2008年05月31日

「カルマの法則」であなたも脳障害

S・ストーンさんを永久に無視=「大地震は報い」発言−中国メディア

 【成都30日時事】米女優シャロン・ストーンさんが中国の四川大地震について、チベット弾圧の「報い」ではないかと発言した問題で、これに反発した約30の中国メディアが30日、今後のニュースでストーンさんを永久に無視するとの声明を発表した。
 声明を出したのは被災地である四川省の成都晩報や北京青年報、羊城晩報(広東省)など各紙とヤフー中国などポータル(玄関)サイトの娯楽ニュース部門。ストーンさんを今後、一切報道しないとした上で、ほかのメディアにも同調を呼び掛けている。
 また、一部の中国メディアによると、上海国際映画祭の組織委員会も同日、ストーンさんを永久に招待しない方針を明らかにした。

2008年5月30日 時事


「永久に無視」なんてのが小学生みたいでカワイイ。シャロン・ストーンさんも「報い」だとか「カルマ」だとかヘンなことを言ってこれもカワイイものです。50歳にもなってカワイイというのは並大抵のものではありません。

中国では古来より統治者の「徳」ということが強調されているわけですが、この「徳」は統治者の道徳的資質という意味を表すと同時に、自然の生成力という意味でも使われます。そこから転じて物の「機能」や、更にその「機能」が作用した結果としての「利得」も「徳」というので、例えば「三徳ナイフ」というのは立派な道徳的資質を三つも身につけた刃物のことではなくて、肉、野菜、魚という三種類の材料に使える包丁のことです。

こうしたところから古代人は統治者の資質と自然現象とが連関していて、統治者が優れた資質を持たない場合は自然環境もまた荒れるものだと考えたようです。これは統治者が悪いことをすると自然の方から「報復」を受ける、ということとは若干違います。これはそのような因果関係で考えられているのではなくて、「徳のなさ」が一方では政治において、他方では天災として表れる、といったところでしょう。

もっともオイノリやマジナイのようなもので自然の方をナントカする、というのは統治者の仕事の一つでしたし、統治者が身を修めれば天災の方も治まるとも考えていたようですが、天災が起こるとそれは統治者がいわば天命に見放されたことの指標として考えられ、「革命」を正当化するものともなったのです。

一方でシャロン・ストーンとかダライ・ラマがいうところの「カルマ」は因果法則ですから、古代中国の発想とは異なるものですが、いずれにしても天災と政治批判を結びつける言い方は中国においては過激な政権批判と受け止められる可能性があります。さすがに現代の中国では「被災者への冒涜だ」くらいのことで済ましていますが、これが100年くらい前だと輪姦のうえ斬首といのがもっとも慈悲深い処置だったりしかねません。

古代の考えでは人間の「倫理」と自然の仕組みが一体不可分とされ、善悪正邪の判断もまた「自然」に決まっているもんだとされていたようですが、現代では少なくともシャロン・ストーンと『週刊新潮』を除いてそのような蒙昧からは解放されているようです。もっともつい200年くらい前までは西洋でも神様を法源とする自然法が実定法に授権するくらいのことは平気で言ってのけていたようですから、誰がエラいというものでもありません。「神様」から一段降ろして「自然」とか「理性」とか言っても同じことで、法が普遍的正義に基づくとしながらも人為的な強制によらなければ執行されないという矛盾から逃れられません。そこで例えば「頽廃」としての「犯罪」というようなアイデアも歓迎されることになりますが、そのようにすると一種の「病気」を、したがってある種の自然現象や幾つかの生物を「自然」から排除するという不都合が生じます。「地球温暖化」に関する議論はそのような「自然」観に関わるものなのかも知れません。

とはいっても、ビルマの軍事政権をサイクロンが襲撃したりしているのを見ると、「天の怒り」だとか言いたくなるのもわからないわけではありません。ましてアメリカのブッシュ政権をハリケーンが見舞ったということであれば尚更であります。そういうことを全て「地球温暖化」のせいにしたり「悪政」のせいにしたりするのは大変単純で魅力的な思いつきです。だからといって脳震盪を起したり脳内出血で倒れたりするのはシャロン・ストーンさんにどのような失徳があった故なのか不明であります。確かにラジー賞の常連ではありますが。

「天の怒り」とか「報い」などということは「他人事」として語るものなのです。日本では多くの人が苦しんでいますが、これは「天変地異」によるものではなく、統治者のめちゃくちゃな行動が原因です。このうえ更に地震や台風が来たら泣き面に蜂ですから、あまり面白がっている余裕はありません。「悪政」に「天災」が重なるのは困りもので、せめてどっちか片方にしてもらいたいというのが人情です。もっとも「悪政」が「天災」の被害を拡大することがあるのは言うまでもありませんが。ともあれ、シャロン・ストーンさんによれば大阪や東京は危険がいっぱいです。早く逃げないと大変なことになるぞ。


posted by 珍風 at 11:38| Comment(3) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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