2008年09月04日

番犬の花道に白髪染めが滴り落ちる

最高裁 横尾和子判事が退官へ

最高裁判所の横尾和子判事が定年まで2年余りの任期を残して退官することになりました。退官は内閣の閣議決定と天皇の認証を経て正式に決まる見通しで、今後、後任の判事の人選が進められます。
最高裁判所の横尾和子判事(67)は、昭和39年に当時の厚生省に入り、老人保健福祉局長や社会保険庁長官などを務めたあと、平成13年12月に女性では2人目となる最高裁判事に就任しました。最高裁によりますと、横尾判事は、在任期間が6年を超え、現職の判事の中で最も長くなったことや、担当する裁判の審理に区切りがついたことなどから、定年まで2年余りの任期を残して退官の意向を示し、了承されたということです。横尾判事は、これまでに東京・池袋で起きた通り魔事件やプリンターのインクカートリッジの特許をめぐる裁判などで裁判長を務めました。

2008年9月4日 NHK


かの有名な最高裁判所HPの横尾和子さん特設ページ
http://www.courts.go.jp/saikosai/about/saibankan/yoko.html
によれば、横尾さんが小泉内閣によって最高裁判所裁判官に任命されたのは平成13年、つまり2001年12月19日でありますから、たしかに今の最高裁判所裁判官の中では最古参です。以来6年9ヶ月の間、横尾さんはよく働いたといえばよく働いたわけです。とにかく任命した内閣の立場から見れば大変によく働いた、感動した、と言えるでしょう。

NHKの言う通り、横尾さんはリサイクルのインクカートリッジを特許侵害であるとして便所キヤノンを勝たせましたし、1999年の池袋通り魔殺人の造田博さんの死刑を確定しました。造田さんは事件の2年前くらいから外務省や国会、裁判所や警視庁などに「大統領」を名乗って面白い手紙を送りつけていた人で、「日本のヨハネス・バーダー」と呼ばれている方です。例えば外務省に届いたやつは

世界中で見られる生まれながらのひどい精神障害者、奇形児の方々はすべて歌舞伎町で会ったことが原因で患者になっています。ですから私は日本で生まれることにしました。私と関係があるという理由で、この小汚い者達は   さんという女性を世界中の人達、私の目の前でレイプしようとしています。国連のプレジデントに届けてください。


という立派なものでした。翌年には突然200ドル持って渡米、お金がなくなるとパスポートを破り捨てるなど大騒ぎをして錯乱、ビザが切れて帰国後に新聞配達をしていたところ無言電話が来て世界が破滅、アパートの自分の部屋のドアに「わし以外のまともな人がボケナスのアホ殺しとるけえのお。わしもボケナスのアホ全員殺すけえのお」というむやみに威勢のいい「声明文」を貼付してから「犯行」に及びましたが、「日本で生まれることにした」結果「ひどい精神障害者」の仲間に入らずに済んだのも横尾さんのおかげというものでしょう。

もちろん横尾さんの名は国籍法違憲判決の超保守的な反対意見にも金箔で刻まれています。しかしNHKがあえてわざと触れなかったのが、NHKの番組改変問題に関わる訴訟の件であります。ついこの間の6月12日の判決ですが、最高裁によれば「放送番組を放送した放送事業者(NHK)及び同番組の制作,取材に関与した業者が取材を受けた者の期待,信頼を(政治家の恫喝によって)侵害したことを理由とする不法行為責任を負わない」ということのようです。しかし横尾さんは特に「意見」を付して

私は,多数意見の結論に賛成するものであるが,その理由は,判示第2,2(1)に関しては,多数意見と異なり,事実についての報道及び論評に係る番組の編集の自律は取材対象者の期待,信頼によって制限されることは以下の理由により認められないとするものである。
取材対象者が抱いた内心の期待,信頼は,それが表明されないままに取材担当者が認識できるものではなく,また,取材の都度,その内容や程度を確認することも報道取材の実際からして期待できるものでもない。それにもかかわらず,期待,信頼を確認せずに番組の放送をした場合に,その内容が期待,信頼と異なるとして違法の評価を受ける可能性があるということであれば,それが取材活動の萎縮を招くことは避けられず,ひいては報道の自由の制約にもつながるものというべきである。
また,期待,信頼を保護することの実質は,放送事業者に対し期待,信頼の内容に沿った番組の制作及びその放送を行う作為を求めるものであり,放送番組編集への介入を許容するおそれがあるものといわざるを得ない。
さらに,多数意見も述べるとおり,放送法上の放送事業者の番組の編集は,表現の自由の保障の下,公共の福祉の適合性に配慮した放送事業者の自律的判断にゆだねられており,また編集過程においては取材された素材の取捨選択を含め番組の内容が変更されることも当然のことと認識されているものと考えられているのであるから,取材対象者の抱く期待,信頼を法的保護に値するものと認める余地はないと解される。
本件番組は,その内容からして上記の報道及び論評に係る番組に当たるといい得るものであり,上述の理由により,原告の主張するような期待,信頼が侵害されたことを理由とする主張は理由がない。


などと、「報道の自由」「表現の自由」の名の下に報道への政治介入を容認するという歴史的な汚点を残しました。この「意見」は判決において限定的に認められた「期待権」をも全面的に否定するものであり、「マスゴミの取材を受けたらあきらめろ」「政治家に脅かされて従うのはマスゴミの判断であり、要するに当たり前のことだ」ということでした。思うに、こういうのがお役人の法律の読み方なんでしょう。

考えてみれば裁判官を内閣が任命するというのも、司法の独立という点から見るとおかしな話しですが、この裁判官の中に行政官出身者がいるというのはもっと不思議なことです。行政出身者が行政寄りの判断をするのは当たり前の話しで、その意味では横尾さんは在任中一貫して見事にその「職責」を果たし続けて来たわけです。そう考えてみると今回の突然の「依願退官」自体も、総選挙を目前にした新内閣が年金問題での責任を追及されるのを回避するための、きわめて行政寄りの「判断」であったと考えることが出来ます。福田さんに続く邪魔者の排除なんですが、横尾さんは最後まで「期待」と「信頼」を裏切ることなく「職務」を全うしたのでした。こういう立派な人物ですから、きっとこれからもステキなポストが用意されることでしょう。少なくとも亀頭を染める高級白髪染めに事欠くような境遇に落ちることはなさそうですね。


posted by 珍風 at 22:14| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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