2006年04月29日

治安維持法施行81周年記念法案

それにしてもうちの奥さんは今頃どこで何をしているのでしょうかって、もう夜も遅いですし、「どこで」というのはともかくとして、「何を」というのはだいたい想像がつこうというものであります。まあ、そういうことはお互い様でありますから別にいいんですが、「共謀罪」の適用を「国際的な犯罪」に限定することについては法務省が反対をしているわけであります。

Q5 国際組織犯罪防止条約に基づく法整備なのですから,組織的な犯罪の共謀罪の対象を国際的な犯罪に限定すべきではないのですか。

国際組織犯罪防止条約は,国際的な組織犯罪に対処するための国際協力の促進を目的としていますが,組織犯罪に効果的に対処するため,各締約国が共謀罪を犯罪とするに当たっては,国際的な性質とは関係なく定めなければならないと規定しており,このような国際性を要件とすることはできません。
実際問題としても,例えば,暴力団による国内での組織的な殺傷事犯の共謀が行われた場合など,組織的な犯罪集団が関与する重大な犯罪から国民を守る必要が高いものについては,国際的な性質を有しないからとの理由で処罰できないというのは,おかしな話です。


おかしな話をしているのはどっちでありましょうか、おもしろい話をしているのはこっちですが。おもしろくない?努力しております。なんとかしますから、そのうち。ひとつ長い目で見て頂くことが肝心です。それにしても「暴力団による国内での組織的な殺傷事犯」が実際に行われたところで、「処罰できない」ことがあるんじゃないかという気もしないでもないのですが、例えばかつては労働組合なんかを対象にしてそういう「事犯」があったりとか?もっとも労働組合員とか市民運動とかは「国民」に含まれていないのかも知れませんが。やりもしない「暴力団」の取締を持ち出すなんて「おかしな話です」。でもおもしろくありません。山田君、座布団全部持ってっちゃって。

法務省のQ&Aは「国際的な組織犯罪」、「暴力団による組織的な殺傷事犯,悪徳商法のような組織的詐欺事犯,暴力団の縄張り獲得のための暴力事犯の共謀等」を防止するとの目的があるかのように述べられているもので、まるで「共謀罪」が「防犯」の役に立つかのように見せ掛けているわけです。そしてこれはある意味で正しいのです。なぜなら「防犯」とは今だ犯されていない犯罪の犯人を捕まえることに他ならないからなのです。

「防犯」においては、犯罪の完遂を防止することは勿論、その着手から遠くない時点で中断させること、できれば犯罪の着手そのものを防止することが目指されます。そのためには今まさに犯罪に着手しようとしている人間を捕らえること、理想的には犯罪の開始を決意したその瞬間において身柄を拘束して行動の自由を奪うことが必要です。そしてそのためにはまず、全ての人間が現在、どこで何をしているかを把握することが極めて大切です。この方向では現在既に様々な対策が実行されています。

テロ対策:地下鉄駅の顔認証実験を初公開 国交省など
 鉄道機関を狙ったテロ対策として顔認証システムを検討している国土交通省などは28日、東京メトロ霞ケ関駅で、実際にカメラを使った実験を報道陣に公開した。本実験は同駅改札口1カ所だけを使って5月1日から開始し、技術の信頼性を検証する。プライバシーへの批判を考慮して、実験では一般の乗降客を映さないことにしたが、市民団体は「議論がないまま、既成事実を作ろうとしている」と反発している。
 実験は、財団法人・運輸政策研究機構が主催する研究会が実施し、国交省なども参加、警察庁はオブザーバーで参加している。改札口は、千代田線内幸町口改札の一つを実験専用とし、高さ約2メートル30センチの位置に設置されたカメラ(約200万画素)2台で撮影する。通行人が、事前に「危険人物」として登録したデータと一致すれば警報音が鳴るシステム。5月19日までの平日午後の1時間だけ運用する。
 一方、国交省で28日に会見した「監視社会を拒否する会」共同代表の田島泰彦・上智大教授は「実験を行う前の議論がほとんどない。どういう基準で危険人物と決めるのかや、データの保存期間も分からず、このまま導入されるべきでない」と強く批判した。【長谷川豊】
毎日新聞 2006年4月28日 18時48分 (最終更新時間 4月28日 19時04分)


「プライバシーへの批判を考慮して、実験では一般の乗降客を映さないことにした」のだそうですから、批判されるような悪事をなしつつあるという自覚があるようですが、これが肝心の「テロ対策」にいかほどの効果があるものか、はなはだ疑問であります。東京の地下鉄の改札口の混雑の中で「警報音」を鳴らすんだそうで、布団たたきオバサン程度には迷惑な話ですが、それでどうするかというと多分、そこにいる人間全員に足留めを食らわすんでしょうか?もっともちょっと気の効いたヤツなら、その時すでにそこにはいません。まあそれも、面が割れてるのにのこのこ自ら出掛けて来る「テロリスト」がいればの話ですが。そういうわけですからこのシステムには、みなさんや僕が漫然と通勤したり、奥さんに内緒で女の子と遊びに行っていたりするところの映像が蓄積されるわけです。このデータをもとにある特定の個人の生活パタンがわかるようになりますから、かなり面白いことが出来そうです。たとえば僕の通行するある地点で、僕の通行する時刻に、誰かが殺されてしまうことも出来ます。それじゃ可哀想ですから、誰かが殺されたことにしてしまう、くらいにしておくのが人道的ですね。

もうすでに街中にカメラがあるわけですから、理屈の上ではカメラの台数と監視員の数を増やせば全ての人間の居場所と行動を把握出来るはずです。しかしこれも実際のところチョット難しい。カメラの台数が増えると、壊されたりいたずらされたり盗まれたりするカメラも増えます。修理や交換が追い付きません。そこで実用的なのが人間を監視カメラにしてしまうこと。木村カエラも木村カメラになってもらまいます。木村恒久じゃないんですが。カメラ同士でお互いに監視させあうシステムとして「自警団」や「スクールガード」があり、さらにその隙間を埋めるように相互の密告を推進するために「共謀罪」の新設を図っているところです。ここまで来ると皆が競って「犯罪者」をあぶり出してくれるので、「危険人物」のリストも大変充実します。

しかし問題は田島泰彦教授がおっしゃるとおり、「どういう基準で危険人物と決めるのか」というところです。これがはっきりしないと自警団は誰をリンチにかけてよいのかわからず、密告者は誰をチクればいいのか判断に困ってしまいます。これでは地下鉄のシステムもどの顔に警報を出せばいいのかわからないので、のべつまくなしに騒ぎ立てて遂には止められてしまいます。肥後ずいきじゃなかった随意契約もこれでは丸っきりの無駄遣いです。

「犯罪」は刑法などで規定されますが、さて「危険」とは何でしょうか?あくまで「防犯」のためですから、犯罪を発見するのではなくて、犯罪には至らない何らかの偏向や逸脱を評価する基準が必要になってきます。現在提出されている教育基本法改定案は、学校教育を通じて全ての国民にこの基準を与えるものと期待されています。早い話が、学校が警備員の養成所になるようなもんです。ビンボー人にはお似合いの職業ですね。

そういうわけで「防犯」にむけて大きな一歩をしるすのが「共謀罪」なのだそうです。5月9日には参考人質議だそうですが、強行採決なら12日の金曜日はいかがでしょうか。治安維持法施行記念日ですよ。星座が一緒だから性格も同じに違いない。牡牛座は保守的な性格なんだそうで。そーか、なるほど。第一印象は柔和でやさしい。うーん、やっぱり占いなんてデタラメだ。
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2006年04月28日

日米安保54周年記念法案

国会でなにか大事なことが行われる時には皆で協力しあうことが大切です。

姉歯元建築士・木村元社長・藤田社長ら8人を逮捕
  耐震強度偽装事件で、警視庁と神奈川、千葉両県警の合同捜査本部は26日午前、元1級建築士・姉歯秀次(48)、「木村建設」(熊本県八代市、破産)元社長・木村盛好(74)、民間の指定確認検査機関「イーホームズ」(東京都新宿区)社長・藤田東吾(44)の各容疑者ら計8人を逮捕した。(読売新聞)


