2009年02月23日

Pirates...Dutch, you know?

海賊がジョニー・デップみたいに二枚目ぞろいの無政府主義者だったら腐女子のみなさんもそうでない人もいいんでしょうけど、実体はそんなにカッコいいもんでもないようです。

海賊船への射撃可能、外国船も保護…対策新法概要

 政府が3月上旬に国会に提出する予定の海賊対策の新たな法案「海賊行為への対処等に関する法案」(仮称)の概要が21日、明らかになった。

 海賊行為を制止するための船体射撃を可能にする規定を設け、現行の自衛隊法の海上警備行動よりも武器使用権限を拡大するほか、自衛隊派遣に関しては国会報告を義務づけるとした。
 海賊行為の定義は、国連海洋法条約を踏まえ、「私有の船舶や航空機の乗組員が私的目的のために行う不法な暴力、抑留、略奪」などとした。
 その上で、〈1〉海上警備行動では日本関係の船舶に限られる保護対象をすべての船舶に拡大〈2〉海賊対処は海上保安庁と自衛隊が担い、海保では著しく困難な場合は自衛隊が対処〈3〉海賊行為の抑止は自衛隊、逮捕などの取り締まりは海保が担当〈4〉武器使用は警察官職務執行法7条を準用〈5〉相手に危害を与える射撃の要件に海賊行為制止のための船体射撃を追加〈6〉自衛艦派遣の実施計画は国会に報告――することなどを盛り込んだ。
 罰則は、船を乗っ取り、人を死亡させた場合は死刑または無期懲役とする方向で調整中だ。
 武器使用基準は危害射撃の要件を拡大したことが特徴だ。
 武器使用が可能な場合を警職法7条に基づくとする点は海上警備行動と同じだが、同条は相手に危害を与えられる場合を正当防衛や緊急避難に限っている。海上警備行動の規定では、日本の領海ならば、海上保安庁法を準用し、正当防衛や緊急避難以外の危害射撃が可能だが、新法案が想定するアフリカ・ソマリア沖やマラッカ海峡近辺など領海外では適用されない。
 このため、危害射撃の要件を追加した。具体的には、民間船に海賊船が接近した場合、正当防衛に当たらない段階でも、停船命令に応じず、他に手段がなければ、船体を射撃でき、海賊行為を抑止できる。
 一方、自衛隊派遣に関する国会の関与を巡っては、議決を伴う国会承認を求める意見もあるが、海上警備行動でも国会報告が必要ない点を考慮した。
 政府は3月上旬に海上警備行動を発令し、ソマリア沖に海上自衛隊の護衛艦2隻を派遣するが、新法成立後は活動根拠を新法に切り替え、活動を切れ目なく続ける方針だ。

2009年2月22日 読売新聞


ちょっと前までは「海賊」といえばカリブ海、ではなくてマラッカ海峡あたりだったわけです。「シーレーン防衛」というのはそこんところのことを言っていたはずです。ところがそこらへん海域の海賊行為は近年近著な減少をみせているわけで、てゆうか海賊行為全般が減少傾向にあるわけですが、そのなかでもここんところ「ソマリア」沖の海賊だけは増えているようです。

「ソマリア」と一口に言うようですが、実のところ「ソマリア」とかいう国がアフリカの角のところにあって、その領土の沖合で海賊がいっぱい出て来る、と言い難いのが実情です。実際に、あの辺に「ソマリア」という国があるのか、といえば、これは「無い」としか言いようの無い状態であるようです。敢えて言えば、「ソマリア地域」みたいなもんが、近隣諸国の(暫定的な)国境線と海に囲まれる形で存在するのです。

その地域は現在貧困の極北にいます。仮に「ソマリア」という国が存在したとする場合、それは間違いなく「最貧国」のベスト5以内につける程の実力があります。とにかく「ソマリア」といえばビンボーの代名詞、というくらいに酷い状態です。そのくらい酷いかというと海賊行為が主要な産業、てゆうか外貨獲得手段になるくらいだといいます。それは実は漁業の代替物なのです。ソマリアの漁民は魚の代わりに人間をすなどることにしたようですが、何もキリストの教えに従ったわけではないそうです。

ソマリア政府の崩壊に乗じて沖合は違法な廃棄物処理場となっているばかりか、沿岸は外国の漁船に荒らされています。沿岸住民は放射性廃棄物や有害な化学物質に曝される一方でお魚が捕れないわけですが、ということはつまり毒の海で日本やアメリカやヨーロッパの船が魚を捕っていて、それをみんなが喰っている、てのは剣呑な気もします。いずれにしても漁民としては生活の手段が奪われるのでお魚ではなくて何か他のものを獲らなければならなくなるのは道理であります。それに連中は単に生活を守るために沿岸を自発的に警備しているだけなのです。政府から給料は出ていません。出ていれば身代金など取らずに廃棄物ごと船を沈めてしまえば良いところです。

グローバルな政治経済構造の中でしわ寄せを受けた人々が武装する点においてこれはいわゆる「テロ」に類似し、「犯罪」と見なされる行為をなす点においては、クビになって10円くらいしかもってない奴が近所のコンビニに強盗に行くのと似ています。海賊は武装闘争と犯罪の間のスペクトラムのどこかに位置するわけですが、幸いなことにその両端において行われる「自爆」的な行為とは遠ざかってはいるものの、「世界」の「軍事=警察」組織が正に敵とする丁度いい具合の標的です。実際、海賊船が浮かんでいるのは警察の領分と軍隊の領分の境界線なのです。海上保安庁が行けば「犯罪取締」、自衛隊が行けば「戦争」です。


posted by 珍風 at 05:34| Comment(0) | TrackBack(1) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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