2008年01月31日

ねっとり用ピンポンパンツでピンポンダッシュ

「第三文明」の特集は「わが鍛錬」だったかな、たしかに自民党と公明党のおかげで、日本人はだいぶ「鍛え」られましたわな。もっともトレーニングが過ぎて、故障したり負傷したり死亡したりする選手が後を絶ちませんが。野球なんかだとリトル・リーグからプロまであるけど、優秀な投手ほど早くに体を壊されて、プロまで行くのは三流選手だという意見があるようですが、これは負け惜しみですか?

ところで例の「インターネット・ホットラインセンター」というか「財団法人インターネット協会」というか要するに警察が、静かに虎視眈々と狙っているのが「実名制」だったりします。「インターネット上の安全確保に関する世論調査」において「個人情報」に関する選択肢が多いんじゃないか、というのも強ち質問作成者の低能や偶然に帰すべきものではないかもしれません。これは「個人情報」を晒すことに対する抵抗感、または不用意に「個人情報」が明示された場合に想定される危険に関する調査が行われたものとも考えられます。つまり「実名制」導入への観測気球です。

そこでJ-CASTニュースで小倉秀夫さんという弁護士の方が「実名制」の「必要性」を力説していらっしゃいます。

弁護士の小倉秀夫氏に聞く ネットでの誹謗中傷問題(中)
実名を使うのが基本 それがネットをよくしていく

   ネット上の誹謗中傷にどう対処するか、匿名だから氾濫するのか。こうした疑問について、ネット実名制を唱える弁護士の小倉秀夫氏に話を聞いた。

プロバイダーか、発言者か、誰かが必ず責任を負うべきだ
――小倉さんのおっしゃる実名制とは、まずどんな考え方か教えて下さい。
小倉 実名制といっても、2つのフェーズがあります。1つは法的なシステム、もう1つは情報発信者の倫理ということです。法的なシステムについては、まず、不特定多数の人たちに責任の所在が明示できるように、現実社会の名前、つまり実名を使うのを基本とするような制度にするべきです。たとえペンネームなどを使う場合でも、発言の被害者から氏名、住所の開示の請求があれば、いつでも開示できることが望ましい。もし、匿名を使うならば、プロバイダーやブログ事業者がその責任を負うようにしなければなりません。情報を発信する以上、そこに社会的人格が結びつく必要があり、プロバイダーか、発言者か、誰かが必ず責任を負うべきだということです。
――2番目の情報発信者の倫理とは、どういうことですか。
小倉 情報発信する人の責任として、積極的に実名を明らかにしましょうということです。ハンドル名だけでは足りません。こうした倫理は呼びかけていくしかないのです。ところで、J-CASTさんは、匿名での嫌がらせにシンパシーを感じていることはありませんか。2ちゃんねるが好きなようですが、そこに書かれている内容の信頼性をどの程度検証して引用しているのか疑問に思っています。炎上騒ぎを十分な検証なしに記事に取り上げれば、よりひどい中傷、デマが広がってしまいます。たとえ反論を載せたとしても、名誉毀損の可能性があると思いますが。
――嫌がらせかどうか微妙な例も多いのではないでしょうか。J-CASTニュースとしては、裏づけがなかったり、法に触れたりする匿名発言は安易に引用していません。そこはご理解願います。では、なぜネット実名制を唱えているのですか。
小倉 発言の責任は、現実社会の自分が取るべきと考えるからです。それには、被害者からの法的責任、こういう人間であるという社会的責任があります。例えば、ある発言を取っても、医者が言ったと分からないと、正しいか判断しにくい。読み手がそれをもとに判断するのは必要なことで、悪いことではないと思います。肩書きで判断する人がいるとしたら、そうする人が悪いんです。実名と匿名が混在する現在のネット環境では、実名で発言する人はバカだということになってしまいます。実名の人は無限のリスクを負い、匿名の人は負わないということですから。
ID発行者の氏名、住所が分かるシステムを
――しかし、実名制にすると、内部告発のような社会的な意義のある発言がなくなってしまわないですか。
小倉 内部告発については、保護するためのルールや受け付け窓口があります。それが確からしいときは、しかるべき機関が調査します。確からしいからといって不特定多数に知られるようにしては、名誉毀損になる可能性があります。ネットでは、会社への怨恨やライバルへの妨害などの事実無根の話が、審査なく不特定多数の目に触れるわけですから。どこかでスクリーニングしないといけない。ウソであっても不買運動が始まったり、それがもとで社長の首が取られたりと、弊害が大きくなるからです。
――それでは、具体的にネット実名制をどのように実現するのですか。
小倉 私が考えているのは、複数のブログサービスなどで共通してIDを発行する「共通ID」というものです。IDとパーソナル情報を結びつければ、はてなダイアリーやココログなどへのコメントも一元的に把握できます。コメント投稿者の氏名、住所が分かるようにすれば、ブログ事業者を免責にしても構いません。共通IDに加わらず、ユーザーを囲みたいなら、事業者が責任を取ることになります。そこは、法的な仕組みを作って、どういう対応にするかは事業者に任せたらいい。
――現状のIPアドレスやITジャーナリストの佐々木俊尚さんが提唱するオープンIDではいけないのですか。
小倉 ID登録しても適当な氏名である可能性があり、メキシコあたりのプロキシサーバーを経由していれば確かめられません。一人で複数のID使い分けもできてしまいます。そうすることで、複数の人が語っているように見せかけることもできます。池内ひろ美さん「殺害予告」事件では、たまたま被告が分かっただけ。たくさんの人が誹謗中傷していましたが、ほとんどの人は責任を取らされていません。私の言う共通IDとは、そうではなく、ID発行者の氏名、住所をきちんと確認できるシステムです。携帯電話契約では、戸籍謄本や免許証などによる本人確認が義務付けられていますが、それと同じようにすればいいと思います。
――最後に、ネット社会への提言をお願いします。
小倉 匿名中心では、現実社会の地位をアップさせる手段としてネットを利用しにくくなります。実名なら損をする、匿名で発言しないと危ないようなら、そうしたインセンティブがなくなるからです。発言によって社会的な評価が高まる可能性がある若い人にとっては、こうした状況は損ですよね。ネットで叩いている人は気分がよいでしょうが、それ止まりです。2ちゃんねるで嫌がらせをしても、その人の地位は上がりません。また、ポジティブに評価されても、それを収穫できません。こうしたネット社会では、若くて才能ある人が才能を発揮する場を狭め、現在社会的に高い地位にいる人にとっては好都合になります。今は、モラルに反する状態が続いていますので、実名制によってネットをよくしていこうということです。

