2010年01月23日

少女が大人になるまで

国家公安委員長「リークある」に中立危ぶむ声

 再審裁判中の足利事件に関連し、捜査機関からの“リーク”を「ある」と言い切った中井国家公安委員長の発言に波紋が広がっている。

 鳩山内閣が昨年12月に閣議決定した「捜査情報を外部に漏らすことはない」という政府答弁書と矛盾するだけでなく、民主党の小沢幹事長の資金管理団体を巡る事件の捜査が進む中での発言には、警察を管理する国家公安委員会のトップとして、その「政治的中立」を危ぶむ声もあがっている。

 「今の自供、自白中心の捜査、そして捜査当局から一方的にリークされる記事しか書かないマスコミ。そういう中では、冤罪(えんざい)被害はこれからも出ると思っています」

 中井委員長は22日の記者会見で、宇都宮地裁で開かれている足利事件の再審裁判の感想をそう語った。

 小沢幹事長の資金管理団体「陸山会」の事件について、東京地検の捜査が進むさなかの発言だったため、報道陣が「今もそういうことか?」と質問すると、中井委員長はリークがあるという根拠は示さないまま、「ずっとそうじゃないか。一度、被疑者になったら徹底的になるじゃないですか」などと続けた。

 陸山会事件の報道を巡っては、昨年11月、鈴木宗男衆院議員が「(陸山会事件に関連して)検察当局がリークによって世論形成を図っているのではないか」とする質問主意書を政府に提出。これに対し、鳩山内閣は昨年12月の政府答弁書で「検察当局は捜査上の秘密の保持について格別の配慮を払ってきた」とした上で、「捜査情報を漏らすことはない」としており、中井委員長の発言は、この政府見解と矛盾している。

 中井委員長の職責についても、報道や情報公開の問題に詳しい右崎(うざき)正博・独協大教授(憲法学)は「閣僚としての自覚が足りないのではないか」と指摘し、「国家公安委員会は警察の政治的中立を保つためにある。そのトップが、身内をかばっていると受け取られかねない発言をすること自体、政治干渉のそしりを免れない」と批判する。

 現場の捜査幹部からも戸惑いの声が出ており、関東地方の警察本部の捜査幹部の1人は「事件捜査のために身を削るような努力をしており、情報漏れには細心の注意をはらっている。それをリークだといわれると、悲しい思いがする」と語った。

2010年1月23日 讀賣新聞


いったいどこで「波紋が広がっている」のかと思ったら右崎教授と「現場の捜査幹部」だけのようです。右崎さんは「報道や情報公開の問題に詳しい」そうですが警察法には全く詳しくないようで、「国家公安委員会は警察の政治的中立を保つためにある」と言い張っていますが、国家公安委員会については警察法の第2章で定められており、それが何をするためにあるかということが第5条に書いてあります。

第5条 国家公安委員会は、国の公安に係る警察運営をつかさどり、警察教養、警察通信、情報技術の解析、犯罪鑑識、犯罪統計及び警察装備に関する事項を統轄し、並びに警察行政に関する調整を行うことにより、個人の権利と自由を保護し、公共の安全と秩序を維持することを任務とする。


「警察の政治的中立」なんて何処にも書いてありません。それは「個人の権利と自由を保護し、公共の安全と秩序を維持する」ためにあるのです。そしてその目的からして、中井さんが「今の自供、自白中心の捜査、そして捜査当局から一方的にリークされる記事しか書かないマスコミ」について憂慮する発言を行なうことは間違ってはいません。

日本新聞協会では裁判員制度に対応して「犯人視報道」をしないんだとか言っていますが、暴走王の惨刑新聞ならずとも民主党に関しては足並みを揃えて「犯人視報道」をしておりますし、検察からのリークがなければ書けないような記事を書いています。

正確に言うと、リークではないというのであればマスゴミは勝手に「犯人視」してでまかせを書いているのであり、「犯人視」していないというのであれば検察のリークに基づいて記事を書いていることにならざるを得ないのが現在の報道の実態です。

