2008年04月13日

愛国心の下には死体がLui-Lui

愛国心「強い」過去最高の57%

 内閣府が実施した「社会意識に関する世論調査」で、国を愛する気持ちが「強い」と答えた人が57.0%と、過去最多になったことが12日、明らかになった。また、社会に貢献したいと答えた人も過去最多で、内閣府は「国や社会に対する関心が高まっているからでは」と分析している。
 調査は今年2月、全国の成人男女1万人を対象に実施、有効回答率は54・9%だった。
 国を愛する気持ちが「強い」と答えた人は、前回調査(平成19年1月)と比べて4.9ポイント増えた。社会への貢献意識も「思っている」が69.2%(前回62.6%)で過去最高に。また、「個人の利益よりも国民全体の利益を大切にすべきだ」と回答した人も、4.3ポイント増の51.7%となり、前回記録した過去最高を更新した。
 一方、「悪い方向に向かっている分野」(複数回答)は、「景気」を挙げた人が43.4%(同21.1%)で最も多く、「物価」42.3%(同14.6%)▽「食糧」40.9%(同13.0%)▽「国の財政」37.5%(同32.7%)▽「医療・福祉」34.4%(同31.9%)−が続いた。

2008年4月12日 産経ニュース


産経さんには心強い調査結果のように見えますが、「国を愛する気持ち」に関する質問は、「ほかの人と比べて国を愛するという気持ち」が強いかどうかということになっておりまして、こういう質問だと質問対象者が他人の「国を愛するという気持ち」がどの程度であると見ているかということがわかります。今回は「非常に強い」と答えた人と「どちらかといえば強い」と答えた人を合わせて57%なんだそうですから、これだけの人が「他人の国を愛する気持ちは弱い」と思っていることになります。

他人に対する評価が厳しいわけなんですが、これは多分「他人に対する関心が高まっているからでは」ないかと分析出来ます。同時に自分に対する評価が甘くなっていて、57%の人は自分の「国や社会に対する関心がもう十分に高い」と思っているのかも知れません。こういう自己満足的なせんずり状態になると、何かが「悪い方向に向かっている」としたらそれはすべて他人のせいだということになりがちです。

まあ「愛国心」ってのは「自己正当化」を延長したもんですから、これを強調したがる人は元来そういう傾向が強いのですから仕方ありませんが、例えば「個人の利益よりも国民全体の利益を大切にすべきだ」という人が51.7%で「記録更新」だといって喜んでいるようですが、これなども政府に希望する政策として「所得向上への努力が生かされる制度改善」が31.5%にのぼっていることを考えると、財界の走狗である産経さんなどが無邪気に喜んでいて良いような結果ではないような気がするのですが、そこに気がつかないのです。

特に「悪い方向に向かっている分野」が
 「景気」43.4%(前回21.1%)
 「物価」42.3%(昨年14.6%)
 「食糧」40.9%(昨年13.0%)
 「国の財政」37.5%(昨年32.7%)
 「医療・福祉」34.4%(昨年31.9%)
の順になっていることからも国民生活の逼迫がひしひしと感じられなければならず、そこを強調して政府からの発表を切り返すのがジャーナリズムなんで、見出しで「愛国心」がどうしたとかこうしたとか言っている場合ではないのですが、まあ産経さんには笑い者になっていて頂ければそれで良いのですから期待はしません。ついでに日経にも期待しません。

首相「耐えて工夫して切り抜ける」・「桜を見る会」であいさつ

 福田康夫首相が主催する「桜を見る会」が12日午前、東京・新宿御苑で開かれ、政界関係者や文化・芸能人ら約1万人の招待客が見ごろを迎えた八重桜を楽しんだ。
 首相はさわやかな青空の下で「今日の天気のように日本をしっかりさせなければいけない。基礎固めを今一生懸命している」とあいさつ。「物価が上がるとか、しょうがないことはしょうがないんで。耐えて工夫して切り抜けていくことが大事」と話した。
 「ねじれ国会」で頭を悩ませる機会が多い首相も、この日は終始リラックスした表情。会には女優の菊川怜さんや真鍋かをりさんらが参加した。

2008年4月12日 NIKKEI NET


なるほど「耐えて工夫して切り抜けていく」いうのは美しい言葉です。少なくとも菊川怜さんや真鍋かをりさん程度には美しいと言っても良いでしょう。しかしその場には、にしおかすみこさんとかギャル曽根さんなんかもいたのです。大変申し訳ないのですがきれいごとでは済みません。「政界関係者」や売れっ子の「文化人・芸能人」という、現在のところ恵まれている人たちを前にした「物価が上がるとか、しょうがないことはしょうがない」というフザケタ発言を見出しにするのが良いでしょう。

このように関連づけることによって旨味が出て来るところにニュースの醍醐味がありますが、残念ながら締切時間の関係でこの二つの記事は同じ新聞には載りません。気の利いた新聞は「サクラばかりの日本に死体」という見出しをつけているようですが、うーん、これも産経さんが好きな57%の人たちを「サクラ」と言ってしまえばそれはそれで面白いかも知んないな。それに「桜」といえば「死体」と相場は決まっています。映画とかビラ配りとか「準児童ポルノ」とか表現の自由の「死体」も累々とか。
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おっと忘れてた


posted by 珍風 at 20:35| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

もっと計算しよう

 「靖国神社賛成派」がまた物議をかもしている。他人の目から見た自分たちの姿にあらためて仰天した一部の国会議員が作品の中心的登場人物である高知県の刀匠に電話をして「自分の出演場面と名前を削ってほしい」と訴えさせているのだ。出演者が映画の趣旨を認めないというわけで、まあこれはよくある問題だ。
 ▼映画は靖国神社をめぐるドキュメンタリーである。中にかつて軍人に贈る「靖国刀」を作った刀匠、刈谷直治さん(90)が登場する。有村治子参院議員が国会での質問のためにその刈谷さんに電話をかけて、出演場面のカットを希望することを希望したという。
 ▼有村さんがこの発言を国会で紹介すると、真に受けた李纓監督は記者会見で「刈谷さんは了承している。作品が成立しないよう働きかけられたとしか受け取れない」と反論した。もとよりこんな眉唾な発言は一顧だにする価値もない。しかし一部のマスコミは刈谷さんに直接取材するなどして騒ぎはじめた。まるで有村議員の「圧力」で記事を書いているかのようだった。
 ▼中でも「靖国神社賛成派」の機関紙参詣新聞が刈谷さんに直接取材すると、刀匠自身が予定稿通りの話をするので面白味に欠けること夥しい。その揚げ句に刀匠は「利用された感じがする」とまで語っている。
 ▼「言った」「言わない」といった行き違いはよく起きる。だが、それならもう一度よく話し合うべきで、この作品を上映させないための「圧力」などとして利用してはならない。「靖国」のようなナイーブなテーマであれば、「賛成派」からの「圧力」が出演者にも襲いかかるのは残念ながらこの国のイロハだろう。外国ではこうはならない。ABCというのだ。ギリシャではΑΒΓだがロシアではАБВである。しかもあっちのBとこっちのBとは違う字なのだから困ったものだ。
 ▼この映画が上映中止の騒ぎを起こしたときにも、さも政治家の圧力のせいではないかのような報道があった。その政治家本人の下手な言い訳をたれ流すのをが「報道」と呼ぶのであればだが。今回も「圧力」とそれを隠そうとする「圧力」が手に手をとって仲良く歩きだした。根底にあるのは何でもいいから権力者におもねっておけばすむという参詣新聞のさもしさである。
posted by 珍風 at 05:21| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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