ここら辺から始まって、この件はいろんなネタがどんどん流されるわけなんですけども、こんな国民的な人気者も登場します。

堀江被告94日ぶり保釈、検察側の準抗告棄却
 ライブドアグループの証券取引法違反事件で、同法違反の罪で起訴され、拘置中だったライブドア前社長・堀江貴文被告(33)が27日、保釈された。
 東京拘置所から出るのは、1月23日の逮捕以来、94日ぶり。
 堀江被告は保釈直後、報道陣に向かって「世間をお騒がせし、申し訳ございませんでした。株主、従業員、関係者の皆様、ご心配をお掛けしました」「大勢の方に励ましをいただき、ありがとうございました」と述べ、頭を下げた。
 東京地裁は26日にいったん保釈を認める決定をし、堀江被告は保釈保証金3億円を納付。検察側の準抗告を受け、同地裁の別の裁判部が審理していたが、27日、準抗告を棄却し、改めて保釈を認める決定をした。
 堀江被告は、起訴事実を否認していることなどから過去2回の保釈申請は却下され、今月10日、3回目の保釈申請が出ていた。
 東京地裁は、同事件で堀江被告についてのみ、初公判前に争点を絞り込む公判前整理手続きを適用。25日には、検察側が公判で証明する予定の事実を記載した書面、弁護側はこれに対する認否を示す書面を、それぞれ同地裁に提出。このため同地裁は、保釈しても証拠隠滅の恐れが小さいと判断したとみられる。
(読売新聞) - 4月28日1時18分更新


わざわざタイミングをずらす念の入れ様はさすがプロフェッショナルの仕事ですね。容疑を否認してる者を保釈するのはちょっと珍しいかな?まあ、お父さんだかお兄さんが助けてくれたんでしょう。お母さんとやっちゃったんだね。そしてもちろん「国際的な共謀」ということですから、アメリカからはプッシー大統領じきじきの応援です。

米大統領、家族と面会へ 拉致問題重視
 【ワシントン26日共同】ブッシュ米大統領が、北朝鮮による拉致問題の早期解決を訴えるため訪米中の横田めぐみさんの母早紀江さん(70)らと面会する方向で調整していることが26日、米政府関係者の話で分かった。面会は28日午前(日本時間同日夜)にもホワイトハウスで行われる見通しだという。
 米大統領が拉致被害者の家族と面会するのは初めて。米国が北朝鮮の反発を覚悟で、拉致問題を重要視していることを示すことになる。
 家族会の増元照明事務局長(50)は「拉致問題に対する米政府の関心の高さを肌で感じている。大統領との面会はとても意義のあることで、北朝鮮に対する圧力になる」と話した。
(共同通信) - 4月27日12時15分更新


その一方では、テレビではほとんど取り上げないように圧力をかけているという噂であります。民主党としては適用対象を「組織的犯罪集団」による「国際的な犯罪」(しかしまあなんとでも運用出来るようなもんですが)であって「上限が懲役・禁固5年以上の犯罪」に限ることによって警官を過労死から守る一方、「予備行為」の存在を要件にしてスパイの仕事を増やすという対案を出しているわけですが、与党は28日に採決するつもりでいるようです。ということは与党案のまま成立してしまう可能性もあるというわけで、そんなことにでもなったら4月28日は記念日ですな。実は今日はサンフランシスコ講和条約の発効日にして日米安全保障条約の発効日なのでした。
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2006年04月23日

1億2千万の投降者

さて今回与党としては修正案として「共謀」に加えて「犯罪の実行に資する行為が行われた場合」であることを要件とし、さらに適用対象を「その共同の目的がこれらの罪を実行することにある団体」に限定することにした模様です。勿論、この「団体」は届出制でも許可制でもないので、「団体の目的」の欄に「犯罪」とか書く必要はございません。おそらく「謀議」の「成立」すなわち「合意」と同時に発足したとみなされるところの、極めてフレキシブルというかアド・ホックというか、いうなればつまるところが御都合主義的に認定される「団体」であります。いうまでもなく「団体名」も必要ありませんし、責任者その他組織上の決まりごとも、もし必要ならば警察の方で「推定」してくれますので大助かりです。

「犯罪の実行に資する行為」とは何のことなのか、それは「予備行為」なのか「顕示行為」なのか、それとも野蛮国の風習であろうところの「オバート・アクト」まで広げるものなのかよく分からないんですが、「犯意を推定させる行為」ぐらいだったらなんとでもなりそうなものですし、わが国の優秀なスパイは必要とされるだけの「行為」を自ら買って出ることでしょう。誰かひとりがやればいいんですから。どうも与党の「修正案」とかいうものは無用の字句を付け加えただけであり、「団体」を認定し、ささいな「行為」を見つけるために必死で働かなければならないお巡りさんの過労死はやはり必至のようであります。

そんなお巡りさんにとって唯一の慰めが、英霊として靖国神社に祀られることでしょう。なにしろこれは国内に潜伏する1億2千万のテロリストとの戦いなのであり、たとえ酒席の冗談に翻弄されようともその過労死はお国のための立派な戦死であり、「平和」のための尊い犠牲に他なりません。これを靖国に祀らないでなんとする。スパイ諸君も、「死して屍拾う者なし」と言いますが、死体は犬にでも食わせるとしても、これも同様に靖国の神の一柱であります。安心して殺されましょう。

事は戦争ですから、当然僕たち一般の国民は「敵」ということになります。「国賊になったおぼえはないッ!」という人もいるに違いなのですが、あちらが勝手に宣戦布告して来ているので仕方ないのです。そーゆーのヤな人には「投降」の機会が与えられておりますので御安心のほどを。「戦陣訓」には「生きて虜囚の辱を受けず、死して罪禍の汚名を残すこと勿れ」と言われていますが、これはあくまで「皇軍」の軍人さん向けの話でありまして、「敵兵」にはむしろ「虜囚の辱」へのまんこが広く開かれています。あ、打ち間違えた(わ、わざとらしいことを)。しかし「国」という字は、こう、穴というかがあって、中に「玉」がありまして、おまんこにそっくりであります。恥ずかしくて書けません。というのは嘘であることはごらんの通りですが、「投降」のキーワードは「愛国心」ですから覚えておきましょう。付箋に書いてモニタの横に貼っておくか、この画面を保存して下さい。これは「ちりとてちん」と訓むのですが、その意味するところについては下らない議論が沢山あるようです。しかし本当のところは「両手を挙げて出て来なさい」という位の意味です。どこから出て来るのかよくわかりませんが。普通は白旗をかかげるものとされていますが、この場合は旗のまん中に赤い丸を描きます。理由はいうまでもなく、単なる白旗だと背景にまぎれて見えにくいからです。雪の中だったらどうしますか。さすがに豪雪地帯を擁する日本の知恵と言うべきでありましょう。捕虜になると、まず全裸にされて、身体検査です。もちろんお待ちかねの肛門の検査も特に念入りに行われることになっていますので御期待下さい。続いていろんな「辱」が用意されているはずですが、考えただけで先っぽがグッショリです。
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2006年04月22日

1億2千万の密告者

全国1億2千万(ぐらい)のテロリストならびに犯罪者諸君!いかがお過ごしでございましょうか。当地では金曜の夜だというので、タコがちょっとばかしお過ごしになられて、勢いに任せて乱暴狼藉暴行脅迫。これがホントの狂暴罪。

自民、共謀罪法案を強行に審議再開
 殺人など重大犯罪の実行行為がなくても謀議に加わるだけで処罰可能な「共謀罪」新設を柱とした組織犯罪処罰法改正案は、21日の衆院法務委員会で審議を再開した。民主党は委員会を欠席しなかったものの法案には強く反対。与党は今国会での成立を目指すが今後、与野党の綱引きが激化しそうだ。
 改正案は「犯罪と関係ない市民団体の規制につながる」と日弁連などが強く批判しており、3回目の提出となった昨年の特別国会でも継続審議となった経緯がある。
 与党側が審議再開を「強行」した背景には、今国会の会期延長はないとの見方が広がる中、審議を加速したい思惑がある。この日の日程も理事会で多数決で決定、野党側は「過去に例のないやり方だ」(民主党国対)と反発、杉浦正健法相らの提案理由説明に対し、野党議員からは「横暴だ」などと怒号が浴びせられた。
 さらに委員会後の理事会では、民主党が今後の日程協議を拒否して退席した中で、自民党の石原伸晃委員長が職権で25日の質疑を設定、強気の姿勢を崩さなかった。
 民主党は「(反対も)やり過ぎると『ただの抵抗政党だ』とのレッテルを張られる」として「欠席戦術」は見送り、独自の修正案を提出する方針。ただ鳩山由紀夫幹事長は21日午後の記者会見で「与党が強行してくるなら、もっと慎重に審議を行うべきだという主張を強めていく」と強調した。
日刊スポーツ[2006年4月21日20時52分]


イキナリで申し訳ありませんが、「殺人など重大犯罪」というほどのモノでなくても十分適用を受けますので、スポーツ新聞だからといって東スポの真似をしてデタラメを書かないように願いたいものです。第一面白くありません。民主党も、この法案に関しては「ただの抵抗政党」でいいんですよ。なに寝ぼけたこと言ってやがる。

