2008年04月08日

くやしまぎれ くるしまぎれ

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【正論】文化庁の映画助成 精神科医、国際医療福祉大学教授・和田秀樹

 ■私の作品が落とされた理由は
 私が初めて監督を手がけた映画作品『受験のシンデレラ』が3月29日から公開されている。映画は、評論家より観客が評価を下すものと考えているから、自分自身の作品そのものが「受験」をしているような気分である。
 ただ、事前の評価のシステムがないわけではない。その一つに、文化庁による映画助成がある。
 実際は文化庁ではなく、独立行政法人「日本芸術文化振興会」の基金から、「わが国の映画芸術の水準向上の直接的な牽引(けんいん)力となることが期待される意欲的な企画作品」を支援するものである。ただ、この基金653億円のうち541億円は政府出資であり、ここからお金をもらった映画は、ポスターや映画のクレジットで文化庁のマークをいれることになっているから、実質的に文化庁による映画支援とされている。
 そして、適正な助成のために、「芸術文化に関し広くかつ高い見識を有する委員」が審査を行うとされている。
 たとえば、2007年度の第2回募集分については、劇映画の応募は38件、採択は15件とのことで、3倍弱の競争率である。この競争率をみる限り、ある程度の水準の映画であれば、助成を受けられるようだし、受けられないと3段階の並か下という評価になることを意味する。
 経済的にも苦しい映画製作者にとって、これで落とされることは相当なダメージになるはずだ。ある程度の妥協をしても、採択されやすい傾向の映画を作るインセンティブになるだろう。それが、本当に「映画芸術の水準向上」につながるのなら、国の金を使う価値は十分にある。
 ≪恣意的「支援」のにおい≫
 たとえば暴力シーンのない映画や、国民に啓蒙(けいもう)すべき内容を盛り込む、コマーシャリズムに流れない芸術映画を助成するなどである。逆に、自虐史観や反日的内容の映画を助成するなら、その手の映画を作るインセンティブとなってしまう可能性もある。
 現実には、ことさら日本人による韓国人差別を強調する映画が助成を受けたりするが、ここにきて靖国神社を題材にした中国人監督のドキュメンタリー映画『靖国 YASUKUNI』に助成していたことが物議を醸している。
 実は、『受験のシンデレラ』は落とされた。有識者による「精力的かつ慎重な審査」によるものだそうだが、そこで並か下の評価を受けたことになる。しかし、この作品はモナコ国際映画祭では最優秀作品賞を受けている。
 歴史の浅い小規模な映画祭ではあるが、カンヌで監督賞を取ったパーヴェル・ルンギン監督の新作や、ハリソン・フォードがナレーターを務めるダライ・ラマのドキュメンタリーなどを抑えての受賞であるから、並か下という質ではないと信じている。
 映画は死を宣告された男が医療用モルヒネの助けを借りながら、残りの人生でやれるだけの仕事をするという設定である。平成18年に制定されたがん対策基本法の精神に基づいて、緩和ケアの啓蒙にも貢献できると信じる。
 この法律ができたにもかかわらず、日本では医療用のモルヒネの普及が遅れ、アメリカの4分の1しか用いられない。がん患者の8割は激痛に苦しみながら死んでいく現状を踏まえてのことだ。
 ≪受験勉強の勧め原因?≫
 とすると、子供に受験勉強を勧めるという映画のもう一つのテーマが気に入らなかったのかと思えてならない。
 歴代の文化庁長官の顔ぶれをみても、ゆとり教育の学習指導要領を答申した教育課程審議会会長や、ゆとり教育の理論的バックボーンの1人であった高名な学者らが顔を連ねているし、そのスポークスマンだった寺脇研氏は、映画助成を管轄する文化部長であったこともある。
 文化庁はゆとり教育派の残党の拠点なのではないかと疑いたくなる。有識者による慎重な審査と言っても、審査員を選ぶのは文化庁の役人なのである。これが邪推であってほしいが、同じような邪推をする映画製作者が増えることが私の最大の懸念である。
 子供が勉強をせずにのびのびと遊ぶ姿を描くと助成を受けられるが、頑張って勉強すべきというメッセージが含まれると、受けられないという印象が強まれば、この手の作品の作り手は減ってしまう。
 邦画の活況がいわれるが、それはテレビ局や大手映画会社の作るものについてのみだ。大規模シネコンが増えても、独立系映画がかかる映画館は減っている。文化庁の映画助成は昔以上に意味をもつ。国の金を使う以上、国益を考えたきちんとした審査を望む。(わだ ひでき)

2008年4月8日 産経ニュース



「コマーシャリズムに流れない芸術映画」

緑鐵グループ20周年記念作品
(和田秀樹初監督作品)
『受験のシンデレラ』
http://www.juken-movie.com/


「コマーシャリズムに流れない芸術受験屋」

会社名
 有限会社 緑鐵 (緑鐵受験指導ゼミナール)
会社所在地
 東京都文京区本郷三丁目5−4 朝日中山ビル2階
代表取締役
 和田壽榮子
監修
 和田秀樹
http://www.ryokutetsu.net/pc/pc.html


「コマーシャリズムに流れない芸術著書群」

新・受験勉強入門勉強法マニュアル―やり方で受かる!和田式要領勉強術の実践ノウハウ (大学受験合格請負シリーズ)
和田式要領勉強術数学は暗記だ!―受かる青チャートの使い方 (大学受験合格請負シリーズ)
「絶対基礎力」をつける勉強法 和田 秀樹
和田式要領勉強術センター試験突破マニュアル―科目別・目標ライン別攻略プランを詳細伝授! (大学受験合格請負シリーズ)
受かる参考書はこれだ! (和田式合格のストラテジー)
国語力をつける勉強法 和田秀樹
和田式 書きなぐりノート術 (新・受験勉強法シリーズ)
和田式受験英語攻略法 改訂版―「読み込み」で勝つ! (新・受験勉強法シリーズ)
合格する大学受験計画
和田式高2からの受験術 (新・受験勉強法シリーズ)
わが子を東大に入れる本
中学生の正しい勉強法―ライバルは私立トップ校!
勉強できる子のママがしていること 12才までの家庭教育マニュアル
和田式現役合格バイブル―“やれない自分”を“やれる自分”に (新・受験勉強法シリーズ)
公立小中高から東大に入る本―本当の学力が身につく勉強術
わが子を名門小学校に入れる法
頭がよくなる!和田式「算数・数学」徹底活用トレーニング (チャートBOOKS SPECIAL ISSUE)
和田秀樹の英語脳力全開 単語ドリル 入門編
やさしいそろばん入門―「脳力」がぐんぐん伸びる!
新・受験技法 2008年度版―東大合格の極意
わが子を有名中学に入れる法
受験は要領 テクニック編―「参考書は何をどう使うか」から、効率のいい勉強法・生活術まで


posted by 珍風 at 05:11| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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