2008年12月06日

司法崩壊の序曲

「裁判員制度に関する意識調査」結果
平成20年4月1日

1.最高裁判所は,平成20年1月7日から2月4日にかけて全国で計1万500人(各地方裁判所の管轄区域ごとに210人)の20歳以上の方々を対象に,裁判員制度に関する認知度や参加意向等について正確に把握し,裁判員制度の円滑な実施に向けて活用するため,意識調査を行いました。
2.その結果,裁判員制度について知っている方は94.5パーセントに達していること,「参加したい」「参加してもよい」という方のほか,「義務なら参加せざるを得ない」という方まで含めると,20代〜60代の約65パーセントの方が参加意向を示していることが明らかとなりました。
 また,裁判員制度について知っている事項の数が多いほど,裁判に参加する場合の心配や支障が低く,参加意向も高いという関係がありました。
 調査によれば,裁判員制度についての情報を得たのは,圧倒的にテレビ,新聞を通じてのことが多いことが明らかになりました。
3.調査結果を踏まえ,裁判員制度施行までの残り約1年間,引き続き,関係機関と協力し,また様々なメディアを通じて,国民の皆様の疑問や不安を解消する分かりやすい情報をお伝えしていくことが重要であると考えています。
アンケート調査にご協力いただいた皆様には感謝申し上げます。


最高裁判所のこの調査は株式会社インテージリサーチが請け負っています。各地裁管轄区域別にその地域の20歳以上の性別年齢別人口構成比に応じて210人の調査対象を割り当て、これが全国では50の区域があるから210×50=10,500人を対象とした結果です。調査方法は訪問面接。

それによると

Q5 あなたは裁判員として刑事裁判に参加したいと思いますか。当てはまると思うものを、次の中からひとつだけお聞かせください。

参加したい 4.4%
参加してもよい 11.1%
あまり参加したくないが義務なら参加せざるを得ない 44.8%
義務であっても参加したくない 37.6%
わからない 2.0%


誤差あるいは無回答が0.1あるはずですが、この質問構成は内閣府の調査と同じです。サンプル抽出方法が違いますから単純に比較は出来ませんが、「あまり参加したくないが義務なら参加せざるを得ない」というのは反対に解釈して「義務でなければ参加したくない」という意味であると考えるの妥当ですから、「参加意向を示している」のは15.5%であると考えるべきでしょう。「あまり参加したくないが義務なら参加せざるを得ない」人は、最高裁が「参加意向を示している」とする「約65%」の内の約7割を占めますから、裁判員6人のうち4人はやる気のない人であるということになります。

尚、各種制裁措置等の充実によって全員強制参加の実施に至った場合は、積極的に参加意向を示す人は6人のうち1人以下になります。ほぼ全員が無理矢理いやいや参加することになりますが、このような場合、その裁判で示された判断に著しい疑念が生じるだけではなく、このような裁判員の中には居眠りするもの、オナニーするもの、隣の裁判員を触るもの、触り合いをするもの、その場でイッちゃうもの、話しを聞いていないもの、私語するもの、クスクス笑うもの、ゲラゲラ笑うもの、すべての犯罪の背後にフリーメーソンの陰謀を確信するもの、マンガを読むもの、マンガを描くもの、ネームを考えているもの、ベタを塗るもの、原稿が上がるのを待っているもの、英単語を覚えるもの、手をフレミングの法則の形にして首をひねっているもの、激しい下痢のもの、頻繁にトイレに行くもの、トイレで酒を飲んでくるもの、トイレで薬を打ってくるもの、禁断症状に苦しむもの、二日酔いのもの、ゲロを吐くもの、2日目から来なくなるもの、1日目の昼休みが終わったらもう消えているもの、1日目の朝から来ないもの、遅刻するもの、早退するもの、迷子になって家裁で泣いているもの、放火するもの、爆破するもの、炭疽菌を撒くもの、新型インフルエンザに罹患しているもの、冒頭陳述が始まって5分後に「判決死刑、帰るぞ」と叫ぶもの、「いや無罪だ」と応じるもの、つかみ合いの喧嘩を始めるもの、飛び出しナイフを持ち出すもの、死ぬもの、そのまた死体を運ぶもの、おれが真犯人だといいだすもの、しかもそれが本当だった、などが続出するおそれがあります。

