2009年02月08日

暴走脱線なのはな電車

そんなわけで「皿女」こと白石真澄さんと当の千葉県よりも田舎臭い森田健作さんが県民にとって絶望的な戦いを繰り広げようとする矢先に、第5の男として登場したのが吉田平さんという人。それにしても「出る」って大書しているのがヘン。

吉田氏出馬表明「民間の感覚県政に」

 3月29日投開票の知事選で、第3セクター「いすみ鉄道」前社長の吉田平氏(49)は7日、千葉市中央区のホテルで記者会見し、正式に立候補を表明した。吉田氏は「千葉を本当に愛している。経営者としての現場感、スピード感を大事にしながら、決断と実行、実践をやっていきたい」と述べ、民間の経営感覚を県政運営に取り入れる考えを示した。
 会見には、吉田氏に後継として出馬要請した堂本知事も同席。決意表明を聞き終えると、「今、返事をいただいた。受けてくれて本当にありがとう」と語り、吉田氏とがっちり握手した。
 吉田氏が知事と親交を深めたきっかけは2007年12月、自らが事務長を務める経営者団体「県倫理法人会」の会合だった。「ものすごく忙しい知事が丸々3時間いてくれた。感動して知事室にお礼に行った」と振り返った。
 「人として尊敬できる」(吉田氏)という知事から今年1月15日に「魂のこもった言葉」で出馬を促され、その場で決意したが、「いすみ鉄道のことは頭の中になかった」と言う。
 具体的な政策は「立候補を決めて間もない」と明らかにしなかったが、「1次産業にものすごくチャンスがある。県庁の皆さんと一緒に、世界にダイレクトに売り込んでいく」「お金をかけなくても現在の道路、鉄道、バス網を結び付けることで、(都市部からの)流入が良くなる」と話すなど、構想の一端を披露した。
 また、すでに出馬を表明している4氏の政策を「中身はすばらしい」と評価した上で、「それぞれの候補の良いところ、県民、県職員の思い、堂本知事の実行してきた素晴らしいところを大事にしながらやっていく」とも語った。
 いすみ鉄道社長の任期を1年以上残し、辞任して知事選に臨むことについては、「批判は当然あると思う。全従業員がそうとは思わないが、『出て下さい』と言われて涙が出た。最終的に従業員、お客さんの声に真実がある。いろんな思いでつらさを乗り越えた」と理解を求めた。
 一方、政党との関係では、民主党県連が推薦を出す方向で検討しているが、「一番の基軸は全県民、全経営者、全政党。私の考え方を共有してもらえるのであれば、どこでも応援していただきたい」と語り、特定政党からの支援にこだわらない考えを示した。
 知事選には、県議の西尾憲一氏(58)、社会福祉法人理事長の八田英之(ふさゆき)氏(64)(共産党推薦)、関西大教授の白石真澄氏(50)、元衆院議員の森田健作氏(59)が、いずれも無所属で出馬を表明している。
■いすみ鉄道後任社長堂本知事明言避ける
 堂本知事は7日、吉田氏と同席した記者会見で、いすみ鉄道の経営改善策の目玉として、公募で社長に選んだ吉田氏に出馬要請したことについて、「任期は2年だが、2年間やるという契約にはなっていない。きちんとやっていくには、知事として裁量を持つのが、いすみ鉄道としては一番大事。吉田さんが知事になるのがベストだ」と語った。
 経営改善についても「めどはついた」との認識を示した。後任社長を改めて公募するかに関しては、「今は決定していない。新しい知事が決めるかもしれない」と明言を避けた。
     ◇
 いすみ鉄道は7日、本社のある大多喜町で臨時取締役会を開いた。吉田氏は代表取締役社長を退任、新たに取締役となった岡田周美氏(60)が代表権を持つ副社長に就任した。社長は当面空席となる。臨時取締役会では「(任期の)2年間はやり抜くべきだ。残された地域はたまったものじゃない」と知事や吉田氏の対応を批判する意見も出た。

2009年2月8日  読売新聞


吉田さんは第三セクター「いすみ鉄道」の社長です。てゆうかでした。いすみ鉄道というのは昔の木原線で、木原線はその名の通り東京湾側の木更津と外房の大原を結ぶ計画で、久留里線と接続するはずだったんですがそうならないで、大原から上総中野までをほぼ東西方向に結ぶ路線です。上総中野で小湊鉄道と接続していて、小湊鉄道はおおむね南北方向に走って五井まで行っていますから、いすみ鉄道は房総半島の深部を横断する鉄道路線の一部をなしています。沿線にはお城で有名な大多喜町がありまして、ここにはかつて10年ばかし本多忠勝がいた。

