2008年03月02日

みんなでラーメンを食べにいこう

政府の公報ビデオ「買わないで! 模倣品・海賊版」によれば、「海賊版の蔓延によって収益が伸び悩めば、高品質の作品づくりは困難になります。」ということであります。もちろん多大な収益を上げてさえ「高品質の作品づくり」が出来ない人は大勢いるわけですが、だからといって例えば自分の嫌いなアーティストをやっつけるためにそいつのブートレグを買いまくる、ということが成立する程のダメージは与えないようです。

しかしながら同ビデオ(これが「高品質の作品」であるかどうかはさておき)では「世界中で販売されている模倣品の収益が、組織犯罪の資金源になっている可能性もあります。」とのことであります。実際のところはどうであるかはあまり明らかにされていませんが、そういう「可能性も」ないわけではないのですから、僕たち消費者は「「安いから」「パッと見ではブランド品に見えるから」という安易な気持ちで模倣品を購入する行為が、組織犯罪の助長や加担に繋がっているということを意識しなければなりません。」のです。

そこで例えば、あるラーメン屋が右翼系トンデモカルトの「資金源になっている可能性もある」としたらどうでしょうか。その「宗教団体」の主催者がラーメン屋と親族関係にあり、尚かつそのラーメン屋の株式の過半数を保持していたとすれば、そのラーメン屋は宗教団体の「資金源になっている可能性もある」と言えなくもないとしても過言ではないが言い過ぎである、そんなことは絶対にないとは言わないまでもあり得ない、そのような可能性はみじんもないわけです。

ネット中傷に無罪判決 『確実な根拠、個人は不要』東京地裁

 インターネットのホームページ(HP)でラーメン店のフランチャイズ運営会社を中傷する書き込みをしたとして、名誉棄損の罪に問われた会社員橋爪研吾被告(36)の判決公判が二十九日、東京地裁で開かれた。波床昌則裁判長は「ネットの個人利用者に要求される程度の情報収集をした上で書き込んだ。直ちに名誉棄損罪に問うことは相当でない」として、無罪(求刑罰金三十万円)を言い渡した。
 判決は、個人利用者がネット上で表現行為をする場合の名誉棄損について「主に公益を図る目的ならば、(メディアとは異なり)確実な資料や根拠に基づかなくても、その事実が真実だと誤って信じた場合には罪に問われない」との初めての基準を提示。その効果として「自己検閲により委縮することなく、憲法二一条(表現の自由)が確保される」と示した。
 弁護人の紀藤正樹弁護士によると、ネットをめぐる名誉棄損事件での無罪判決は初めて。ネット社会の現実を見据えた判断といえ、今後の司法判断や社会活動に大きな影響を与えるとみられる。
 波床裁判長は「被告による書き込みは、重要部分が真実であったとは証明されていない」と認定。メディア報道なら有罪になる可能性を指摘した。
 その上で、判決は(1)ネット利用者は相互に送受信でき、書き込みに対して被害者は反論できた(2)メディアや専門家が従来の媒体を使った表現とは対照的に、個人がネット上で発信した情報の信頼性は一般的に低いと受け止められている(3)現代社会では(個人が)公共の利害に関する事実について真実性を立証するのは困難−などと指摘した。
 今回の書き込みに対し、フランチャイズ運営会社側が二〇〇三年に橋爪被告を相手取り起こした民事訴訟では、〇五年に同被告の敗訴が最高裁で確定していた。
 橋爪被告は〇二年十−十一月の間、被告が開設したHP上で、飲食店「ニンニクげんこつラーメン花月」をフランチャイズ運営する会社について、カルト集団と関係があると中傷する内容の文章を書き込んだとして在宅起訴された。判決は、同集団と会社の関係について「緊密な関係にあるとは認められない」とした。
 東京地検・渡辺恵一次席検事の話 判決内容を子細に検討し、適切に対応したい。
■『表現の自由』強く意識
解説
 インターネット上の書き込みについて名誉棄損罪を認めなかった二十九日の東京地裁判決は、ネット上の表現行為が法律に抵触する場合の基準について、メディアと個人利用者を峻別(しゅんべつ)し、メディアに比べて個人の責任は緩和される、との判断を示した。
 司法はこれまで(1)公益目的(2)確実な資料や根拠に基づくこと(3)その事実が真実だと信じるだけの理由−の三点がなければ有罪としてきた。これは発信者がメディアの場合が前提で、今回の判決は(2)がなくても「個人に求められる水準を満たす調査」をしていれば罪に問われないと判断した。
 特筆すべきは、判決が、憲法が保障する「表現の自由」に踏み込んだ点だ。責任の緩和がなければ、個人は訴訟の被告になったりすることを恐れ、言論活動が鈍ることに言及、「自己検閲による委縮」を懸念した。
 情報の発信者の多くがメディアに限られていた時代とは異なり、ネット社会は誰でも自由に発信できるようになった。一方、匿名性に隠された過激な中傷は、メディアによる批判以上に人を傷つけることがある。
 責任の緩和と言っても、好き放題に書くことが許されるわけではない。それを許せば個人がネットで発信した情報の信頼性を低下させることになり、法規制につながる恐れがある。
 今後、判決が司法の場で追認されていくか注目されるが、ネット社会に生きる市民としての自覚が一人一人に求められている。 (社会部・寺岡秀樹)