一方、NHKは11月に1600人ばかりを対象に電話調査をしました。

来年5月に始まる裁判員制度に参加したい人は、実施まで半年となった今も33%にとどまり、依然として低いことがNHKの世論調査でわかりました。
来年5月に始まる裁判員制度について、NHKは今月、全国の20歳以上のおよそ2700人を対象に電話による世論調査を行い、60%にあたるおよそ1600人から回答を得ました。この中で裁判員制度に参加したいか聞いたところ、「ぜひ参加したい」と答えた人は6%、「参加してもよい」が27%、「できれば参加したくない」が44%、「絶対に参加したくない」が21%で、参加したい人はあわせて33%にとどまり、実施まで半年となった今も、一般の人の参加意欲が依然として低いことがうかがえます。年代別では、20代は参加したい人が54%で、参加したくない人の44%を上回ったものの、年代が上がるほど参加したい人の割合が下がり、60代では28%でした。参加したくない理由としては、「正しい判断ができるか自信がないから」が55%で最も多く、次いで「人を裁く責任を負担に感じるから」が26%、「仕事や家事などで忙しいから」が11%で、忙しさより責任の重さを理由にあげる人が多くなっています。また、裁判員制度を実施するうえで最も必要なことは何かという質問には、「心理的負担を和らげる対策をとる」が39%で最も多く、次いで「仕事を休んだ期間の収入を補償する」が21%、「裁判員を辞退しやすくする」が18%となっています。来年裁判員になる可能性がある候補者には、今月下旬から来月にかけて通知が届く予定です。

2008年11月20日 NHK


真っ昼間から電話に出てのんびりとアンケートに答えていられる人が対象ですから、当然、裁判員になるようなヒマな人が多いはずなんですが、

ぜひ参加したい 6%
参加してもよい 27%
できれば参加したくない 44%
絶対に参加したくない 21%


それでも積極参加層が6%、参加許容層を含めても33%ですから、6人の裁判員のうち4人にはやる気がありません。そのような人たちはやる気のある2人に対して「いいから早く終わって帰りたい」というプレッシャーをかけるかも知れません。また、裁判官にとっては素人が事を荒立てるよりも「迅速」を条件におとなしくしていてもらった方がやりやすいはずですから、なんとやる気のある2人の裁判員に対して、プロを含む7人の敵がいるのです。

したがってやる気のある人もない人も出来れば辞退したいところであり、実際に候補になった人は辞退のことばかり考えているようです。

裁判員制度:コールセンターに辞退の質問9000件

 最高裁は5日、裁判員候補者向けのコールセンターに対して、開設から5日間で計約1万5680件の問い合わせがあったと発表した。約57%(約8970件)は裁判員の辞退に関する質問で、「強制するな」などの苦情は約3%(約470件)だった。
 コールセンターは、候補者通知を発送した翌日の11月29日に設置。休みの日曜を除く4日までの5日間の電話内容などを集計した。
 最も電話が多かったのは2日の約4730件で、その後は減少傾向。内容は(1)辞退理由全般=約3960件(2)70歳以上、学生を理由とした辞退=約2280件(3)病気、けがによる辞退=約1270件−−が上位を占めた。
 一方、候補者がブログや会員制サイトに身元を明らかにして書き込みをしている例が確認されており、最高裁はホームページで「インターネットなどでの公表は法律で禁止されている」と注意を呼び掛けている。【北村和巳】

2008年12月5日 毎日新聞


このような世論の動向に対して、産業界にも対策が求められていたようで、トリンプがバカなブラジャーを考案した一方、「アメリカのコンサルタント会社」から例によっていつものように騙されたのがジャルパックです。

「米の陪審裁判ツアー」閑古鳥 1回も出発できず

 来年5月の裁判員制度のスタートを見据えて、日本航空グループの旅行会社「ジャルパック」が、米国の陪審裁判を見学できるツアーを10月から販売しているが、応募者が集まらず、1回も出発できないでいる。「やはり裁判員制度への関心は薄いのか……」と同社関係者は頭を抱える。
 ジャルパックが企画したのは、米・ニューヨーク5日間のプラン(28万8600〜32万8600円)。旅程2日目の午前中に陪審員裁判を傍聴し、午後は「裁判制度セミナー」として、刑事裁判に詳しい現地の弁護士から、陪審制度の仕組みなどについて説明を受ける。3日目は自由行動となっている。
 米のコンサルタント会社から「浸透していないと言われる裁判員制度を広める効果がある」と言われて企画をたてた。3月までに16回の出発日を準備。これまでの5回分では、応募者が各回の最少催行人数の6人に達しなかった。
 残る出発日は年明けからの11回。同社は大学などで、宣伝を強化する方針だ。(佐々木学)

