカのフリなのであれば、それはやっぱりただのバカです。

とはいえ、核発電の推進もTPPへの参加も嘘と秘密と隠蔽をもって進めるしかないものです。どこの国でもそういうことは国民が知らないうちにやってしまわなければならないのであって、それらは正に国民主権の否定に他なりません。その意味で「谷岡氏」が指摘する憲法における主語の変更は重要な点です。いわば大手を振って虚偽と悪徳が支配する国を産み出す、そのような「国の姿」において自民党の政策は矛盾のない体系をなしているのです。「3分の2を勝ち得るためにどういう」悪「知恵」を使って誤魔化すつもりか知りませんが、このおぞましき「出産」を支持するかどうかが文春のアンケートじゃなかった参院選だった。
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2013年06月29日

死ぬようなところで生きて行けないのは自分のせい

政府、被曝量の自己管理を提案 「除染完了」説明会で


 【青木美希】政府が福島県田村市の除染作業完了後に開いた住民説明会で、空気中の放射線量を毎時0・23マイクロシーベルト(年1ミリシーベルト)以下にする目標を達成できなくても、一人ひとりが線量計を身につけ、実際に浴びる「個人線量」が年1ミリを超えないように自己管理しながら自宅で暮らす提案をしていたことが分かった。



 田村市都路(みやこじ)地区は避難指示解除準備区域に指定され、自宅に住めない。政府が計画した除染作業は一通り終わったが、住宅地は平均毎時0・32〜0・54マイクロにとどまり、大半の地点で目標に届かなかった。政府は今月23日に住民説明会を一部非公開で開いた。



 朝日新聞が入手した録音記録によると、住民から「目標値まで国が除染すると言っていた」として再除染の要望が相次いだが、政府側は現時点で再除染に応じず、目標値について「1日外に8時間いた場合に年1ミリを超えないという前提で算出され、個人差がある」と説明。「0・23マイクロと、実際に個人が生活して浴びる線量は結びつけるべきではない」としたうえで「新型の優れた線量計を希望者に渡すので自分で確認してほしい」と述べ、今夏のお盆前にも自宅で生活できるようにすると伝えた。



 説明会を主催した復興庁の責任者の秀田智彦統括官付参事官は取材に「無尽蔵に予算があれば納得してもらうまで除染できるが、とてもやりきれない。希望者には線量計で一人ひとり判断してもらうという提案が(政府側から)あった」と述べた。除染で線量を下げて住民が帰る環境を整える従来の方針から、目標に届かなくても自宅へ帰り被曝(ひばく)線量を自己管理して暮らすことを促す方向へ、政策転換が進む可能性がある。



 環境省は取材に対して説明会での同省の発言を否定した。録音記録があり、多くの住民も証言していると伝えたが、明確な回答はなかった。

2013年6月29日 朝日新聞デジタル


そりゃいくらなんでも公式には認められませんが、それは多分ちょっとばかり遅いか早いかという問題にしか過ぎません。つまるところ大変ありがたいことに新型の線量計を頂けるのです。

チェルノブイリ以降、近隣各国では個人用線量計のマーケットが発達しました。そんなわけで2年前にはみんなあわてて買おうとしたわけですが、僕なんかベラルーシだか何だかの輸入品なんかちょっと買わなかったもんで、というのもそのうち国産の良いのが出るんじゃないかなんて甘い期待を抱いていたのが大間違い、堀場製作所が十万円以上のを出しましたけどずっと後になんなきゃ手に入らないとかいう話だったんで、結局ドイツの科学は世界一ィィィィィィというわけでドイツのを買ったらやっぱりこれも15万円くらいしまして、もちろん個人で買ったんじゃありません。会社の備品として導入したんです。

ところで政府が「住民」に配布するのはまさかその手の環境線量を測定する器械ではないでしょう。用途からしてそれは原子炉などで作業する人が身につけているタイプの個人用線量計であるはずです。警報の鳴るやつです。積算して1mSvになったら警報が鳴るんですから何をおいても逃げ出さなければなりません。

