2009年06月22日

そんなくだらないことをするのは栄光に違いない

「生徒なし授業」の中止申し立て  埼玉の教諭、退職強要と

 生徒のいない教室で「模擬授業」をさせられ退職を強要されたとして、埼玉県杉戸町の私立昌平高校に勤務する今村寛教諭(49)=同県鷲宮町=が18日、高校を運営する学校法人「昌平学園」を相手取り、さいたま地裁越谷支部に、模擬授業の中止などを求める仮処分を申し立てた。
 申立書によると、学校側は4月から、国語担当の今村教諭を通常の授業から外し、特別研修と称する模擬授業を実施。今村教諭は副教頭らが在室する中で50分間、「授業を始めます」「教科書を読んでください」などと発声し授業のまね事をした。
 記者会見した今村教諭は「2カ月以上、一人芝居をやってきて教師を辞めたいと思ったこともある」と話した。今村教諭は1985年から同校に勤務している。
 弁護士によると、この2年間で昌平高校の教職員計75人が退職した。同校によると、大手学習塾「栄光ゼミナール」を運営する法人の社長が昨年6月、昌平学園理事長に就任した。
 同学園は「模擬授業は教諭のスキルアップのため」などと説明している。

2009年6月18日 共同


今村さんは「授業力確認テスト」が200点満点で112点、生徒による「授業アンケート」の結果が平均点より1点少なかったので「特別研修」を命じられたようです。この「特別研修」は今年の4月から1年間にわたって行われる予定だったわけですが、「模擬授業」が週7回、ということですから1日に1回か2回あるわけです。これは管理職の前で行われるそうですが、「スキルアップ」のためにどのような指導が行われているのかよく分かりません。「副教頭」がそれを行うのでしょうか。てゆうか教諭を指導する人の「授業力」がどのように「確認」されているのか定かではありません。

しかし指導対象者からの「アンケート」の結果はあまり芳しくないようです。授業に復帰することなく退職した例が2年間で75人というのがその結果です。75人というと普通の高等学校1校分の教職員数かそれよりもちょっと多いくらいです。普通に考えればこれは失敗に他なりませんから、現在も「研修」を継続しているのは不自然です。小池仁校長がよっぽど怠慢か低能であれば別ですが。もっともこの大量退職こそが「研修」の目的であるとすれば、未だに「研修」が行われているという事態も納得出来ますし、「授業力の指導力」がどうなっているのか不明確なのも当然です。「研修」の中で小池校長が「あなたが教師をするのは社会全体の不幸」と言ったそうですが、この発言も目的に適った極めて合理的なものであると評価出来ます。

この高校、元は福岡県にある東和大学の付属高校だったのですが、この本体の大学が経営難である模様で来年には廃校になります。福岡県内に短大と高校と中学、なぜか埼玉県内にも短大と高校があったんですが、福岡の中学は廃校予定であり、埼玉の高校も処分することになりまして、2007年に株式会社栄光に譲渡されました。その高校というのがこの昌平高校です。

株式会社栄光というのはかの有名な栄光ゼミナール、電車のドア上額面の何だかエラそうな上から目線のコピーの字数が年を追うごとに減少していくというアルジャーノン状態に陥った学習塾をやっている会社です。つまり塾が学校を経営してしまっているわけです。てゆうか気分はもう進学塾です。現在の昌平高等学校のHPに掲げられているキャッチフレーズはなんと「現役合格主義」です。

まあ、大学進学が目的であれば高校に行かずに予備校だけ行っていれば良いという考えもありますが、そうはいっても高校であることは間違いないんですから、この学校に通っても「高校に行かない利点」というものはありません。しかし完全に進学塾化してしまおうというこの学校には「高校に行く利点」というものもありません。

教職員にしても進学塾の従業員とは業務内容がだいぶ異なります。学校には授業以外にもクラブ活動とか余計な仕事が一杯あるんですし、それがまた「余計」とは言い切れないところに学校の妙味があったりもするのですが、そのような状況で塾と同様の仕事をすることはちょっと困難でしょう。

今村さんの場合はどうも野球部、ソフトテニス部、軽音楽部の指導や生徒会、文化祭の指導、同窓会などを通じた地域交流などの、いわば「余計」というか「妙味」というような部分で尽力して来た人で、要するに株式会社栄光の経営方針とは真っ向から対立するような教師生活であったといえるでしょう。事実、栄光はこの高校に乗り込むや直ちに今村さんに寮の夜勤管理を命じ、授業から外しています。これが既に退職強要の第1段階でしょう。今村さんはそれでも参らなかったので「特別研修」の対象とされたわけです。

株式会社栄光の措置は今村さんを退職に追い込もうとするものであることは明白で、城川雅士教頭が「サービス向上のために教える技術を高めることが大切だが、負担に感じて退職した先生は確かにいた。研修は退職強要ではない」としているのはウソでしょう。しかしながら一歩譲って城川さんが「サービス向上」を真剣に考えていたとしても、塾と学校では「サービス」の内容も違うはずであり、そのへんを株式会社栄光が理解しているかどうかもアヤシイものであるといえるでしょう。すくなくとも広告を見る限り、この会社は求められるサービスを提供するよりも自分でサービスだと思い込んでいる商品を顧客に押し付けるような体質が感じられます。

