2010年03月28日

Bon Voyage!

「国の財政」悪い方向、47.6%で過去最高 内閣府調査

 内閣府が27日発表した「社会意識に関する世論調査」によると、日本社会で悪い方向に向かっている分野を複数回答で尋ねたところ、「景気」を挙げた人は63.1%でトップだったが、前年の調査から5.5ポイント減った。一方で「国の財政」を挙げた人は4.7ポイント増えて47.6%と過去最高だった。国家財政への不安が高まっていることが浮き彫りになった。

 良い方向に向かっている分野は「科学技術」が20.7%(7.4ポイント減)でトップ。「医療福祉」18.7%(5.5ポイント増)、「防災」14.9%(2.7ポイント減)と続いた。

 公共分野への関心を尋ねたところ、「国や社会のことにもっと目を向けるべきだ」と答えた人は52.2%で、4.4ポイント減った。「日ごろ社会の役に立ちたい」と思っている人も4.1ポイント減の65.2%で、社会への関心や貢献の意識が低下していることが分かった。

 国民の経済格差を踏まえ、政府に必要な政策としては「所得向上への努力が生かされる制度改善」が1.5ポイント増の32.6%で最も多かった。以下、「税、社会保障」31.5%(7.2ポイント減)、「所得向上への努力に対する側面的支援」が18.1%(0.6ポイント増)の順。

 今後の公共サービスのあり方について「できるものから非営利組織(NPO)やボランティア団体を活用すべきだ」と思っている人は58.7%(6ポイント減)で、そう思わないとした人は29.5%(2.4ポイント増)だった。

 調査は1月21日〜2月7日に、成人男女1万人に面接方式で実施。有効回収率は62.1%だった。

2010年3月27日 日本経済新聞


「社会意識に関する世論調査」ってのは、ほぼ毎年1月から3月にやってるんですが、今年は5年ぶりに有効回収数が6千に乗りました。「今回は1月21日〜2月7日に全国の成人男女1万人を対象に行い、6214人から回答を得た」(27日 讀賣新聞)のです。ちなみに過去10年の有効回収数はどうだったかというとこれが

2000年 6929
2002年 6798
2004年 6886
2005年 6586
2006年 5071
2007年 5585
2008年 5494
2009年 5890
2010年 6214


2006年の時にガクッと下がっています。ちなみに回収不能のもののうち「拒否」はいつでも大体1000〜2000の間なんですが、この時は2994件にも上がっています。前年の調査の時と比較すると、有効回収の減少分がほとんど回答拒否だったようです。アンケートは調査対象が調査主体に対して持つ好悪感情によって回答率が変わると言いますが、内閣府はこのときよほど嫌われていた模様です。

まあ実は、この時は例の「郵政選挙」の直後だったわけですが、自公が圧勝した割りには、4カ月も経つとアンケートにも答えてもらえないくらい嫌われていたものです。現政権はその点ではコイヌミよりも上手いこといっているのではないかと思われます。

各マスゴミの報道は「現在の日本で悪い方向に向かっていると思われる分野」「現在の日本で良い方向に向かっている分野」および「国の政策への民意の反映程度」に関するものが主ですが、ネットによる検索では時事、共同、日経、産経、読売の5社の報道がヒットしました。それによると

「悪い方向に向かっていると思われる分野」(括弧内は前回)

(5社共通)
景   気 63.1%(68.6%)−5.5
国の財政 47.6%(42.9%)+4.7

(日経を除く4社)
雇用・労働条件 56.5%(57.5%)−1.0
外       交 28.3%(20.5%)+7.8

(共同と産経のみ)
経済力 39.2%(38.1%)+1.1
物 価 32.5%(41.7%)−9.2
治 安 25.2%(32.8%)−7.6

(読売のみ)
防衛 19.0%(15.5%)+3.5


日本経済新聞は「雇用・労働条件」にはどうせあまり興味がないのでしょうが、「外交」に関する関心も薄いようなのが気になります。同紙は「国の政策への民意の反映程度」についても一切書いておらず、その他についても良くいえば独自、悪くいえば興味本位、普通にいえば編集方針と読者のニーズに沿った見たいものしか見ない態度が特徴となっていますが、「国や社会のことにもっと目を向けるべき」でしょう。てゆーかこれで4,000円はさすがにどうかと思われます。

産經新聞の記事は共同通信に依拠するものと思われますが、「治安」に関して共同通信は

「治安」は7・6ポイント減って25・2%と、意識面では改善した。
(27日 共同通信)


と、あくまで「意識面」だけで「改善」したものであるかのように書いているのが通信社にとって命綱ともいえる情報ソースである警察への気遣いを伺わせるものです。もっとも現象面では「治安」はあまり「改善」の見込みはありません。もともとそんなに悪くないんですから仕方ありません。この点ではさすがの産經新聞でも共同通信のあまりにもあからさまな迎合的表現を避けているのは印象深いものです。

「治安」(25.2%)は7.6ポイント減となり大きく改善した。
(27日 産経ニュース)


讀賣新聞はこの項目には触れず、別の項目に関連して「治安」について言及しています。

 「日本の国や国民について誇りに思うこと」(複数回答)で、05年に18%まで落ち込んでいた「治安のよさ」(4位)が42・5%となり、1994年12月調査の42・6%以来16年ぶりに40%を超えた。
(27日 讀賣新聞)