ところで政府がいっている目標値「0.23μSv」とは「1日外に8時間いた場合」であって「個人差がある」ので「実際に個人が生活して浴びる線量は結びつけるべきではない」んだそうですが、要するにつまりこれは0.23μSvであっても場合によっては年間1mSvを超えることがあるという意味です。

そこへ持って来て実際の環境線量は0.32μSvとか、「目標」の倍以上の0.54μSvだとかいう話ですから到底普通に人が住める環境ではありません。てゆーかこの「0.54」という数値も何だか怪しいもんで、これはちょうど9割になっています。何の9割かといういうと放射線管理区域なんですが、しかし9割というとほとんどこれは10割というのとあまり変わりがありません。身長の9割まで水に浸かっているようなもんで、よっぽど頭の小さいモデル体型のような人でないかぎり溺死することになっています。

政府は放射線管理区域に人を放り込んでそこで生活しろというわけですが、それではあまりに可哀想だというので多大なる温情をもって線量計を賜るんだそうで、あとは「自己管理」てゆーか要するに自己責任でどうにかしろという、国民が感涙にむせぶような提案を行ったようです。なかなかどうも大胆過ぎる提案であると言わざるを得ません。どこの世界に他人に線量計を渡して放射線管理区域で生活しろと言う人がいるというのでしょう。

どこって日本にいたわけですが、これを極めてアッサリと「被曝(ひばく)線量を自己管理して暮らすことを促す方向へ、政策転換が進む可能性がある」などと書く人も大分心臓だと言わざるを得ません。得ませんので書きましたが、しかし、アッサリだろとシジミだろうと政府の政策はそのように「転換」、てゆーかもしかして最初からそのつもりだったのかも知れませんが、そっちの方に行く見込みです。なにしろ核事故はこれからも起こる予定なんですから、今のうちに安上がりな「解決」法を考えておくに越したことはありません。

そんならそれでも良いのかも知れませんが、仮に、てゆーか必ずこれは起こるのですが、1mSvに達した人はどうすんのよ、ということが大変に気になります。政府はその点に関して何も言っていないように見えます。しかし多分、何も言及していないわけではありません。政府だってバカではありませんから、てゆーかそのはずですから、ちゃんと考えています。どう考えているかと言うと、それは「自己管理」です。

この点において核発電を推進する政府はブラック企業元経営者を擁立する与党と一体です。自民党はもう起こった核事故についても、これから起こる核事故についても、労働者が遭遇する想像を絶する非人間的な処遇についても共通した政策を持っているのであって、それは自己管理、自己責任ということです。したがって年間被爆線量が1mSvに達してしまった人に対する政策は、そのまま線量計を見詰め続けながら被曝しているか、さもなきゃ自殺しろ、ということになるのです。
posted by 珍風 at 20:45| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

電車で拷!

女性のヒールに踏まれないように気を付けます(いや踏まれてみたい気も少し)。
http://blogs.yahoo.co.jp/hikaru_tamura_y_netid/16500892.html


「ママーなんでおとながいるのー?」
「こら!指差しちゃいけません!」
http://orange.ap.teacup.com/rascal1017/148.html


両足を髪の長い女がつかんでいたのです
そして彼女は言いました
『次降ります・・』
http://ameblo.jp/reversible/entry-10003447962.html


この前、電車でふと顔を上げると、目の前の女性の携帯ストラップが覆面レスラー(顔)だった。
http://jasakura.blog113.fc2.com/?m&no=39


このように電車は危険が一杯なんですからせいぜい気をつけるに越したことはありませんが、女性の服装が開放的になる夏ですから電車に西瓜が乗っていることに誰も気がつきません。


日立、スイカの乗車履歴を収集・分析 JR東日本と提携


 日立製作所は27日、鉄道の乗車履歴を収集・分析するサービスを7月1日に始めると発表した。東日本旅客鉄道(JR東日本)と提携し、ICカード乗車券「Suica(スイカ)」の約4200万枚のデータをもとに駅施設の利用状況を予測する。小売業や飲食店に売り込む。将来は首都圏の私鉄の「パスモ」など他の交通系ICカードへの応用も検討する。