【小倉秀夫氏プロフィール】
1968年、東京・葛飾区生まれ。早大法学部在学中の91年、司法試験に合格。92年の同学部卒業後、司法修習生を経て、94年に弁護士登録(東京弁護士会)。2000年から中大法学部兼任講師。共著に、「インターネットの法務と税務」(新日本法規)、「著作物再販制と消費者」(岩波書店)などがある。個人ブログ「la_causette」(http://benli.cocolog-nifty.com/la_causette/)も開設している。

2008年1月20日 J-CASTニュース


元の記事は多数のコメントを含む長大なものでありますが、小倉さんのいい分だけでも聞いておいて損はないでしょう。ちなみにこの記事の趣旨は「ネットでの誹謗中傷問題」への対処ということですが、一口に「誹謗中傷」といっても、個人に対するものと企業等に対するものでは被害の程度も対抗の仕方も随分違うことでしょう。巷間伝えられるような自殺に至るような事例と「不買運動が始まったり、それがもとで社長の首が取られたり」が同列に論じられているあたり、危うい議論のように見えます。

僕としては単なる意見・見解の表明はとりあえずそのものとして受け取られる必要があり、そのためには発言者の諸属性住所氏名性別年齢職業生育歴前科前歴学歴性遍歴容姿身長体重腹囲性器のサイズ既婚か未婚か配偶者は魅力的かなどということはむしろ余計なことにも思われます。また、社会的な「コンセンサス」に反するような意見の表明によって発言者の社会的な排斥が発生するという危険が存在することによって、ある種の見解を表明することを差し控えさせるようなことがあれば、それは大きな損失であると考えられます。そのような環境では「コンセンサス」に沿う「多数意見」であっても、発言者が危険のない環境においては別な意見を表明する可能性を否定出来ないことから、「社会的人格に結びついている」限りでの意見の価値は大いに下落します。というわけで匿名が基本。むしろどんなアイドルでも政治家でも弁護士でも全員が匿名であることによってお話の魅力、議論の説得力で評価される方が望ましいと考えます。これは理想論みたいですが、理想論です。

なもんですから、小倉さんの「情報を発信する以上、そこに社会的人格が結びつく必要が」あるという「実名制」ありきの考え方はよく理解出来ないのですが、その中でも「ある発言を取っても、医者が言ったと分からないと、正しいか判断しにくい。読み手がそれをもとに判断するのは必要なことで、悪いことではないと思います。肩書きで判断する人がいるとしたら、そうする人が悪いんです。」というところは特に意味の分かりにくい箇所です。「医者が言ったと分からないと、正しいか判断しにくい」と思うのは「肩書きで判断する人」だと思われますが、その人はなにか悪いことをしてるんですか?てゆうか医学関係の問題について「医者」が言ったことであれば全て正しいのでしょうか。こう言ってはナンですがお医者さんにもいろいろいらっしゃるようですし、学問的な見解の相違もあります。例えば「メタボリックシンドローム」についても学会間で統一された見解はないようですけど、政府が政策として採用しているものですらこれですから、「医者が言ったと」分ったところで「正しいか判断しにくい」ことについては一向に代わり映えしません。