まあ、広がっているのは「波紋」ではなくて検察不信の方でしょうけど、右崎先生が検察と一緒になって信用を失いたいのであればそれでも構いませんが、宇都宮地検元検事の森川大司さんも、これには大いに一役買っているところであります。

おそらく不用意に録音を残したことで検察関係では散々謝るハメになっていたと思われる森川さんですが、菅家さんには謝罪しなかったようです。まあ、有罪の確信が本当にあったのであれば、「人間性」はともかくとして、そういう態度でも構いませんが、果たして確信があったのかというと、これは実は極めて怪しいもんです。

弁護側「菅家さんに3つの事件の自白パターンが似ていると言いましたね」

森川元検事「テープに入っていればその通りです」

弁護側「証人は、(平成4年)2月13日の初公判前の2月4日と7日に『自白がパターン化している』と聴いていますが、初公判より前に(パターン化に)気づいていたのですね」

森川元検事「言っているならそうです」

弁護側「初公判前に、菅家さんの別件の自白が虚偽と考えたことはありますか」

森川元検事「虚偽と考えたことはありません」

2010年1月22日 産経ニュース


あたかも確信があったようなことを言っていますが、実際にはとんでもありません。森川さんは、菅家さんの供述では、その事件でも「女の子がしゃがんでた」という話しになっているので、これを不自然だとは思ったようですが、そこで不自然に感じられないように供述を操作しているのです。

森川 うーん、前にも話したと思うけれども。

菅家 はい。

森川 君がその、女の子をね、見つけるとき、どの事件もね、みんな女の子しゃがんでるんだよね。

菅家 やはり…。

森川 ちょっと違うんじゃない? 違うのはないかい?

(沈黙・8秒)

菅家 しゃがんでたような気がするんですよね、みんな。

森川 じゃあね、有美ちゃんのことね、ちょっと思い出してもらいたい。

森川 分かるかな? 有美ちゃんの事件って言って、分かるかな? どの子だったかね。

菅家 はい。

森川 有美ちゃんね、連れ出す前のことなんだけど、誰かと遊んでいたでしょう? これだけ。もうそれ以上のことは僕はもう言わない。誰かと遊んでいたでしょう? 君がどうしても思い出せないんじゃないかなという気がするからね、うん、それ以上のことは僕もう言わない。(沈黙・6秒)それだけ言っとく。

(沈黙・4秒)

森川 よく思い出してもらいたい。それが誰であるか、どういう人であるか、ね。僕の口からはね、言わないでおくけど。

(沈黙・5秒)

森川 そしてね。

菅家 はい。

森川 まあ、その次だからすぐ分かるだろうけど、遊んでいるところを連れ出した、という状況はないだろうか? 誰かと遊んでいたところを。

(沈黙・4秒)

菅家 もしかしたら、駐車場で、女の人がなんか、まあ、いたような気もするんですけども。

森川 それからね。

菅家 はい。

森川 考え、もう一回考えてもらいたいのは、声かけたね、かけ方が、またあの声のかけ方がね、今まで君が説明したのとね、したとおりだったのかどうかね。もうちょっと別のことがなかったのか、君がいきなりこう駐車、自転車でね、そば行って、声かけたんだって言うけど、もうちょっと別のいきさつがなかったかどうか?

菅家 別の。

森川 うん、そこを思い出してもらいたい。

菅家 はー(ため息)(沈黙5秒)そのことは分かんないです。

森川 うん、だからね、だからね、これと関係してくるから、いいかい。

菅家 はい。

森川 誰かと遊んでいなかったかなと聞いている。誰かというのが大人か子どもかね、あるいは男か女かね、どんなことをしていたかね、それは僕は一切言わない。

(沈黙7秒)

菅家 遊んでいたとすれば、女の、女の子だと思うんですけど。

森川 女の子だと思う。

菅家 はい。

森川 うん、どんな子が、君、少し、その遊んでいた情景っていうかねえ、それが少し記憶に残ってるかな?

(沈黙1分37秒)

森川 あのね。

菅家 はい。

森川 その女の人っていうのね、遊んでいたとしたら女の人っていうようなことね、いうんだけども、その女の人っていうのは少し、そういうイメージが残っているわけなのかな?