 分析するのは改札の通過データ。個人情報や購買履歴は含まない。利用者の性別や年代、乗降時間帯などを集め、駅の集客力や潜在的な商圏、周辺居住者の規模を分析する。月単位でリポートを作成、駅周辺の小売りや飲食店、不動産業者などに活用してもらう。料金は10カ所の駅を分析する場合で年500万円から。

2013年6月27日 日本経済新聞


「分析するのは改札の通過データ。個人情報や購買履歴は含まない」そうです。つまりこのサービスで提供されるリポートには個人情報や購買履歴は含まれていません。なぜならこれは「小売業や飲食店」「不動産業者」を相手にしているからです。

日立製作所のニュースリリースによれば「東日本旅客鉄道株式会社(代表取締役社長 : 冨田 哲郎/以下、JR東日本)から個人情報を含まない交通系ICカード「Suica」の履歴情報の提供を受け」ることになっているようですが、「日立はこれまで、主に首都圏エリアを網羅する交通系ICカードの膨大な履歴情報に着目し、JR東日本との共同研究などを通じて、交通系ビッグデータ利活用に関する知見を深め、ビッグデータを利活用したサービスの事業化を検討してき」た経緯から、かなりの情報が共有されているのではないかと思われます。

実際のところここで「含まない」とされている「個人情報」は「氏名」だけのようで、性別と生年月日及び住所の情報が利用されることが明らかにされています。それらのデータを分析して、例えばある駅では若い女性が何時頃によく通るとか、それは近所に住んでいる人なのかそれとも近所の会社に勤めている人なのか、それじゃあ逆にその人たちはどこから来るのか或はどこへ行くのか、などという便利な情報が得られるわけです。

これを企業に販売するというんですが、現在でも「エキナカ」などと言って周辺の飲食店などを圧迫しているクセに何が年500万円よりだ、と思う人も多いことでしょう。もっとも、小規模な飲食店などではちょっと外を気をつけていれば「駅の集客力や潜在的な商圏、周辺居住者の規模」などはまあ大体分かるようなもんですから無駄なお金を出すには及びません。

むしろこれはちょっとした宣言です。日立とJRは毎日多数の駅を多数の人間が通過していく度に増え続ける膨大な情報を処理する事を可能にする物理的・技術的条件をクリアしました。よろしくね。「今後」は「幅広い分野のデータを視野に入れたビッグデータ利活用を推進し」ていきますわよ。

考えてみればこれはむしろ「遅い」と言ってもいいのかも知れませんが、飽くまで個人別の履歴の集積ですからデータはやたらと大きいのです。流行の「ビッグデータ」は完全な個人トレースを可能にしつつあります。むしろ膨大なデータの集積から意味を取り出すよりは個人を追っかける方が人間の発想としては簡単だったりします。そのデータの量たるやペタだかエクサだかゼタだか知りませんが、誰が現時点でどこで何をしているのかがリアルタイムに把握できる世の中もヨタ話ではありません。
posted by 珍風 at 07:46| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年06月20日

みんなのプリズム天国

「非米」かと思ったら「売国奴」だそうで

スノーデン氏は「売国奴」=中国関与の可能性も−前米副大統領


 【ワシントン時事】チェイニー前米副大統領は16日のFOXテレビの番組で、当局の情報収集活動を暴露した元中央情報局(CIA)職員エドワード・スノーデン氏について、米国民の安全を脅かす「売国奴だ」と強く非難した。現在の滞在先が香港であることに関し、中国が暴露に関与した可能性があるとの見方も示した。


 チェイニー氏は、スノーデン氏の守秘義務違反は犯罪に当たると強調。今回の暴露について「米国の安全保障に重大な損害を与える機密漏えいとして、記憶に残る限り最悪のケースだ」と語った。


 また、「中国というのは普通、自由を求める人間が行きたがる場所ではない」と指摘。「事前に中国側と何らかの接点を持っていた疑いがある」と述べるとともに、スノーデン氏がまだ公にしていない情報を中国側が得ている恐れがあると懸念を示した。

