2010年09月30日

俺たちゃ裸の痩せん軍

細野氏「個人の判断」で訪中、親書携帯も否定


 民主党の細野豪志前幹事長代理は30日、訪問先の中国から帰国した。冷え込んだ日中関係改善に向け菅直人首相が「密使」として派遣したとの見方に関しては「個人的な人間関係の中で行ってきた。個人で判断した」と強調。中国政府首脳あての菅首相親書を携えていたとの見方についても「事実ではない」と否定した。成田空港で記者団の質問に答えた。

 一方、仙谷由人官房長官はこの日午後の記者会見で「(直接の連絡ではなかったので)止めも認めもしなかった」と説明、親書携帯も否定した。

 細野氏は29日に北京入りし、中国外務省関係者と接触し、政府要人とも会談したとされるが、会談相手や内容について「申し上げることはできない」と明かさなかった。中国当局に拘束されていた建設会社フジタ日本人社員ら3人の釈放と自身の訪中との関連についても「発言を控えたい」とした。

 細野氏訪中について、民主党関係者は、菅首相が10月初旬のアジア欧州会議(ASEM)首脳会議の際に、中国の温家宝首相と会談する可能性を模索するためだと述べていた。

2010年9月30日 スポーツニッポン


細野さんの「個人的な人間関係」というと山本モナさんとかを思い出す人もいるかもしれませんが、今回は別段そういうことではなく、これは1週間前に産経新聞社の原川貴郎さんの脳裏をかすめたであろうことが実際に起こったのかもしれません。

【政論】あの大訪中団って、いったい…無意味だった小沢氏の媚中外交


 民主党の小沢一郎元幹事長が史上空前規模の国会議員142人を含む600人超の一行を率いた昨年12月の大訪中団は一体何だったのだろうか。閣僚級の交流停止、東シナ海ガス田の共同開発をめぐる条約交渉の延期、日本人学生ら1000人の上海万博招待の直前での延期…。沖縄・尖閣諸島付近での中国漁船衝突事件後の中国の対応を見るにつけ、そんな思いが沸々とわいてきた。

 訪中時、民主党の国会議員は、人民大会堂で一行を出迎えた中国の胡錦濤国家主席と笑顔でツーショット写真に納まっていたが、一連の中国側の強硬姿勢は、そんな日中友好にかけた彼らの思いや数十万円の旅費も、ほとんど無意味だったことを物語っているようだ。胡氏から「中国人民の古くからの友人だ。中日関係発展のため数多くの貢献をしてきた」と褒めちぎられた小沢氏は、日中関係の現状をさぞ憂えていることだろう。ただ、その小沢氏や訪中団の名誉副団長を務めた民主党の実力者、輿石東参院議員会長が、にわかに降ってわいた日中間の諸問題の解決に奔走しているという話をまったく耳にしない。何とも不思議だ。

 発足して1年が経過した民主党政権は、鳩山由紀夫前首相が提起した具体像が不明の「東アジア共同体」構想を掲げ、アジア重視の姿勢をとってきた。しかし今となっては、鳩山氏が昨年9月、東シナ海をめぐって胡氏に語った「友愛の海にしたい」との言葉はむなしさとともに思いだされる。そういえば、この大訪中団を同行取材した際に最も印象的だったのは、「参院のドン」とも称される輿石氏が、胡主席の右手を両手で押しいただくように握って、深々と頭を下げてあいさつしたシーンだった。菅直人首相は国連総会出席のため、米ニューヨークに滞在している。本格的な外交デビューを果たすことになった首相には、中国をはじめとする各国に、輿石氏のような姿勢ではなく、毅然(きぜん)とした態度で相対し、わが国の立場を主張してもらいたい。(原川貴郎)

2010年9月23日 産経ニュース


輿石さんは名誉副団長だったわけですが、細野さんは事務総長でしたからいろいろな人と話す機会はあったようです。だいたい「事務」というのは範囲があってないようなもので、僕も事務屋なのになぜかカウンターでシェーカーを振る羽目に陥ったりしたものですし、これは1日で勘弁してもらいましたが、進駐軍の赤十字クラブの事務員なのに司会をやっていたのはトニー谷さんでした。

そういうことで顔が広くなったり額が広くなったりするわけですが、菅さんの周辺には友達の少ない人が多いようなのには困ったものです。もっとも『商店』のメンバーの中では「友達が少ない」と言われている六代目円楽さんの襲名披露パーティーには小沢さんも出席してまして、口の悪い連中は「やっぱり“ブラック団”だ」などと言っていたもんですが。

ところでこの小沢訪中の際に、小沢さんが面白いことを言ったというので口の悪い顔も悪い連中が意味もなく喜んでいたりしたものでした。

小沢氏、胡中国主席と会談「私は人民解放軍の野戦軍司令官」


【北京=原川貴郎】民主党の小沢一郎幹事長を名誉団長とする同党訪中団は10日午後、北京に到着した。小沢氏は同日夕、北京市内の人民大会堂で胡錦涛(こきんとう)中国国家主席と会談し、日中関係の強化や民主党と中国共産党の政党間交流の促進を協議した。小沢氏と胡氏の会談は政権交代後は初めて。昨年5月の胡氏来日時に続き4回目となる。会談は約30分間で、輿石東参院議員会長と山岡賢次国対委員長が同席した。

訪中団は、民主党国会議員約140人を含む総勢600人超が参加する異例の訪問団となった。小沢氏のライフワークである日中交流事業の「長城計画」と民主党と中国共産党の「交流協議機構」の行事を兼ねており、航空機5便に分かれて北京入りした。小沢氏は到着後、中国側が用意した巨大な黒塗りのリムジン車に乗り込むと、添乗員の掲げる旗に従った同行議員らが、チャーターしたマイクロバスで長い車列をつくって市中心街に向かった。

「140人以上の国会議員が参りまして、(胡氏が)大変お忙しい中、それぞれの議員とツーショットを撮っていただき本当にみんな喜んでいます。友好発展のため、ご理解いただきたい」

冒頭、小沢氏は笑顔でこう語りかけた。会談に先立ち、訪中団は、胡氏ら中国要人との恒例の記念撮影を行っていた。

胡氏は「小沢氏は中国人民の古くからの友人で、中日関係発展のため数多くの貢献をしてきた。今日は新しい友人がいっぱい生まれるだろう。それを日中関係に役立てたい」と語った。

小沢氏は来夏の参院選について、「こちらのお国(中国)にたとえれば、解放の戦いはまだ済んでいない。 来年7月に最後の決戦がある。私は人民解放軍の野戦軍司令官として頑張っている」と語った。

2009年12月10日 産経ニュース


もう忘れてしまったようですが、原川さんはこういう書き方をしたわけです。小沢さんは「私は人民解放軍の野戦軍司令官として頑張っている」と言ったと書いてあります。これではまるで小沢さんが勝手に人民解放軍に入ったかのようですが、見出しではまさに「私は人民解放軍の野戦軍司令官」ということになっていますから、人民解放軍というのは勝手に入隊していきなり司令官になれる夢のような軍隊であるに違いありません。僕だって所属しているぞ「痩せん軍」に。

原川さんとしてはこの発言をもって彼のいわゆる「媚中」の目玉にしようとして努力を払った形跡が認められるわけですが、ただ残念なことに、実際にはそんな夢の軍隊は長い歴史と広大な国土を誇る中国にも見当たらないようで、やはりこれは単なるモノの喩えであったというのが真相です。つまり「こちらのお国(中国)にたとえれば」は「私は人民解放軍の野戦軍司令官として頑張っている」にもかかっていたのです。小沢さんが中国で軍人になったとか中国の軍人として日本で活動しているとかいうのは間違いだったようです。

まあ、考えてみれば現在の人民解放軍でいくら出世しても「野戦軍」司令官にはなれません。もしかすると人民解放軍にも「野球軍」ぐらいはあるかも知れませんし、うまくすると「阿帕契野球軍」すらあっても全然おかしいのですが、「野戦軍」は抗日戦争後から国共内戦期における歴史的な軍制です。

「野戦軍」の名称が用いられたのは1945年11月の華中野戦軍の編成がたぶん最初で、これは翌年に編成された山東野戦軍と一緒になって1947年に華東野戦軍となり、これは後に中国人民解放軍第3野戦軍と改称されます。

西北野戦兵団は1947年7月に西北野戦軍と改称され、これが中国人民解放軍第1野戦軍となりますし、1948年5月には晋冀魯予野戦軍団が中原野戦軍に改称され、中国人民解放軍第2野戦軍になります。中国人民解放軍第4野戦軍は東北抗日連軍から組織された東北人民自治軍、これが東北民主連軍となり、東北人民解放軍となりますが、そこに管轄されていた東北野戦軍が改称されたものです。

このように野戦軍に番号が付いたのは1949年のことですが、中華人民共和国が成立して翌年1950年にはもう「野戦軍」という機構は廃止されて各軍区に編入されてしまいます。第4野戦軍だけはその組織が1955年まで残っていたということですが、「野戦軍」というのはおおむね5年、内戦時の機構として存在したにすぎません。

小沢さんがこの時代に言及したのは、それが内戦時であったからに他ならないのですが、たしかに「7月の決戦」に向けての発言である限りでは「内戦」の相手は自公政権、なかでも自民党のことであると言えそうですが、国共内戦が抗日戦争の勝利後の過程であったことをふまえて「こちらのお国(中国)にたとえれば」、「内戦」は民主党内で進行しつつある過程としてとらえられていた可能性もあります。

まあ、そういうのは「内紛」とか言うわけですが、一方はアメリカの支援を受けて一時は大変優勢に見えたとか、そういう話もありますから上手くハマりそうな話なんですが、じゃあ毛沢東におけるソ連が小沢さんにおける中国なのか、そうだとすればそもそも例のお船の衝突も、いわば援護のために仕組まれたとか言い出しかねませんが、そんなことを言い出すと仙石さんが下手を打ち続けたことも小沢さんのためだったということになってしまいますからちょっとどんなもんか。もっとも、そう仮定するのでなければとても理解できないという意見にも聞くべきものがありますが、馬鹿なこと言ってると発破掛けられるぜ。
posted by 珍風 at 20:46| Comment(2) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年09月28日

ジンジンジンジンサントリージン

【尖閣衝突事件】「政治家は国防を根本的に再考する機会」 国家基本問題研が緊急提言


 民間シンクタンクの国家基本問題研究所(櫻井よしこ理事長)は27日、尖閣諸島沖の中国漁船衝突事件の船長釈放問題について緊急提言を発表した。提言は、(1)政治家は今回の事件をもって、国防体制を根本的に再考する機会とする(2)中国船の意図的衝突の証拠となるビデオを公開(3)尖閣諸島への自衛隊を配置(4)外国船の違法活動を罰する法律の制定−などを求めた。

2010年9月27日 産経ニュース


メインキャラクター櫻井よしこちゃんの「呉服」姿を存分に拝めるというので一部好事家にご好評をいただいている「国家基本問題研究所」ですが、この「研究所」の記事は『産經新聞』でしか読めません。もっとも誰も読みたがらないもんですから産経さんもとりあえず「載せときました」位の扱いですが。よしこちゃんの「国家基本問題」というのは読んで字の如く「改憲」のことなので大変に分かりやすいのですが、よしこちゃんは「軍国主義」のようなことを「普通の民主主義国」と書くので、「普通の」人々にはちょっと分かりにくいところがあるのは否定出来ません。

とはいえ、「普通」という語の一般的な用法に準じて、「普通の」とは「俺の」の意味であることを指摘しておくのは理解の助けになるかもしれません。よしこちゃんに免じて「わたしの」としても構いませんが、「あたいの」でもなんとかやっていけそうなよしこちゃんです。