多くの人々が、この法律によって犯罪と無関係の活動を抑制されるとの懸念を示していますが、しかし、ある行為が犯罪と関係あるかないかを決めるのはどこのどなたでありましょうか。法務省は「国民の一般的な社会生活上の行為が法案の共謀罪に当たることはない」などとお座なりを言っているようなのですが、「国民の一般的な社会生活上の行為」というのがどっからどこまでなのか、別段どこかで規定しているわけではないでしょう。具体的にはお巡りさんがその都度テキトーに判断するしかありません。ところでお巡りさんの判断というものが、人を誘拐して暴行し、脅迫して金を奪い、監禁するぐらいまでは「国民の一般的な社会生活上の行為」に入るという、はなはだどうもやたらと範囲が広かったり、そうかと思うとカッターナイフ所持の咎を受けて逮捕してみたりという、「一般的な」想像を絶した謎の世界、測り知れない「心の闇」というかなんというか、頭がどうかしているのでなければ悪意をもってやっているとしか言い様のない、実際にはその両方だったりするというシロモノでございまして。

と思ったのもつかの間、「共謀罪」の概念がそもそも「行為」を対象にしたものではないことに気が付いてしまいました。「共謀」は行為としては会話に過ぎません。「共謀罪」を構成するのはそのお話の中身なのです。例えばよく例に引かれるのは、会社の同僚と一杯やりながら、社長を殺して部長を殴り社長の秘書兼愛人である綾子ちゃん(仮名)を裸にして縛ってうんこを食べさせるにはどうしたらよいか話し合うようなことがよくありますが、これなどお酒を飲んでちょいとオシャレな会話を楽しむという、なるほど「国民の一般的な社会生活上の行為」に他ならないものの、いったんこれを僕の出世を妬む同僚の伊那島(仮名)が警察に密告するならば、今度はこの会話の中身だけが問題にされるわけで、そうするともう立派に「共謀罪」なわけです。そういうわけで法務省のど下手な言訳は通用しないことになってしまいました。それにしても何故部長まで殴られなければならないのか。

このようにして、「共謀罪」、これ詳しく書くと「犯罪の国際化及び組織化並びに情報処理の高度化に対処するための刑法等の一部を改正する法律案」とかいうもんで、第1条で刑法、第2条で刑事訴訟法、第3条が「組織的な犯罪の処罰及び犯罪収益の規制等に関する法律」の一部改正を定めようとしているものでして、その第3条において

「第六条の次に次の一条を加える。
(組織的な犯罪の共謀)
 第六条の二 次の各号に掲げる罪に当たる行為で、団体の活動として、当該行為を実行するための組織により行われるものの遂行を共謀した者は、当該各号に定める刑に処する。ただし、実行に着手する前に自首した者は、その刑を減軽し、又は免除する。
 一 死刑又は無期若しくは長期十年を超える懲役若しくは禁錮の刑が定められている罪 五年以下の懲役又は禁錮
 二 長期四年以上十年以下の懲役又は禁錮の刑が定められている罪 二年以下の懲役又は禁錮
 2 前項各号に掲げる罪に当たる行為で、第三条第二項に規定する目的で行われるものの遂行を共謀した者も、前項と同様とする。」

というのですが、そもそも「組織的な犯罪の処罰及び犯罪収益の規制等に関する法律」において「組織」とか「団体」の定義が曖昧な上に、単なるお話し合いを犯罪としてしまおうということで、「何時でも何処でも誰でも」とッ捕まえられる夢の法案です。ところがここで一つ問題があります。そんな「共謀」が行われていることをどのように知るつもりなのか?至る所に盗聴器が仕掛けられているというのは本当の事なのでしょうか。多分そんなことはないでしょう。多分、ですが。

実はこの法案、密告を奨励していると言われていますが、世の中それほど甘いものではありません。それは「ただし、実行に着手する前に自首した者は、その刑を減軽し、又は免除する」という箇所ですね。これはスパイ保護規定です。スパイには刑を免除するということです。当然の事です。スパイまで処罰されるんじゃスパイが寝返っちまいますから。一方、いくらなんでも「刑の減軽」くらいの事で自首するような人はいません。黙ってりゃ何でもない、上手くすれば綾子ちゃんのうんこを食べるのが見られる、そいつをビデオに撮っておけば綾子ちゃんは思いのままだ。それを、自首なんかしたら人からは変態の犯罪者と呼ばれ、仲間からは裏切り者と呼ばれ、何処へ行っても爪弾き、お前に飲ませるビールはねえよ。帰えんな。莫大な報奨金でも出せば別ですが、そんな目に遭いたい人はあまりいないでしょうな。僕の出世を妬む伊那島君にしても、そんなことをすれば自分の出世の道が断たれちゃう。それどころかたとえ刑が軽くなったにしても実刑を受けたらどうしますか。ムショ帰りですよ、伊那島君。出所したら出社するのは勝手ですが、君のタイムカードはないだろうね。綾子ちゃんにも嫌われるぞ。

そういうことのようなので、まあ密告なんかしないのが身のためとはいうものの、この規定がそもそも密告の専門家、職業的裏切り者、要するにスパイ、工作員、そういうものが存在すること、既に色々の「組織」、「団体」に潜入していて、活躍の機会を今か今かと待っていること、それを前提していることは明らかでしょう。優秀なスパイは「共謀」が行われるのを待つ必要すらありません。なんのことはない、でっちあげで十分です。とにかく訴えてしまえば、訴訟だの裁判だのやっているうちに結局のところ無罪だったとしても、ターゲットの活動を制限し、あるいは組織の弱体化をはかり、あるいは個人を社会的に葬る、ということが可能なのですから、無罪判決を恐れず、積極的に業務を推進することでありましょう。

しかしこれ、本当に密告が一般的に行われるようになったらどうなるんでしょ。人を信用出来なくなるとか申しますが、とにかくもう何でもかんでも密告してしまう。居酒屋で僕たちの隣の席にいた人が僕たちを密告する。あるいは話の流れがヤバくなって来た、そしてお互いに秘かに敵視しあっている僕たちは、それぞれが「自首」に走る。にこやかに別れた後、全員が駅前の交番に向かってダッシュ。旦那と別れたい不倫妻、奥さんと別れたい不倫夫にも出来ることは沢山あります。夫婦といえども悪を企む「団体」になれます。恨みのある人とは「旨い仕事」の相談をしましょう。するともう相手が信用出来ないですから、双方が密告する。密告が横行する世の中では密告することが最適の選択であり、一刻も早く密告した方の勝ちです。そういう「自首」に、警察は全て対応しなければならないのでしょうか?ならないでしょうな。もしそういうのを無視していて、その中の一つでも「当たれ」ば、また大問題になりますよ。陳謝しないといけない。そいつはイケナイてんですが、なにしろ犯罪を犯す前に、それをやる気がなくても「犯罪」なわけですから、仕事は激増しますね。お巡りさんが過労死する時代がやって来ました。「電車の運転士さん」も「お巡りさん」もあまり良い仕事ではないようです。大きくなったらなんになる?
posted by 珍風 at 12:35| Comment(1) | TrackBack(2) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年04月20日

電車は恐い。痴漢暴力破壊崩壊

昨日は何だか電車の中が暑くって気持ち悪くなって参りましたよ。電車はイヤだねえ、混むし。痴漢暴力破壊が頻繁に行われているようだし。

JR西の日勤教育、過密ダイヤ… 実態、他社と同じ 捜査本部
 兵庫県尼崎市のJR福知山線脱線事故で、尼崎東署捜査本部が、JR東日本や関西私鉄各社などから運転士教育の懲罰性や、ダイヤ編成の過密さについて任意で聴取した結果、JR西日本の実態と明確な差異がなかったことが十九日、分かった。これまで日勤教育や過密ダイヤが運転士の焦りを招き、事故を引き起こした要因として指摘されてきたが、事故との因果関係を立証するのは困難との見方も出ている。捜査本部は会社側の管理責任について慎重に調べを進めている。
 捜査本部は、JR西と他社の実態を比較した結果、他社にも運転ミスに対するペナルティーとして乗務を外して繰り返しリポートを書かせるなどの運転士教育をしているケースがあり、懲罰性についてJR西と明らかな差はみられないことが分かった。
 また、過密とされたダイヤ編成についても、福知山線以上に運行本数が多い路線はJR東などにあるが、多数の死傷者を出す事故は発生していない▽JR西がダイヤを厳守するよう運転士に与えた重圧は他社に比べて突出していない−などを確認した。
(産経新聞) - 4月20日3時42分更新


