2010年08月04日

幼児死体の利用法

【2幼児遺棄事件】大阪市のセンターに抗議殺到 平松市長「どうして突っ込めなかったのか」


 近隣住民から虐待を疑う通報を3回も受けながら事件を防ぐことができなかった大阪市こども相談センター(児童相談所)に、全国から数百件の抗議が殺到していることが2日、分かった。鍵を壊して室内に入る強制立ち入り調査(臨検・捜索)を見送ったことなどへの批判が大半で、平松邦夫市長もこの日、「どうして突っ込めなかったのか」と担当者の対応に疑問を投げかけた。

 センターによると、2日までに電話だけで100件以上の抗議が寄せられ、「日中は電話が鳴りっぱなし」(担当者)の状態。ファクスやメールなどもあり、「対応が手ぬるい」など厳しい意見が大半だ。

 児童虐待防止法の改正で平成20年4月から、虐待の恐れのある家庭への強制的な臨検・捜索が可能になったが、21年度までの2年間に実施されたのは全国でわずか3件。今回のように保護者や被害児童を特定できなければ、前段階の任意の立ち入り調査すらできないなど、多くの壁が立ちはだかるためだ。

 センターの担当者は「抗議を真摯(しんし)に受け止めなければ」としながらも、「保護者や児童の特定ができず、緊急性の高さを認識できなかった。どうすればいいか答えが見つからない…」と無力感を漂わせる。

 ただ、立命館大学の野田正人教授(司法福祉論)は「本気でやれば近隣への聞き込みで居住者を特定できたはず。まず子供の安全を第一に考えるべきだった」と話している。

 一方、厚生労働省は2日、児童相談所が虐待の疑いがあると通告を受けたうち、子供の安全が確認できていない事例がないか、全国の自治体に把握するよう要請した。

 長妻昭厚労相は2日に開いた緊急会議で、事件について「もう少しやりようがあったのではないかと強く感じる」と述べ、強制立ち入りも念頭に対応を強化するよう求めた。

2010年8月3日 産経ニュース


あまり簡単に「近隣への聞き込みで居住者を特定できたはず」と言って良いものかどうかわからないんですが、興信所だったら直ぐ調べて来るかも知れません。まあ、色々と手があるようですが、僕は知りません。それらは企業秘密に属します。あまり表沙汰にしたくないようなテクニックも使うのかも知れません。お金もかかります、てゆーかお金もかけるでしょう。

したがって何でもかんでも「突っ込め」ば良いというものでもないのですが、季節柄人々はアツくなりがちです。「ワイやったらドアー蹴破って助けてやるわい」と怒る人も多いことでしょう。

私人がそういうことをする分には一向に構わないわけです。一般的に「突っ込む」ことは犯罪ですが、この場合は緊急避難に当たります。しかしながら公務員が市民の権利を無闇に害する事は宜しくありません。その行動は抑制的である事が期待されているのは当然の事です。そこで近隣住民としてはセンターの人が帰ってしまったら、緊急避難的にドアをぶち破ることが出来るでしょう。

こういうことを書くと「近隣住民は救助すべきだった」というように取られる虞れがあります。しかしこれは実際のところ無理な相談であり、近隣住民にそのような「責任」を負わせるわけにはいかないでしょう。状況の評価は「突っ込む」までは不可能であり、ことによると「緊急避難」と見なされない場合もあり得ます。緊急性の低い状況であった場合は近隣住民は当該居住者との関係が困難になる事が予想されますし、その場合居住者からの攻撃的対応も予想されるのです。

緊急性が著しく低い場合、たとえば母親がちょっと買い物に行くとガキが泣きわめく、といった場合では、近隣の住民の「突っ込み」行為は母親を強姦する目的で押し入ったとか、ガキを強姦する目的で押し入ったなどと解釈される虞れがあります。事は住居侵入では済まないかもしれません。

実際にネグレクトが存在するような、緊急性を有する場合でも、近隣住民は居住者に「逆恨み」される可能性があります。これは親に対する非難や批判という「攻撃」に対する「防衛」反応ですから、当然発生するものと考えることができるでしょう。

一方でセンター職員は私的な権利を侵害してはならないのですが、そのために色々と面倒な事があったりします。例えば「児童の福祉に関する事務に従事する職員」による「臨検、捜索等」をする場合は裁判所に行って「許可状」をもらってこなければならない、などということがありますが、これは権利保護のために必要な迂回というべきでしょう。少なくとも裁判所の判断を待っている間に死んでしまったわけではないのですから、「多くの壁」などの話をしている場合ではないようです。

しかしながら、一部には、これは警察が踏み込めないのが悪い、という、これまた話を明後日の方向に持って行こうとする意見もあるようです。

【なぜ虐待死は防げないのか】「父親に責任はないのか」「一刻も早く立ち入りを」 大阪2幼児放置に読者の声


 大阪の2幼児虐待死事件に関して、読者からたくさんの意見が届いている。

 2歳児の母という岐阜県の女性(41)は《児童相談所の職員が外から様子をうかがって帰ったというが、外からで様子が分かるはずがない。一番近くにいて様子をよく知る周りの住人が通報しているのだから、外からでなく実際に目で見て確認するところまでどうしてできないのか。不思議でなりません》。