この「研究所」は「政治家は今回の事件をもって戦後の国防体制を根本的に再考する機会にせよ」と言うのですが、

1、 戦後の日本は、憲法前文にある「平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼して、われらの安全と生存を保持しようと決意した」に象徴される仮構の下に安全保障を考えてきた。しかし、この幻想は無残にたたき壊されたという今回の現実を直視すべきである。自衛隊を「普通の民主主義国家」が持つ「国軍」に改め、併せて世界でも有数の長大な海岸線を持つ国家らしく、海上保安活動の装備向上と強化を急ぐなど、戦後体制の根幹を改める方向を決める必要がある。国の代表である政治家には特にその自覚を促したい。


いささか機会便乗主義のきらいがなくもない「提言」であります。とはいえ機を見るに敏であることは「国防」上においても大事なことですから、「この際だから」という「気概」は見上げたものであります。もっとも、多くの国家は無駄なコストをかける事を回避しようとしており、お互いの「公正と信義」を前提として行動することにしています。軍事的な手段が何かを解決するなどという「幻想」を抱いていないことは中国でも同様でありましょう。「普通の民主主義国」はどうだか知りませんが、一般的な国家にとって「国軍」というものは交渉の手段の一つなのです。

しかしながら、今回の件に関しては「公正と信義」を裏切ったのはどちらであるかという点に関して争いがある事は否定出来ません。

2、 中国政府は9月25日の船長の釈放で矛を収めず、日本政府に謝罪と賠償を要求するというさらに高圧的な態度に出た。日本政府はこの理不尽な要求を断固拒否するとともに、船長逮捕の正当性を国際社会に訴えるため、中国漁船が海上保安庁巡視船に意図的に体当たりした証拠となるビデオ映像を公表すべきである。


「中国漁船が海上保安庁巡視船に意図的に体当たりした証拠となるビデオ映像」は存在しないという噂があります。撮影はしていたようなのですが、それはどうも「中国漁船が海上保安庁巡視船に意図的に体当たりした証拠とな」らないのではないかと言われているのです。何しろ公表していないので分かったものではないのですが、とても公表出来るようなシロモノではないという可能性があるわけです。

ビデオ映像については、早い時期からその存在が誇示されており、公表しないのはいささか解せぬ事ですが、その内容はよしこちゃんたちが期待するようなものではないのかもしれません。したがって公表したらしたで、またよしこちゃんは「何故公表した」とかツッコんでくるような気がします。いずれにしても日本政府の「証拠」に関する態度は「自由に加工する」というものであることが明らかになっておりますから、何を「公表」したところであまり信用されないということにもなりかねません。

したがってビデオは公表されないうちが花であるとも言えるでしょう。逆に言えば公表されないことを見越して「公表すべきである」と主張し続けることは理性的な判断であり得ます。しかしこれはあくまで公表されるまでの話ですから、言っておくなら今のうちであると言えるでしょう。

同じ日にこの「研究所」の評議員であり「日本を代表する作曲家」であるすぎやまこういちさんに「JIN・ジン・じん・仁・松原仁」という、ノロ臭い曲を書いてもらった松原仁さんとそのフレンズも、曲調とは裏腹にスピーディーに同じようなことを発表しているのも「今のうち」ならではです。

【中国人船長釈放】「尖閣に自衛隊常駐を」民主党有志12人が声明


 民主党の松原仁衆院議員らは27日午前、国会内で記者会見し、沖縄・尖閣諸島周辺での中国漁船衝突事件で中国人船長が釈放された問題を受け、尖閣諸島への自衛隊常駐の検討などを政府に求める声明を発表した。声明には同党の中堅・若手の国会議員有志12人が賛同した。

 声明は、中国人船長の釈放について「祖国の主権を隣国に蹂躙されたという国民の思いは、日中友好の精神を一気に冷却化させるとともに、政権に対する期待を大きく裏切るものとなっている」と指摘した。

 そのうえで政府に対して、尖閣への自衛隊常駐と漁業中継基地の構築の検討や、海上保安庁が事件の際に撮影したビデオテープの公開などを要求した。

 民主党国会議員有志12人の声明の全文と、12人の顔ぶれは次の通り。

      ◇

「今回の事案がわが国の国益に与える影響と対応について」

 平成22年9月27日 民主党国会議員有志

 1 今回の決定は、米国、韓国等のメディアの報道にみられるように、国際社会において日本の敗北と位置づけられており、このことによる今後のわが国外交の権威の失墜は耐えがたいものである。
 2 また、祖国の主権を隣国に蹂躙されたという国民の思いは、これまで国交回復以降40年近くかけて築き上げてきた日中友好の精神を一気に冷却化させるとともに、政権に対する期待を大きく裏切るものとなっている。
 3 同時に、中華人民共和国と南シナ海をはじめとする領有権の問題を抱える東南アジア諸国の日本に対する失望感は大きく、また自国の安全保障をより一層米国に依存せざるを得ない姿を晒(さら)したことは、今後のわが国のアジア外交においての権威を著しく失墜させるものである。
 4 こうしたわが国の危機的状況を打開するために、次のような対応をとることを強く求めるものである。
 (1)中国によるレアアースの禁輸についての事実関係や、中国国内におけるさまざまな邦人・企業に対する行為の事実関係について、直接責任ある丹羽大使から聴取する。
 (2)海上保安庁に対する中国漁船の不法行為を撮影したビデオをただちに公開し、東南アジア諸国をはじめとする国際世論を喚起する。
 (3)ガス田「白樺」の掘削の事実を早急に調査し、国際約束に反する事実が見受けられた場合、新たに搬入した機材の撤去を求めるなどあらゆる措置を講じる。
 (4)わが国への領海侵犯、漁業資源・鉱物資源等の不法取得等に対して迅速かつ実効的に対応するために必要な法制度・態勢を整備する。
 (5)尖閣諸島に自衛隊を常駐させるとともに、漁業中継基地などの経済的拠点構築することを検討する。

     ◇

 有志12人 松原仁▽中津川博郷▽神風英男▽石関貴史▽米長晴信▽木村剛司▽空本誠喜▽柴橋正直▽高邑勉▽長尾敬▽福島伸享▽金子洋一(敬称略)
 以上

2010年9月27日 産経ニュース


まあ、ビデオ映像の場合、カメラが「不動の視点」であると思われがちであることから、実際に何が起こったにしても「相手がぶつかって来た」ように見えるかもしれませんから、あまり悲観する必要もないのかもしれません。とはいえ海難事故の裁定は複雑だと言いますから、そんな「ビデオ映像」ひとつであっちが悪いとかこっちがいけないとか言えるものなのかどうかは疑問です。これは何よりも先ず「船と船」の問題になるわけですが、一足飛びに「国と国」の問題にしてしまったあたりに、よしこちゃんの好きな「国家意識」が作用した痕跡が見受けられないこともないようですが、例によって例の如く、それは碌な作用の仕方をしないようです。

これで勘弁して下さい
posted by 珍風 at 06:22| Comment(3) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年09月26日

麻薬によく似た粛々の味

中国の謝罪・賠償要求「根拠ない」 外務報道官談話

 外務省は25日、沖縄県の尖閣諸島沖での中国漁船と海上保安庁巡視船の衝突事件について佐藤悟報道官の談話を発表し、中国政府が求めた謝罪と賠償について「中国側の要求は何ら根拠がなく、全く受け入れられない」と拒否した。中国人船長の釈放など一連の事件への対処については「中国漁船による公務執行妨害事件として、日本の法令に基づき厳正かつ粛々と対応した」と強調した。

 談話は「尖閣諸島が日本の固有の領土であることは歴史的にも国際法上も疑いのないところだ」と明記。尖閣諸島をめぐる領有権の問題はないとの従来の政府見解を強調した。そのうえで、「日中双方は引き続き戦略的互恵関係の充実を図っていくことが重要だ」として、今後の関係修復に向けて日中が対応していく必要性に触れた。

 これに関連し、政府関係者は25日、中国外務省が日本側に謝罪と賠償を求める声明を発表したことについて「想定していないことだが、要求は到底受け入れられない」との認識を示した。船長を釈放したうえでのこうした対応に「中国政府が何を求めているのかわからない」と語り、中国側の対応が行き過ぎているとの懸念をにじませた。

2010年9月25日 日本経済新聞


まあ色々と言われているようですが、いずれにしても「粛々と」対応したことには変わりがないようです。この件に関しては最初から「粛々」でして、最初は丹羽大使が「国内法にもとづいて粛々と処理する」と言っていましたし、19日にはマエバリも「粛々」していました。そして昨日は外務省がやっぱり「日本の法令に基づき厳正かつ粛々と対応した」と言っています。

もちろん尖閣諸島が日本の領土であってそこいら辺は日本の領海内である、という「原則」が日本政府には存在するわけですが、この前提から直に「公務執行妨害で逮捕」という結論を導いてしまったのが単純すぎたようなのですが、このような思慮に欠ける行為があった場合に「粛々」という言葉を使うようです。

「肅」はもともと水が早く巡る意、急流を表しますが、「夙」や「縮」に通じて「おそれつつしむ」意味に用います。「粛々」というと、これはもう同じ時を2つ重ねていますからすっかり「畏れ謹み」、おっかなびっくり平身低頭、周りの状況も耳にはいらず目も見えない、というような意味に、最近では使うようです。

そこから近年の用法では専ら「反対意見を無視する」とか「議論の余地を与えない」ことを表していることが多く、例えば死に神(初代)によると死刑なんかもわりと「粛々と執行しなければならない」というような使い方がされています。しかし、日本の中ならともかく、同じ漢字を用いる中国に現代日本語の微妙なニュアンスが伝わるとは限りません。

「粛々」の現代的用法は要するに「他者の否定」を表現するものですが、これが例えば「日本国民」などの集団内においては「他者」を抑圧することが出来ますから「粛々」という言い方も可能なんですが、外交の場面においては「他者」を抑圧したり、知覚しないことにして無視してしまったりするわけにはいきません。それは「他者」が「他者」であることを前提として行なわれるようなのですから、現代日本語の「粛々」が出て来る余地はあまりなかったりするものです。

尖閣諸島には領土問題が存在し、つまりそこには「別の意見」というものが存在します。日本では日本の領土だということにしているわけですが、それは内向きの話でして、他の人、とりわけその領有を日本と争っている相手にとってはそれを前提として行なわれる逮捕、などという事態を容認することはちょっと難しいかとも思われますが、そんな外国の御意見は知らん、無視する、というのが「粛々」です。

これは「おめえらなんか無視する」というメッセージを相手に発信しているわけではなく、「無視という行為を遂行する」ことを言明することによって相手の存在を否定する、という身振りとなります。これでよくまあ中国が怒らないものだ、さすが「大人」の国だ、と思うのは、しかし些か早計であります。相手には現代日本語の微妙なニュアンスが伝わっていません。中国では日本が元来の字義通り「虞れ謹んでいる」と受け取る可能性があり、日本が「粛々と」怖れつつ死んでいる相手は、そりゃ当然中国に決まっている、と思うに違いありません。そうに決まっています。他の意見は無視。

カラダで感じなきゃダメなのね
posted by 珍風 at 12:38| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年09月25日

蝶々さんあたしに翔び方おせーて

「極めて愚か」「外交的敗北」=自民など一斉批判、公明は評価−中国人船長釈放


 尖閣諸島沖での海上保安庁巡視船と中国漁船の衝突事件をめぐり、那覇地検が中国人船長の処分保留での釈放を決めたことについて、自民党など野党は24日、政府の対応を一斉に批判した。