この記事、一応表面上は「JR西日本の所謂「いじめ」とか「過密労働」といった劣悪なる労働環境はは、他社においても同様に存在する。しかるに他社においては「福知山線事故」のごとき大事故は発生していない。ゆえに劣悪な労働と事故との間に因果関係はない」と言いたいかのようです。さすがは参詣新聞、英霊と資本家の味方、いよッ、大統領でなもんです。

しかしながら見かけに騙されてはいけません。上記報道される事実から引き出される結論は以下のようなものです。

@ 鉄道会社などに就職するものではない。ひどいめにあうぞ。

A 他の鉄道会社においても、いつ大事故が発生しても不思議ではない。

したがって、なるべく電車などには関わらないで生活するのが得策のようです。どうしても必要な場合以外はなるべく自動車を使いましょう。地球温暖化の問題もありますが、こっちが御陀仏になっちゃ仕方ありません。「ゆりかもめ」を見てごらんなさい、運転士がいなくても事故がおこる。あれは止まっちまいましたが、バカな運転士がいてあのまま走らせてたら大事故ですな。

ところが電車に乗らないでは仕事にも行かれないのが現実であります。いやでも乗らざるを得ない。鉄道会社も「乗りたくなきゃ乗るな」てなもんでしょう。とは言いつつも、キセル防止のための仕組みはかなり整備されているんですが、しかしアレは、もともと詰め込み過ぎで走ってるんですから多少不正乗車があったところでどうということはないハズなんですがね。安全対策は儲からないからやっぱりダメでしょうな。尼崎東署捜査本部に幾らお金を使ったか知りませんが、安全運行のためのちゃんとした対策をとるコストに比べればバカ安でありましょうて。
posted by 珍風 at 05:08| Comment(1) | TrackBack(1) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年04月18日

落書きするスペースがいっぱいあるポスターですよ

道に靴が落っこちてるよ。こりゃどう見ても交通事故のポスターだとしか思えないんですが。

「日本は見すてない」――拉致問題でポスター20万枚
 「【拉致】日本は見すてない」――。北朝鮮による日本人拉致問題の早期解決、真相解明への強い思いを表した政府のポスターが17日、完成した。
 拉致問題で政府がポスターを作製したのは初めて。4月下旬から、約20万枚を全国の地方自治体や交通機関、学校、空港などに張り出す。
 ポスターは、海岸に続く道路に子どもの運動靴が片方だけ落ちている構図。約30年前の拉致現場の雰囲気を再現した。全体がセピア色の中、靴のみをカラーとし、今も問題が継続していることを訴えている。
 事前にポスターを見た小泉首相は「非常に端的な言葉で日本政府の決意を見せている。いいじゃないか」と語った。ポスターの評判が良ければ第2弾の作製も検討するという。
(2006年4月17日20時8分 読売新聞)


おそらく「第2弾」を製作するには及ばないでしょう。写真もアレだけどコピーの入れ方もヘンだし、第一このコピーって「私達は」でもいいんですね。「日本は」でも意味はまあ、同じなんでしょうけど、日本には日本国民は大勢、非国民が少しと外国人がいますが、さすがに「日本」なんて人はいません。

と思ったらこれがいるらしいんですね。「日本」という名字の方が。この名字は、今名字のない人が、後で名字をつけなくちゃならなくなった時のために僕が秘かに考えておいてあげたんだが、あるんじゃしょうがない。じゃあ拉致問題はその人に任せちゃいましょうか。本人もそう言っていることだし。

でも今ちょっと本人の意志が確認出来ないので、この「日本」とかいうのは特定誰かの名前ではなくて国のことだと考えておきますが、これだと国の仕組みとしては一応、「見すてない」ことになっているものの、その実、誰一人真剣に考えていないような、そんな感じもしますな。というのもこのコピー、去年の総選挙で民主党が惨敗を喫した折の、またエラく評判の悪かったコピーに酷似しているのですから、悪い冗談にしか見えないわけです。

そんなふうに人から笑われてまで「日本」という、この国家というものの存在感をアピールしようという、拉致をダシにして、そういうセコイはり紙をそこらにやたらと貼るもんじゃありません。だいたい拉致問題なんてえもんは韓国とか中国と協力しあって北朝鮮に対応を促すのが筋で、それをやらないためにわざわざ神社にお参り、おかげで中国なんか面倒に巻き込まれないで済むので喜んでおりますが、さらわれて行った人たちより「英霊」とか「戦犯」のほうを大切にする「日本」が、「見すてない」って言ったって、「見てない」のお間違えでございましょ。
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2006年04月15日

バカのふりをしている(と主張することによって実はバカではないと認めさせようとする)バカ。あ、それは僕です。

「公共の精神を尊ぶ」…教育基本法改正で与党前文案
 自民、公明両党は13日午前、「与党教育基本法改正に関する検討会」(座長=大島理森・元文相)を開き、教育基本法改正で最後の調整事項となっていた前文案について合意した。
 現行法に対し「個人の権利尊重に偏りすぎている」などの批判があることを受け、「公共の精神を尊ぶ」と公共心の育成の必要性を明記した。また「伝統の継承」も教育理念に盛り込んだ。
 検討会では、自民党が教育の基本理念として「公共の精神を尊ぶ誇りある国民の育成を期するとともに、伝統を尊重し、文化の創造を目指す教育を推進しなければならない」との文案を示した。
 これに対し、公明党が「公共の精神を尊び、志を持つ人間に育つことを期する」「伝統の継承と新しい文化の創造を目指す」などの文言とするよう主張した。
 調整の結果、「公共の精神を尊ぶ豊かな人間性と創造性を備えた国民の育成を期するとともに、伝統を継承し、新しい文化の創造を目指す教育を推進する」との案で合意した。
 両党は13日午後に、検討会の上部組織となる与党の幹事長、政調会長らでつくる「与党教育基本法改正に関する協議会」を開き、前文を含めた改正案全文について最終決定し、党内手続きに入る方針だ。
 ◆与党の前文案◆
 我々日本国民は、たゆまぬ努力によって築いてきた民主的で文化的な国家をさらに発展させるとともに、世界の平和と人類福祉の向上に貢献することを願うものである。我々はこの理想を実現するため、個人の尊厳を重んじ、真理と正義を希求し、公共の精神を尊ぶ豊かな人間性と創造性を備えた国民の育成を期するとともに、伝統を継承し、新しい文化の創造を目指す教育を推進する。ここに我々は日本国憲法の精神にのっとり、我が国の未来を切り拓(ひら)く教育の基本を確立し、その振興を図るため、この法律を制定する。
(読売新聞) - 4月13日15時44分更新


前文では「民主的で文化的な国家」を「築いてきた」と称していますが、のっけから相当な疑惑が存在します。事の善し悪しはともかくとして、少なくとも「天皇」なる制度を抱えてしまっている国家は「民主的」と言い切るにはかなりの留保を必要とするのではないでしょうか。「文化的」に至っては語義そのものが良く分かりませんが、「自然」とか「野蛮」の反対の事ですか?「野蛮」てえと「弱肉強食」でもってオカシナ宗教に振り回されてるどっかの国とは違う、とか。まあ「洗練されてる」ぐらいの意味ですか?どこの国の話でしょうか。いずれにしても今後はどうなるか分かりませんが、現状として「築いてきた」はちょっと言い過ぎどころか、単なる嘘八百であります。

このように誤った現状認識の上に立って、この現状の方向性を「さらに発展させる」のはいささか危険なようにも思われますが、自分の足元も覚束ないのに「世界の平和と人類福祉の向上に貢献する」などと威張ってみせるのは大恥をかくもとでしょう。もっとも次の文では以上の全ては「理想」として構想されたものに過ぎず、現状とは一切関係がないことが白状されています。なかなか曲芸的な作文であります。しかし「理想」と言うからには少しくらいはそっちの方向に向かっていても良さそうなものですが、そうでもないようなのですからこれも虚偽の記載だったりします。念には念を入れた嘘の上塗りというものでしょう。

「挙手」「採決」不適切 職員会議で都教委が通知
 都立高校改革を打ち出している東京都教育委員会は14日までに、職員会議について「挙手や採決による教職員の意向確認は不適切」などとする学校経営の適正化に関する通知を都立学校長に出した。
 都教委によると、都立学校の運営については1998年、校長や副校長、主幹らによる「企画調整会議」を中枢機関に位置付け、職員会議は校長の職務の補助機関とした。
 今年1月、都立高校を中心に約260校に学校運営について現状を点検したところ、22校が何らかの問題があると回答。うち7割が職員会議で挙手などによる採決をしていたという。
 都教委は「教職員の意見を聞くことが必要でも、挙手や採決では企画調整会議の機能を否定し、校長の責任に基づく意思決定に影響を与えかねない」とし、通知で明確化することにしたという。
西日本新聞2006年04月14日11時39分


