2010年05月06日

海行かば大君の辺にこそ死なめ帰って寝るわ

「最低でも県外」どこへ、沖縄県民に失望と怒り


 沖縄の思いは、結局踏みにじられた。米軍普天間飛行場(宜野湾市)の移設問題で、就任後初めて沖縄を訪れた鳩山首相は4日、「県内に一部を移設せざるを得ない」と認め、おわびの言葉を口にした。

 昨夏、この地で「最低でも県外に」と力強く語ってから約10か月。国外、県外への移設に期待を持たせた揚げ句、たどりついたのはやはり県内だった。おわびを繰り返す首相に、県民には激しい怒りと深い失望感が広がった。

 午前11時過ぎ。首相は県庁6階の知事応接室で、仲井真弘多知事と対面した。黄色のかりゆしウエアを着た首相に、「よくお似合いですよ」とほほ笑みかける知事。首相は愛想笑いを浮かべたが、目はどこかうつろだった。知事のあいさつが終わり、立ち上がった首相は「県民のみなさんに、おわびしなければならないという思いで来ました」と断り、県内移設への理解を求め始めた。

 会談の内容はテレビで速報され、あっという間に県内に広がった。「公約違反が明らかになりましたあ」。県庁前で開かれていた市民集会の司会者がハンドマイクで絶叫すると、約300人の参加者は降り出した雨のなか、首相が出て来るのを待った。だが、公用車は正面玄関を避け、裏口へ。「逃げた」と怒声が飛んだ。

 「あなたは『最低でも県外』と言った。政治家の言葉は重いんですよ」。普天間飛行場に隣接する普天間第二小学校で開かれた住民との対話集会では、住民と向き合う形で席に着き、辛辣(しんらつ)な言葉を浴びせられ続けた。発言者を見ながら、じっとメモをとる首相。集会が終わった後、会場にいた宜野湾市の会社員国政美恵さん(55)が県外移設を求めるメモを手渡そうとして首相に近づき、警察官が止めに入るなど一時、騒然とした。

2010年5月5日 讀賣新聞


この怪しい動きについて、讀賣新聞もさすがに無視は出来なかったようですが、あまり書きたくないようです。オマワリさんに止められて終わったように読めるように書いてあります。実際に起こった事とはまるで異なる印象を与えようとしているわけですが、まさに讀賣新聞の面目躍如たるものがあります。

ところがこれを書いた記者さんのつもりでは、恐らく書きたかったのは「騒然とした」というところでしょう。記者さんは「火に油」の注がれ具合に注目し、火加減を見計ろうとしています。メモがどうなろうと握手しようとそんな事には興味がありません。そこで「激しい怒りと深い失望感が広がった」り、「怒声が飛んだ」り、「辛辣(しんらつ)な言葉を浴びせられ続けた」り、「騒然とした」りすることになります。

讀賣新聞の深い慮りによれば、このような「騒然」たる事態は鳩山さんの失策によって惹起されたものであります。なんだかとにかく人が怒ってるんだから何かマズい事をしたような気がするわけですが、だからといって何がどうだから「失策」であるのかは分からないままです。

そこでどういうわけだか毎日新聞が社説で解説してくれる事になりました。

 鳩山首相は、先月21日の党首討論で、移設先の検討にあたって、移設先地元よりも米政府との協議を優先させる意向を明らかにした。日米合意の現行案を修正したQIP方式による「辺野古回帰」案が浮上したのはその前後である。

 現行案にこだわる米側の意向に配慮して「辺野古の海」への基地建設に回帰し、米政府と一緒になって基地の県内たらい回しを押しつける−−首相発言は沖縄県民にそう映っているに違いない。

2010年5月5日 毎日新聞社説:首相の沖縄訪問 今さら「県内移設」では


これではまるでアメリカが悪いように読めますが、注意が必要です。毎日新聞がそんなことを言っているのではありません。毎日japはそんな悪いことは言わないのです。毎日新聞が問題にしているのは、鳩山さんの一連の行動によって、アメリカが基地を押し付けているように「沖縄県民に映っている」ことなのです。

どうも鳩山さんは「白旗宣言」をしたり謝ったりしているうちに、改めて背後にアメリカが存在する事を気づかせてしまったようなのです。毎日新聞が「マズい」と思っているのはそこんとこなのです。おそらく議論の余地のある「抑止力」という言葉について、毎日新聞は明確な概念を持っています。

「日本の安全保障」における「抑止力」としての米軍という考え方は、米軍をあたかも日本のために存在するかのように位置付けることによって逆にアメリカの存在を隠蔽しようとするのですが、本当はどっちがどっちの「抑止力」なのかよくわかりません。毎日新聞の「抑止力」概念は、同様の役割を鳩山さんに求めているようです。それは日本の政府はアメリカの盾にならなければならないということなのです。

そこで例えば讀賣新聞の記者さんは、鳩山さんがいかに立派な盾となり、いろいろ飛んで来たり浴びせられたりしているかというところを書いて、誠に天晴な盾ぶりを褒め、その武勇を讃えているのです。主君の馬前で死することこそ武士の本懐であります。まあ俺が死んだ後は殿様うまくやってよ、ヨロシク、というようないい加減な話ですが。


posted by 珍風 at 11:30| Comment(2) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

広告


この広告は60日以上更新がないブログに表示がされております。

以下のいずれかの方法で非表示にすることが可能です。

・記事の投稿、編集をおこなう
・マイブログの【設定】 > 【広告設定】 より、「60日間更新が無い場合」 の 「広告を表示しない」にチェックを入れて保存する。


×

この広告は180日以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。