 自民党の安倍晋三元首相は衆院議員会館で記者団に「極めて愚かな判断だ。領海侵犯であることは明々白々で、中国の圧力に政治が屈した」と厳しく批判。石破茂政調会長は「菅直人首相と前原誠司外相が(訪米で)不在だ。いかなる判断に基づいて決めたのか国民に説明する義務がある」と述べた。

 みんなの党の渡辺喜美代表も記者会見で「明白な外交的敗北で開いた口がふさがらない。菅内閣の弱腰外交を糾弾していかなければならない」と断じた。たちあがれ日本の平沼赳夫代表は「中国の領有権を認めたことになりかねない」と懸念を示し、共産党の志位和夫委員長は「国民に納得のいく説明を強く求める」との談話を発表した。

 一方、公明党の山口那津男代表は会見で「日中関係をこじらせることは誰も望んでいない。法的な主張をぶつけ合うよりも、政治的な解決をしていくべき場面に転じた」と評価した。

2010年9月24日 時事


船長さんは空を翔んでさよならバイバイしましたが、こういう場面で「厳正な法律の適用・執行」にこだわることにあまり意味はありません。しかしながら文句を言いたい人もいるわけで、文句を言うのは野党の仕事ですから別に良いようなもんですが、なんだか知らないけど負けた負けたで大騒ぎ。

バカ殿によると「愚かな判断」であって「中国の圧力に屈した」ことになるそうで、「間違いなく、間違ったサインを中国に送ることになってしまいます」と間違いなく間違ったことを言っていますし、渡辺余所見さんは「明白な外交的敗北」であることを明白に主張しています。政府はテキトーに納めたわけですが、この人たちは「敗北」をことさらに強調して開いた口をふさぐことがありません。

これほど負けたがる人というのも珍しいものですが、お隣の中国では「勝った」と言いたいところでしょうから、バカ殿とか余所見さんはこれによく呼応しています。意外と親中派であります。スパイかもしれません。日中友好のために今後ともその調子で口からでまかせをぶちかまして頂きたいものですが、日本としては船舶の衝突事故を「領土問題」にしてしまったのですから、あまり「敗北した」などと言っていると「中国の領有権を認めたことになりかねない」。

と、心配しているのは平沼さんだけ、てゆーか平沼さんのこの発言はむしろ言わなくても良いことを言っただけで、実は一番アレなんですが、まあこれらの少々頭がお留守な発言も、与党を攻撃するのにナショナリズムの煽動をもってしようという極めて浅薄にして危なっかしいものではあるでしょう。あまりにも浅薄なんで船頭が一人だけしかいなくても船舶が山に登ってしまいそうですが。

まあいずれにしても国内向けの発言であって、中国がこれらの発言を捉えて「日本は領土問題に関する敗北を認めた」とか言い出すわけでありませんが、「愚か」で「稚拙」な小児病的発言を得意そうに披瀝するところを見ると、やはり当分の間は野党で辛抱してもらうしかないようですが、こんな人たちがこの間まで政権党に所属して要職に就いたりしていたと考えると慄然としますので、さっさと引退してもらってどっかの屋台でクダを巻くオジサンになって頂けるのであればそれに越したことはありません。飲み過ぎでそこら辺でうんち漏らさないようにしましょう。

オッサン出て来た
posted by 珍風 at 07:59| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年09月23日

チーバくんを守る時限回避装置

「FDに時限爆弾仕掛けた」 改ざん容疑の検事、同僚に

  
 大阪地検特捜部が押収したフロッピーディスク(FD)のデータが改ざんされた疑いのある事件で、証拠隠滅容疑で逮捕された主任検事の前田恒彦容疑者(43)が同僚検事に「FDに時限爆弾を仕掛けた」と伝えていたことが朝日新聞の取材でわかった。データを書き換えた動機を示唆する発言とも受け取れるが、前田検事は逮捕後の調べに「誤って書き換えてしまった」と意図的な改ざんを否定している。

 最高検によると、前田検事は昨年7月、厚生労働省元係長の上村(かみむら)勉被告(41)=公判中=が作成した偽の証明書の最終更新日時を「04年6月1日」から「04年6月8日」に改ざんしたとされる。朝日新聞の取材に対し、昨年7月のFD返却後にデータを見た上村被告の弁護人は、最終更新日時が「6月1日」と記された捜査報告書と異なることに驚き、単独犯を主張する上村被告にとって不利になる証拠ととらえて表に出すことをためらったという。

 検察関係者によると、今年1月に大阪地裁で開かれた村木氏の初公判で、FDに記録された最終更新日時内容が問題になった。このため、同僚検事の一人が東京地検特捜部に応援に行っていた前田検事に電話をかけ、「FDは重要な証拠なのに、なぜ返却したのか」と聞いた。これに対し、前田検事は「FDに時限爆弾を仕掛けた。プロパティ(最終更新日時)を変えた」と明かしたという。

 さらに同僚検事が、最終更新日時が「6月1日」と書かれた捜査報告書が特捜部の手元を離れ、厚労省元局長の村木厚子氏(54)=無罪確定=の裁判を担当する公判部に引き継がれたことを伝えると、驚いた声で「それは知らなかった」と語ったという。

 こうしたことから、前田検事はデータを書き換えることで上村被告側を混乱させるほか、捜査報告書が公判に出なければ捜査段階の供述調書の補強になると考えた可能性がある。これらの仕掛けを「時限爆弾」と表現した疑いがある。

 検察側は村木氏の公判で、同氏が上村被告に偽の証明書を発行するよう指示した時期について6月上旬と主張していた。一方で弁護側は、証拠開示された捜査報告書の日付を根拠に検察側の主張は矛盾していると反論。今月10日の地裁判決も「検察側の主張と符合しない」と指摘した。

 前田検事がFDの最終更新日時を6月8日と改ざんしたとされることについて、検察関係者の一人は朝日新聞の取材に「検察側ストーリーに合う日時だ。だが、返却したFDがどんな形で表に出たら検察側に有利に働くと前田検事が想定していたのか分からない」と話す。(板橋洋佳、野上英文)

2010年9月23日 asahi.com


前田さんは「いつものクセで遊んでいるうちに書き換えてしまった」と言っているそうですから、検察においては証拠物件への「操作」は日常的なものだったんでしょう。それはもう「クセ」になってしまうくらい当たり前の事で、「遊び」半分で気軽にやってしまうのでした。

しかし一方では、この件は以前から特捜部内で話題になっていたそうで、それは今年の2月頃なんだそうですが、この日付も改竄の疑いを払拭しきれないものであり、「話題になった」とか「喧嘩した」という話もどうだか分かったもんじゃない、とはいえ、この時点で事情を訊かれた前田さんは「上村被告が最終更新日時をいじった可能性があり、そのような操作ができるかどうかを確認するためにやった。これは捜査の一環である」と答えたようです。

なんだか上村さんのせいにしているようですが、自分が更新日を変更するからと言って他の人もヤルとは限りません。しかし「事件」は会議室ではなく検察官の頭の中で起きますので、容疑者の行動は検察官の想像力に拘束されるのです。ここでおそらく前田さんは、上村さんが日付を変更したという可能性を示唆したかったものと思われます。

いずれにしてもFD自体は書類の最終更新日を改竄されたまま返却されてしまい、公判において証拠として提出される事はありませんでした。通常は改竄されたものは検察側の提出する証拠として公判に出て来るのが一般ですから、前田さんのやっていることはよくわからないようです。

ここにおいて『朝日新聞』は一つの仮説を提出しています。「検察関係者によると」としてありますが、例によってアテにはなりません。この説によると最終更新日を変更したFDを被告側に返却することが「時限爆弾」として、後々になって何らかの効果を持つことが期待されています。

検察側は村木さんからの「指示」が「6月上旬」であるとし、これに矛盾する文書作成の日字を6月1日とする捜査報告書を開示しませんでした。弁護側にはFDがありますが、これの日付は改竄してあるので弁護側からは「指示」と「作成」の時間的な矛盾を指摘することが出来ないことになります。仮に弁護側の注意が充分に散漫であった場合、弁護側から検察側を利する証拠を提出させることも可能だったかもしれません。

この「時限爆弾」は、弁護側からの請求による捜査報告書の開示によって割合簡単に「一時停止」したものの、今になって爆発してしまったのは検察にとっては全く残念、かどうかは分かりません。村木さんの「事件」の雲行きはかなり怪しくなっており、9月になれば無罪判決が出て、そうすると特捜部の責任が問われるのは予想の範囲内です。

こういう場合は組織全体を防衛するために誰か一人に犠牲になってもらう、というのが常套手段ですから、今回は前田さんに泣いてもらおう、ということになったとしても不思議ではありませんが、この判断は小林敬検事正などが協議の上でこの件に関する調査を見送った時点でなされることになるでしょう。したがってこれは公判において「共犯者」の供述調書が次々とひっくり返り、その大半が証拠と採用されないことになった5月頃のことではないでしょうか。なるほど、「返却したFDがどんな形で表に出たら検察側に有利に働くと前田検事が想定していたのか分からない」わけです。それは前田さんに限って想定しないような形で検察側に有利に働くことになります。

いずれにしても、警察や検察には証拠保全能力が全くないようです。連中に証拠物件を渡すと鑑定だと言って全部使っちゃったり、どこからか新たな証拠物件を都合して来たり、改竄したりするのであり、一般の刑事事件を含めてこのような例は枚挙に暇がありません。彼等の目的は今でも「私有財産」と「国体」を守ることで、「国体」というのは今ではチーバくん、ではなくて天皇を中心としたアメリカの国、ということですが、そのためだったら何だってやってのけるものの、あまり一般の人々のためにはならないようです。
posted by 珍風 at 10:53| Comment(4) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年09月20日

さかなつり共和国

 7日午前10時15分ごろ、釣魚島の黄尾嶼から北北西約12キロの海上で、非道にも領海内に侵入して来た日本の海上保安庁第11管区海上保安本部所属の巡視船「よなくに」が、操業中の何の罪もない善良なトロール船に接触した。約40分後には黄尾嶼の北西約15キロの海上で、やはり領海を侵犯して駆けつけた同海上保安本部の巡視船「みずき」もトロール船と接触、トロール船が停船したところ海上保安官と見られる倭冦が船を占拠し、船長以下乗組員もろとも日本領内に連れ去った。トロール船と乗組員は後日返還されたものの、不当にも日本の法律により公務執行妨害容疑で逮捕された船長は日本警察お得意の密室での「取調べ」によって「かわいがられて」いるものと見られる。


などという報道は一切されていないようです。中国も尖閣諸島の領有を主張しているのですから、その領有する海域に日本国政府の船舶が侵入し、あまつさえ漁船ともめ事を起こしたことに重大なる抗議を行っても良さそうなものなのですが、そんなことはしないようです。

原則として「領有」を主張するものの、こういう事件が起こった場合には政治的に解決するのが一般ですが、今回日本側が日本の法律を適用していることはいささか勇み足の観があります。この領有を強く主張する行動に対して中国側が同じレベルで対抗するには、日本側の領海侵犯に対して厳重に抗議しなければなりませんが、中国政府の要求は船長の身柄の開放にとどまっています。

衝突事件は「偶発的」=中国に冷静対応呼び掛け−前原外相


 前原誠司外相は19日のNHKの番組で、尖閣諸島(中国名・釣魚島)沖で海上保安庁巡視船と中国漁船が衝突した事件について、「偶発的な事故」との見方を示すとともに、「日本の法律にのっとり粛々と対応する」と重ねて強調した。事件をめぐり日中関係が険悪化しているが、「冷静に中国側にも対応してもらいたい」と述べた。

