2009年09月17日

「童貞」のための逆世論調査カタログ

死刑廃止派・千葉法相「慎重に」…霞が関激震
 鳩山内閣

 千葉景子法相(61)は記者会見で、死刑の執行命令書にサインするかどうかを問われ、「人の命ということなので、慎重に取り扱っていきたい。法務大臣という職責を踏まえながら慎重に考えていきたい」と、「慎重」という言葉を重ねて使った。
 法相は、自らが「死刑廃止を推進する議員連盟」のメンバーであることも明らかに。死刑制度の今後のあり方にも言及し、「これだけ死刑の存置・廃止について議論があり、終身刑の導入についての議論もある。裁判員制度の導入で多くの皆さんが深い関心を抱いていると思うので、ぜひ広い国民的な議論を踏まえて、道を見いだしていきたい」と述べた。
 死刑に関する法相の発言について、法務省のある幹部は「個人的に死刑廃止の考えを持っていても、大臣の立場では(死刑執行命令書へのサインを拒むのは)難しいのでは」との見方を示した。地下鉄サリン事件で夫を亡くした高橋シズエさん(62)は「オウム事件でも死刑囚が何人もいる。長い裁判の過程や判決を尊重し、しっかり死刑を執行して欲しい」と話した。
 一方、千葉法相は検察の捜査に対する指揮権発動について、「恣意(しい)的なものは排除するが、国民の視点に立って検察の暴走をチェックする」と踏み込んだ発言をした。
 西松建設の違法献金事件を受けて民主党が設置した「政治資金問題を巡る政治・検察・報道のあり方に関する第三者委員会」は今年6月、「今回のように重大な政治的影響のある事案では、法務大臣は高度の政治的配慮から指揮権を発動する選択肢もありえた」とする報告書を公表していた。
 検事出身の法務省幹部は、「新大臣は一般的なことを言っているだけ。これまでもそういう運用をされないように努力してきた」と冷静に受け止めていた。
 また、容疑者の取り調べの録音・録画(可視化)については、「(取り調べの録画を盛り込んだ)マニフェストの実現をきちんと進める」と述べ、捜査当局が反発している可視化の範囲拡大に意欲を見せた。

2009年9月17日 読売新聞


新内閣のラインナップ、注目の法務大臣は千葉景子さん61歳。彼女の「仰天経歴」は中央大学卒、元弁護士で旧社会党副書記長、民社党副党首を歴任するも1997年に民主党に入党。党内では新政局懇談会所属。

今までに「選択的夫婦別氏制の導入並びに婚姻適齢及び再婚禁止期間の見直しを行い、相続制度に関しては、嫡出でない子の権利の保護の観点から嫡出でない子の相続分を嫡出である子の相続分と同一とする」ことを骨子とした「民法の一部を改正する法律案」を繰り返し提出しています。「再婚禁止期間を六箇月から百日に短縮する」法案も出してますな。臓器の移植に関する法律のいわゆる「E案」、「臨時子ども脳死・臓器移植調査会の設置」案の提出者でもあります。

その他、「戦時性的強制被害者問題の解決の促進に関する法律案」にかかわり、恒久平和のために真相究明法の成立を目指す議員連盟所属。こんな人が法務大臣だなんて、ウヨは「仰天」でしょうが、それだけに何かマシなことするんじゃないかと言われております。

静香ちゃんや保坂さんの死刑廃止議連のメンバーであり、はたまたアムネスティ議連の事務局長ですから、日本の死刑をめぐる状況にも改善が期待されます。たとえば日本では近年死刑執行が増加していましたが、アムネスティ・インターナショナルによればそういう国はアジアでは日本とパキスタンだけなんだそうです。で、そのアムネスティによる国辱文書は以下。

日本 : 精神障害を持つ死刑囚への死刑執行の停止を

日本政府が、精神障害を持つ死刑囚を処刑し続けることは、非人間的であり、終りにしなくてはならない。アムネスティ・インターナショナルは本日、日本において死刑判決を受けた精神障害者の処遇に関する新しい報告書を発表し、そのように述べた。

アムネスティは、新しい報告書「首に掛けられたロープ:日本における精神医療と死刑」の中で、日本において精神障害を持つ死刑囚に死刑が執行されていることは、日本が署名している、深刻な精神障害を持つ死刑囚を死刑から保護するよう義務づける国際基準に違反している、と強く批判した。

現在、日本では102人の死刑囚が、死刑が執行されるのかどうか、そして、いつ死刑が執行されるのか、その告知を待っている。法的手続きが終了した死刑囚は、死刑執行を待つ日々を強いられており、たった2、3時間前の事前通告で死刑が執行されうる刑罰に向き合っている。毎日毎日が彼らの最後の日になる可能性があり、そして、死刑執行令状を持った刑務官の到着が、数時間以内に行われる彼らの死刑執行を宣告することになる。何年も、時によっては何十年もこのような年月を生きる人びとがいるのである。