「いすみ鉄道」は存廃をかけて社長を全国から公募し、2008年度から2年間様子を見てどうするか決める、ということになっていたんですが、これに応募して去年の4月から社長をやっていたのが吉田さんです。吉田さんそれまで何をやっていたかというと「平和交通」というバス会社の社長でした。二代目であります。

千葉県のバスは京成や小湊などの鉄道系の会社がやっていたところですが、東京のベッドタウンとして朝夕は多すぎるほどの乗客がいても昼間はさっぱりだったり、70年代以降の新興住宅地は入居の伸びが思わしくなかったり、住宅地と主要駅を結ぶ道路状況が悪かったりなんで、それらの大手私鉄系バス会社は新規路線参入に必ずしも積極的ではありません。しかし宅地開発は進んで新しい住宅地はどんどん出来るわけで、そういう所は交通が不便であります。駅まで家族に車で送ってもらったり駅に迎えにきてもらったりして駅前の交通を混乱に陥れたり、駅前に自転車を放置するというのが主な対策です。

平和交通てのは元来タクシー会社だったんですが、千葉駅に入れないなどのハンデがある一方で、その次くらいに乗降客の多い駅に張り付いていたところ、住宅地や団地の自治会と協議の上、10人乗りの「ジャンボタクシー」の運用を始めたのが始まりのようです。JRの稲毛駅や新倹見川駅、それに都賀駅といった千葉駅から2つ目くらいの駅を起点にした路線バスルートがあります。その他に京葉線の稲毛海岸を起点とする「買い物バス」とか、総武線幕張本郷駅と京葉線海浜幕張駅を結ぶルート、海浜幕張駅周辺ルートなんかがありますし、同じく吉田さんが経営している「あすか交通」は千葉駅の隣の西千葉駅を起点に路線があります。

つまり千葉駅から東京方面に行くと西千葉、稲毛、新倹見川、幕張、幕張本郷という駅がありますからそこまでの範囲と、千葉駅から成田方面には東千葉、都賀があってそこまでの範囲、しかし中心部を除くというドーナツ状地帯が平和交通の営業エリアということになりますが、ここの2代目社長の吉田平さん、代表取締役になったのは実は最近で、2007年の6月です。それまではリクルートにいたようですが、その次の年にはもう「いすみ鉄道」の社長、その次の年には知事選、とまるでもうなんだかトントン拍子の大出世であります。

2007年の12月には「倫理法人会」の事務長になっていたようです。「倫理法人会」というのは「倫理研究所」がやってるんですが、だいたいの経営者は付き合いで入っています。「倫理研究所」は「文部科学省の許可を受けた社会教育団体」と称していますが、元は「ひとのみち教団」の分派でPL教団とは兄弟で神道系の新興宗教です。ここからは更に「実戦倫理宏正会」が分れて来ています。つまり「ひとのみち教団」は3つに分れたんですが、この「倫理研究所」だけは宗教法人ではありません。だからといって宗教ではないというわけでもないようです。

『職場の教養』などという本を出していて、職場でこれを輪読することを強要するらしいのですが、さすがにそんな馬鹿な経営者は少ないようです。しかしその教えによれば悪いのはみんな労働者なのですから、経営者は「倫理法人会」の会合に出て、ひとときの心の安らぎを得るのも悪くないと考えているようです。費用は会社の接待交際費で落ちます。

さてこの「倫理法人会」の事務長というのが偉いのか、単なるパシリなのか分りませんが、吉田さん千葉県の経営者サークルでのウケは大変良いようです。どういう人物だか知りませんが、「平和交通」および「いすみ鉄道」のHPには吉田さんの似顔絵が乱用されていますから、頼まれなくても政界に出て来そうな感じではあります。もっともその政策は「1次産業にものすごくチャンスがある」とか「現在の道路、鉄道、バス網を結び付ける」など、「いすみ鉄道」と「平和交通」の経営者としての思いつきの範囲を出るものではありませんが、こういうのが「経営者の現場感覚」だと言われれば、ああそうですかとしか言いようがありません。

「いすみ鉄道」がなくなると、南房総を横断する鉄道はなくなります。鴨川の方までぐるっと回らないといけない。吉田さんのアイデアで「ぬれせんべい」を揚げてみたりしているようですが、どうなることか心配している人も多いでしょう。吉田さんは「経営者にしかできないスピード感」で逃げちゃったようにも見えます。そりゃ従業員は地元住民はそういう「スピード感」で簡単に移ったり出来ませんやね。


posted by 珍風 at 11:47| Comment(4) | TrackBack(1) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

広告


この広告は60日以上更新がないブログに表示がされております。

以下のいずれかの方法で非表示にすることが可能です。

・記事の投稿、編集をおこなう
・マイブログの【設定】 > 【広告設定】 より、「60日間更新が無い場合」 の 「広告を表示しない」にチェックを入れて保存する。


×

この広告は180日以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。