2008年10月20日

最初から思わず笑われてしまう七転八倒勝負

「朝日が早くなくなれば…」 橋下知事が批判エスカレート

 大阪府の橋下徹知事が、3日付の朝日新聞の「橋下TV発言 弁護士資格を返上しては」と題した社説を批判した問題で、橋下知事は20日、出張先の東京で報道陣の取材に応じ、「朝日が早くなくなれば世の中のためになる」などと発言。“朝日批判”をさらにエスカレートさせた。
 橋下知事は、19日の陸上自衛隊記念行事の祝辞で「人の悪口を言う朝日新聞のような大人が増えれば日本は駄目になる」と述べた真意について「命がけで頑張っている自衛隊に敬意を表さないといけない場で、その対極にいる愚かな朝日を批判するのが最適だと思った」と説明。
 テレビでの発言をもとに弁護士資格の返上を提案した社説については「朝日はからかい半分で、事実誤認もあり今すぐ廃業すべきだ」と述べた。
 さらに、全国学力テストについて、大阪府内の市町村別のデータを朝日新聞が掲載しなかったことについては「自分たちが良識だと思い上がって、何でも反権力なのが朝日。だから、僕が出そうとしたデータを出さなかった」と語るなど、批判は止まらなかった。

2008年10月20日 産経ニュース


困ったもんで、これでは一方的に朝日新聞がいいカッコになってしまいます。橋下さんについては、そもそもが橋下さんが愚かなことを口走ったことに関する判決についての社説について愚かなことを口走っているわけで、橋下さんが下らないことを喋るというのは最初からの前提であり、今のところ橋下さんの発言はこの前提を出るものではありませんから、実際のところニューズバリューというものはないのです。犬が人を咬んでもニュースにならないというのと同じく、橋下さんが間違ったことを言ってもニュースになりません。

したがってこの件に関する報道は、一重に朝日新聞がその社説において橋下さんを怒らせたことを讃えるという意味を持ちます。これは報道しているのが朝日新聞自身であろうが産經新聞であろうが変わりません。権力者が怒るようなことを書いたり、「何でも反権力」なのがジャーナリズムの存在価値なのですから、橋下さんは発言する度に朝日新聞の価値を高めています。これは宣伝です。朝日ってそんなに「何でも反権力」だったっけ?しかし朝日ではテレビじゃ見られない橋下批判をやっているってえんですから、こいつは先を争って朝日新聞を買い求めずにはいられないではないですか。それでいいのか。朝日は橋下と癒着しているぞ!

とはいうものの、今更新聞を買いにいっても問題の社説は読めません。それに僕は特に朝日新聞の味方でも読者でもないのですから、その社説を読んで橋下さんと怒りを共にしたいという人があれば、それはそれで手伝ってあげないわけでもないのですから、以下に引用します。

橋下TV発言―弁護士資格を返上しては

 歯切れのよさで人気のある橋下徹・大阪府知事のタレント弁護士時代の発言に、「弁護士失格」といわんばかりの厳しい判決が言い渡された。 

 山口県光市の母子殺害事件をめぐり、橋下氏は昨春、民放のテレビ番組で、少年だった被告の弁護団を批判し、「弁護団を許せないと思うんだったら懲戒請求をかけてもらいたい」と視聴者に呼びかけた。 

 その発言をきっかけに大量の懲戒請求を受けた弁護団が損害賠償を求めた裁判で、広島地裁は橋下氏に総額800万円の支払いを命じた。判決で「少数派の基本的人権を保護する弁護士の使命や職責を正しく理解していない」とまで言われたのだから、橋下氏は深く恥じなければならない。 

 この事件では、少年は一、二審で起訴事実を認め、無期懲役の判決を受けた。だが、差し戻しの控訴審で殺意や強姦(ごうかん)目的を否認した。 

 少年の新たな主張について、橋下氏は大阪の読売テレビ制作の番組で、弁護団が組み立てたとしか考えられないと批判した。弁護団の懲戒を弁護士会に請求するよう呼びかけ、「一斉にかけてくださったら弁護士会も処分出さないわけにはいかない」と続けた。 

 こうした橋下氏の発言について、広島地裁は次のように判断した。刑事事件で被告が主張を変えることはしばしばある。その主張を弁護団が創作したかどうかは、橋下氏が弁護士であれば速断を避けるべきだった。発言は根拠がなく、名誉棄損にあたる――。きわめて常識的な判断だ。 