 埼玉県の女性(32)は《納得いかないのは児童相談所が3回の通報で家庭訪問していたにもかかわらず、連絡が取れないとの理由で警察へ連絡しなかったことだ。警察がもっと踏み込めるよう法改正を求めます。強制介入には子供の名前と生年月日が必要だというが、あまりに無意味な条件は権利そのものを無意味にします》とつづった。

 オーストラリア在住の2児の母(45)は《豪では虐待通報で警察が飛んでくるし子供はすぐ親から引き離され安全な場所に隔離される。保育園でアジア人の乳児の尻に蒙古(もうこ)斑があったのを虐待と勘違いして通報した話もよく聞く。また、今回の事件では離婚した子供の父親に責任はないのだろうか。豪では親権を取らなかった親にも権利と義務がある。金銭だけでない養育の義務がある》と問いかけた。

 山形県の女性(61)は《「連絡をください」とメモを残して立ち去っても母親は連絡するわけがない状態なのです。他人に見せられない、見せた後がどうなるか怖いと思っている人が連絡するわけがない。やはり一刻も早く強制立ち入り調査をし、親も子も助けなくてはいけない。親が罪を犯す前にさまざまな援助があることを指導するためにも、強制立ち入りしてください》と訴えた。

2010年8月2日 産経ニュース


実は、現行法でも児童相談所長は警察署長に対して援助を求める事が出来ます。

(警察署長に対する援助要請等)

第十条 児童相談所長は、第八条第二項の規定による児童の安全の確認又は一時保護を行おうとする場合において、これらの職務の執行に際し必要があると認めるときは、当該児童の住所又は居所の所在地を管轄する警察署長に対し援助を求めることができる。都道府県知事が、前条第一項の規定による立入り及び調査又は質問をさせようとする場合についても、同様とする。

2 児童相談所長又は都道府県知事は、児童の安全の確認及び安全の確保に万全を期する観点から、必要に応じ適切に、前項の規定により警察署長に対し援助を求めなければならない。

3 警察署長は、第一項の規定による援助の求めを受けた場合において、児童の生命又は身体の安全を確認し、又は確保するため必要と認めるときは、速やかに、所属の警察官に、同項の職務の執行を援助するために必要な警察官職務執行法(昭和二十三年法律第百三十六号)その他の法令の定めるところによる措置を講じさせるよう努めなければならない。

児童虐待の防止等に関する法律


「警職法に定めるところの措置」というのは例えば

(立入)
第6条 警察官は、前2条に規定する危険な事態が発生し、人の生命、身体又は財産に対し危害が切迫した場合において、その危害を予防し、損害の拡大を防ぎ、又は被害者を救助するため、已むを得ないと認めるときは、合理的に必要と判断される限度において他人の土地、建物又は船車の中に立ち入ることができる。

警察官職務執行法


という、かなり強力なものであり、「警察がもっと踏み込めるよう法改正を求め」られてもこれ以上どうしろと言うのかよく分からないわけですが、なんでも警察が踏み込む事には民主党が反対したから、民主党が悪いらしい。

これには経緯があって、2007年の改正時に、第2条に次のような「責任」規定が追加されました。

第二条
6  児童の親権を行う者は、児童を心身ともに健やかに育成することについて第一義的責任を有するものであって、親権を行うに当たっては、できる限り児童の利益を尊重するよう努めなければならない。


これでもって親権に一定の歯止めをかけようとしたわけですが、自民党はこの極めて抽象的すぎる「責任」規定を利用して警察を動かそうとしたわけです。つまり誰かがこの「責任」を果たしていないと「警察官は」「認めるときは」、そこから児童虐待の存在とその切迫した危険を推認する事が出来ますから、「他人の土地、建物又は船車の中に立ち入ることができる」というわけです。

これではオマワリさんが勝手に何でもできる、その口実を増やすだけですから、こういう事に反対するのは当然なのですが、あたかも民主党のせいで警察が動けなかったので2人死んだかのように言うのは誤りです。

むしろ「児童虐待の防止等に関する法律」自体が、民主党と社民党の議員によって提起され、これの成立までには厚生労働省と自民党の相当の抵抗があったこと、自民党の議員が最も抵抗したのは第1条に「児童の人権」という文言を入れる点であったこと、そして2004年の改正でこの文言を入れるのと引き換えに第10条の大幅な改正によって警察への援助要請が児童相談所長と都道府県知事の「義務」とされたことを指摘しておきますが、悲惨な事件をここぞとばかりに利用して警察の権限拡大を狙う、死体から財布を盗むようなマネをしているのはどっちの奴だ、などという下品な事は指摘しない事にしましょう、


posted by 珍風 at 23:06| Comment(2) | TrackBack(1) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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