2010年01月04日

仁義なき戦い/ガルシアの首

フジモリ被告、禁固25年が確定=市民虐殺で最高裁判決−ペルー

 【サンパウロ時事】在任中の2件の市民虐殺事件で殺人罪などに問われた元ペルー大統領、アルベルト・フジモリ被告(71)の控訴審で、最高裁刑事法廷は3日、禁固25年と被害者遺族への賠償金支払いを命じた一審の判断を支持する判決を下したと発表した。裁判は二審制で、これにより同事件での実刑が確定した。
 2009年4月の一審判決は、極左ゲリラ対策を推し進めたフジモリ政権下で人権侵害や違法行為も辞さない「汚い戦争」が展開されたと指摘。軍特殊部隊が市民15人を殺害した「バリオスアルトス事件」(1991年)、大学寮内から10人を拉致・殺害した「ラカントゥータ事件」(92年)を「人道に対する罪」と非難した。
 弁護側はフジモリ被告の無罪を主張したが、一審判決は、被告が側近による実行命令を容認し、関係者の処罰を免れさせた「間接犯」として責任があると糾弾。控訴審でも判事5人が全員一致で一審判決を支持した。

2010年1月3日 時事


「間接犯」というのは「間接正犯」でしょうか。間接正犯では犯罪者は他人の行為を「道具」として利用して自分の犯罪を実現しますが、「道具」として利用された行為はそれ自体としては適法であるか、犯罪意志がなかったりするのです。

例えばヤクザの藤森組において組長として泣く子も黙る「フジケン」こと藤森謙也が手下である組員に命じて、敵対する武闘派ヤクザ「輝く極道」事務所に殴り込みをかけて組員数名を拉致し、建設中の児童公園のコンクリート製の山の下に生き埋めにして殺した、などという場合は、確かに藤森組組員はフジケンの「道具」として使用されたものの、彼等の行為自体が違法なものであるために、フジケンは「間接正犯」に当たらないことになります。

アルベルト・フジモリさんの場合も、藤森組の例と類似しているのですが、実行行為を行なった者が軍の特殊部隊であり、一般的に軍が大統領命令によって国民を殺害することはそれ自体として適法ですから、フジモリさんは軍の適法な行為を利用して殺人を行なったということになるでしょう。

同様の事例でも日本の法律ではヤクザがやると「共謀共同正犯」、国家がやると「間接正犯」になるようです。もっとも国家の場合はおとがめなし、という場合がはるかに多いのですが、落ちた政敵は徹底的に追い詰めるというのは良い習慣です。仮にペルーにおける「間接犯」が「関節正犯」であるとすると、間接だって「正犯」なんですから25人殺して禁固25年は軽くないかという気がしますが。まあ、とりあえず今度お会いするとおきは96歳ですか。多分生きてると思うな。

ちなみにペルーは国事犯を除く通常の犯罪に関しては死刑を廃止していますが、フジモリさんに追い出されたアラン・ガルシアさんは死刑を復活しようとしています。表向きは一応7歳以下の強姦致死罪が対象のようですが、ガルシアさんの政府は別の法案において死刑の対象を「武装していない市民の殺害に関与した反政府武装勢力の指導者」にも拡張することを提案し、あわせて死刑の範囲を広げることを禁止している米州人権条約からの離脱を提案しています。

これら一連の死刑拡張法案のターゲットがフジモリさんの処刑にあるという可能性もないわけではありません。おそらくそれが死刑の本来の利用法です。しかしながらガルシアさんはつい半年前にジャングルの天然資源をアメリカに利用していただくために、土人を40人ばかり血祭りに上げてやったところです。一度は辛酸をなめたガルシアさんも、次のときにはフジモリさんと同様に殺人罪で訴追を受ける可能性があるわけで、自分の生命を危うくしかねない死刑拡張に対するガルシア政権の態度の変化が注目されます。


posted by 珍風 at 11:25| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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