2008年01月25日

そのまんま東襲撃

<警察庁>富山冤罪、志布志無罪事件の問題点公表
  
 警察庁は24日、富山冤罪(えんざい)事件と鹿児島県議選買収(志布志(しぶし))無罪事件について、証拠の裏付けが捜査が不足し、長時間、強圧的な取り調べが行われたなどとする報告をまとめた。捜査指揮が不十分だったとも断じた。警察庁は再発防止のため、来年4月以降、全国警察本部に取り調べを監督する「監督担当課」の新設などを柱とした「警察捜査における取り調べ適正化指針」を併せて発表、不適正な取り調べをした場合は懲戒処分の対象になるとした。
 警察庁が個別の事件を検証し問題点を公表するのは初めて。2事件の捜査が警察に対する信頼を大きく揺るがしたことが背景にある。
 富山事件では、服役後に冤罪と分かった柳原浩さん(40)のアリバイを示す実兄との電話の通話記録があったのに気づかず、現場の足跡が25・5センチ前後と推定されるのに、柳原さんの24・5センチとの矛盾について解明しなかったと指摘。被害者は、凶器がサバイバルナイフでチェーンで縛られたと供述しているのに、果物ナイフとビニールひもによる事件と誤認。供述の信用性の検討が不十分だったとした。
 志布志事件では、任意の取り調べが、最長で1日約13時間40分あったり、10日間連続行われていた事実を明らかにした。座っての調べに耐えられない人を簡易ベットに寝かせての調べもあった。さらに、「正直に言わなければ家族も取り調べる」などの言動があり、親族の名前を踏ませた「踏み字行為」も認めた。
 「取り調べ適正化指針」は、「監督担当課」を捜査部門ではない総務、警務部門に新設することなどを盛り込んだ。監督の対象となる行為は、(1)容疑者の身体に対する接触(2)直接、間接の力の行使(殴ったり、机をたたいて脅すなど)(3)不安を覚えさせ、困惑させる言動(4)一定の動作、姿勢をとるよう強く要求(5)便宜供与をしたり、申し出、約束(6)容疑者の尊厳を害する言動――などを挙げた。
 さらに全国で約1万1000ある取調室のすべてにのぞき窓を置くことや、深夜や8時間を超える取り調べは、署長らの事前承認を得るとした。【遠山和彦】

2008年1月24日 毎日新聞


もちろん警察の取調べには問題があります。警察の内部に監視機構を設けても何にもんりません。しかし「富山冤罪事件」では、冤罪のまま実刑判決を受けて服役しちゃってるわけです。警察のやり方は裁判では有効だったのです。逆に言えば裁判で有罪が取れないんだったら警察だってヘンなことはしないはずです。本当は裁判所が取調べの可視化を強硬に要求しないのはオカシイのです。公判で急に否認し始めたら裁判官も困るでしょう、振り出しに戻るわけだから。お前ら何やっとったんじゃ、って言うでしょう。

ところが言わないのね。もしかして裁判官は冤罪なんかには興味がないとか。「真実」への興味などはもはやあまり一般的ではない「趣味」に属するのかもしれません。裁判官様などはそんな探偵的な猟奇趣味よりも、もっと大所高所から、法的秩序の観点から無実の人間を刑に服させたりなんかしている可能性がないわけじゃありません。

刑罰というものがどういう働きをしているのか、あるいはいかなる機能を果たさせるべきであるか、ということについては様々な議論があります。一個人に害悪を加えたりそれを差し控えたりすることが権力のデモンストレーションとして行われてきていたわけですが、それをいかにして合理的に説明し、いわば「善用」させるか、というところが苦心のしどころであって、大きく分けると応報刑論と目的刑論ということになるんだそうです。