「長期間にわたって、受刑者を処刑の恐怖に日々さらされて生きる状況におくことは、残虐であり、非人道的かつ品位を傷つける行為である。日本において死刑囚に課される処遇は、彼らが死刑囚監房において、深刻な精神障害を発症する高い危険性にさらされていることを意味する」と、アムネスティの保健問題専門家で、この報告書の主執筆者であるジェームス・ウェルシュは述べた。

「死刑囚の処遇は、彼らが深刻な精神衛生上の問題を発症するのを防止するために、直ちに改善される必要がある」

日本の精神障害を抱える死刑囚の正確な人数は不明である。死刑制度と死刑囚の健康についての秘密主義と、独立した精神医療の専門家による調査の欠如が、死刑囚の精神状態を判定する方策として二次的な証言や記録に依拠するしかないという状況をもたらしている。日本政府は、死刑囚への面会を許可しない方針を取っており、アムネスティの死刑囚への面会要求を拒否している。

アムネスティは、死刑囚がお互いに会話をすることを許されておらず、厳格な隔離が強制されているとの情報を得た。死刑囚の家族や弁護士、その他の人びととの面会は、1回あたりたった5分程度に制限されている。トイレに行くことを除いて、死刑囚は、独房の中で動き回ることを許されておらず、座り続けていなければならない。死刑囚は、他の受刑者に比べて、新鮮な空気や光に触れる機会も少なく、彼らに課せられた厳格な規則に違反する可能性がある行為をしたという理由で、更なる処罰を受ける場合もある。

「こうした非人間的な環境は、死刑囚の不安と苦痛を増大させる。そして、多くの場合、死刑囚の精神的なバランスを失わせ、精神障害に追い込むことになる」とジェームス・ウェルシュは述べた。

アムネスティによる国際調査によれば、精神衛生上の問題に苦しんでいる人びとは、死刑に追い込まれる危険性が特に高いことが示されている。精神障害が、犯罪に関与してしまう一因となることもあり、効果的な法的弁護に関与する被告の能力を損ない、さらに、控訴を断念するという死刑囚の決断に重大な影響を与える可能性がある。

今回の報告書は、日本政府に対して、死刑廃止を念頭に置いて死刑の執行停止を行うよう求めている。また、日本政府に精神障害が関係しているかも知れないあらゆる事件を再調査し、精神障害を持つ死刑囚が死刑執行されないよう保証し、死刑囚の状況を改善するよう求めている。そうすれば、死刑囚が、精神衛生状態の悪化や深刻な精神障害の発症に苦しまずに済むのである。

アムネスティは、日本政府に対し、国際人権基準を遵守することによって、人権に対する確固たる責任を示すよう要求する。

2009年9月10日 アムネスティ発表国際ニュース


アムネスティでは日本政府が死刑廃止に踏み切ることはあまり期待していないようです。日本には失望しているのかも知れませんが、死刑廃止は日本政府に対して高すぎる要求となると思われたのかも知れません。それよりも先ずは精神障害者の処刑を止め、死刑囚の処遇を改善するという日本政府にも比較的とっつきやすいと想定される、より低い目標を設定したわけです。で、死刑廃止は「念頭に置いて」、執行停止をしましょう、というふうにハードルを下げてきたわけですが、要するに低能児扱いというか世界の特殊学級入りですね。

これは明らかに差別待遇であり、日本はバカにされています。日本だって一人前の国のように死刑の「廃止」を勧告されるようになりたいものですが、法務省の官僚は何故か「個人的に死刑廃止の考えを持っていても、大臣の立場では(死刑執行命令書へのサインを拒むのは)難しいのでは」と、死刑執行命令署にサインをさせるのに不気味な自信を隠そうとしません。なるほどこれが官僚支配というものなわけだ。死刑廃止は官僚との戦いということになるでしょう。

もっとも、毎日新聞が取材した法務省幹部職員は「弁護士出身で法務委員会での付き合いも長い。法務行政の課題にも精通しているから、無理な注文はないだろう」と言っているようですから、「戦い」だなんて言って事を荒立てるには及ばないのかも知れません。法務大臣に千葉さんを起用した事で政権の方向性ははっきり打ち出せましたが、事は法務省内の動向を見極めつつ「慎重に」進められる事になるでしょう。

一方、法務官僚がこれだけ確信を持って死刑制度の維持発展に努めている以上、政府の行なう「世論調査」からは「世論」の実態はわかりません。しかしながら逆に言えばそこから判断できるのは他ならぬ官僚の動向なのです。死刑に関する政府の行なう世論調査は「基本的法制度に関する世論調査」であって、これは5年ごとの9月に行なわれているので今年もやるんであれば今頃はもう「調査」を終わって数字を作る作業に入るところだと思われます。ここで政府がどのような「調査結果」を出してくるのかによって、霞ヶ関が新政権の示す方向に一歩を踏み出すかどうかがわかるというものです。


posted by 珍風 at 11:30| Comment(2) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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