内部告発とかそういうことについてですが、「しかるべき機関」と企業との親和的な関係や企業と従業員との不均衡な対立関係から考えると、広範な社会的被害を防止する観点から言えば「確からしさ」が低い情報でも多く広く流通した方が原則としては望ましいと考えられます。「不買運動」ったって、買わなくても構わないものでなければ「不買運動」は起きませんよ。「不買運動」で保護される可能性の高いのは消費者であり、損害をこうむるのは企業の方です。したがって「どこかでスクリーニングしないといけない」という考え方では保護される対象は当該企業だけであり、効果があまりにも狭すぎます。消費者保護の観点から内部告発の価値を認めるのだとすれば、「実名制」で企業に都合の悪い情報の流通に歯止めをかけようとすることは誤りです。

もっとも「社会的な意義のある発言」は「内部告発」に限らないわけですが、「内部告発」以外の「社会的な意義のある発言」については小倉さんからのコメントは特にありません。そういうことは小倉さんの関心の範囲外であると思われます。それというのも小倉さんはネットで情報を発信するインセンティヴが「現実社会の地位をアップさせる」ことであると考えているようなのです。あるいは「現実社会の地位をアップさせる」という動機を持たずしてネットで発信している人が小倉さんには理解出来ないようです。多くの匿名の人たちがここで呆れ返るのではないかと危惧しますが、そりゃそうですよ、そういえば全然金にも何にもならないんですから、大したもんです。我ながら何やってんだか、「時間とエネルギーの無駄」ですか。正にその通りです。悪かったね。一方小倉さんが「地位をアップさせる」以外に思いつくのは「ネットで叩いている人は気分がよい」という、憂さ晴らしとか気分転換とか「イライラしてやった」という犯罪者みたいな「動機」だけのようです。

もっともこの点については後になってからご自身のブログで「自分自身の「立身出世」ということだけでなく、現実社会を自分にとってよりよいものに変えていく、あるいは、自分にとって好ましくない方向に変わっていくことを食い止めるということまで含みます。」とフォローを入れてはいますが、かえって事態は悪化しています。社会的な少数意見に対する有形無形の、殊に法廷で立証することが難しいような圧力の存在に対する小倉さんの鈍感さが露呈してしまいました。一般の人は職場とか「地域」の、極めて狭い「世間」で生きていて、しかもその社会関係を簡単に変更出来ません。しかし小倉さんはこの事実を単に望ましくない行動の抑止力としてしか見ておらず、「発言」を抑制する作用については目に入っていないようです。ひどく偏った、狭い考えであると言えるかもしれませんし、こんなご意見を実名で表明するような人はどうかしているのではないか、何かイヤなことでもあって破れかぶれになっているのであるまいか、などと余計な心配をしてしまいますが、しかしそんな風にして小倉さんをバカにするのは僕の本意ではありません。もちろん小倉さんは全てお見通しの上で言っていると考えるべきです。

このように、「実名制」を言う人が上昇志向の塊の出世主義者であり、消費者よりも企業の利潤の味方であり、多数派として少数意見を押しつぶすことに疑問を感じない、というような傾向があるらしいことは、こうした意見を誰が言ったかには関係がありません。「実名制」が多数意見や企業を益するところが多ければ意見として整合性がありますから、その限りでは「正しい」議論がなされていると考えられます。これは話しの筋が通っているという意味であって、消費者が毒を喰わされたり、権力におもねる出世に有利な言論がまかり通って少数意見が存在すらしなくなることが「正しい」と言ってるんではないですよ。

いずれにしても、出世したりすることは悪いことではありませんし、そういう考え方もある、という限りでは大いに参考にさせて頂くべきものです。ところがこのような意見が例えば「弁護士の小倉さん」の意見である、ということが分った場合は、若干事情が異なります。食い扶持を稼ぐ必要からあえて本音を言わない、というのは何も苦情対応を行うサーヴィス業者には限りません。小倉さんだって商売上の都合でお客さんを喜ばせるようなことを言う場合があり、それは小倉さんの「本音」とは異なっているかもしれません。これは小倉さんがいくら「それは違う」と言っても解消されることない疑念であります。このようにして、実名を出すことによって情報の価値が下がることがあり、そのような事態が生じるのは利害の対立があってむしろ活発な議論が必要とされるところであったりします。とはいっても、無料のところで匿名で言いたいことをヌカす、という状況がなんとも歯がゆい、あいつらなんとかならんもんか、と思っている人がいることは充分理解出来ます。「現実社会の地位をアップさせる」といったって、実際にはそういう誰かを儲けさせる対価としての話しでして。近い将来にはネットも企業の宣伝と政府公報だけになってしまうかもしれませんが、そうなれば人々はネットから離れて行くでしょう。ネットが人々をTVから引き離したように。もっともその時には「現実社会」が「2ちゃんねる」なみに荒れることになるでしょう。



posted by 珍風 at 21:19| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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