日本の法律なのに「日本国憲法の精神にのっとり」と書いてあるのが気に食わないという、チンプンカンプンな文句をつけている日本会議議員連盟とかいう野次馬連中には朗報です。教育基本法の改定案には前文からして本当の事は何一つ書いてありません。本当のところは北朝鮮の憲法の精神に則ることになっている模様です。

それにしても自分達がやることを「不当」だと言ってみたり、この人たちのやることなすこと滅茶苦茶なのですが、一体全体こいつら学校で何を教わって来たのかと思ってしまいますね。しかし騙されてはいけません。それこそ思うつぼなのです。自らの愚行をもって、そのような愚かさを産み出した現状の教育を批判するのがこの人達の狙いなのであります。だからわざとやってるんですよ。そうに違いない。
posted by 珍風 at 20:15| Comment(0) | TrackBack(1) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年04月13日

のらりくらりと卑怯な手口で金を集めるのもバカ殿様のためです

何かと卑劣な行為が目立つNHKですが、なんともほとほと困ったもんだのNHKであります。今まで支払う義務のなかった受信料、支払義務化の検討に入ったようで。

NHK受信料、義務化も 総務省、放送法改正を検討
 総務省は11日、NHKの受信料制度について、支払いを義務化する方向で検討に入った。受信料不払いが3割にも上っており、視聴者間の不公平感を是正するためで、早ければ来年の通常国会で放送法の改正案を提出する見通し。
 同日開かれた竹中平蔵総務相の私的研究会「通信・放送の在り方に関する懇談会」(座長・松原聡東洋大教授)では、徴収業務の効率化で値下げできる余地があるとの意見が浮上。支払い義務化の具体策や手順などをめぐり、政府・与党内で議論が本格化しそうだ。
 現行の放送法では、視聴者は、NHKと受信契約を結ばなければならないが、支払い義務は明文化されていない。同省は法改正で支払い義務を明確にすることで、不払いを減らしたい考え。未納の割合が減った場合には、受信料の値下げも視野に入れている。
西日本新聞2006年04月12日01時30分


不払の人が3割いるそうですが、このくらいになってくると払っている人は特に何か考えがあって払っているのだと考えられます。不公平だと思う人は払わなければ良いわけで、義務じゃないんですから。受信料徴集人にころっと騙されて「義務なんだ」と思っちゃった人は今まで払った分の返還を求めてはどうか。まあもっともこの「不公平感」はNHKがことあるごとに言っているだけの話で、本当は誰もそんなことは感じていないのかも知れませんが。

しかしながらやはり僕たちみたいなビンボー人には1762万円もの大金を手にするチャンスというものはなかなかありませんから、そういう意味では「不公平」だ!と言って言えないこともありませんが、アレは犯罪ですから。受信料を払わないのとはわけが違います。受信料収入が減少することを「不祥事」といい、会社の金を横領することを「犯罪」と言わなければなりません。

この「支払義務化」も、直接には今回の横領事件を受けて、怒った人たちが抗議の意思表示として受信料の支払を停止することを防止する意味合いがあるわけですが、NHK自身もこの4月から「受信料特別対策センター」を設置したところをみると、このような横領はまだまだ現在も行われている可能性が高いんでしょう。現在調査中のが何件かあるのではないでしょうか。場合によってはそのうちのいくつかは公表せざるを得ず、しかしその度に受信料収入が減っていったらちと困る。横領するお金がなくなっちゃうではないか。

それにしてもバカ殿の言いなりのNHK、僕の言う通りバカ殿に相談しに行ったんでしょうな、エライぞ。それで今回の「義務化」てえもんが出て来たと。そいでもってやれ不祥事だ横領だと騒いでいるうちにバカ殿の「犯罪」の方はすっかり忘れ去られてしまうという案配。そういう意味では大下哲史チーフプロデューサーも大きな功労を果たしたのですから、1762万円ぐらい嗜眠党から出してあげなさいよ。横領事件公表直後にもかかわらず民法連会長まで大賛成しているこの一連の動きはちょいと臭いますな。実はこの放送法の「改正」でもってどさくさまぎれに第3条の2の2項を削除するとか、あるいは政府(バカ殿とその一味)の、NHKに対する「監視」を「強化」して「これ爺、不当を敷け」をやるんじゃない?

そんなNHKが金をふんだくろうなんてのは実のところ詐欺的行為に他なりません。「義務」や「法的措置」で脅かすのはどのような連中なのかというと、

「警察」で動揺する人は簡単…振り込め詐欺の容疑者ら
 「警察官を名乗ると動揺する人」「どうすればいいのか、と聞き返してくる人」――。警視庁捜査2課が、振り込め詐欺で逮捕した容疑者たちに聞き取り調査をしたところ、そんなだまされやすい人物像が浮かび上がった。
 調査に答えたのは、2003年7月〜今年1月、痴漢や交通事故の示談金名目などの振り込め詐欺をしていた4つのグループの男女計19人。
 容疑者たちが、だましやすいタイプとして挙げたのは、警察官を名乗ると「えっ、警察ですか」と動揺する人や、パニックに陥って「一体どうすればいいですか」と質問してくる人など。演技で泣きじゃくる容疑者に対し、「大丈夫だから。何とかしてあげるから」と話しかけてくる人も、だましやすい人物の代表例だった。
 一方、法律用語の説明を求める人や、「主人の会社に電話してみます」「警察署にかけ直します」など冷静な対応を取る人は、だましにくいと感じていた。電話をかけてきた相手の番号がわかる「ナンバーディスプレー」の電話機がある家なども、容疑者たちは敬遠していた。
 捜査2課は「振り込め詐欺の犯人たちは、法律用語の意味を質問すると必ずボロを出す。分からない用語をうのみにせず、気持ちを落ち着かせて聞き返すことが大切」と呼びかけている。
 今年1〜3月の東京都内での振り込め詐欺の被害は前年同期より57・7%増の697件。中でも、家族などになりすます「おれおれ詐欺」は473件と、2・3倍に急増し、全国ベースで被害が4割近く減る中で異常事態となっている。
(読売新聞) - 4月12日22時29分更新


警察の権威がそのまま犯罪の手口となっているところがキモですが、詐欺の被害に遭うことと法に服従することは、まあ似たようなもんです。金を掴んだ人の勝ちです。
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2006年04月12日

「バカ殿」の「伝統」を受け継ぐ「愛国者」

とかなんとかいってたら「愛国心」、まるで「寿限無」のように長く延びちゃった。

「愛国心」表現で合意 教育法改正で与党検討会 '06/4/12
 与党の教育基本法改正検討会は十二日、焦点の「愛国心」の表現をめぐる最終調整を行い、「愛国心をめぐる」の表現を、「伝統と文化を尊重し、それらをはぐくんできた我が国と郷土を愛するとともに、他国を尊重し、国際社会の平和と発展に寄与する態度を養う」とすることで合意した。
 座長案は「伝統と文化を尊重し、それらを育んできた国および郷土を愛するとともに、他国を尊び国際社会の平和と発展に寄与する心」との文言を軸に調整。
 自公両党の主張の折衷案だが、自民が主張してきた「国を愛する心」が基軸になっており、調整がもめる可能性もある。
 これまでの与党協議で自民の主張に対し、公明が「国家主義的な連想をさせる」などとして「国を大切にする心」を唱えてきた。
 座長案は、二〇〇四年六月に与党検討会がまとめた中間報告で「伝統文化を尊重し、郷土と国を愛し、国際社会の平和と発展に寄与する態度の涵養」とした文言などを参考にしたとみられる。この時は「国を愛し」の部分を「国を大切にし」に変えた文言も併記した。
 提示するとみられる案は中間報告の「郷土と国」を入れ替え、「国」を前にしたほか、公明党の求めていた他国を尊重する趣旨の文言について「他国を尊び」と盛り込んだ。
中国新聞


なんでも、
「伝統と
文化を
尊重し
、それ
らをは
ぐくん
できた
我が国
と郷土
を愛す
るとと
もに、
他国を
尊重し
、国際
社会の
平和と
発展に
寄与す
る態度
を養う」

なんだそうで、全63文字、堂々21倍の拡張であります。しかもこの「国」とやらは「政府などの統治機構を含まない」んだそうで。いや、法律の文言としてこういう注釈が付くのかどうか知りませんが、なんかこういう「解釈」をすることで一部の人たちの良心の呵責をなだめようという、御親切な心遣いですな。もっともそういう連中も「大切にする」にすれば良い、なんてかなりテキトーなもんです。意味はたいして変わりませんが、強いて違いがあるとすれば、ちんぽを口に突っ込まれるのと手コキを強要されるのとの違いですかね。どっちがいいって、そんなブロークバックはちょっと勘弁です。