 中国国内では、事件を受けた反日デモも発生しているが、外相は「散発的な抗議活動で、中国政府も抑制の努力をしてくれている」と指摘した。 

2010年9月19日 時事


したがって現在のところ中国側では前原さんの提案に違わず「冷静」な対応をしていると見られます。国内のデモなどもよく抑制しているようです。しかしながら日本では中国のようには言論統制が行なわれていないようで、勇み足のまま走り出そうというような意見もあるようです。

【主張】尖閣漁船事件 組織的な背景を解明せよ


 事(こと)は日本の主権にかかわる。安易な処理など許されない問題だ。

 沖縄・尖閣諸島(石垣市)付近の日本領海で海上保安庁の巡視船に中国漁船が衝突した事件で、検察当局が公務執行妨害容疑で取り調べている中国人船長の勾留(こうりゅう)期間延長を裁判所が認めた。

 検察当局には、国内法にのっとった厳正な捜査によって勾留期限の29日までに立件するよう求めたい。

 東シナ海の石油や天然ガス資源が確認されてから尖閣諸島の領有権を主張し始めた中国政府は船長の即時釈放を要求する強硬姿勢を続けている。東シナ海のガス田共同開発をめぐる日中両政府の条約締結交渉の延期を通告したのに加え、ガス田の一つに掘削用のドリルとみられる機材を搬入する新たな圧力もかけてきた。

 前原誠司外相は、中国側の掘削開始が確認されれば「しかるべき措置をとる」と言明した。当然である。日本単独での試掘や国際海洋法裁判所への提訴といった対抗措置を念頭に、毅然(きぜん)とした姿勢を示すべきだ。

 日本の司法が外国からの政治的圧力の影響を受けてはならないのは言うまでもない。それにもまして日本政府として解明しなければならないのは今回の中国漁船衝突事件の背景である。単に違法操業の範囲内でのみとらえるわけにはいかない。

 尖閣諸島海域では中国漁船の領海侵犯が急増している。海保によれば、事件発生当日には160隻ほどの中国船籍とみられる漁船が同海域で確認され、そのうち約30隻が日本の領海を侵犯していた。これらの船舶がすべて漁船であったのかも問題視すべきだ。

 海洋権益の拡大を狙う中国は海軍力の増強によって実効支配をめざす海域を広げる動きを加速させている。南シナ海では中国の漁船団に武装した漁業監視船が同行するのが常態化し、今年6月には中国漁船を拿捕(だほ)したインドネシア海軍艦船と交戦寸前の状態にまでなったという。

 尖閣諸島での事件は中国がこうした強引な手法を東シナ海にも広げてきたことを示している。

 米政府は、日本の施政下にある尖閣諸島を「日米安保条約の適用対象」とする立場をとる。日米両政府が情報共有を密にし、組織性が疑われる事件の背景を徹底的に解明する必要がある。

2010年9月20日 産經新聞


「事」くらい読めますよ。しかしこの「主張」によると、自己は「偶発的」ではないんだそうです。「背景」があるから調べろと書いてあるようです。

もっとも、そんな「背景」がある、という証拠は何もありません。南シナ海では漁船団に武装した船が同行しているそうで、『蟹工船』みたいですが、漁船に偽装した「武装船」の例はなく、今回のトロール船が「漁船であったのか」を疑う理由にはなりません。てゆーか引っ張って来て調べてみたらただの漁船でした。

全くその通りで、何の証拠もない。ないから「解明しなければならない」ということかも知れませんが、存在しないものを「解明」しろと言われてもちょっと困るんじゃないでしょうか。こういうことを書くから真面目に受け取ってもらえないのですが、真面目に受け取られないのだから何を書いても良いかというと、そうでもありません。

どこの国でもそうでしょうが、日本でも警察による捏ち上げなどは日常茶飯事ですから、船長を取調べて「背景」を「自供」させようと思えば、「背景」が実際に存在するかどうかに関わりなく、それは可能でしょう。『産經新聞』は誰も読んでいないと思って、そういうことを「主張」しているのですが、これを中国人が読まないという保障はありません。おまけに中国では日本人のことを旧日本軍の人たちと同じような、拷問を行なうコワい人だと思っている可能性もあります。お相撲に興味のある人にとっては過去の話ではありません。あまり無根拠にいい加減なデタラメを書くのも考えものでしょう。

まあ、中国の人が『産經新聞』の記事を『人民日報』と同じ程度のもんであると認識してくれれば良いのですが、そうでなくても菅政権にとってはイキナリちょっと面倒なことになっているようです。それでも菅さんは別に困らないでしょう。どうにもならなくなったら「もう尖閣諸島は独立した方がいい」と言えばいいんです。国民がいないとけないんですが、古い戸籍で空いてるのが沢山あるって話ですから、それを移して来てしまうのはどうか。
posted by 珍風 at 12:13| Comment(3) | TrackBack(1) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年09月18日

惨夢! 甦る死に神大臣

もう皆さんよくご存知ですね。柳田さんです。よく知っている、というだけではありません。なんだか知りませんが、実はとっても馴染み深いような気もして来ました。

死刑執行、慎重かつ厳正に=柳田法相


 柳田稔法相(拉致問題担当相)は17日深夜の記者会見で、死刑執行について「裁判所の判断は尊重しなければならない。これは法が定めている。その定めに従い慎重かつ厳正に対処したい」と述べた。法務省内で死刑存廃に関する議論を行っていることには、「国民がどう考えているかも勉強し、いろんな検討を加えたい」と述べ、世論も参考にする考えを示した。

 また、北朝鮮による拉致被害者の家族との面会について「来週中にも実現したいと思っている」と語った。

2010年9月18日 時事


友情は悲しみを半分にし、喜びを倍にします。勝って嬉しい菅さんから、法務省のお役人の皆さんのところにご祝儀代りに届いたのが柳田稔さん。これからは死刑を「法の定めに従い」というのはもちろん刑事訴訟法の定めるところに従ってさっさと右から左にテンポ良く、しかし失敗はしないように「慎重」に、そして間違いなく「厳正に」吊るすことになります。

忙しくなりますよ、これからは。日本は喜び勇んで死刑を求刑する検察官の皆さん、死刑判決なら目をつぶっても書ける裁判官の皆さん、血腥い正義に熱狂する裁判員の皆さん、そして死刑囚を縛り続け、目隠しをし続け、首に縄をかけ続け、半狂乱になってボタンを押し続ける刑務官の皆さんのうれしい悲鳴と、死刑囚のくぐもった、か細い悲鳴とが交々響きあう阿鼻叫喚のシンフォニーを奏でることでしょう。

柳田さんによれば、この美しいハーモニーを支えるのが「国民がどう考えているか」、といういわゆる「世論」なんだそうですが、これで「勉強会」とかいうものもほとんどその役割を終えました。柳田さんはもとより「勉強」なんか好きではなく、寿司でも人の頸でも握る方が好きなようですから、嫌いなことなんかやらなくても官僚諸君が「世論調査」をやってくれるんでオッケーとは、これはまた随分と楽チンなうらやましいことであります。

それにしてもさすがは菅さん、それとも仙石さんでしょうか、法務大臣に柳田さんとは適格すぎるにしてもこれはあんまりだという程度にはビッタシな人事であるといえるでしょう。昨日は違うようなことを書いたような気もしますが、気にしないで下さい。なんといっても人は見た目が100%、男の顔は履歴書です。

死刑制度、世論が支持…鳩山法相


 鳩山邦夫法相は1日午後の参院予算委員会で、国連が昨年12月に死刑執行の停止を求める決議を採択したことに関し「それぞれの国に考え方や世論がある。わが国は凶悪犯罪に厳しく当たるべきだというのが世論の大勢だ」と述べ、死刑制度は国民に支持されているとの認識を示した。
 
 社民党の福島瑞穂党首への答弁。 

2008年2月1日 時事


在任中に13人を殺害した鳩山邦夫さんは、やはり誰が何といっても押しも押されぬ「死に神」として孤高の地位にあるようですが、そんな「死に神」さんも「世論の大勢」を拠り所としていたようですから、柳田さんも「死に神」の名を継ぐに相応しい素質充分であると言うことが出来るでしょう。

ちなみに元祖の方の「死に神」さんも「勉強会」をやっておりまして、法務省が殺した人間の氏名を公表しているのはこの「勉強会」のおかげです。「死女神」千葉さんの「死刑場公開」というのは、「元祖」の方針を継いだものと見ることが出来ますが、この度襲名披露した「二代目死に神」が死刑にどんなお楽しみをつけ加えてくれるのか今から非常に楽しみだ、というのが菅民主党政権の後退振りには相応しい期待の仕方であると言えるかも知れません。いよいよ執行そのものの公開か、死刑判決を出してくれた裁判員にはお礼として執行に立ち会える特典がつくとか、執行員制度の制定か、それとも「どのボタンが生きてるボタンでしょうかクイズ」で死刑囚に助かるチャンスを与え、執行の前にコマーシャル、実は全部のボタンが生きてるんでしたー!残念!だとか、何を期待しているのか知りませんが。
posted by 珍風 at 21:36| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年09月17日

何ともいえないわびしい気持ちになったことはあるかい?

労組出身の一匹おおかみ=法務相・柳田稔氏


 7月に党参院幹事長に抜てきされ、今回、初入閣を果たした。民間労組出身で、労働行政には詳しいが、法務行政での手腕は未知数。民主党が衆院選マニフェスト(政権公約)で掲げた犯罪取り調べの録音・録画(可視化)をどう実現するかが当面の課題だ。党組織委員長や参院厚生労働委員長などを歴任。集団行動を好まず、一匹おおかみ的な言動が多い。党内では「人望がない」との厳しい指摘も。大学を中退してすし職人として働き、元の大学に入り直した経験を持つ。55歳。(民主)


◇柳田稔氏略歴
 柳田 稔氏(やなぎだ・みのる)55 東大工卒。参院厚生労働委員長、党参院幹事長。衆(2)参(3)広島(民主)

2010年9月17日 時事


いや、別に威張るわけではありませんが、素人の僕が30分くらいかけて収集した情報でも同じようなもんで、要するに労働畑の人です。ゼンセン同盟の人であり、法務大臣としては「未知数」、てゆーか、急に変なところに引きずり出されたようなもんで、ワケが分からない人事です。時事通信社の記者さんも僕と同じ様なもんだ、と言いたいわけではありません。例えば「党内では「人望がない」との厳しい指摘も」などという辺りは、「党内」の誰か2〜3人にでも聞いてこなければ出てこない、貴重な情報でしょう。

別に貴重でもないのですが、「本職」の法務の方だけでなく、兼任のお仕事の方でも、とにかく評価のしようがない、というか、単に「知らない」と言われてしまっています。

拉致家族「見たことない」=担当相兼務の柳田法相


 菅改造内閣で、北朝鮮の拉致問題担当相を柳田稔法相が兼ねることについて、拉致被害者の家族は「聞いたことも見たこともない人だ」と指摘。「菅政権にとって拉致はこの程度の認識なのか」と困惑する声が上がった。

 家族会の飯塚繁雄代表(72)は柳田氏について、「拉致議連の人も知らないと言っていた。外務大臣も代わり、今まで継続していたものが切れた感じがする」と落胆。「至急面会し、様子を見極めたい」と話した。

 増元照明事務局長(54)は参院の拉致問題特別委員会を何度も傍聴しているが、柳田氏が委員を務めていることを知らなかった。面識もないといい、「北朝鮮情勢が非常に流動的になる大変な時期に、適切な手を打てるのか」と強く懸念した。

