2009年05月14日

「8マン」対「ぼうがい同盟」 すべての寂しい夜のために

80%X.jpg先日、死刑存置派が80%というのは大袈裟実際には50%程度でしかない、ということを書きました。80%というのは見ようによっては相当に水増しされた数字だったわけですが、気になるのはどうして水増しすると80%になるのか、というところです。

低支持率、「非常に残念」=16年五輪招致でJOC

 日本オリンピック委員会(JOC)が12日開いた総務常任委員会で、東京が目指す2016年夏季五輪開催に関し、国際オリンピック委員会(IOC)調査による支持率が56%にとどまったことが話題になった。水野正人JOC副会長は「残念だが、IOC評価委員会が作成する報告書に記載される。これを踏まえてどう活動するかを考えないといけない」と語り、今後はIOC委員に対する国際的活動がより重要との認識を示した。
 この日、東京の招致委員会が4月に実施した電話調査で全国の支持率が80.9%に上ったと発表されたが、IOCの調査は今年2月。水野副会長は「(もっと早くから)十分に支持率を上げる活動ができなかったことは非常に残念」と話した。

2009年5月12日 時事


IOCが調査した数字がIOCが作成する報告書に記載されるのは当然のことで、残念でもなんでもありません。候補都市は候補都市である以上は招致したいわけですから、「支持率」を大目に見積もりがちであることが考えられますから、IOCとしては招致委員会が調査した数字などは一切信用することなく独自に調査を行うに決まっています。

東京五輪支持率、IOC調査は56% 招致委は70%

 2016年夏季五輪の東京招致への世論支持率について、国際オリンピック委員会(IOC)が2月に実施した調査では56%だったことが、関係者の話で分かった。東京オリンピック招致委員会が1月に実施した調査では70%だった。
 IOCは16年五輪招致を目指す東京、シカゴ(米)、リオデジャネイロ(ブラジル)、マドリード(スペイン)の4都市について、2月に世論支持率を調査した。4月、IOC評価委員会が東京を視察した際、東京招致委側に支持率を伝えたという。
 東京招致委は1月、調査会社のモニター3千人に東京五輪開催の希望の有無を聞いたところ、希望が70%だった。関係者によると、その直前にも同様の調査をしたが、公表したのは2度目の調査結果だけだという。
 石原慎太郎知事は「IOCの調査とか、聞いてみると500人とか限られた人数を対象にした調査で、支持率が本当に見極められるか心細い」と話している。
 08年6月公表のIOCの支持率調査では、東京が59%で4都市で最下位だった。

2009年5月2日 朝日


そこでIOCの調査による「支持率」が56%でしかなかったことは、10日も前に明らかにされていたのでした。ちなみに昨年6月に発表された同様の調査では59%だったので、3ポイント低下しています。ちなみにこれは4都市中最下位。石原さんは「500人とか限られた人数を対象にした調査で、支持率が本当に見極められるか心細い」とかわけのわからないことを言っていますが、IOCとしては各候補都市について同じように調査をしているはずですから、サンプルが少なくても比較の上ではあまり問題にならないようです。

五輪招致の成否に関わる数字が明らかになったにも関わらず、12日には招致委員会による独自の勝手な何の効力もないどうでも良い数字がわざわざ公表されたのはどういうワケだか知りませんが、これが、というかこれも、というか奇しくも80%であります。

【五輪招致】東京五輪の支持率8割超 招致委が世論調査

 2016年の夏季五輪招致を目指す東京オリンピック・パラリンピック招致委員会(会長・石原慎太郎都知事)は12日、4月21〜23日に行った電話などによる世論調査で、開催支持率が過去最高の80.9%に達したと発表した。
 前回(今年1月)が70.2%、前々回(平成19年12月)が62%だった。
 調査は招致委が民間調査会社に委託、全国15〜69歳の4000人を対象に無作為抽出するなどして電話とインターネットで行った。電話では80.9%、インターネットでは72.6%が開催を支持。ただ、都内在住者の支持率は電話が73.5%、インターネットが69.7%で全国よりも低かった。

2009年5月12日 産経


どういうワケか調査を繰り返すごとに「支持率」が上昇していくのがIOCの調査結果と矛盾していて面白いものです。1年以上かけて8ポイント上昇させたものが、今度は4カ月で10ポイントも上がってしまったのも極めて不自然です。

ちなみに、調査方法が全然違うと思われますので、招致委員会の数字とIOCの数字を比較することは全く無意味です。時事通信では「東京の招致委員会が4月に実施した電話調査で全国の支持率が80.9%に上ったと発表されたが、IOCの調査は今年2月」であると書いていますが、これを書いたのは「アスリート」なのかも知れません。これを比較して「2カ月で24ポイント上がった」とか思ってるんでしょうか。

