2010年01月29日

不可視化される可視化

可視化研究会、5日から=捜査手法の向上も議論−警察庁

 警察庁は28日、有識者による「捜査手法、取り調べの高度化を図るための研究会」を来月5日に立ち上げると発表した。取り調べの録音・録画(可視化)のほか、おとり捜査や司法取引、通信傍受などの導入と拡充について議論し、2年後をめどに結果をまとめる。
 研究会は中井洽国家公安委員長の委嘱機関。委員は、久保正行元警視庁捜査1課長や前田雅英首都大学東京教授(刑事法)、小坂井久弁護士をはじめ、元検事や元裁判官、ジャーナリストら12人。

2010年1月28日 時事


時事の記者さんには中井蛤さんの言うことがよく理解できなかったようです。すなわち「取り調べの録音・録画(可視化)」と、「おとり捜査や司法取引、通信傍受などの導入と拡充」との関係が理解できず、単に「ほか、」で繋いで併記してしまいました。時事通信は蛤さんの言うことを良く聞いて、「可視化研究会」なのにどうして「おとり捜査や司法取引、通信傍受」が出てくるのか、よく理解しなければなりません。

とはいっても、実際のところそれは相当に困難です。蛤さんによると「可視化だけでは捜査能力が低下する」んだそうですが、理解し難いギロンです。どうして取調べの様子を見られると捜査能力が低下するのか、全然分りません。時事の記者さんは自分の分らなかった事は書かないで済ませた様子ですが、それもひとつの見識というべきでしょう。

普通に考えると、自白に依存した、不可視の密室での拷問類似の手法による取調べを中心とした「捜査」なんかをやっているから「捜査能力が低下」しているのではないかと思われます。冤罪などがよく話題になり、取調べのあり方に問題があるとか言われているわけですが、これは他方からいえば真犯人を取り逃がしている事に他ならず、警察の捜査能力が低い事の表れなのですから、警察は可視化の導入とは無関係に、今現に捜査能力が低下「している」ことを率直に認めるべきでしょう。

そう考えると取調べの可視化の導入そのものが、警察にとっては大変に有り難い事に捜査能力を向上させるきっかけになるでしょう。「新しい捜査手法」などは警察官にとって荷が重すぎます。日本の警察は未だに容疑者を吊るして箒尻でひっぱたいているレベルに留まっているのですから、少なくとも19世紀のレベルにまで引き上げてあげるのが先決です。

ところで「蛤一家」は総勢12名であります。先ずは警察OBの皆さん。

 岡田薫(元警察庁刑事局長)
 久保正行(元警視庁捜査1課長)

そして検察OB、てかヤメ検弁護士の皆さん。

 高井"ライブドア"康行
 本田守弘(元内閣官房司法制度改革推進室長)

そして司法からは一種の名物男といいますか、裁判員制度海外研修組でまだ最高裁に行ってないこの人。

 山室"次は俺だ"恵

この人、編著書に『刑事尋問技術』てのがあります。弁護士では犯罪被害者の司法参加に賛成した

 番敦子(日弁連犯罪被害者支援委員会副委員長)

さんがいらっしゃいます。また、いわゆる「ジャーナリスト」として

 桝井成夫(元読売新聞論説委員)

こちらは「犯罪の低年齢化と、性犯罪も含めた凶悪犯罪の急増傾向」などというデタラメの張本人で「裁判員制度の運用等に関する有識者懇談会」のメンバー。続いて学者様からは、先ずはこの人がいなければ始まらない、警察庁御用達の

 前田雅英(首都大学東京教授 刑事法)

の他、仲間由紀恵ではなくて

 仲真紀子(北海道大教授 心理学)

「心理システム科学」だそうですが、『目撃証言の心理学』という本に論文載せてます。それと、この人がどうして来てるのかよく分からないんですが

 大沢真理(東京大教授 社会政策)

専門はジェンダー政策。 ちなみに日弁連からは2名、

 小坂井久
 竹之内明

ほとんどオマワリさんの味方に囲まれて寂しい限りですが、日弁連会長声明によると「あらゆる機会を通じて可視化の早期実現を求めるべきものと考え」て委員を出したそうです。どう考えてもこの「研究会」は「早期実現」を阻むためにやっているとしか思えませんし、声明の中で明らかにされた「立場」において

取調べの可視化は、緊急の課題であり、他の捜査手法の導入如何にかかわらず実現されるべきものであること。

上記研究会の存在や議論状況を理由として、取調べの可視化の立法や運用による実施を遅らせるべきではないこと。


と述べている以上は「上記研究会」が「取調べの可視化の立法や運用による実施を遅らせる」為に存在する事を認識しているはずなんですが。

ところが日弁連では「同研究会は、2010年1月頃から1年程度行われ」るもんだと思っているようです。しかし実際には「2月頃から2年程度」という話しでありまして、宮アさんが「1」と「2」の区別がつかなくなったか、騙されたかのどちらかでしょう。今年で66歳になる宮アさんですが、まさか数字がわからなくなるお年とも思えません。

いわゆる「研究」の実践として、先ずは見えないところで日弁連を罠にかけて騙すところから始まったわけですが、ともかくもこうした「研究会」なるものが出来るということは、警察はむしろ可視化を逆手に取って最大限に利用するつもりのようです。よくよく考えてみれば、取調室以外ではカメラもマイクもありませんから、代用監獄があれば「捜査能力が低下」する心配なんてこれっぽっちもないのです。


posted by 珍風 at 09:49| Comment(5) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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