菅家 はー(ため息)(沈黙25秒)その人が駐車場の方へいた、駐車場ですか?

森川 うーん…女の人が1人? 2人?

菅家 1人のような気がしたんですけど。

森川 駐車場?

菅家 はい。

森川 駐車場っていうのは、あのー、あれ? 駐車場の方っていうのは、あのー、パチンコ店の建物の、この西側の方でしょう?

菅家 はい。そうです。

森川 うん。西側の方っていうのは、有美ちゃんがいたところ? 違うの?

菅家 えっと有美ちゃんがいた、いたところだと思うんですけど。

森川 有美ちゃんがいた側か。

菅家 はい。

森川 ふーん、1人?

菅家 確か、1人だと思ったんですけど。

森川 うーん、女の人っていうのは、子ども? 大人?

菅家 うーん、大人のような感じ。

森川 大人?

菅家 だと思うんですけど。

2010年1月21日 共同


菅家さんも、なにしろ自分で経験したことではないので困っているのですが、大変親切な森川さんが「誰かと遊んでいたでしょう?」とか、「遊んでいるところを連れ出した、という状況はないだろうか?」という具合に、どんどんヒントをくれるので大助かりです。ところが菅家さんは、森川さんが思い描いているストーリーが読めなかったようで、森川さんが3回目に、ややはっきりと「誰かと遊んでいなかったかなと聞いている」と言ってから、ようやく「遊んでいたとすれば、女の、女の子だと思うんですけど」と答えています。

菅家さんはここまで来ても「遊んでいたとすれば」などと仮定の話しで語ってしまっており、森川さんの意を汲もうとしません。森川さんの辛抱強さは特筆すべきでしょう。まさに検察官の鏡であります。こうでなくては冤罪被害は出せません。冤罪というのは中井さんが考えているように、そんな簡単にできることではないのです。そこには森川さんのような検察官の「身を削るような努力」が見いだされなければなりません。

もっとも、森川さんがありもしない「記憶」の話しを始めることによって菅家さんの混乱を招き、1分37秒にわたる気まずい沈黙が訪れると、さしもの森川さんの忍耐力も限界に達してしまいました。菅家さんは「女の子」と言っていたのに、森川さんは「女の人」と言ってしまったのです。森川さんは「女の子」よりも「女の人」が好きなようで、それはそれで結構なことではありますが、それに続くやり取りの挙げ句、ついにはこの「女の人」が「大人」になってしまいました。

これは、一緒に遊んでいたのが「女の子」であれば、菅家さんがそのうちの一方を選択したのは何故か、というようにお話をつなげていくところなんですが、自分の理想の女性、思い描く「大人の女の人」に身も心も奪われていてた森川さんにはそんな寄り道をする余裕はなかった模様です。

これは「虚偽と考えたことはありません」どころか、明らかに虚偽と分ったうえで、それが虚偽であるように見えないように虚偽を上塗りし、自分の思うとおりに粉飾を施しているものであると言えるでしょう。したがって森川さんの法廷における証言のほうが「虚偽」であったと考えられ、これは偽証罪に当たる可能性があるのです。

ここで森川さんが、「テープに入っていればその通りです」とか「言っているならそうです」というようなことを繰り返し、あたかも取調べについて記憶がないようなふりをしていることの意味が明らかになります。これは単に森川さんが不誠実であるから、というだけではなく、偽証罪の成立要件が主観的なものであるからです。つまり偽証罪における「虚偽の陳述」とは、客観的事実に合致していないことではなく、当人の記憶に反した陳述のことであるからです。

もっとも、森川さんがそんなに気を遣わなくても、偽証罪は刑事犯であって、訴訟を起こすことが出来るのは検察だけなんですから安心です。異議を連発して森川さんを全面的に支援した検察に限ってそれだけは絶対にありません。したがって、謝罪を要求し続けた菅家さんが正しいのです。森川さんはだんだん声が小さくなっていったと言います。もうちょっといじめたら地金を出してしまって、ご当人にとっても検察にとっても極めて不都合なことも口走ってしまったかもしれなかったんですがね。


posted by 珍風 at 16:35| Comment(2) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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