2010年9月17日 時事


柳田さんには申し訳ないのですが、どこに出しても「菅政権にとってはこの程度の認識なのか」と言われてしまいそうなのですから何をやらせてもたいして変わらなかったりします。これがやらせてみると「民主党にはこんな優れた人もいるんだ」ということになると良いのですが、今のところ誰一人として何一つ期待していません。

菅政権にとって「衆院選マニフェスト(政権公約)で掲げた犯罪取り調べの録音・録画(可視化)をどう実現するか」という「課題」がどの「程度」のものなのか、非常に心もとないものがあるのは事実ですが、柳田さんは「状況をしっかり把握して頑張る」んだそうですから、今のところ状況を把握していないのは間違いありません。

取調べの可視化って、やりたくない人もやりたい人もいるでしょうけど、やりたくなかったりやりたかったりする人は少なくとも「状況」は「把握」していたりするもんですから、柳田さんはどっちでもないんでしょう。まあ、あんまり興味がなかったようです。

そういうわけで、毎日新聞がこの間の参院選の時に候補者にアンケートをとっていて、こういう場合はこれしか資料がありません。困ったもんだよ毎日新聞、困ったときの毎日新聞。
http://worstblog.seesaa.net/article/154672221.html

問1: 憲法9条の改正に賛成ですか、反対ですか。
回答: 反対

問2: 集団的自衛権の行使を禁じた政府の憲法解釈を見直すべきだと考えますか。
回答: 見直す必要はない

問3: 日本の核武装について、あなたの考えに近いものを一つ選んでください。
回答: 将来にわたって検討すべきでない

問4: 日米安全保障条約について、あなたの考えに近いものを一つ選んでください。
回答: 今のままでいい

問5: 北朝鮮を巡り、拉致問題、ミサイル発射、核実験に加え、韓国海軍の哨戒艦沈没事件が起きています。これまで政府がとってきた対北朝鮮政策について、あなたの考えに近いものを一つ選んでください。
回答: 圧力をより強めるべきだ

問6: 鳩山前政権は、沖縄県宜野湾市の米軍普天間飛行場を、同県名護市辺野古付近に移設することを決めました。普天間飛行場の移設先について、あなたの考えに近いものを一つ選んでください。
回答: 辺野古付近

問7: 経済・財政運営について、「行政の無駄削減」を前提とした上で、あなたの考えに近い方を選んでください。
回答: 増税してでも社会保障や福祉を充実させる

問8: 消費税について、あなたの考えに近いものを一つ選んでください。
回答: 次期衆院選の後に引き上げるべきだ

問9: 地球温暖化対策として温室効果ガス排出などに課税する「環境税」に賛成ですか、反対ですか。
回答: 賛成

問10: 基礎年金は現在、国民の支払う保険料を財源にあてる保険料方式がとられていますが、全額を税で賄う方式にすべきだとの意見もあります。あなたはどちらがふさわしいと思いますか。
回答: 全額税方式

問11: 現在、月1万3000円の子ども手当を増額することについて、あなたの考えに近いものを一つ選んで下さい。
回答: 増額すべきだ

問12: 高速道路無料化に賛成ですか、反対ですか。
回答: 賛成

問13: 選択的夫婦別姓に賛成ですか、反対ですか。
回答: 無回答

問14: 政党への企業・団体献金を全面的に禁止すべきだと思いますか。
回答: 禁止すべきだ

問15: 官僚が国会で答弁することに賛成ですか、反対ですか。
回答: 賛成

問16: 行政の無駄削減に際し、インターネットで公開して民間の「仕分け人」も参加する現在の「事業仕分け」についてどう思いますか。
回答: 続けるべきだ

問17: 参院選の結果次第で連立政権の枠組みが変わる可能性があります。現在、野党の立場を取る政党が、参院選後に民主党と連立を組むことは問題だと思いますか。
回答: 問題ない

問18: 日本の政党政治のあり方について、あなたの考えに近い方を選んでください。
回答: 二大政党化が望ましい

問19: 永住外国人への地方選挙権付与に賛成ですか、反対ですか。
回答: 無回答

問20: 犯罪の容疑者に対する取り調べの全過程を録音・録画(可視化)することに賛成ですか、反対ですか。
回答: 賛成

問21: 国から地方自治体に財源・権限を移譲する地方分権について、あなたの考えに近い方を選んでください。
回答: 移譲を進め、自治体の裁量で実施できる業務を最大限増やすべきだ


これによると「北朝鮮」に関しては「圧力をより強めるべきだ」と回答していますから、「家族会」は安心していてよいのではないでしょうか。これで「拉致問題」が多少なりとも前進するかどうかはともかくとして、既定の路線は承継されるとみて良いでしょう。

法務大臣としては、時事通信社が指摘する取調べの可視化については「賛成」だそうです。まあこの質問に対して、敢えて「反対」を称えるとすれば、かなり強い根拠があるか、警察方面との特別な繋がりがなければなりませんから、単に「賛成」というだけでは分からないところがあります。

そこでもう一つ、民法関係で選択的夫婦別姓に関しては「無回答」であります。やはりこれから担当する分野についてはっきりした考えがあるというわけではないようです。ちなみに夫婦同姓制度はヨーロッパの制度を真似たような面もありますから、「日本」の「自立」を考慮に入れた場合には別姓に傾く可能性があります。その関連で言うと普天間飛行場の移転先を「辺野古」と答えているのと矛盾はしていないようであります。

矛盾しない、てゆーか現状を維持するには法務大臣としてこれ以上ふさわしい人もいないような気もします。この場合「現状維持」というのは意外と安閑としたものではなく、「政権交代」の方向に対抗する、というアグレッシヴな意味を持っていることに注意すべきでしょう。

法務大臣職は「取調べの全面可視化」や「選択的夫婦別姓」、あるいはビミョーすぎてアンケートには出来ない死刑制度の問題など、難問が山積しております。民主党にとってマニフェストにうたわれた政策を実行するには抵抗が強いものでありますから、内閣はその全てのメンバーがそれぞれの分野においてマニフェストの実現に強い関心を持っている人であることが必要とされるでしょう。

しかしどうも柳田さんはそうでもないようです。てゆーか完全に畑違いであり、無関心であって、どうして此処に彼を持って来たのかよく分からない、というのが実情ですが、菅政権においては時事通信社の記者さんが気にするほど「マニフェスト」に関して注意を払っていないし、ほどんど全くやる気がない、という仮定を受入れるのであれば、これは難なく理解出来る事態です。その意味で言うと、柳田さんという人はそんなにバカに出来たものではありません。彼は菅改造内閣の性格を一身に象徴するという意味で、なかなかどうしてスミに置けない大した人物であるということが出来るでしょう。もう「全然知らないヤツ」とは言わせません。よく知らないんですが。
posted by 珍風 at 22:09| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年09月16日

1万364人の障害者

10364は19936の過半数(約52%)に当たります。これは阿久根市の竹原さんのリコール署名数が有権者数に対して占める割合ですが、本当は17日まで署名を集めていてよかったので、もっと増えたかもしれないのですが、早く辞めさせたいという人が多かったようで、15日には提出をしてしまいました。

竹原さん側では早くからこのような事態を見越して、署名の強要めいたことがあったとか言っていましたが、当日も仙波さんは「1人で3回書いたり市外の人が署名した例もあった、との声も聞いている」(毎日jp)と往生際の悪いところを見せておりますし、竹原さん自身も「『(署名を)断りきれず書いたけどごめんね』と、『投票のときはちゃんとやるから』という方が少なからずいるということも直接聞いております」(TBS)と苦しいことを言っています。

もっとも、署名というのは名前が書いてあるので、心ならずも署名した人もいるかも知れない一方では、署名はしたものの後でどっかの保育園みたいに嫌がらせをされると困るので言い訳をする必要を認める人もいるかも知れません。一方で投票は無記名ですから言い訳は不要かとも思われます。

実際、「市長派議員は「親類などに署名を頼まれれば、断れない人もいる。問題は住民投票だ」」と言っているのに対して「リコール委側は「名簿が縦覧されるため署名を断念した人も、(無記名の)住民投票では解職に賛成してくれる」」(讀賣新聞)としており、小さな町のことですからどちらの場合も考えられるのですが、小さな町だけにムード的には竹原さんは相当に「危機的状況」に陥った、と言えるでしょう。

そこで竹原/仙波さんは従来のリコール対策を強化し、10月には議会を開くと言ってみたり、「差別」ブログについて「謝罪」することにしました。

阿久根市長「私の不徳が原因」 リコール署名提出で会見


 市長解職を求める署名簿の提出を受けて、鹿児島県阿久根市の竹原信一市長は15日、記者会見し「多くの市民が市政について判断する機会を得たのは望ましい。説明不足や私自身の不徳を原因とする部分があったのかも知れない。申し訳なく思っています」と述べた。一方、鹿児島県の伊藤祐一郎知事は取材に対し「手続きの動きを見守りたい。市民がどう判断するかに尽きる」と話した。

■ブログ「障害者差別のような誤解の原因」と謝罪

 竹原市長は会見で、昨年11月8日付で「高度医療のおかげで機能障害を持ったのを生き残らせている」と記し、物議を醸した自身のブログについて「表現が、障害者を差別しているかのような誤解の原因になった。そのことで心配をおかけしたことを申し訳ないと思っている」と述べた。

 ただ、報道陣から「障害者を差別したことへの謝罪なのか」と問われると、「障害者を差別したものではありません。その意味では謝罪する理由はない」と否定。謝罪は「誤解を与えたことについてです」と強調した。

2010年9月15日 asahi.com


実はちっとも謝ってなかったりしますけど、かの「九州の『稲毛新聞』』、「データマックス」が、例によって例の手抜きを駆使して、竹原さんのブログをまるまる引用して「記事」にしてしまっています。何とも安直な「報道」ですが、それはともかく、竹原さんはブログの方でも「謝罪」、てゆーか「言い訳」を繰り返しているようです。

阿久根市長・竹原信一氏がブログ上の発言問題を謝罪


 15日、阿久根市長・竹原信一氏は、自身のブログ「さるさる日記‐住民至上主義」で、以前、問題になった同ブログにおける障害者に関する記述について、誤解を招いたことに対する謝罪を行なった。同内容は、「リコールの署名提出ついての見解」と題した記事に含まれていたもの。以下、同記事の全文を転載する。

「2010/09/15 (水) リコールの署名提出ついての見解」

 署名をしたにせよ、断ったにせよ、多くの市民の皆さんが市政について何らかの判断する機会を得た事はたいへん望ましいと考えています。

 市長や議員、そして公務員は市民の暮らしや願いに敏感でなければなりません。そのためにも有権者の方々には正義感と勇気そしてそのための体験も必要です。このリコール運動は市民の政治への意識を高め、有権者の正義感や勇気を問い、体験する最高の機会になっていると考えています。

 しかし、解職させるべきという署名が多数集まった点については、市政に関する説明不足や、私自身の不徳を原因とする部分があったかもしれない、と反省しています。説明不足については、現在、市内約30カ所で市民懇談会を予定し、実施しているところであります。

 私の不徳を原因とする部分と申しますのは、ブログでの障害者に関する記述です。

 私は、行政や社会の不正が社会的弱者を追い詰めている事を告発する、言わばオンブズマンとして政治にかかわってきました。市長としても弱者に対する気持ちはまったくかわりません。ご批判のある専決も、その多くが、苦しんでいる人々を一日も早く救いたいという 言わば慈悲の思いからしていることであります。

 私は市長になってから、生活保護を受ける方に対する説明会のあり方を改善したり、障害者の医療補助手続きの改善などもしました。たいへん厳しい状況にも関わらず保護を受けずに頑張っておられる多くの方のことも忘れたことはありません。