「他国を尊重し、国際社会の平和と発展に寄与する」というのは勿論、イラクでもイランでも世界中どこでも攻め込むことを言うのでしょう。こんなことはさすがの嗜眠党も子埋めい党も表立っては提案していませんが、例によってアメリカの「押し付け」でしょう。それにしても「郷土」と分離され、ということはつまり「国」は「郷土」とは違うというわけなんですけど、しかも「統治機構」を含まず、はたまた「伝統と文化」そのものでもないところの「国」って、じゃあ一体何なんだと思わせるものがあります。こりゃまさに満たされることのない空虚です。ようするに「何でもない」んでしょうけど、何もないだけに、愛するためにはなんだか知らないけれども無際限の服従を捧げなければならない、そんな対象です。なるほど便利な仕組みではあります。

そこへいくとさすがに「保守系」の議員さんだけの集まりは違いますな。


改正案に「愛国心」明記を 超党派議連などが大会  2006/04/11 20:01
 自民、民主両党などの保守系の国会議員でつくる「教育基本法改正促進委員会」(委員長・亀井郁夫参院議員)や民間有識者団体が11日、今国会での同法改正を目指す大会を都内で開き、同法改正案に「愛国心の養成」などを明記するよう求める決議を採択した。
 決議は、青少年の心の荒廃などを解決するために必要な「宗教的情操の涵養(かんよう)」の盛り込みと、現行法にある「教育は不当な支配に服することなく」との条文の削除も主張している。
北海道新聞


なんたってはっきりしているのが好ましい。自分達のやろうとしていることを「不当」なことであると、堂々と言うなどということは、誰にでも出来るというもんじゃありません。相当の鍛練と「心の荒廃」が必要です。そういうわけですから、「これ爺、不当を敷け」なんて安倍晋三が言うわけですよ。彼がノーメイクで演じる「バカ殿」にはつい笑ってしまいますね。え?あれは違う人だって?
posted by 珍風 at 21:48| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年04月07日

愛の国からちりとてちん

その昔、北海道の旧国鉄広尾線の「愛国」駅と「幸福」駅が何故か大ブームになったわけですが、当時は「愛国」を「愛の国」と読ませて面倒な議論を回避していたようです。もっとも「愛国」という駅名は「愛国青年団」という開拓団の名称に起源を持つそうなのですが。

広尾線も廃止されて愛国駅は鉄道博物館になってしまった、そんな今日この頃ですが、最近では教育基本法に「愛国心」なる語を明記するのだとかなんとか、色々と議論をしておるところであります。しかしながらこの「愛国心」という言葉は、なかなかに珍しいものでして、実は「愛」という字と「心」という字の間に何かを入れた熟語というものが他に見当たりません。そもそも「愛」という字が心理作用を意味しているわけで、その下に再び「心」の字を置くのは不自然なわけです。

また、「心」の字を除いた「愛国」という熟語も、「愛」の下にその感情が向けられる対象であるモノを現わす字を置いているのですが、このような使い方も例外的といって良いでしょう。「愛人」、「愛児」、「愛妾」、「愛犬」などの言い方がありますが、これらの場合は「愛」がその下の字を修飾しています。すなわち「愛人」は「私が妻以外に愛している相手の人」であり、「愛児」は「私が可愛がっている自分の子供」であり、「愛妾」は「私が気に入っているメカケ」であり、「愛犬」は「ブッシュのいいなりのコイヌミ」のことなのですが、「愛国」は「私が愛している国」のことではありません。「Xを愛すること」という意味で「愛X」という形になる熟語は、他には「敬天愛人」というときの「愛人」があるぐらいでしょう。「愛妻家」の「愛妻」もこの意味ですが、単に「愛妻」といった場合には「愛する妻」の意味ですよ、奥さん。

その他に「愛煙家」という言葉もありました。僕はこれですが、火事を好む家屋ではありませんし、喫煙の専門家でもありません。単なるニコチン中毒者です。それにしても「愛煙」だけを独立して用いる例はないようです。いろんな煙が好きでも良いとは思いますが、「煙を愛すること」という言葉はないのです。もし喫煙を好むのならば、「愛喫」とか「愛呑」とか「愛吸」とか「愛飲」になると思います。何かイヤラシイ想像をしてしまいそうになりましたが、しかし「愛飲」だと酒飲みになってしまうんですが。いずれにしても「愛」の下に行為を現わす字を置く形になります。「愛唱」とか「愛誦」、「愛読」といった熟語であって、「する」をつけて動詞として使われる言葉です。この場合は下にもうひとつその行為の対象たるモノを現わす字を付加出来ます。例えば「愛唱歌」とか「愛読書」でありまして、「好んで歌われる歌」、「好んで読まれる本」の意味になります。

このように「愛国」は「愛人」や「愛妻家」の仲間であるわけですが、「愛国心」といった場合の、この心理作用の二重化は不可解極まるものです。もっとも「国」の字を動詞的に解釈して「好んで国される心」と読めないこともありませんが、意味は全く分かりません。これはもしかすると何かの間違いかも知れません。毎年シーズンになると取りざたされる「日本語の乱れ」というやつなのではないでしょうか。まあ僕としては日本語がどう変化していこうがそれを批判する気持ちはありませんが、そんな素性の怪しい言葉を持ち込むのは教育上よろしくないと考える人がいても不思議ではありません。

しかしながら「愛国心」の記入に反対する人たちは、「愛国心」という意味不明語を「心」のことであると解釈して、「心を法律で規定することは、いかなる文言で表現するにせよ憲法が保障する思想・良心の自由に抵触し、断じて容認できない」といいます。

しかし、「心を法律で規定」することは、容認するしないに関わらず不可能なのです。法律がやろうとしていることはそういうことではありません。教育基本法に、教育の目標として「愛国心」が書き込まれるときには、僕たちは「愛国心」という「心」を持つように命令されるのではなく、僕たちの目の前に「愛の対象」が差し出されるのです。僕たちの目の前に、国家が、国家自身を僕たちの愛の対象として差し出すのです。

国家自身が国民に対象として提示するこの国家は、抽象的な「国家一般」などでないことはもちろん、漠然とした一般的な「日本」という概念でもありません。その中に含まれる多様な「日本」、かつてあった日本やこれからあるであろう日本、ましてやあるべき日本でもあり得ないのです。たとえば、「日本を愛する」という精神のもとに、まさに日本のために善かれと思って、共産主義の日本や天皇のいない日本を目指すならば、むしろそれは「非国民」の業となります。それらは国家が「これを愛せ」といって差し出すものとは異なるものです。すなわち、愛の対象として差し出されているのは、現在の国家、その文化と社会関係、権力の仕組みと統治機構のありのままの姿なのです。それは僕たちにとって致命的なものとなるかも知れない様々な欠陥や誤謬を持っている、それどころかどこから見ても愛するに足る要素など金輪際これっぽちも持っていないのにも関わらず僕たちが愛さなければならない、そのような対象として目前に置かれます。

もし「心」というものが問題になるとすれば、それはここから先、差し出されたものを自らの愛の対象として相応しいものであると納得してそれを受け入れ、飲み込めるようにするための僕たちの側の心的な作業の領域においてでしょう。人はいかにして愛すべからざるものを愛するようになるのか。古典落語の「ちりとてちん」がそのメカニズムを示しているようです。

その昔、何にしても知らないと言ったことのない男がいまして、まあ知ったかぶりなんですが、威張ってましたんで、ひとつ懲らしめてやろうと、友人達が一計を案じたわけです。ちょうどそこに豆腐の腐っちゃったのがある。色が変わってカビが生えて、異臭が、目にしみるような強烈な毒気を発散している。そういうものがある家も家ですが、よしこれを奴に食わしてやろう。早速電話してやると喜んで来たものです。

なんでもこれはもらいものなんだが、中国の「ちりとてちん」という珍味らしいんだけど、あたしはどうも学がなくてこういうものがわかんない、全体どういう風にして食べたらいいのか不明である。んで、今日はこれを御馳走するから、どうかひとつ教えてほしい。ときに君はこの「ちりとてちん」というものをご存知か。

って言うと

え、あるの?「ちりとてちん」?珍しいもんなんだよ、よく手に入ったねえ!