ここでは逆に「治安のよさ」がポジティヴな要素として取り上げられてしまっています。共同通信社の人はこれから毎日道端で誰でも殴ったり刺したりすることによって「社会の役に立」つことが必要です。一日一善一人一殺、頑張りましょう。一方、

「良い方向に向かっていると思われる分野」(括弧内は前回)

(読売を除く4社)
科学技術  20.7%(28.1%)−7.4
医療・福祉 18.7%(13.2%)+5.5

(日経のみ)
防災 14.9%(17.6%)−2.7

(時事のみ)
教育 11.8%(9.5%)+2.3


讀賣新聞は思い切って「良い方向に向かっていると思われる分野」に関する記述を全く行わないことにしたようです。あたかも民主党政権下で「良い方向」などはあり得ないという、頑固ジジイの編集方針が隅々まで貫徹されているようであり、生方さんには古巣の「言論の自由」についても意見を聞いてみたいような気もするわけですが、各社とも「悪い方向」については普天間基地問題が決定的な要因であるかのように書いているところ、「良い方向」についてはそれに対応する政府の政策についてコメントすることはないようであります。

普天間基地問題については「悪い方向」の「外交」に関連して時事と共同、読売ではそれに加えて「防衛」まで引き合いに出して言及しています。現状を「迷走」(時事・読売)あるいは「難航」(共同)と評価しうるかどうかは分りません。政府にとって方針が既定であり、かつその方針が民意に反するものであることが分っている場合、その提示を引き延ばしたり、政府内での多様な意見の存在とそれらの間での闘争が演出される可能性があります。たとえば民間の「世論調査」によると、望ましい基地の移転先は

普天間基地の望ましい移設先は?

沖縄の在日アメリカ軍普天間基地の移設問題で、政府与党は、「名護市辺野古沿岸に移設」という従来の日米合意にとらわれず、白紙の状態から移設先を探しています。
あなたが考える望ましい移設先は次のうちどこですか?


従来の日米合意通り辺野古沿岸部
32%

辺野古以外の沖縄県内
7%

沖縄県以外の国内
15%

日本の国外
38%

(答えない・わからない)
8%

調査日 2010年2月13日,14日 定期調査
JNN世論調査


JNNでは国外移転が38%に達します。また、日経でもこのような「勇気」ある調査が行われており、

普天間移設、最多は「国外」の31% 世論調査


 沖縄の米軍普天間基地の移設先について聞いたところ「国外に移すべきだ」が31%と最も多かった。次いで「普天間から移設する必要はない」が19%だった。「沖縄県内の普天間とは別の場所」が17%、「沖縄県以外の国内」は12%だった。

 「国外」は内閣支持層で35%、民主支持層で33%とそれぞれ最多となった。民主は昨年の衆院選で国外・県外移設をめざすと訴えた経緯がある。

 自民支持層では「移設する必要はない」が29%と最も多く「国外」は18%で3番目だった。政府は5月末までに移設先を決定する方針だ。

2010年3月1日 NIKKEI NET


これはアメリカが「現行案」としている「辺野古沿岸」を選択肢から外すほど勇気ある調査なのですが、その日経が自分自身の勇気にビビって「自民党支持層では」などと、あまり意味のないことを書いてしまう程、その結果は明白なものです。ついでに最新の世論調査

『9条改憲不要』51% 普天間移設先 国外38%

 本社加盟の日本世論調査会は十三、十四両日、面接による全国世論調査を実施し、安全保障に関する国民の意識を探った。日米安全保障条約改定からことしで五十年を迎える節目に日米同盟の評価を聞いたところ「現状のままでよい」との答えが59%を占めた。戦争放棄と戦力不保持を定めた憲法九条に関しては51%が改正は不要と回答。焦点の米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の移設先は38%が日米合意を見直し、日本国外へ移設するよう求めた。

 日米安保条約が日本の平和と安全にどの程度役立っているかとの質問には「大いに」(16%)と「ある程度」(62%)を合わせ78%に上った。

 集団的自衛権の行使を憲法解釈で禁じている政府見解に対しては「今のままでよい」が47%と最多。これに「解釈を変更して、行使できるようにする」の17%が続いた。日米同盟の評価に関しては現状肯定に次いで、同盟関係を「強化する」が17%。「弱める」が16%で「解消する」は3%にとどまった。

 九条改憲をめぐっては「改正する必要があると思う」が24%。具体的には「自衛隊の存在を明記する」が52%と最も多く、次いで「国
際貢献を行う規定を設ける」(27%)、「自衛隊について拡大解釈を防ぐ規定を設ける」(16%)の順だった。

 普天間移設先に関しては「沖縄県以外の日本国内」が21%。国外と合わせて59%が沖縄県外を求めた。次いで、日米同意に沿って沖縄県名護市の「キャンプ・シュワブ沿岸部に移設」が18%。シュワブ沿岸部以外の沖縄県内移設は12%だった。

 【注】小数点第一位を四捨五入した。

2010年3月28日 東京新聞


そういうわけなので、「外交」が「悪い方向」に向かっていると思う人が3割近くいるとして、それがマスゴミが言いたがるように普天間基地問題に対する政府の対応によるものであるとすれば、それは政府が順風満帆に、そして真っすぐに「国内」に向かっているようであるからであることになるでしょう。まあ、そういう「悪い方向」に向かうことを「迷走」と表現するやり方もありますがね。


posted by 珍風 at 20:09| Comment(4) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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