 障害者の問題には真摯に取り組んでいかなければならないと考えています。私は権利や義務で表現される権力関係などではなく、支える人と支えられる人が融合した社会が望ましいと考えています。ブログの記述は、社会全体のテーマとして取り組んでいかなければならないという意味で問題提起をしたわけであります。

 改めて申し上げますが、私には障害者差別の気持ちは全くありません。しかし、ブログの表現が障害者を差別しているかのごとき誤解の原因になったことは事実です。表現が誤解の原因になり心配おかけしたことを申し訳ないと思っています。今後は誤解につながらないように心がけたいと思っております。申し訳ありませんでした。

阿久根市長 竹原信一

▼関連リンク
「さるさる日記−住民至上主義」


2010年9月16日 ネットアイビーニュース(データマックス)


竹原さんの「弱者に対する気持ち」というのは、「いわば」「慈悲の思い」なんだそうで、なんだか大変に偉そうであります。竹原さんは「弱者」の「権利」とかはお嫌いだそうでありますから、阿久根市の「弱者」としては「権利」を認められることもなく、ただただ竹原さんのお「慈悲」におすがりするしかないようです。

どうしてなかなか立派な「差別の気持ち」であります。しかしまあ、お慈悲を垂れてくれるのであれば実害はないのかも知れません。ところが竹原さんの「社会全体のテーマ」は「差別」どころの騒ぎではなかったりします。問題になったエントリの翌日には

日本が人口減少で消滅しつつある過程でするべきことは、先ず人口を増やす事であって高度医療で儲ける医者と業界を増やす事ではない。精神的にも健康な子供達が増えれば障害を持った子供達、体の弱った高齢者をより良く支える社会を作ることができる。高度医療にかけるお金の一部で人口を増やす事ができる。先ずは健康な人々が多く居なければ心を支える社会作りもできはしない。社会作りは人工的に意図的にしなければならない。

2009年11月9日 住民至上主義


どうも竹原さんの「社会全体のテーマ」というのは、「人工的に意図的に」、「高度医療にかけるお金」で障害者を生存させるよりも、そのお金の「一部」で、したがってどのような規準で行なわれるのか分かりませんが一定の選別によって障害者の生存を「一部」犠牲にして、「健康な人々」の「人口を増やす」ことなんだそうです。

たしかに「障害者差別」というのは「誤解」かも知れません。そんな「ソフトな」言葉では足りないでしょう。竹原さんの「健康」というのがどういう意味か知りませんが、まあ多分署名をするような人は「健康」とは言えないんでしょう。ともあれ、いわゆる「健康な人々」以外の人は全員が「差別」の対象であり、竹原さんの「意図」によって抹殺されることになります。まあ、「一部」は竹原さんの「慈悲」によって生存を許されるんでしょうが、「社会」から「意図的に」消去しなければならない「障害者」が半分以上いるんじゃ、暴力の専門家の仙波さんもさぞお困りでしょう。
posted by 珍風 at 12:23| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年09月15日

ソープランドの浴槽に浮く大便

「クリーンな政治」をめざすといわれている菅直人さんは若い頃、やはり「政界浄化」をうたった市川房枝さんの選挙事務局長だったそうですが、世間では市川房枝さんが菅直人さんのことをあまり良く言っていないことが指摘されているようです。

菅氏は昨年(1976年)12月5日の衆議院選挙の際、東京都第7区から無所属候補として立候補した。この時は立候補を内定してから私の応援を求めて来た。彼等の意図は理解するが、衆議院の無所属は賛成できないので推薦応援はしなかった。然(しか)し50万円のカンパと、私の秘書、センター(民主政治をたてなおす市民センター)の職員が手伝えるよう配慮し、『自力で闘いなさい』といった。ところが選挙が始まると、私の名をいたる所で使い、私の選挙の際カンパをしてくれた人たちの名簿を持っていたらしく、その人達にカンパや選挙運動への協力を要請強要したらしく、私が主張し、実践してきた理想選挙と大分異っていた。

「復刻 私の国会報告 市川房枝」


しかしそれは菅さんの「人格」のなせる技であります。人格などは人それぞれとはいえ、はやり菅さんもやみくもに市川さんを応援していたわけでもありますまい。

市川さんが「浄化」しようとしたのは「政界」に限りません。「性界」の方の「浄化」にも大いに貢献しておられたものです。たとえばいわゆる「風営法」、正式には現在では「風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律」と称し、警察の方ではこれを略して「風適法」と言いたがりますが、僕はこれを「風規法」と言っております。この法律の第2条第6校1号「浴場業(公衆浴場法 (昭和二十三年法律第百三十九号)第一条第一項 に規定する公衆浴場を業として経営することをいう。)の施設として個室を設け、当該個室において異性の客に接触する役務を提供する営業」はいわゆる「ソープランド」のことですが、これが風営法に規制されるに当たっては市川さんの並々ならぬ努力があったといわれております。

ソープランド、当時は「トルコ風呂」と呼ばれておりましたが、その歴史は1951年の「東京温泉」に始まるとされています。戦前から性的サービスが行われる「トルコ風呂」と呼ばれる営業が存在したと言われていますが、1951年に始まるモダントルコの歴史によれば、1953年には既に手指による「おスペ」が呼び物となっていたようです。

1958年の売防法施行により、そっち方面のおねいさんが多数業界に参画されたわけですが、東京オリンピックを目前にした1964年、風営法、当時は「風俗営業等取締法」、現行法との区別のために「風取法」といいますが、この法律の「等」のところでもって「トルコ風呂」を取り締まることを市川さんは俄然主張されたわけです。

 警察に対してもう一つ伺いたいのは、トルコ、これはヌードもそうかもしれませんが、トルコについてはさっき申し上げましたトルコ協会の会報なんかを見ますと、オリンピックがくるに際して大いにかせ、こうといいますか、もうけようといいますか、外国人も引っぱろうというような意図が出ているわけです。これが健全な営業ならそれはまことにけっこうなんですけれども、現状のトルコぶろの状態でそういうことになっては非常に困るのではないか。いわゆるオリンピックと関連してのそういう問題、風俗営業の問題、まあトルコぶろだけではないのですが、どういうふうにお考えになって御計画になっておりますか。長官から伺います。

第46国会参議院地方行政委員会における警察庁長官江口俊男に対する質問


実際に「風取法」が改正されるのは1966年のことになりますが、オリンピックを機に警察権限が極めて広範囲に拡大するにあたって、市川先生のご尽力まことに大であったことは特筆されてしかるべきでしょう。

市川房枝さんは現代ではアグネス・オカルト・チャンさんに相当するのかもしれませんが、やはりこの点では同じく東京にオリンピックを誘致しようとして歌舞伎町の「浄化」を図った石原慎太郎さんこそが、市川さんの正統な後継者であると言えるでしょう。そして菅直人さんは、この石原さんとも浅からぬ因縁で結ばれているのだといいます。

◇東京都議会民主党の資金集めパーティーが11月27日夕、東京・新宿の京王プラザホテルの5階大宴会場で開かれた。民主党都連会長を兼ねる菅直人副総理がマイクを握った。


 「先だっても都知事(石原慎太郎)のほうから、ぜひ菅さんに民主党東京都蓮会長だから会いたいというので、その日に会いました。私は、石原知事とは結構、古いいろんな縁はあるんです。けれど、政治的には、どういうわけか、一度も応援をしたこともないし、一度も応援をいただいたことはない。が、多少、気の合うところもないではないんです」


 要領の得ない話であった。この場で、石原慎太郎との間柄になぜ菅氏が触れたのか。参会者には知る由もなかったろう。だが、最近、菅氏と石原氏の元秘書で鹿島執行役員の栗原俊記氏とが接近しているとの噂を耳にしている関係者は、菅氏の話に聞き耳を立てた。


◇この夜の菅発言には、事実と事実に反する部分がないまぜになっていた。「古い縁」は間違いがない。


 石原慎太郎氏は1968年7月の参院選で全国区に自民党公認で立候補、初当選。太陽族を生んだ芥川賞作家の政界入りは話題で、石原は300万票を超える大量得票でトップ当選した。政治評論家の飯島清が采配した石原陣営の集票マシーンは「日本の若い世代の会」。大学生など若者が「日の丸」を旗印に「石原」を叫んだ。全国を東西に分けて、西日本は大阪を拠点に当時関西大学生だった浜渦武生(のち石原秘書、都副知事)らが、東日本は東京を中心に当時一橋大生の栗原俊記(のち石原秘書)らが取り仕切った。栗原氏らの「日本の若い世代の会」東京事務所に当時、東京工業大の学生だった若き日の菅直人の姿があった。市川房枝女史の選挙を手伝い、ノンセクト市民派を看板に菅氏が本格的に政治の世界に足を踏み入れるのは、この後のこと。市民派を名乗る前の菅氏は「日の丸」派だったということになる。

「菅直人と石原慎太郎を結ぶ点と線」2009年12月1日
永田町プレスクラブ


もうお分かりかと思いますが、「市民派」だろうと「日の丸派」だろうと、菅直人さんにおいては矛盾はないのです。右も左もありません。市川房枝さんと石原慎太郎さん、そして菅直人さんは「浄化」のとりもつ「クリーン」な縁で深く結ばれているのであり、それは原口さんの言う「日の当たるところを歩いてくる優等生的な政治」の系列なのです。

まあ、石原さんが「優等生」であるかどうかは些か問題となりそうですが、しかし、このような「浄化」は、別段「汚いもの」を「クリーン」にするものであるとは限らないのが困ったもんです。ソープランドの長年使用していないスチームバスの中はあまり「クリーン」とはいえないかもしれませんが、その衛生は何も「風営法」の適用を待たずとも公衆浴場法の範囲で十分に保持することができたのです。えてして「浄化真宗」の門徒は、別段クリーニングの必要のないところに、首も突っ込まずに、よく知りもしないで浄化の必要を声高に叫んだりするものです。

むしろ本当の「不潔」よりも「不潔だという噂」、「人から不潔だと思われること」が問題になっていたりするので、実は典型的な神経症の一種であるともいえるのですが、最近になってその極端な例を僕たちは知ることになりました。

【ウェブ特報】札幌連続女性暴行「容疑者の実家」ネットデマ 電話攻撃の全容(1)「違うって証拠あるのか」

 8月に札幌で発生した連続女性暴行事件(後に一人は死亡)で逮捕された男と同姓の江別の不動産業者が、インターネット上で「容疑者の実家」と事実無根のデマを流布された問題は、この業者が10万枚の打ち消しチラシを配布、業界団体も文書を出すなど、地域ではうわさも収まりつつある。また、ネット上でも新たな書き込みはなく終息してきた。

 被害にあった外山不動産の外山美喜雄社長(60)は 「地域や業界の人たちの協力に感謝します」と、少しほっとした様子だ。事件発生直後には「抗議電話」が立て続けに鳴り、精神的にかなり落ち込んだという。今回はその電話の一部を録音した内容を、同種のトラブル予防の観点から外山社長の承諾を得て掲載する。

 電話は8月26日午前11時半にあり、応対に出た社員に対し「社長を出せ」の一点張り。社長に代わると「こんな事件を起こしてよくも恥ずかしくないな。ネット掲示板にお宅の息子と書いてある」と話し、容疑者と無関係との説明を聞いても延々抗議を続けた。異変を察した長男の常務が機転を利かせて途中から録音。抗議してきた相手は女性とみられる。