2013年6月17日 時事


まあ最近では米国というのも自由を求める人間が行きたがる場所ではなくなりつつあるわけですが、「売国奴」のことをこの国の言葉では「betrayer」と言うそうです。この「betray」とは「裏切る、騙す」「約束を破る」「敵に売る」などの意味で使われる他に「秘密を漏らす、密告する」という意味でも使われますから、チェイニーさんは単に「暴露した」人のことを「暴露した人」と呼んでいるだけである可能性があります。

この他にも「無知や弱点をうっかり表す」とか「お里が知れる」なんて意味もありますから、橋下徹さんや高市早苗さんもこの言葉に当てはまると思われますので注意が必要です。まあお二人の場合は「うっかり」どころか年がら年中のべつまくなしですから正確に言うと「betrayer」には当てはまらないのかも知れません。

このように英語というものは難しいのですが、アメリカとイギリスでは何とか使いこなしているという話であります。行ったことがないので分かりませんが、そういうことになっているので危ない核装備廃人も英語の仲間に入れてもらいたいようです。しかしアメリカがあまり相手にしてくれなかったのでイギリスに助けを求めて何とかなったのかどうかわかりません。

情報交換協定に合意 日英首脳 防衛装備共同開発も

 
 【ベルファスト=原田悟】安倍晋三首相は十七日午前(日本時間同日夜)、主要国(G8)首脳会議が開かれる北アイルランド・ロックアーンに入り、開幕前に議長国・英国のキャメロン首相と会談した。両首脳は防衛・安全保障分野で、軍事機密情報などを交換する情報保護協定の締結と、日本として米国以外で初となる防衛装備品の共同開発で合意した。

 安倍首相は、日英両国の企業関係者らが犠牲になったアルジェリア人質事件で、両国が緊密に情報交換したことに触れ「協力関係を深化させたい」と強調。キャメロン首相も同調した。装備品共同開発では、化学防護服の性能評価方法に関する共同研究を実施していくことを確認した。

 経済分野では、交渉が始まった日本と欧州連合(EU)の経済連携協定(EPA)に関し、両首脳は早期締結へ連携していく必要性で一致。安倍首相が自らの経済政策を説明したのに対し、キャメロン首相は「経済再生の取り組みを高く評価する」と述べた。

2013年6月18日 東京新聞


「防衛・安全保障分野」というほとんど無際限なまでに広大な領域で軍事機密情報「など」を「交換」するんだそうですから、日本からもその「など」を提供しなければならないことになりました。もちろんアメリカからも、イギリスを通じて、たくさんの「など」がもらえるはずです。そして日本にも多くの「など」が存在するものと思われています。しかし実際にはどうなのでしょうか。アメリカに献上するような量質共に優れた「など」を提供できるかどうかが鍵です。

この点、日本では立ち後れの感が否めません。いや、本当のところはどうだか知りませんが、なんだか今日からやるんだとか言うんですが

自民党がネット監視の専任チームを発足、誹謗中傷には法的手段も
玄 忠雄=日経コンピュータ


 自由民主党は2013年6月19日、参議院議員選挙でネットを活用した選挙活動を推進する特別チーム「Truth Team(T2)」を発足させた。主な業務は、自民党と立候補予定者79人に対するネットでの書き込みを分析、監視すること。書き込みの分析結果は毎日、立候補者に伝えて、機動的な選挙活動やネットでの情報発信に役立ててもらう狙いだ。Truth Teamという名前はバラク・オバマ米大統領が大統領選で立ち上げた「Obama Truth Team」にちなむという。

 チームのトップにはIT政策を担当する平井卓也衆議院議員が就任した。チームは自民党のネットメディア局の議員約20人のほか、選挙スタッフやITベンダーのスタッフらで構成する。顧問弁護士2人も参加し、誹謗中傷の書き込みを発見した場合は、速やかに法的手段を取ったり削除要請をしたりするかを協議し、決断できるようにする。立候補者らがアカウントを持つFacebookやTwitter、ブログのほか、2ちゃんねるなど一般の掲示板も分析、監視の対象にする。

