2008年12月30日

21世紀のアメリカ的生活様式

月にでも行ってみたい
そんな気がする40代
できれば何にもしたくない
金さえあればの40代

(蛭子能収「だるい人」)

裁判員制度について「嫌々行ったとしても『早く終わるなら、皆さんが言われる通りの刑でいいです』といいます」という一種逆説的な、しかし的をついた「反対理由」を述べられている蛭子能収さんが1987年、40歳を目前に書いた「あんまり」な歌詞がこれですが、それから20年経った今年、40代には相変わらす疲労感が横溢しております。

世間では派遣労働者の首をどんどん切っているわけですが、これの中心が30代、しかし40代の人も大勢います。しかし与党は野党の雇用対策法案を豪快に蹴っ飛ばして、月にでもあの世にでも行ってしまえ、というまことに鮮明な態度を打ち出す一方では、どういうわけか「若者」の方は「支援」するつもりのようです。で、この「若者」の一番若い方の層の親の世代がやっぱり40代。

ニート、引きこもり増加食い止め 「若者支援新法」制定へ

 ■「地域協議会」中核に訪問相談
 ニートや自宅に引きこもっている若者の存在が社会問題化している中、こうした若者の自立や社会参加、就労を官民連携で支援するために、政府が「若者支援新法」(仮称)を来年の通常国会に提出する方針を決めたことが、28日分かった。急速な景気の悪化で非正規労働者らが解雇されるケースが相次いでいることを受けて、今後のニートや引きこもりの増加に備えるねらいもある。
 これまでのニート対策では、厚生労働省が各地域に設けた「地域若者サポートステーション」を通じて若者の相談に応じている。ただ、引きこもりの若者は自らステーションに足を運ぼうとしないため、実態はほとんど把握されていない。
 こうした現状を踏まえ、麻生太郎首相は9月の所信表明演説で「困っている若者に自立を促し、手を差し伸べるための新法も検討する」と表明した。
 また、政府は年末に青少年育成施策大綱を改定し、地域で官民の関係機関による支援ネットワークの整備▽情報を関係機関間で円滑に共有するための仕組みの整備▽若者や保護者に対する訪問支援(アウトリーチ)の実施−などへの取り組みを掲げていた。
 新法はこの大綱をベースとして、冒頭に、社会的自立に困難を抱える若者の支援は「国や地方自治体の責務」だと規定する。
 支援の中核機関として、自治体の担当部署や青少年相談センター、教育委員会、民間非営利団体(NPO)、ハローワーク、医療機関、警察などで構成される「地域協議会」を設置する。
 地域協議会は、各機関の情報を集約して、ニートや引きこもりになっている若者がどこにいるかを把握し、専門相談員「ユースアドバイザー」や医師、保護司らが自宅を訪問する。こうした活動を繰り返す中で、引きこもりの原因を探って、社会参加への計画を策定。コミュニケーション能力を回復させる方向へと導くとともに、就業体験に参加できるように協力し、同居する保護者への助言なども行う。
 政府は新法の成立後、若者支援のためのより細かい実施計画をまとめる予定だ。

                   ◇

【用語解説】ニート
 「通学せず、仕事に就かず、職業訓練も受けていない」という意味の英語の頭文字(NEET)を取った略語。明確な定義があるわけではないが、平成20年版「青少年白書」によると、家事も通学もしていない15〜34歳のニートは19年で62万人いるとされる。一般的には、ハローワークに通うなどの就職活動を行う「失業者」や、アルバイトなどを行う「フリーター」とは区別される。

2008年12月28日 産經新聞


「急速な景気の悪化で非正規労働者らが解雇されるケースが相次いでいることを受けて、今後のニートや引きこもりの増加に備える」んだそうですが、この「増加」は有効な雇用対策を実施出来ない政府の責任であることは明らかでしょう。今後も首尾よく実家にたどり着けた「失業者」や就職先が見つからない「若者」が「ニート」となるのは避けられない情勢ですが、それは雇用対策の無策によるものでしょう。

政府の定義上「ニート」は34歳までの人を指しますが、35歳以上の人だっているでしょうし、40代の人もいたりします。これはもう2世代にわたる問題になってしまっているのであって、40歳くらいのポイントで2つの世代が接触しています。

しかし実際のところ、「失業者」という言葉は「曖称」でしかありません。切られた派遣労働者は「失業」と同時に住居も失う「失住者」でもあるのですから、直ちに「衣」も「食」も失ってその生存すら失われてしまうことになっています。春までに何人が文字通りの意味で生き残れるでしょうか。それに比べるといま現在「ニート」的な生活をしている人の方が生存率は高いものと思われます。

したがって現在の状況で「若者の自立や社会参加、就労」を促進しようとする事は、連中に「死ね」と言っている、いや実際に殺してしまうのと同様です。「就労」の受け入れ先がないのですから仕方ありません。「社会的自立に困難を抱える若者の支援は「国や地方自治体の責務」だ」そうですが、「就労」を受け入れるのはその大半が民間企業ですから、企業にも何らかの「責務」を負わせなければ上手くいかない道理です。

しかしながら与党が雇用対策法案を否決したのは単なる「面子」や「意地っぱり」ではなく、それが企業に一定の「責務」を負わせる事になるから、というちゃんとした理由があるのです。現在の政府には有効な雇用対策を打つ気持ちはなく、その能力がなく、やろうとしても大企業に首根っこを押さえられているので動きがとれません。したがって「雇用対策」なき「ニート対策」も全く機能しない事は年明けを待つまでもなく明白であります。

そこで今のところ有効なのは、できるだけゴロゴロして、喰い詰めたら強盗とかに入り、まかり間違ったら刑務所に入るというライフ・スタイルです。これはアメリカなんかりのビンボー人の間ではわりとノーマルな生活様式であるとみられており、こんな「アメリカン・ウェイ・オヴ・ライフ」が日本でも普及するものと思われます。英語ができなくても大丈夫みたいです。


posted by 珍風 at 10:16| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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