2008年3月1日 東京新聞


まず、「日本平和神軍」と「ラーメン花月」との間には、「素人目には」かなり「緊密な関係」があると「誤認」されるような「関係」があったことは事実でしょう。この「緊密な関係」」は確かに「証明されていない」事実であるにしても、そのような関係が存在する「可能性もある」程度のものであると考えられます。そうであるならば「カルト集団」が反社会的影響力を持つものであると信じる限りにおいてそれを排除する目的で特定ラーメン店の利用を抑制しようとすることは、上述の「政府広報」同様に公益を図る目的を持つものといえるでしょう。

この判決の画期的たる所以は、「主に公益を図る目的ならば、(メディアとは異なり)確実な資料や根拠に基づかなくても、その事実が真実だと誤って信じた場合には罪に問われない」という点につきます。この判断は発信者の主観的な「公益性」をいかに判断するかという課題を残すものですが、「現代社会では(個人が)公共の利害に関する事実について真実性を立証するのは困難」であり、したがって「ネットの個人利用者に要求される程度の情報収集」をすれば足りるとした点は合理的な判断であると思います。これがなければ専従的な調査担当者を擁しない個人の社会的発言を全面的に封鎖する結果になるからです。

もちろん、事は「公益性」の判断にも関わってくるわけですが、これは一方では学位販売商法をもって多くの「悪徳商法」に資源を提供する可能性と、他方では一ラーメン店チェーンの営業権との比較になるのでしょうか。逆にいえばラーメン屋の権利を守るために「悪徳商法」の犠牲者を看過するものであるのか。実は答えはNOです。「メディアや専門家が従来の媒体を使った表現とは対照的に、個人がネット上で発信した情報の信頼性は一般的に低いと受け止められている」とされています。これは情報の受け手の態度について言われている事で、「個人がネット上で発信した情報の信頼性は低い」と言っているのではありません。「一般的に低いと受け止められている」のです。これは受け止める方の問題ですが、これによって今日の昼飯をどこで喰うかということについての判断は情報の受け手に委ねられるのであり、そのことをこの判決は肯定しているのです。

もちろん波床裁判長は個人による情報発信を過小評価しているのかもしれませんし、内心ではバカにしているのかもしれないのですが、であればなおのこと、「メディアや専門家が従来の媒体を使った表現」が飼い馴らされ、結論を押し付けて来る現在では、「信頼性の低い」言論の方が、受け手の思考を励起する限りにおいて「メディア」のあるべき姿を体現するものともいえるでしょう。その意味では波床判決は「メディアや専門家が従来の媒体を使った表現」を無批判に受け入れる受け手を批判したものとも言えるのです。

この意味で、個人にマスメディア並みの確実性を求めるが如き批判は、個人に無理難題を吹きかけることによってマスゴミ言説を無条件に擁護する一方でそれ以外の言論を封殺しようとするものであるともいえるでしょう。これは形式的な「平等」にとらわれて実際の不平等を黙殺することによって不平等を維持するものでありましょう。むしろ考えなければならないのはマスゴミの言説も個人の情報発信と同じ程度に「信頼性が低い」ものなのではないかということであり、マスゴミをインターネット並みに貶めることでしょう。そしてこれはマスゴミが社会の公器たる事を忘れ、表面的には野蛮な激情の煽動装置でしかなくなった現在では、むしろ遅すぎるのではないかとも思えます。実際、マスゴミの危機感は表明されています。特に橋爪さんのホームページを「ネット中傷」と中傷し、この判決の「拡大解釈に懸念の声」を挙げた「東京新聞」において、常日頃「良心的な」情報商品を生産する「東京新聞」においてなのです。というわけで全マスゴミが牙をむき出したわけですが、検察も控訴しました。


posted by 珍風 at 20:17| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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