なんて言うから友人達は笑いを堪えて「食べたことある?」聞くと、「今はアレだけどね、以前は朝晩食ってた」

この噺の「みどころ」は身振り、顔の表情などでありまして、つまり食うんですなこの男は、「ちりとてちん」と呼ばれる腐った豆腐を。その辺は実演を観て頂くこととしまして、最初のポイントは、男の前に「ちりとてちん」をまさに差し出す、この場面です。もちろん「ちりとてちん」などというものが実在しないことはこの男自身が百も承知なのであります。それどころかこの男は「ちりとてちん」を目にした瞬間に、おそらく、それが腐った豆腐以外の何ものでもないことを悟るものと思われます。しかし彼はそれを直ちに否認し、自らの愛の対象、常日頃から愛慕して止まない珍味の中の珍味を目前にした態度に戻らなければなりません。これを全て顔と体の動きで表現するのです。

次いで彼は「ちりとてちん」の姿形を賞し、教養溢れる言葉で色合いとカビの様子を誉めたたえ、その脳をつんざく香りを粋人らしく「楽しみ」ます。そして最後には、その彼自身の愛の対象を愛おしそうに箸に取って口に運び、嫌悪し嘔吐すべき腐敗したドロドロを飲み下します。かくしてカタストロフが訪れるのです。

事ここに至る過程が全て表現力豊かな身体表現において演じられるのですが、この男がこの腐敗物を愛の対象となしえたのは何故か、これをその対象物が彼の目前に差し出された、その瞬間において考えることが出来ます。

この男は何についても「知らない」と言ったことのない人物であります。今日も今日とて彼は目前の「ちりとてちん」について、「この物を私は知らない」と言うことが出来ません。なぜなら、彼はそもそも中国の珍味「ちりとてちん」なるものが存在しないことを知らない程度に無知であるからなのです。このような人物が知ったかぶりをする場合、自らの知識のデータベースを参照するのではなく、その時には常に周囲の人たちの態度にあらわれる限りでの、その場において支配的な知識レベルを参照します。したがって周囲の友人達がそろいも揃って「これは『ちりとてちん』である」としているものに対してそれを否認することは出来ない相談なのです。

それですから目の前に差し出されたものが疑いもなく「腐った豆腐」としか解釈出来ないシロモノであるとしても、彼も「これは『ちりとてちん』である」と言わざるを得ません。このとき彼の感想は「しかしもしこれが本当に『ちりとてちん』だったら、すなわち友人達が愛しているものであったらどうしよう(それを否定すれば大恥をかくことになるぞ)」というものであるはずです。

一方で彼の友人達の策略も、彼のこのような心の動きを見透かした上で組み立てられているのでして、この腐敗した物体を、まさに「愛の対象」(中国の珍味)として彼の目の前に差し出すことによって、つまりそれを彼が愛する前に、始めから皆が愛しているものとして提示することによって、それを彼の「愛の対象」となすことに成功するのです。

ここで芸能界の人気者を作り上げるためのありふれた手法を思い出してもいいかもしれません。つまり「デビュー」するときには既に大量の「ファン」が動員されており、芸能人が愛される前に、そのような「ファン」が大騒ぎすることで、ある芸能人を「スター」として消費者に提供することが出来るようになる、そのような方法です。

ここでは、その「ファン」が本当にその芸能人を愛しているかどうかということが問題なのではなく、キャーキャーと黄色い声を張り上げる「ファン」としての身振りを見せることが重要であります。この身振りが、その芸能人が人気者であって愛するに足るものであることを証拠だてることになり、消費者もその芸能人を「愛の対象」として受け入れることが出来るようになるのです。

このような理由から、「愛国心」も「愛国」の身振りを演じさせることによって、国家を人々の「愛の対象」として受け入れさせようとすることになります。すなわち学校で「国旗・国歌」を強要することは、まさにそのような身振りを演じさせているわけであり、その内実はご存知の通りとはいえ、反対の意思表示はどんどん目に見えないものにさせられてきています。今やそれは神経症の症候として表現されることを余儀なくされているのです。もはやそのような身振りの拒否は「病気」として扱われることになります。このようにして、「スター」の場合と同様に、「愛国」の身振りは国家が「愛の正常な対象」であることの証拠として人々の前に示されます。それをやっている人たちが内心ではイヤイヤながらであっても、そんなことは知ったことではなく、それは「身振り」として十全な機能を果たしているのであり、この様を見た人は「もし本当に国家が他の人たちの愛の対象だとしたらどうしよう」と考え、国家を自分の「愛の対象」として(思いきって)飲み下す決心をするかも知れません。

ちなみにこの噺のサゲは「どんな味がする」と聞かれた男が「ちょうど豆腐の腐ったような味がする」と答える、というものです。本当は無知なこの男が我知らず口走った一言が、まったく偶然にも事の真相を言い当てたのです。あるいは別の見方も出来ます。彼は最初から事の次第を見て取っており、「ちりとてちん」をあえて口に入れることで友人達にショックを与え、次いで猛烈な臭気と共に、友人達が彼を除外して共有していた「ちりとてちん」の本当の名前を口から出すことによって復讐したのだと。
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2006年04月05日

人を呪い殺す方法

かのハーレムの王者、渋谷氏の「愛の呪文」は結局のところ単なる「脅し文句」のことだったようなのですが、言葉の力で人の行動に影響を与えるという点では、まあ、呪文だろうが脅し文句だろうが同じことなんじゃないかと思わないでもないのですが、もう21世紀だというのにこの日本で「呪い」そのものが「脅し」として立派に通用する場合があるのですから、世の中まだまだ捨てたものではありません。

「黒魔術でのろい殺す」と売春強要 タイ人の女ら再逮捕
 「逃げたら黒魔術でのろい殺す」と脅してインドネシアの山間部出身の女性に売春させていたとして、宇都宮東署は4日までに、人身売買や強要の疑いでタイ国籍の宇都宮市平松本町1125の9、風俗店経営サトウ・プラパポーン容疑者(39)ら外国籍の女3人を再逮捕した。
 調べでは、3人は昨年9月と11月、インドネシア国籍の19歳と20歳の女性を売春させる目的で180万円ずつで売買。インドネシアの一部で呪術の一種である黒魔術が信じられていることを悪用して、女性のつめや髪の毛を採取し「命令に従わなかったり逃げた場合は、つめや髪を使った黒魔術でのろって殺す」と脅していた疑い。
 サトウ容疑者は借金があることにして、女性をアパートに住まわせ金を渡さずに売春させていた。ほかにも同様に売春させ、昨年6月から今年2月の間、約2000万円の利益を得ていたという。
 宇都宮東署は2月末から入管難民法違反や売春防止法違反容疑などで3人を逮捕していた。
(04/04 18:21)産経新聞


とにもかくにも日本国内の出来事です。黒魔術で殺されることを恐れた女性達が逃げだせなかったのは事実でしょう。実際のところインドネシアは呪術がいわば機能しているところらしく、病気になればドゥクンとかバリアンとか呼ばれるいわゆる呪医、白魔術を使う祈祷師のもとへ出掛けていくし、ドゥクン・サントゥットあるいはレァークとかフクム・カルマとかいう黒魔術師がいて、憎い奴に呪を掛けてもらう。呪を掛けられた方は白魔術師に依頼して対抗するので光の玉の飛び交う魔術合戦となる。それがちゃんとした職業として成り立っているそうです。

そんなわけなので、かなり事件性の疑われる、ひょっとして政治的な背景が考えられるような死亡でも、すくなくとも大衆的なメディアのレベルでは黒魔術のよるものだとして済ませてしまうとか。

もっともこの黒魔術というものも、そもそも掛けられる相手に「感応力」がないと効かないらしいのですからいい加減なものです。殺される側の協力がないとダメなんですから。死に至るナレアイが必要とされています。ただし呪術が信じられている社会ではこの協力はほぼ確実に得られるようです。要はちょっと顔色が悪いとか体の具合が悪いといったときには、人は自ら進んで「私は黒魔術を掛けられているのではなかろうか」と思うことになっているらしい。それで近所の魔術師のところに相談に行けば、黒魔術を掛けられているって言いますよ。仕事ですから。

このようにして呪殺というのはかなり面倒なプロセスになることが予想されるわけですが、長期にして高額な魔術合戦の果てにめでたく標的が死んだとしても黒魔術を使うことになんのメリットがあるのでしょうか。ちょっと行って刺し殺してきてはどうか。たしかに自ら手を下す必要がありませんが、殺し屋に依頼するのと変わりません。殺人は殺人であります。また、呪術が機能するような社会では濃密な関係をもって生活が営まれていますから、誰が誰を呪い殺すかということは簡単に分かってしまいます。呪術の影に隠れて人知れず、なんてわけにはいかないのです。ですから本当に呪殺が可能であるとしたら、黒魔術師への依頼行為は殺人に該当することになるでしょう。そうなると当然、現在のように広範に行われるというわけにはいかなくなるわけで、社会における呪術の機能は、それが実際には機能しないことによって担保されるのです。