実際に卒業生や在校生が今村さんを応援しているようですから、栄光は顧客ニーズとのギャップが存在することを真剣に考慮すべきではないか。このようにして退職に追い込まれた教員が公立学校で採用された例もあると聞きますが、一方でその穴埋めに採用されているのは大層ご立派な先生方であるようです。

「指導」で生徒ら丸刈り、写真を年賀状に 高校側が謝罪

 埼玉県杉戸町にある私立昌平高校(小池仁校長)の1年生のクラス担任が「生徒指導だ」として一部の男子生徒の頭を丸刈りにする際、「2009・元旦 うし」という年始のあいさつになるように髪を切ったうえで写真を撮り、年賀状にしていたことが分かった。実際に、クラスの全員あてに年賀状として送っていた。
 担任は30代の男性。期末試験でカンニングしたことへの指導だったというが、保護者は「子どもが悪いことをしたとしても、ひどすぎる」と批判。高校側は今月になって生徒に謝罪した。
 高校側によると、昨年12月の期末試験で、男子生徒11人のカンニングが発覚。指導として丸刈りにして反省を促したという。その際、9人についてはまず、それぞれの髪を「2」「0」「0」「9」「・」「元」「旦」「う」「し」の1字になるように切った。その後、教室内で、各自の頭に描かれた数字や文字がよく見えるように前かがみにさせた。さらに前後2列に並ばせ、「2009・元旦」「うし」というメッセージにして撮影。最後に、生徒たちの頭をすべて丸めて帰宅させ、5日間の謹慎処分とした。
 教諭は写真を年賀状としてプリントし、クラス40人全員の自宅に送ったという。「昨年の反省を元に今年は飛躍します。○○○(担任の名字)の逆襲」との添え書きもあった。受け取った生徒の一人は「年賀状にして送るとは聞いたが、まさか本当とは思わず、びっくりした」と言っている。
 昌平高を経営する学校法人昌平学園の法人本部事務局は「教諭は反省しているものの配慮が足りなかった」として処分を検討中という。

2009年3月18日 朝日新聞


この記事を読むと「くだらない」とか「バカじゃね?」とか思うかも知れませんが、それはきっと朝日新聞が「偏向」しているからなんだそうです。しかし「偏向」していない産經新聞によれば事態はもっと嘆かわしいものです。

カンニングの罰で生徒の髪を「元旦 うし」と刈って記念撮影 埼玉

 埼玉県杉戸町の私立昌平高校(小池仁校長)で、1年生のクラス担任の男性教諭が男子生徒9人の髪を「2009・元旦 うし」と刈り、並ばせて写真撮影していたことが分かった。担任は写真を年賀状にプリントして使用していた。保護者は学校に抗議、担任や校長はクラスの生徒に謝罪した。
 同校によると、髪を刈られたのは平成20年12月の期末試験でカンニングをして謹慎処分になった11人のうちの9人。
 カンニングが発覚したことを受け、担任は反省の意味から丸刈りになった。さらに、謹慎処分が明けて登校した9人にも「丸刈りをしないか」と誘い、9人とも応じた。
 担任は「2009・元旦 うし」の1字分になるように1人1人の髪を刈り、教室に並ばせて写真を撮影。写真を年賀状にしてプリントしてクラス40人全員の自宅に送った。年賀状には「昨年の反省を元に今年は飛躍します。◯◯◯(男性教諭の名字)の逆襲」との添え書きをしていた。
 昌平高校を経営する学校法人昇平学園の城川雅士法人本部事務局長は「あってはならないこと」として、男性教諭を処分する方針。

2009年3月18日 産經新聞


なんと先生、自分から丸刈りになっちゃったようです。でまあ、みんなでアタマを刈って、それだけじゃつまんないから文字の形にして、並んで写真を撮ろう。ここまではほのぼのとウスラバカの香りが漂ういい話しではあります。しかしこういうオフザケはラブホで撮った剃毛写真同様、その場に留めておくのが賢明です。これをクラス全員に郵送するとなるとウスラバカも本格的なバカになって来ます。「30代」という年齢もちょっとどうかと思われます。20代だったらまあ「しょーがねえな」というくらいのことなんですけどねえ。

教職員が丸ごと入れ替わる程の状況の中では、このような行為は慎みたいものです。おそらく穴埋めに採用されたこの先生は教職員間のそのような緊張感を感じることが出来ず、極めて気軽にバカをやったものと思われますが、いわんこっちゃないタレコミか何か知りませんが明るみに出てしまいました。その背後にある問題状況が明らかになったのが今村さんの仮処分申し立てだったんでしょう。

学校と塾とではたしかにマーケットは重なっているんですが、それだけに求められるものは全く異なります。教職員は「学校」の「サービス」を提供するように訓練され、それで生徒のニーズを満たしていると考えているのですが、栄光は「塾」のそれを求めており、「塾」において満たされるニーズで十分だと考えているようです。しかし栄光が電車の広告で指摘しているように、学校では「絶対評価」で塾では「相対評価」であるとすれば、学校経営に参入する場合には、塾とは180度異なったアプローチが必要とされることを認めるべきでしょう。しかしながら一般的に学校経営に参入する経営者は自分の考えが正しいことを証明するためにやって来る場合が多いのですから、ロクなことにならない道理です。どうでもいいですが来年の年賀状は「虎刈り」で決まりですね。続きもあるでよ。


posted by 珍風 at 12:17| Comment(3) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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