 そもそも橋下氏は、みずから携わってきた弁護士の責任をわかっていないのではないか。弁護士は被告の利益や権利を守るのが仕事である。弁護団の方針が世間の常識にそぐわず、気に入らないからといって、懲戒請求をしようとあおるのは、弁護士のやることではない。 

 光市の事件では、殺意の否認に転じた被告・弁護団を一方的に非難するテレビ報道などが相次いだ。そうした番組作りについて、放送倫理・番組向上機構(BPO)の放送倫理検証委員会は公正性の原則からはずれるとして、厳しく批判した。 

 偏った番組作りをした放送局が許されないのは当然だが、法律の専門家として出演した橋下氏の責任はさらに重い。問題の発言をきっかけに、ネット上で弁護団への懲戒請求の動きが広がり、懲戒請求は全国で計8千件を超える異常な事態になった。 

 橋下氏は判決後、弁護団に謝罪する一方で、控訴する意向を示した。判決を真剣に受け止めるならば、控訴をしないだけでなく、弁護士の資格を返上してはどうか。謝罪が形ばかりのものとみられれば、知事としての資質にも疑問が投げかけられるだろう。

2008年10月3日 朝日新聞社説


これのどこが「からかい半分」なのかよく分かりません。からかい半分なら僕の領分ですが。ぼくのはからかい全部ですか。とにかくこの「社説」では、判決において橋下さんがやったことは「橋下氏が弁護士であれば」やってはならない、やるはずのないことであると判断しているのを受けて、橋下さんの弁護士としての資質を問うているわけです。これは地裁判決が橋下さんの発言を弁護士には相応しくないものとしているのを単に繰り返しているだけで、特にオリジナリティもないようですし、「からかい半分」というほど面白く書いてあるわけではないのが残念です。ましてや「反権力」でもありません。橋下さんくらいになると地裁レベルでは「権力」のうちに入らないのかも知れませんが。

ここで弁護士資格の返上を提案しているのは、橋下さんが控訴したことによって彼の「謝罪」が「形ばかり」のものであると受け止められる可能性があるので、それを慮ってのことでしょう。もう府知事なんだから弁護士やんなくてもいいだろうというのは、しかし橋下さんの事情を知らない無頓着な提案であるといってもいいかも知れません。橋下さんによれば、弁護士資格を返上すると事務所の人や家族が困るそうです。

もちろん「弁護士資格を返上する」にあたっては、それに伴って弁護し事務所職員の再雇用先の確保などを誠意をもって行なうことが期待されます。もちろん、そんな弁護士の事務所にいたということで、業界内での再就職が困難であることは予想されますが、橋下さん自身と事務所の人達は違います。事務所の職員がみんな橋下さんのような人ばかりではないはずですし、その事を分かってくれる人もいるに違いありません。

一方、橋下さんの家族については、当面の生活に困ることはないと思います。お子さんが6人だか7人だかいらっしゃる。ほう。それであなた他には何が出来ますか?弁護士?ご冗談を。お名前は?橋下さん。「高い」転じて「驕り高ぶる」の意の「喬」に「きへん」ですか。気を確かに。それでもって「下」に向かって「きへん」の「驕り高ぶり」を向けるんであると。「徹」底的にそうでいらっしゃる。「徹」頭「徹」尾そういう姿勢でやっていかれると。いや、たいしたもんだ。

「悪口」を書かれた「私怨」を「敬意」がわりにぶちまけられた自衛隊の諸君には同情に堪えませんが、日本が橋下さんみたいな「大人」ばっかりになったら仕事に嫌気がさすでしょう。ましてや諸君の仕事はもっぱら「そんな大人」を守ることなんですから、今のうちに考え直して弁護士にでもなったらいかがでしょうか。弁護士、簡単そうですよ。誰でもなれそうです。橋下さんをご覧なさい。「朝日新聞のような大人が増えれば日本は駄目になる」と言ってる端から、朝日新聞に対して「廃業すべき」だ、なんて、相手に言われたことをそのまま返していれば勤まるみたいですよ。九官鳥にも出来ます。みなさんが「自分たちが良識だと思い上が」るよりも良識のなさをアピールし、「人の悪口」を言わないようにして「権力」に諸手を上げて大賛成していれば、日本はすぐにでも駄目になりますからね。大丈夫ですよ、もうなってるから。


posted by 珍風 at 22:40| Comment(4) | TrackBack(2) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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