2008年02月05日

邦夫ちゃんのコレクション

コーンフレークにメタミドホス、じゃなくて一人の人がある程度期間をおいて複数の人間を殺害するのがシリアル・キラーと呼ばれます。ところで、一つの殺人と次の殺人の間にどのくらいの期間をおけば良いのでしょうか?1年に1人、あるいは1ヶ月に1人、もしくは毎日欠かさず1日1人とか。午前に1人、午後に1人というのはどうか。FBIによれば1日に4人殺すと「大量殺人」という別のカテゴリーとして扱う習いです。朝飯前に1人、昼飯までに1人、夕飯までに1人、寝る前にもう1人で4人になります。例えば代表的なシリアル・キラーであるテッド・バンディの場合は平均して1ヶ月に1人程度ですが、被害者数100人以上とも言われていますから、もしかすると週1ペースだったかもしれません。

さてそこで現在日本で進行中の事件ですが、現在までのところ58日間に6人という状況です。56日のインターバルは短いようですが、場合によってはこの程度の間隔が置かれることは稀ではありませんし、平均すれば10日に1人ですから、まずまずのペースではないでしょうか。実際には1度に3人を殺しており、これは「大量殺人」の汚名を着せられるのを避けるために、FBIの基準を守っているものと考えることが出来ます。

持田死刑囚ら3人の死刑執行、鳩山法相「慎重な検討を加えた」

 法務省は1日、自分が暴行した女性=当時(44)=が警察に通報したことを逆恨みし服役後の平成9年、刺殺した持田孝死刑囚(65)=東京拘置所=ら3人の死刑を執行した。前回の執行は昨年12月7日。
 鳩山邦夫法相は「いずれの事件も身勝手な理由で尊い命を奪った残忍な事案。慎重な検討を加えた上で執行を命令した」と述べた。
 福田内閣での執行は2回目、計6人となり、いずれも鳩山法相が執行命令書に署名した。
 持田死刑囚のほかに執行されたのは、松原正彦(63)=大阪拘置所、名古圭志(37)=福岡拘置所=の両死刑囚。
 確定判決によると、松原死刑囚は昭和63年、窃盗目的で徳島県山川町(現吉野川市)の民家に盗みに入り、帰宅した主婦を絞殺、現金2万8000円を奪った。その後、愛知県刈谷市の民家にも侵入、帰宅した主婦を絞殺し、現金約9万9000円を奪った。
 名古死刑囚は平成14年、鹿児島県伊仙町の兄の家で、兄の妻と長女の背中などを刺して失血死させるなどした。

2008年2月2日 SANSPO.COM


もっとも、定期的に殺人を行う人が全て「シリアル・キラー」というわけではありません。例えば職業的な殺し屋や政治的・宗教的な暗殺者は除外することとされています。ここでも刑務官は「シリアル・キラー」の名に値するものではないと見るべきでしょう。主体的な動機を持っていることが肝心で、頼まれて、とか命令で、というのはダメなのです。

実はこの事件、犯人が複数存在するという説もあります。12月の事件では河合伸一(最高裁)、高橋省吾(東京高裁)、浜田邦夫(最高裁)の3名の関与が強く疑われています。今回の事件でも滝井繁男(最高裁)、根岸重治(最高裁)、大原英雄(鹿児島地裁)の3名が殺害を決定したとする有力な証拠が存在します。

しかし考えてみれば、これらの者は単にある人物が殺害対象であることを示して、同時にその身柄を拘束していつでも殺せるように準備するように指示していたに止まるものとも解釈出来ます。逃げも隠れも出来ないように捕まえておいて、さあいつでもどうぞ、というだけの話しです。それだけで人が死ぬわけではありませんから、かなり気が楽ですし、実際のところ殺されないままに病死してしまったりすることもあります。そこで個々の殺害について、実際の殺害を命令する者がおり、そのものの意志によって殺害が行われ、その意志の表示がなければ殺害が行われないことから、同一人物がある程度の期間をおいて複数の人間の殺害を命じた場合に、シリアル・キラーの要件を満たすものと思われます。