水野副会長は思っているようです。「(もっと早くから)十分に支持率を上げる活動ができなかったことは非常に残念」なんだそうです。2カ月早く活動していればIOCの調査結果が80%になったはずだとでも思っているのでしょう。ミズノはよくやっていけるもんです。商売というのは不思議なものであります。

しかしながら招致委員会の調査とIOCの調査を比較したい場合、無理矢理にであればできないこともありません。

16年夏季五輪:東京都民の69.7%が開催「希望」

 16年の夏季五輪・パラリンピック招致を目指す東京の招致委員会は12日、4月に実施したインターネットによるアンケートで、都民の69.7%が五輪開催を「希望する」と回答したと発表した。前回調査(1月)より1.1ポイント増えたが「希望しない」も2.6ポイント増え25.7%に上った。
 調査は国際オリンピック委員会(IOC)評価委員会が視察した直後の4月21〜23日に調査会社を通じ都内1000人、都外2000人を対象に実施。全体では72.6%が「希望する」と答えた。
 同時に行った初の電話調査では都内(対象200人)の支持率は「賛成」(55.5%)、「どちらかといえば賛成」(18.0%)を合わせ73.5%だった。IOCが2月に実施した調査では都内の支持率は56%だった。【林哲平】

2009年5月12日 毎日新聞


ここでは電話調査において「賛成」が55.5%であり、IOCの調査結果と近似した数字を出しています。したがって招致委員会の調査結果は「どちらかといえば」という曖昧な選択肢を用意して水増しをしている可能性があります。逆にIOCはそのような曖昧な選択肢を用意していないのかも知れません。

これにはおそらく理由があって、IOCが「支持率」を調べるのは、主に反対者が実力を行使して運動会の運営に支障をきたしたり、選手の安全が確保できなかったりする可能性を考慮していると考えられます。したがってIOCにとっては「不支持率」が重要視されるでしょう。このような目的がある場合、調査対象を「支持」「不支持」「どっちでもいい」に分けて「不支持」がどのくらいいるのかが問題になるでしょう。

この点、日本では少数派の意思表示はほとんど行われませんから、「不支持」が多いからといって別段危険はないかも知れません。一方で選手の安全に関しては、東京においては招致運動の中心人物がそんなことにはまるっきり無関心であるどころか弱い選手は死ねばいいのにくらいに考えていることは昨日見た通りです。

僕なんかは強い選手も死ねばいいのにくらいに考えているのでお互い様といえばお互い様です。いずれにしても「支持率調査」にはそういう意味があるので、東京のそれが低いからといって安心はしていられません。招致委員会は「どっちでもいい」=無関心層をさらに2分して「支持」の水増しを図っているわけですが、「不支持」が何らかの行動に結びつかない日本の特殊事情を考慮するならば、「支持率の低さ」は招致の障害にはならないかも知れません。

むしろこの「80%」という数字には国内世論への対策のために操作された数字ではないかという気もします。「死刑」の場合と同様、なんとなく「8割」という数字が一人歩きしたりするものです。なぜなら「8割」というのは「ほとんど全部」なのです。

これは八割がたそう言えます。例えば世間では「段取り八割」とか言うことがあります。「段取り八分」とも言いますね。「段取りは恥部」とは言いませんが。まあ、何だか知りませんがそういうことを言いたがる、そういうことを言うのが好きな人はいるものです。とにかくそういう言い方があるのであって、仕事は段取りの善し悪しでほぼその成否が分かれる、というのがその意味です。「ほぼ」ではありますが「決定的」なポイントが「八割」と言われるわけです。

このような意味に類似の「8」の使い方には、「村八分」があります。これを字義通り解釈して「葬式」と「火事」の2項目と「成人式」、「結婚式」、「出産」、「病気」、「新改築」、「水害」、「年忌法要」、「旅行」の8項目に分けて説明する例もありますが、こじつけでしょう。この場合も「ほぼ」仲間はずれなのであり、完全に交流を遮断しているわけではありませんが、その排除は「決定的」です。

そこで、「死刑」だの「五輪誘致」だのという意見の対立が存在する問題について、その対立の一方に与するものから、それが支持する意見への賛同が80%を占める、という言明がなされる場合、それは慣用的な数字感覚を利用して実際に人々の意見を変えさせる圧力として利用されている可能性があります。その内実は、「死刑」の場合とオリンピックの場合ではそれぞれ50%とか56%くらいです。いくら何でも実際にはそのくらいのもんでしょう。しかし積極的賛同が半数をちょっと超すくらいになると、曖昧な態度や条件付きの態度を加えて30%程度は操作することができるようで、その場合に圧倒的多数または「総意」の外見をまとうことになるようです。そうすることで積極的賛同者が増加することが見込まれているものと思われます。


posted by 珍風 at 02:47| Comment(2) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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