社長「インターネットのどこで見ましたか」
女性「いや、●●(ネット掲示板の名称)の」
社長「●●でしょ。それ違いますから。今、違いますからというのを(削除要請を)流しましたので」
女性「うん、それはあなたが違うといっても、その証拠が出ないと。息子さんが1人なのか2人なのかも分からないし」

社長「じゃあ、調べるなら、調べて下さい」
女性「(声を荒げて)いや、調べて下さいじゃなくって。ネットではそういうことになっちゃってるから。あなたの息子さんって。それを、私が、あなたは違うっていうけど、私があなたの言い分を信じることもないし。インターネットではそういうことに特定されちゃってるから。あなたのホームページが『こいつ(容疑者)の父親だ』という風になっちゃってるから」
社長「うちではありませんから」
女性「は?」
社長「うちではありません」
女性「それを、あなたが言ったって、私は信じることが出来ませんから」

社長「なにか、うちは(仕事の)取引してるんでしょうか? お宅と」
女性「は?」
社長「うちと取引があるんでしょうか」
女性「別に取引してないですよ。取引してなかったら、電話にも答えたくないんですか」
社長「いいえ、そんなことないですよ。調べるなら調べて下さい。うちはそう言うしかありませんから」
女性「いや、私が調べるとかじゃなくって。(かなり興奮して、一語一語区切りながら)あなたが、危機的状況に、陥ってるだけですよ、本当に。本当に違うならね」


社長「違いますよ。どうしようもないですよ、これは。だって、違うっていっても信じてもらえないんなら。うちは間違いなく違いますから。むしろ迷惑しているんですから」
女性「違う、違うっていわれたってしょうがない。それはネットでそういう風に書かれたら」
社長「じゃあ、どうすればいいんですか? あなたは何が知りたいんですか」
女性「確認をしようと思っただけです」
社長「どうぞ確認してください。うちは違うんですから」
女性「あなたは違うっていってるけれど、証拠があるわけでもなんでもないですよね! 違うっていう証拠が」

社長「じゃあ、どうすればいいんですか。どうすれば理解してもらえるんですか」
女性「いや、それはあなたが考えればいいんじゃないですか。社長なんだから。何で、私が考えなきゃいけないんですか。別に私、関係者でも何でもないのに。ただ、興味本位に電話しただけなのに。何で私が考えなきゃならないんですか」
社長「興味本位で面白がって電話されるのは迷惑ですね。うちは違うんですから」
女性「…。(沈黙の後、声を低めて)あのね、頭大丈夫?」
社長「へ?」
女性「頭大丈夫? ○○な事件だからこういうことになるんだって」
(○○は形容詞だが引用は避ける)

 通話はさらに続き、女性の「抗議」もエスカレートしていくことになるが、内容は続報で紹介する。(メディア局)

2010年9月13日 どうしんウェブ


外山さんの運命は小沢一郎さんの不幸なそれを面白おかしくなぞっているようにも見えますが、ご当人にとってはあまり面白くも可笑しくもないところでしょう。とにかく外山さんは「説明」を求められているわけですが、求めている人の方では「インターネットではそういうことに特定されちゃってるから」というのが唯一にして十分な根拠でありうるようです。それは「新聞に書いてある」「TVで言ってる」、あるいは「風紀を乱す」とか「青少年に有害」というのと同じくらい無根拠なのですが、無根拠に悪く言われることそのものが「危機的状況」なのです。

うんこが付いているからキタナイのではなく、「穢の徴」が「浄化」を誘発するようなのですが、うんこを拭くのとは違って、「徴」というのは要するに取れることがありませんから、「徴」のついた人は「えんがちょ」を切って排除することになります。そこで「浄化」は、キタナイものを隔離し、見えないところに追いやってしまおうという抑えがたい衝動となったのですが、このような人にとっては「挙党一致」などは感覚的に我慢がならないものとなる可能性があるでしょう。
posted by 珍風 at 20:52| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年09月14日

菅に癌

なんだよ菅かよ、と残念に思った人もいるでしょうし、そうでもない人もいるでしょう。調子の良い人もいるようです。

谷垣自民総裁 必要な法案、政策など与党に提起


  谷垣禎一自民党総裁は菅直人氏の民主党代表再選について、14日、「菅さん、この熾烈な選挙を勝ち抜かれ、党代表、総理大臣を続けられるということでしょうから、お祝い申し上げたい」と語るとともに、「一刻も早く政権として今の国民生活の状況に直面した対応をしてほしい。それが1番」と語った。

  谷垣総裁は、民主党代表選挙について「去年の衆議院選挙で約束したマニフェストを違えるようでは、間違いではないかという(小沢一郎候補の)主張、それからもう1つ、政治とカネの問題で民主党はクリーンでなければならないという(菅候補の)主張、どちらの主張も間違っていない主張だと思っていますので、それをどのように乗り越えていくのかという深刻な課題がある」と分析。「今の国民生活の厳しい生活を打開していくエネルギーが、この選挙によって民主党に生じたとは思いません」と語り、民主党と対峙していく考えを示した。

  また「本当に国民生活に必要な時であったら、自民党の側から民主党にどんどん法案なり、政策など問題提起し、与党に突き付けていく行動をとりたい」と語り、「我々が提起したことが実現するのは、むしろ良いことだと思う」と国民生活を軸とした野党としての姿勢を窺わせた(編集担当:福角忠夫)

2010年9月14日 サーチナ


谷垣さんがいつから「去年の衆議院選挙で約束したマニフェスト」を評価することになったのか知りませんし、自民党が「クリーン」になったという話も聞かないわけで、谷垣さんの言うことを信じる限り自民党は「間違い」だらけのようです。しかしこの2つの「主張」は別に矛盾しているわけではないのですから、何が「深刻な課題」なのか全く了解不能ですが、菅さんが引き続き内閣総理大臣を務める嬉しさに谷垣さんもワケが分からなくなっているようです。

何が嬉しいと言って、菅さんは野党案丸呑みゴックンしてくれるそうなのですから、「どんどん法案なり、政策など問題提起し、与党に突き付けていく」のもあながち間違いでもないでしょう。それにしても、それは「国民生活に必要な時」なんだそうですから、谷垣さんはちょっと小沢さんに色目を使い過ぎのようでもありますが、ただし「必要な」には「本当に」が付いていますから、必ずしも国民の生活のために何かをしてくれるというわけでもないようです。

まあ谷垣さんが調子ぶっこくのも無理もないわけですが、谷垣さんは極めて重要なことを忘れているようです。菅さんが民主党の代表になったので、自民党はもう存在価値がなくなりました。今やアメリカにとっても財界にとっても官僚にとっても、国民にとってすら、民主党は自民党以上に自民党なのです。

たしかに「政権交代」があったようではありますが、自民党がやっていたことを同じようにやる、ということであれば、単なる「引き継ぎ」でしかないようにも見えます。まあしかし、民主党の「党員」や「サポーター」は、自民党の「党員」のようになることを望んだんでしょう。たしかに往事の「自民党員」はブイブイ言わせてたようですから、自分もやりたいと思う人が多かったとしても仕方のないことです。

問題は、世間で小沢さんを支持したりしていた人たちが、どうも民主党の「党員」でも「サポーター」でも何でもなかった、ということだったでしょう。これはあくまで民主党の内輪の選挙なのですから、外野が騒いだところで何にもならないのでした。今度から選挙権を持って騒ぐようにしたいものです。

小沢さんに「今度」があるのかどうか知りませんが、今や民主党と自民党の違いは「党員」になるハードルの高さでしかありません。自民党員というのは、誰でもなれるものではないのです。なろうと思う人も少ないかも知れませんが、なにしろ政権党になることを前提にこしらえられたもんですから、ヘンな人が内部に入り込まないように気をつけてありまして、入党するには党員の紹介が必要なのです。党員の人が「怪しいもんじゃない」ことを証明してくれなければ入れません。

そこへいくと民主党は党費を振り込めば即「党員」です。「サポーター」と「党員」の違いは主に「党費」の金額の差でしかありません。したがって「アヤシいもん」も遠慮なく「党員」になることが出来ます。しかしながら菅さんが総理大臣で良い、という人は既存の「党員/サポーター」の中に沢山いるようですから、そういう意見の人は今からわざわざ党費を払って党内に入り込む甲斐はありません。

しかし菅さんではダメだ、あるいは鳩山さんによると菅さん系の「官僚出身、元アナウンサー、政経塾出身、弁護士」というような所謂「エリート」、鳩山さんに言わせれば「似非エリート」とか「成り上がり者」というんでしょうが、その手の権力志向の出世主義者連中では宜しくない、と思う人は、再来年の5月までに大挙して民主党に入り込んで引っ掻き回してやるのが良いでしょう。

あなたも民主党に参加しませんか?
民主党の運営と活動を支え、ともに行動する<党員・サポーター>を募集しています。


党員とは?

○民主党の基本理念と政策に賛同する18歳以上の方なら、どなたでもなれます。
 (在外邦人または在日外国人の方でもOKです。)
○党費は、年間6,000円です。
○資格期間は、お申し込み手続きが完了した日から1年間です。
○お申し込み手続きは通年、民主党の総支部でお受けしております。
○所属は、お申し込み手続きをした総支部になります。
 (総支部とは、衆議院・参議院の各議員、または公認候補者等を代表者とする民主党の地域組織です。)
○党員は、代表選挙で投票することができます。
○党員は、民主党の運営や活動、政策づくりに参画することができます。
○党員は、民主党の広報紙「プレス民主」( 月2回発行 )が送付されます。
○党員の権利や活動は、民主党規約や組織規則・倫理規則で定められており、それ以外の義務やノルマ等はありません。

サポーターとは?
○民主党を応援したい18歳以上の方なら、どなたでもなれます。
 (在外邦人または在日外国人の方でもOKです。)
○会費は、年間2,000円です。
○資格期間は、お申し込み手続きが完了した日から1年間です。
○お申し込み手続きは通年、民主党の総支部でお受けしております。
○所属は、お申し込み手続きをした総支部になります。
 (総支部とは、衆議院・参議院の各議員、または公認候補者等を代表者とする民主党の地域組織です。)
○サポーターも、代表選挙で投票することができます。
○サポーターも、民主党が主催する講演会や勉強会・イベント・選挙ボランティアに参加することができます。

民主党代表選挙への参加について
○代表選挙は2年に1度行われます。
○代表選挙には、郵便投票による参加ができます。
○代表選挙に参加するには、毎年5月末までに、民主党本部に党員・サポーターとして登録されていることが必要です。
○党本部への登録は所属する総支部が行いますので、5月中旬までに、民主党の総支部にて手続きをお済ませ下さいますよう、お願いいたします。

お申し込みはお近くの総支部、国会議員事務所へ。
または、次のフォームからお申し込みください。党本部から、各都道府県組織を通じてお近くの総支部、国会議員事務所へ伝え、折り返しご連絡を差し上げます。

http://www.dpj.or.jp/sub_link/volunteer/index.html


でもって入党申し込みはこちら
https://form.dpj.or.jp/touin/

サポーター申し込みはこっち
https://form.dpj.or.jp/supporter/

党が割れちゃったら何の意味もありませんが、菅に割る勇気はねぇべ。
posted by 珍風 at 21:16| Comment(2) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年09月13日

ブーイングと退場

かすむ基地問題 名護市議選
「今訴えないでいつ訴えるの」→←「地域の人応援」
候補・市民にも温度差


 【名護】米軍普天間飛行場の辺野古移設問題に絡み、市長派と反市長派の過半数獲得がクローズアップされる名護市議選。一方で、候補者の訴えは基地問題よりも地域に密着した政策が大半だ。県内外のメディアが注目する「争点」と、選挙運動の実態には温度差がある。