 選挙のコミュニケーション戦略を担当する小池百合子広報本部長(衆議院議員)はチーム立ち上げの理由を「誹謗中傷への対応だけでなく、(ソーシャルメディアを)インタラクティブに活用していくため」と解説。チームを指揮する平井卓也議員は「自民党は野党に転落した2009年から(口コミ動向を把握する)ソーシャルリスニングに取り組んできた。口コミが一気に増える今回の参議院選挙は、大量のデータを収集する絶好の機会だ。選挙後も分析を継続し、選挙活動のほか政策立案にも生かしていきたい」と意気込みを語った。

 平井議員によると、ソーシャルメディアの活用方法は各候補者の自主性に任せ、チームは分析結果の配信や誹謗中傷の早期発見などに徹するという。また「口コミ分析に基づいた当落予測や対策はやらない」としており、基本的には各候補者の活動を後押しする役割を担うことになる。

 党本部ビルにはチーム専用の部屋を設けて、分析結果をビジュアル化する大型ディスプレイや、選挙区に散っている候補者やスタッフらと議論するためのビデオ会議の設備などを導入した。立候補者全員にタブレット端末を配り、毎日配信するレポートを同端末で見ながら、情報発信などに役立ててもらう。

 チームには技術支援でITベンダー6社が参画した。タブレット端末やOSなどIT基盤を提供する日本マイクロソフト、分析システムなどを動かすクラウドを提供するセールスフォース・ドットコム、口コミ分析に強いホットリンクやNTTコム オンライン・マーケティング・ソリューション、口コミ監視のガイアックス、口コミ分析やネットでのPR戦略などに強いパースペクティブ・メディアである。

2013年6月19日 日経コンピュータ


「法的手段」で人を脅かすにもユニクロは自分でやらなければならないのにワタミは自民党がやってくれる、という点も確かに大事ですが、むしろ「口コミが一気に増える今回の参議院選挙は、大量のデータを収集する絶好の機会」であることにご注目です。データは大量ですが顧問弁護士は2人しかいません。訴訟や削除要請はこのプロジェクトの主要な目的ではないのです。

つまりイキナリ訴えられたりはしないかも知れませんが、間違いなくデータは収集されます。その対象は「立候補者らがアカウントを持つFacebookやTwitter」に止まらず、「ブログのほか、2ちゃんねるなど一般の掲示板も」、つまり一般の人々が書き込む可能性のある全てのネットメディアの形式を対象として、自民党への「誹謗中傷」即ち不都合な「Truth」の流通を「分析、監視」します。

当面はデータ収集に徹するんだそうですので、これが直ちにあなたや僕がホームの端っこに立ったり電車の中で女の子の隣にボーッと突っ立っているのは考えものである、ということを意味するのかどうかは知りません。しかしデータは「インタラクティブに活用」されるとも言われています。「活用」されるのが「ソーシャルメディア」であるというのは日経コンピュータの玄忠雄さんが勝手にカッコの中に書いたことですから、「インタラクティヴ」が何らかのメディアを媒介した間接的なもののみであると考えるのは早計かも知れず、鉄拳や金属バットや無言電話や未来から来た謎の裸野郎やグニャグニャ男ではないとは誰も言っていないことも確かです。ちなみに反撃の仕方は「各候補者の自主性に任せ」ることになっているので何があろうとも自民党としては何ら責任を負う必要はありません。

この「ネットを活用した選挙活動を推進する」チームが選挙後も活動を継続することも明らかにされています。そして考えてみれば選挙というのはあちこちでしょっちゅうあるものですから、この監視組織が活動を終了することはないでしょう。この殺人ロボットが登場する映画にちなんだ名前を持つ日本版PRISMは「国民の安全」を守るんだとかいう大義名分すらもはや必要としていませんが、マイクロソフトも関係していますからバックドアの鍵も手中にしているのです。
posted by 珍風 at 00:37| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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