いずれにしても「山間部出身」というところに強烈な「霊気」を感じます。そんな黒魔術などを信じるのは田舎者だと言いたいのでしょう。地方出身者を馬鹿にしたな。まあいいけど。日本の都会がいかに近代科学の光明によって啓蒙されているか、インドネシアの田舎娘に見せつけてやりましょう。

牛肉問題で「慎重派」退任=半数を改選−プリオン調査会
 米国産牛肉の安全性について審議してきた内閣府食品安全委員会・プリオン専門調査会の12人の専門委員のうち、半数に当たる6人が3月31日付で退任していたことが、4日までに判明した。退任した委員の中には、同国産牛肉の輸入再開に慎重な意見を唱えていた人も含まれている。これを受けて同委は1日付で別の専門家6人を新たに専門委員として任命したが、今回の専門委員の改選が今後の牛肉貿易に関する審議に影響を及ぼす可能性もある。
 退任したのは、座長代理を務めていた金子清俊東京医科大教授や山内一也東大名誉教授ら。審議の進め方に疑問を投げ掛け、調査会を長期間欠席していた動物衛生研究所プリオン病研究センターの品川森一前センター長も含まれている。
 一方、新任されたのは、毛利資郎プリオン病研究センター長らで、座長の吉川泰弘東大大学院教授をはじめ残り6人は再任された。 
(時事通信) - 4月4日13時0分更新


辞めた人の中には、プリオン専門調査会においては政治的な圧力によって科学的な審議が不可能であったという人もいます。てゆうかそんならもっと早く辞めたらどうかとも思うんですが、おそらくこの調査会には呪いが掛かっていたものと思われます。アメリカも未開野蛮にかけては人後に落ちませんから、呪いぐらい掛けるのは朝飯前でしょう。それで春になってあったかくなってきたので半分くらいの人の呪いは解けたのかも知れません。なんか雪みたいですが。しかしさすがはアメリカのやることだけあって、こちらの呪いの方がインドネシアの山の中で髪の毛や爪をいじくっているよりも確実に人を殺せますな。
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2006年04月02日

史上最強の童貞映画大来襲!

熟女のコスプレが大評判なのでこれはもうやはり観ないわけにはいかないのが「ヒストリ−・オブ・バイオレンス」であります。

ああゆうのを何千円かで買っても1回しか使わないし、捨てるに捨てられないので結構困りものですが、どうせならボンボンも買っておいた方が盛り上がるでしょう。

以下ネタバレ。
普通の男が悪夢のような「別の世界」に入り込んでいくわけで、なんだ、今までのクローネンバーグ作品と同じではないか。ただしこの作品ではその「別の世界」とは自らの「過去」なので、「スパイダー」と似ているかも知れません。しかし従来ならば、始めは「現実」的な生活をしていた主人公は映画が始まってから段々と「別の世界」に入り込んでゆき、その世界で乱暴狼藉をはたらく。このパタンはしかし「イグジステンズ」あたりから揺らいできており、最初はゲームの「虚構」世界の中にいて、最後に現実にいわば「帰還」して来ます。そして人を殺すなどの乱暴はそっちの「現実」の中で行われるのです。今回の「ヒストリー・オブ・バイオレンス」ではは最初は「普通の生活」で始まりますが、実はそれこそが「虚構」なのであって、訪れて来る「別の世界」の方が現実だったというのです。もっとも以前の作品にしても、クローネンバーグにしてみればその「別の世界」の方がある意味リアルであると考えている可能性がありますけど。

そこでコスプレですが、これはまず虚構された「平凡な日常生活」の一環として描かれているようにみえます。しかし、そうだとするとアメリカの夫婦生活はかなり奇異なものであると言わざるをえません。あの国では普段からオバサンがチアガールの格好をしてパンツを見せるのであろうか。もしそうだとすれば生活の欧米化は尚一考の余地があります。うちの奥さんはマリア・べロではありませんのでますます考えものです。

実際にはこの問題のシーンは童貞喪失の再演です。正確に言えば理想化された形で童貞を喪失し直そうとしているのですが、ところが物語では、ここから主人公はあたかも童貞を取り戻すかのように過去に向かってゆくことになります。この行為によって逆に童貞を獲得するのです。ここでのポイントはチアガールのコスプレをした妻と行う行為が「69」として描かれていることにあります。クンニ。みうらじゅんによれば「はじめてクンニするときに、ようやくDTを喪失できる」(「映画秘法」5月号)のです。この意味は後の階段のシーンとの対比において明らかであります。「あっちの世界」に行っちゃった主人公はもはやクンニを行いません。それはまさに暴力と渾然一体となった性衝動の発現として、より童貞化した性行為なのです。

「別の世界」の住人として印象的なウィリアム・ハートがこれを補強する役割を演じています。彼は「結婚するなんて考えられないね」なんて言うワケですが、何人の女の人とセックスしたところで、彼もまた「DT魂」を失っていません。だいたい彼がここで演じるキャラクターは(ヒゲにもかかわらず)クンニをするとは思えないものがあります。彼の行為はただ激しく突っ込むだけの、主人公が階段のシーンで見せたものと同じく暴力的なものであると想像されます。

クローネンバーグの主人公達が赴く全ての「別の世界」は、童貞の世界なのです。過剰なまでのセックスに彩られたその世界はしかし、「スパイダー」の性関係そのものの直接的な否定から「ビデオドローム」の「新しい肉体」に至る、童貞ならではの多型倒錯的な性的妄想の世界であり、実際のセックスとは一切の関係が断たれた世界です。妻がいれば射殺し、愛人は実は男であり、自分はあるいはハエの化物と化してチンポがどっかへ行ってしまい、あるいはお腹におまんこが出来たりして、妻は妻で生殖器以外の場所で奇怪な生殖を行っており、もはや性器は用済みとなってしまいます。そんな事態は「クラッシュ」において頂点に達します。そこではセックスはそもそも不可能なもの、事故として遭遇が待たれるものであり、女装してハイウェイで事故死するのが童貞喪失なのであって、映画の中で四六時中行われているあらゆる性行為は一種の代理的もしくは予備的な行為にしか過ぎません。男達はいつまでたっても喪失を完了することが出来ない。みうらじゅんも言うように「DTは喪失したけど、その先には何段階も先がある」のです。もちろんそうでなければセックスなんてそういつまでもやっていられるものではありません。
posted by 珍風 at 20:49| Comment(1) | TrackBack(1) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

駅で電車に遅れっちまー……

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駅や電車内での痴漢や暴力、破壊は犯罪だそうです。どっちへ行っても警察行きなのがミソですが、犯罪者諸氏にはこれを回避する有力な手段があります。すなわち電車をおりて駅から出てしまうこと。そうすればそこはもう天下の公道、警察の手は及びません。ということはないと思いますが、鉄道会社の主旨としては、そういう事はどうかひとつ他所へ行ってやってくれということのようです。

この三種の犯罪については、エルンスト・クレッチマーの体質類型論が知られています(「体格と性格」1921年)。細長型(やせ型)、肥満型(ふとり型)、闘士型(筋骨型)というアレです。すなわちこういう事です。

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「痴漢」

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「暴力」

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「破壊」

このように、全ての人が犯罪を犯すことが出来ますが、全ての人が全ての犯罪に似つかわしいわけではありません。人には向き不向きというものがありますので、自己の適性をよく見極めることが肝心です。殊に日本では、不満があったりする時もデモなどを行うことなく、ちょっとした犯罪行為をやって捕まってから「むしゃくしゃしてやった」などと供述することが一般的のようですので、犯罪の選択についてはもっと真剣に考えてよいのではないでしょうか。あなたのカレシはどのタイプ?

こうして並べてみるとなるほどイカニモな様子ですが、もっともらしい話の常としてまったくのデタラメであることは言うまでもありません。例えば全ての人間の体格をこの三種類のどれかに当て嵌めるのはかなりの困難を伴いますし、僕などは昔はたしか一番下のやつだったはずなのに現在では一番上のやつに移行しつつあります。日を追ってどんどん近付いております。もはや止める術はありません。

しかし盗人にも三分の理があり、マエバリの首と引き換えに西澤氏の証人喚問が取り止めになる以上は、「デタラメ」といえども幾分かの真理を含んでいると考えられなくもないでしょう。もはや1年中エイプリル・フールであります。たとえば上図にしても、実をいえば上から「社長」「課長」「平社員」であることを今まで隠しておりました。問題はこの連中がハダカなのは何故か、描かれていない下半身はどうなっているのか、なんかイヤな三角関係だな、この会社はどうなってしまうのか、などといったことなのですが、鉄道会社が敷地外の社会秩序に無関心であるように、僕も他所の会社のことなど知った事ではありません。
posted by 珍風 at 07:04| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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