応報刑とは、単純に言うとチャラにすることであって、秩序を攪乱する力に対してそれと反対の力を加えて均衡させ、バランスを取り戻すということです。このとき、ある個人にその力が加えらることになりますが、その理由はそいつが犯人だからということになります。近代刑法では犯人が自由意志によって行った行為に責任があることによって、こいつに対して刑罰を加えることが正当化されるのですが、これは「刑罰」を加える対象の選定を合理化した考え方ではありますが、大切なのはどこか適当なポイントに力を加えてバランスと取ることであって、秩序の攪乱に対して均衡をもたらす力が作用することです。

目的刑論では刑罰によって苦痛を感じている人が実際に存在することが威嚇効果を持つことによって犯罪を抑止するということですが、それと共に、それとは分けて「法確信」ということも言われるようです。しかしこれはあえて分ける必要はないでしょう。要するに「脅し」であります。この場合も、苦痛を与えられている個人が犯人であることによって彼が苦痛を感じている状態が正当化されますが、威嚇効果を持つのは彼が犯人であることではなく、彼を苦しめる力の存在です。

このように、いずれの議論においても刑罰がその働きを全うするにあたって、刑罰を受ける個人が当該犯罪の犯人であることは特に必要ではありません。刑罰が発動することによって秩序が均衡を取り戻したり威嚇効果を生じるのであって、その対象はどこの誰であっても構わないのです。もっとも、何の罪科もない者が刑に服したことが明らかになるならば、再び均衡は崩れ、「法確信」は失われることになりますが、バレなきゃいいのです。また逆に、本当は誰一人刑に服しておらず、裏口から放免していたとしても、やはりそのことがバレなければ大丈夫、ということになります。

このように刑罰は原理的に冤罪を嫌いません。ただし特別目的刑論においては犯人の隔離や殺害による無力化による再犯の不可能化および教育による更生による再犯の防止が「刑罰の目的」となりますので、相手が真犯人でなかったりすると具合が悪いものです。しかしこの場合には犯人の反規範性を厳正に判断してちょっとしたことで直ぐにぶち込んで「教育」するという「厳罰化」の傾向が出て来る場合があり、これが極めて厳格に行われた場合には冤罪に劣らない悪影響があるでしょう。これは「萎縮効果」と呼ばれる場合があり、こうなるとやはり犯罪と関係のない威力の誇示というものに近づいてまいります。

例えばこういう、あまり一般的ではない「趣味」をお持ちの人たちはどうすれば良いのでしょうか。

県庁前庭で全裸の写真撮影 宮崎、公然わいせつで逮捕

 宮崎北署などは23日、宮崎県庁の前庭で全裸写真を撮影したとして、公然わいせつの疑いで、いずれも宮崎市末広、飲食店経営朝倉浩幸(42)、飲食店従業員高橋中実(36)、同井福恵美(24)の3容疑者を逮捕した。
 3人はインターネットのサイトを立ち上げ、全裸写真を掲載。サイトを見た県外の人が通報した。宮崎県内各地で同様の行為を繰り返していたとみられ、同署は余罪を追及する。
 調べでは、3人は共謀し、昨年9月上旬の午前中、宮崎市の県庁本館の前庭で、高橋、井福両容疑者が全裸になり、朝倉容疑者が写真撮影した疑い。3人とも容疑を認めているという。
 朝倉、高橋両容疑者は同居。井福容疑者は2人と同じマンションの別の部屋に住んでいるという。

2008年1月23日 共同


誰がどこに住んでいようと大きなお世話ですが、いや、それはともかくどうするもこうするも刑法174条によれば

公然とわいせつな行為をした者は、六月以下の懲役若しくは三十万円以下の罰金又は拘留若しくは科料に処する。

んだそうですから、そういうことになるんでしょう。警察は「余罪を追及する」んだそうですが、「余罪」は彼らの「ECW」とかいうサイトに載ってますから世話はありません。ちなみにこれは「Erotically Coquettish Womens」というわかりにくい言葉の略です。「Womens」はかなりイタイですが、この辺からすると「Erotically」というのは「エロチカ」というレトロ調の言葉をなんとなく名詞だと思い込んで「ly」をつけて形容詞にしたものでしょう。 三丁目の夕日もとんだところに日影を射しています。そう考えるといきなり乱入するフランス語「Coquettish」も微妙に古臭いのが、お国柄というべきかけしからんと言うべきか。