現在いつでも殺していい状態に置かれている人が100人以上いて、その中からテキトーに3人くらいずつ選んで吊るしているようです。いや、テキトーかどうかは分りませんが、この選択を行うのが法務大臣ということになっています。実態がどのようなものであるかは不明ですが、「慎重な検討を加えた」と言っていますので、法務大臣は何らかの「検討」によって、あるいは殺害し、あるいは殺害しないという選択をしているわけですが、この選択について詳しい説明が行われるわけではなく、胸先三寸あるいは本当に「テキトー」である可能性も否定は出来ません。

鳩山さんは刑事訴訟法475条について語るようですが、その場合であれば死刑確定の早い順から「上訴権回復若しくは再審の請求、非常上告又は恩赦の出願若しくは申出がされその手続が終了するまでの期間及び共同被告人であつた者に対する判決が確定するまでの期間」にある者や「心神喪失の状態」もしくは「懐胎」している状態にある者を除いて順番にやっていくのかというと、そうでもないようです。

例えば1988年の地下鉄短大生殺人事件の萬谷義幸さんなどは2001年12月6日に死刑が確定していて、持田さんや名古さんよりも先ですし、再審請求などはしていなかったはずです。また、1999年の川口バラバラ殺人の工員、横田謙二さんも同様です。刑事訴訟法の規定に従ってベルトコンベア式でやるのであれば、当然彼等が先になるものと考えられるのですが、なぜそうなっていないのか、よくわからない点であります。

ここで可能性として考えられるのは萬谷さんの場合は「人格障害」の疑いがあるということ、横田さんの場合は成人後の大半の時期を刑務所内で過ごしたことや些細な口論が原因で計画性がないことなどから一審では無期懲役の判決が出ていたこと、即ちあまり「凶悪」でないことが挙げられるかもしれません。そしてこれらについて執行命令が出されないということが鳩山さんの「検討」なのであるとすれば、鳩山さんは司法の判断に疑義を呈している可能性があります。つまりこれらの判例について死刑判決の妥当性を認めにくいと考えているのかもしれません。

同様の事例で顕著なものは帝銀事件の平沢さんであり、あまりにも濃厚な冤罪の疑いから、歴代の法務大臣が誰も執行命令書を出さなかったものです。死刑の執行に法務大臣の命令が必要とされることによって、法務大臣は司法判断に抗することがある程度可能になっているのです。ここには死刑は重大な刑罰であるからなるべく慎重に取り扱う、途中にストッパーをもうける、という立法の精神が表れています。この精神の延長線上には死刑そのものの廃止が予想されます。

もっとも鳩山さんは法務大臣の命令抜きでオートマティックに吊るしてしまえという考えですから、世論が反発する余地のあるようなヤバめのはとりあえずトバして、いかにも「悪そう」なヤツをやっつけて「あの事件の犯人が凶悪さゆえに処刑されたんだなということを、国民に理解して頂く」、即ち国民を死刑執行に馴らし、殺人を交通事故のように日常生活の一部にし、そんなことでいちいちガタガタ言わないように誘導するのが狙いでしょう。そのようになってから、萬谷さんも横田さんも、「拘置所がうるさくて死にたい」キチガイ大濱さんも、無実を叫ぶ袴田さんだって、知らないうちにひっそりと殺されてゆく予定です。

ところで鳩山さんは「日本では、命を奪うような行為に対しては厳しく対処すべきだというのが、現在の世論だと思う」とか言ってましたが、それはどこの国でもあまり変わらないと思いますが。むしろ死刑ってのは「命を奪うような行為」であり、刑事訴訟法の規定は「厳しい対処」のつもりで定められています。鳩山さんは都合のいい「世論」だけを引き合いに出しているようで、なんだか卑怯なようですが、鳩山さんだけ「世論」と違って、「命を奪うような行為に対しては無責任に対処する」らしいのですね。捕虫網とか感電とか。顔はテレンス・スタンプには似ても似つかんですが、懲りないところは同そっくりです。


posted by 珍風 at 23:34| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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