2008年12月5日 asahi.com


だいたい裁判員制度と陪審制とでは全然違うんで、こりゃ詐欺ですよ。この企画の担当者自身が「裁判員制度への関心は薄い」ようです。もっとも制度としては類似している参審制はヨーロッパでやってるんですが、ヨーロッパ5日間というともうちょっと高くなるはずですし、日本語で制度の説明をしてくれる現地の弁護士の都合もつきにくいでしょう。ツアー料金のうち弁護士への報酬がどのくらいのものか、弁護士を半日使うというと、やっぱり10万円くらいですか?アメリカのことよく知りませんが、ちゃんとそのための人を確保することを考えると、相当程度の弁護士の報酬レベルに合わせてないといかんですよね。てゆうかいずれにしても現地で活動する日本人弁護士、ということになるんでしょうけど、そういう人って刑事事件はほぼ全くやってないのではないか。「刑事裁判に詳しい」ってのがどの程度のもんかわかりませんね。被告人になったことがあるとか。

ジャルパックより賢明な人は裁判員候補者通知を受け取り拒否しています。なるほどこれは気がつかなかったね。あの中には「調査票」が入っているんですが、これは法律で定められた書類ではなく、最高裁が出した規則に基づいています。これに虚偽の記載をしたところで罰則はありませんから、何でも好きなことを書いて出せばいいのかと思ってましたが、返送しちゃうってのはいいかもしんない。

受け取り拒否でも免除なし、候補通知未開封で返送の人も

 来年5月に始まる裁判員制度で、裁判員候補者名簿に登録された人が、先月末に最高裁から郵送されてきた通知を開封せず、送り返すケースがあることが分かった。
 候補者が通知の受け取りを拒んでも、今後、裁判所からの呼び出しが免除されることはなく、最高裁刑事局は「通知には調査票が同封され、辞退を希望する月を2か月まで書き込める。まずは通知を開封してほしい」と呼びかけている。
 裁判員候補者への通知は先月28日、普通郵便で全国の候補者約29万5000人に送られた。ただ、普通郵便は開封しないまま「受け取り拒絶」などと書いてポストに入れると、差出人に返送される。北海道在住の30代の男性は「自分には人を裁く資格などない」という考えから、未開封の通知を最高裁に返送したという。
 最高裁は、受け取り拒絶で通知を返送した人については調査票への回答がなく、辞退を希望する時期がないものと見なすとしている。

2008年12月5日 読売新聞


僕は普通郵便の受け取り拒否って思いつかなかったから讀賣GJと思いますが、受け取り拒否の方法は記事の通り。「まずは通知を開封してほしい」などというリーブ21式に騙されてはいけません。最高裁はこのような事例に対して「辞退希望がない」と解釈するそうですが、そう解釈するのは最高裁の勝手であります。こういう人は「呼出状」の受け取りも拒否するに決まっていますから、そこをあえて発送するのは無駄というものです。一般的に言ってこういう人は呼び出さない方がベターであると判断されるでしょう。

ちなみに実際の裁判に際して「呼び出すべき裁判員候補者」に対して出される「呼出状」は普通郵便ではなく、書留かなにかになると思いますから、裁判員になることを希望しない候補者は来年後半以降郵便屋さんが来ても会わないように。奥さんや餓鬼にも言っておきましょう。ただし餓鬼が小児の場合はそれに受け取らせても構いません。「餓鬼がなくした」と言えばいいのです。

いずれにしても裁判員制度は国民の大多数の反発を前提に施行されます。マスゴミもトリンプのジャルパックも世論のコントロールに成功しませんでした。これはちょっと類例のないことです。消費税を上げるのだってなんなく納得させていたもんですが、裁判員制度は違います。ここまで明白に「民意」に反することを政府がやるのは珍しいことなのです。したがってこれは政府が本格的に牙を剥いたということであり、今後同様の政策を推進する上でのテストケースになります。そこで特にこの制度の施行初期において、法に定められた各種制裁、ことに「不出頭」等に対するそれがどのように行われるのか興味のあるところです。制裁を厳正に適用すれば「義務」が果たされ、そのかわり司法が崩壊して国民の(被告人および被害者の)権利が侵害されます。このように権利と義務が相反するような政策はそれ自体正しいとも比較的良いともないよりマシとも言えないものですが、どちらが重視されるのか、ブラジャーの天秤にかけて測ろうとします。そこで知っておきたいのですが西内裕美さん、どっちのおっぱいが大きいの?


posted by 珍風 at 08:53| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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