東国原知事激怒!宮崎県庁前で全裸撮影

 宮崎県の東国原英夫知事(50)が“県庁露出プレー”に24日、怒りを爆発させた。県庁の前庭で全裸になり写真に撮って公然わいせつの疑いで男女3人が23日に逮捕されたことに「本当にけしからん」と珍しく語気を強めた知事。県庁舎は知事の人気を背景に宮崎の新観光スポットにもなった場所で、これまで1年間で29万人以上が訪れている。あきれ顔の東国原知事は、今後の警備態勢の見直しを示唆した。
 県庁の真ん前で全裸撮影。芸能人時代には、数々のむちゃな仕事をこなしてきた東国原知事も予想だにできなかった暴挙だ。「本当にけしからんですね。(宮崎)ブームに水を差すし…足を引っ張るようなことはしてほしくない」とため息交じりにこぼした。
 宮崎北署によると、逮捕されたのは県庁近くで飲食店を経営する朝倉浩幸(42)と従業員の高橋中実(みつみ、36)、井福恵美(24)の3容疑者。昨年9月、県庁の前庭で朝倉容疑者がカメラマンとなり、全裸の女性2人を撮影し、写真をホームページで公開。「楽しむためにやった」と容疑を認めているという。
 3人が作成したホームページ(HP)は、いわゆる露出マニア向けのもの。3人それぞれがブログも持ち、日々の成果を報告していた。昨年10月10日にはHP開設から3年目を迎え、サイトの訪問者と実際に会う「オフ会」も開催。「突発イベントHardCore華激!」とイベント名をつけ、マニアに全裸写真を撮影させたとの記述もある。
 HPにはほかにも、県庁玄関にある知事のパネルと浴衣姿でのツーショット、自衛隊の基地、海でのショットなど全裸写真が盛りだくさん。九州地区を中心に回り、日記には出没場所も予告。交通費、宿泊費など30〜50万を負担した上で「招待されれば行きます」という書き込みもある。
 さらに容疑者の日記には大胆にもこんなコメントもあった。「宮崎を盛り上げようという気持ちは、東国原知事と同じです。いや、知事就任の一年以上前から私達は実践している自負があります!(略)。誠心誠意『おもてなし』の精神で接待いたします!」
 迷惑千万な「どげんかせんといかん」精神に東国原知事も完全にアタマにきたようで「それは間違った考え方です」と一喝した。
 宮崎県庁は知事人気を反映して人気スポットになり、昨年1年間で29万人以上の観光客が訪れている。問題の写真の撮影現場は、観光客と東国原知事が一緒に写真を撮る場所でもあった。県庁によると、県民から苦情は今のところないというが、知事は警備態勢の見直しを示唆。写真をみたかについては「見ていません」と答えていた

2008年1月25日  スポーツ報知


そのまんま東が何に怒っているのかよくわかりませんが、「Womens」に対してではないようです。しかしさすがは改革派のオナペット、「警備態勢の見直し」は慧眼であります。いや実際、警察とマスゴミはこれを一種の「テロ」であると思ったのです。てゆうか期待したのです、そのまんま東に対するテロを。例えば警備の注意をそらすための陽動作戦とか。警備の動きを調べるんだとか。ところが朝倉さんたちは「楽しむためにやった」んだそうです。そういう供述を取っているのであり、動機と思想的背景を無駄に追求した結果がこれだったと思われます。朝倉さんたちはどうもあまり好感を持たれるような性格をしていないようで、読むとムカつくような文章を書くものの、どうも一種の「テロ」よりもわかりやすい「エロ」の方が性に合うようなのですが、しかし、だからといって、そのまんま東襲撃を予感した警察は圧倒的に正しい。問題は通報したヤツだな。同好の士を警察に売るなんて変態の風上にも置けません。恥ずかしいヤツだ。


posted by 珍風 at 22:56| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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