 「今、訴えないで、いつ訴えるんですか」

 辺野古移設反対を前面に掲げる与党系候補者は言葉に力を込めた。

 市内137カ所に設置された掲示板でも、ポスターに基地問題の文言が入っているのは37人のうち2人だけ。基地問題に触れる候補者が少ないことに不満だという。

 同候補者は移設容認の住民が多いとされる地域にも足を運んだ。洗濯物を干している最中に同候補からビラを受け取った70代の女性は「基地問題では投票しない。地域の人を応援したい」と苦笑いする。

 「市長が(移設に)反対だから私も反対だと支持者に説明してきた。改めて訴えることではない」と話す現職の候補者。「一人でも多くの人に頭を下げた方が票になる」。飲みかけたお茶を残したまま事務所を飛び出した。

 反市長派も一票にすがる実情は同じ。地域活性化を訴え2期目を目指す候補者は「票がかぶる仲間≠熨スい。移設問題のスタンスがどうこうより、人を見かけたら頭を下げないと。もう誰と戦っているか分からなくなってきた」と焦りを隠せない。

 福祉政策を訴え、4期目を目指す候補者は「過半数? そんなこと考える余裕はない。自分のことで頭がいっぱい」と話すと、事務所を訪れた有権者を笑顔で出迎えた。(統一地方選取材班)

2010年9月10日 沖縄タイムス


まあ、「温度差」はあったようで、9日の東京の最高気温は28.6度、名護市では31.3度でしたから、だいぶ違うといえば違うようです。もっとも、「移設容認の住民が多いとされる地域」の「70代の女性」が「移設容認の住民」であるとは限りませんから、その「苦笑い」の意味は微妙なんですが。

いずれにしても候補者たちは「飲みかけたお茶を残したまま事務所を飛び出した」り、取材もそこそこに「事務所を訪れた有権者を笑顔で出迎えた」りしていますから、あまり突っ込んだことが聞けるような状況ではなかったようです。選挙は大変ですから、新聞記者などはつい置き去りにされてしまうもののようです。

そこで早速、東京の通信社もこれにあやかった記事を書いて、選挙の結果を予め無視するために予防線を張ってみた模様です。

「普天間」言及避ける候補者=名護市議選、12日投開票−沖縄


 任期満了に伴う沖縄県名護市議選が12日、投開票される。11月28日投開票の県知事選とともに、米軍普天間飛行場移設問題の行方を占う選挙として注目を集めているが、移設問題を争点に掲げる候補者は多くない。幅広く支持者を獲得したい候補者にとっては、有権者を刺激しかねないテーマでもあり、言及を避けているようだ。

 稲嶺進市長は日米共同声明に盛り込まれた同市辺野古への移設に反対。市長支持派のある候補者は自らも反対の立場だが、選挙戦で移設問題に触れることはほとんどない。支持者には移設容認派も多く、彼らを「刺激しない言い方はないか」と頭を悩ませた結果だという。この候補者は「(市議選は)地縁・血縁の世界」と強調する。

 一方、1月の市長選で敗れた移設容認派の島袋吉和前市長を支持する候補者の1人も「支持者が求めていないから」として移設問題は避けている。約300人の支持者に当選後、取り組んでほしい課題を尋ねたところ「複雑なゴミ分別の簡素化」が最も多かったという。移設問題は1件だけで「市民が市議に求めるのは身近な生活の問題を何とかすること。基地問題は求められていない」と話す。

 市内にある観光関連会社の幹部は「政府やマスコミが市議選の結果を移設に賛成か反対かで見ることは間違っている。市民は候補者を地域の経済を発展させてくれるかどうかで選ぶ。自分の生活で必死なんだから」と、市議選と移設問題を結び付ける世論を批判していた。

 「市議選は、定数27に37人が立候補。稲嶺市長派が18人、反市長派が17人、2人は態度が明らかになっていない。」

2010年9月10日 時事


ゴミの分別があまりにも複雑なもんで基地移設問題は「争点」ではない、したがって選挙の結果がどうであろうとカンケーない、という趣旨の記事であり、こうして書いておけば何が来たって大丈夫、矢でも鉄砲でも核兵器でも持ってきやがれ、準備万端の体制で余裕をもって開票を見守ることが出来るというわけです。ところが好事魔多し。

蓋を開けてみれば辺野古移設反対派の「圧勝」という結果になりました。記事をよく読んでみれば「市長支持派のある候補者」は、基地問題に触れることが「ほとんどない」そうですから、少しはそっちの方にも言及するようですが、「前市長を支持する候補者」は「移設問題は避けている」ということであります。つまりどちらかというと移設容認派が態度を明らかにしないようにしていた、というようにも読めるわけで、その辺は抜かりはありません。

実は日本のマスゴミがこんな記事を書いている時に、アメリカではモレルさんが絶妙なタイミングでMV22オスプレイ配備を改めて言明し、そのことは日本政府も既知であることを明かしてしまいました。普天間飛行場移転計画は、代替飛行場におけるオスプレイの運用が前提となっていたのです。もっとも、オスプレイはゴミの分別以上にウルサいので住民には内緒です。

一方その頃、政府はよせばいいのに「防衛白書」を発表し、沖縄は「東アジアの各地域に対し距離的に近い」と書き、グアム、サイパンは遠いと言わんばかりですが、従来機に比して5倍の航続距離を持つオスプレイが導入されるとこの距離感は全然違って来ます。「白書」はいわばオスプレイ隠しをしているわけですが、そうやって日本政府が必死に虚偽文書を作成している間にペンタゴンがバラしてしまったようなもんです。

そういうことを名護市民も知っていたりするわけですが、この辺りの事情を菅政権が甘く見ていたことは否定出来ません。上記のような暢気な記事は、国民に、あたかも基地問題など存在しないかのような印象を与えるために書かれるようですが、菅政権ではこのような記事を率先して鵜呑みにするようです。たしかに菅さんにとっては沖縄の基地問題などは存在しないが如しでありますから別に良いようなものですが、その結果、種明かし済みの手品を披露してブーイングを浴びるということになるのです。ご苦労様でした。やっと終わったよ。
posted by 珍風 at 23:59| Comment(2) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年09月11日

あなたの自殺をクリーンに浄化

向精神薬依存の治療脱却へ=薬剤師活用など5施策−自殺、うつ病対策・厚労省


 自殺やうつ病対策を検討してきた厚生労働省のプロジェクトチームは9日、自殺との関連が指摘される医師の指示量を超えた向精神薬の服用防止に向け、薬剤師による患者への積極的な声掛けなど5項目の施策をまとめた。

 同省は、不用意な投薬規制によって患者を医療から遠ざけない配慮に触れつつ、「薬物治療のみに頼らない診療を目指す」としている。

 新たな施策では、薬剤師を「適切な医療に結び付けるキーパーソン」と定義。積極的にコミュニケーションを図ってもらい、向精神薬に依存するリスクの高い患者の早期発見につなげる。

 一般の診療科と精神科の連携強化も重視。例えば、睡眠薬を処方しながら不眠などが改善しない場合は、うつ病などの可能性を疑い、専門医への紹介を円滑に行える態勢の構築を目指すとした。

 このほか、向精神薬の処方に関する指針の普及や、医療従事者の研修充実、チーム医療の推進などの3項目も掲げた。

 さらに、大規模な処方の実態調査や、不適切な処方の把握方法など五つの検討課題を定め、それぞれワーキングチームの設置も決めた。

2010年9月9日 時事


「自殺予防週間」にも関わらず、この件、実は「自殺予防」とはあまり関係がないようです。たしかに「精神科を受診後に自殺した患者が、直前に薬を過量摂取しているケースが多い」(日本経済新聞)ので、精神科における服薬コンプライアンスの不遵守は「自殺」と関係があるようですが、「過料摂取」はそれ自体が自殺を目的としたものではありません。

精神科に行くとエチゾラム0.5mgとかブロマゼパム1mgとかを処方されることが多いようですが、これらの50%致死量は、文献にもよるようですしマウスとラットでは違うようなんですが、少ない方をとってそれぞれ3500mg/kgとか889mg/kgとかということになっているようです。エチゾラムだと1mg錠もありますが、最初は0.5mgを処方するはずですから、体重1kgあたり7000錠が必要になります。体重60kgだと42万錠。ブロマゼパムでは5mg錠で1万700錠くらい。

これだけ一度にのめば、仮にそれが可能であったとして、それが何であっても死んでしまいそうです。そういうわけで、病院を何軒渡り歩こうとも、もらった薬を一度の飲み下そうとも、自殺というのは極めて困難です。もっとも、薬剤の「致死量」というのは飽くまでもネズミにとっての話ですから、人間様の場合はちょっと違うかも知れませんし、アルコールを併用するとかなり違って来るというのも確かな話らしいのですが、まあ、やってみなくちゃ分かりません。人によって、また体の調子によって「効き」方は違うようですから。

いずれにしても、ここで問題にしている「医師の指示量を超えた向精神薬の服用」は、自殺との「関連」が指摘されるとはいえ自殺の「手段」ではないようです。それなら何かというと、これはリクレーショナルな、あるいは「気晴らし」のための服用です。「自殺との関連」で言えば、それは追い詰められた人が人心地ついてあと1日ぐらいは死なずにやって行けるような、そんな向精神薬の服用のあり方である可能性があります。

したがって、「リスクの高い患者」を発見することは、仮に有効な自殺予防手段が存在する場合には予防措置をとる対象を見いだすのに役立つでしょう。ただしそれは自殺予防のための手段が存在し、予防プログラムに「患者」を導入することが出来ればの話です。それが出来ない場合、ターゲットは遠ざかり、自殺へと追いやられるでしょう。

既に「不用意な投薬規制によって患者を医療から遠ざけ」る可能性が指摘されているようですが、この危惧が現実のものとなった場合には自殺のリスクの高い人はどっか他所へ行ってしまう一方で、通常の患者の自殺リスクを高めることになります。そして普通に考えるとこのような事態を引き起こす危険は決して低いものであるにもかかわらず、このような「施策」が提唱されるとすれば、それはこの「施策」が自殺の防止を目的としていないからに他なりません。

向精神薬の「乱用」が命と引き換えにするほどの問題であるかどうか、そんなたいした問題ではないと思う人もいるかも知れませんが、これは政府の「価値観」によるわけで、政府としては自殺者が他方増えることになっても「クリーン」な社会を目指したいのかも知れません。菅さんの合い言葉は「クリーン」とか「浄化」ですから、これはあり得ないことではありません。

したがって精神医療一般についても、いわゆる「クリーンな」、「薬物治療のみに頼らない診療」を目標としています。現在のところ「薬物治療」以外に一般的に有効な治療手段が存在するのかどうか、はなはだ疑問でありますが、薬物の乱用が減るのであれば精神病患者が苦しむのに任せる、というのであればそれはそれで一つの見識ではあります。何をおいても「クリーン」を最優先し、「浄化」を社会政策の中心に置くという場合には、少数者が「最小不幸」を担うことになるのは当然です。キチガイなんざどっか見えない所に「隔離」してしまえば、一般の「クリーン」好きな国民のお気に召すことでしょう。

まあ、「自殺予防」というのは樹海に監視カメラを付けたり、東尋坊をパトロールしたり、「自殺」そのものを「予防」、というか「邪魔する」くらいのものであることが多いものですが、政府では自殺しそうな人を見つけようとしている点で一歩進んだものなのかも知れません。見つけて、それでその人をどうするかは知りませんが。同じく厚生労働省のメンヘル対策検討会では、労働者の自殺リスク自己申告制度を検討しています。

健診とは別にストレス検査、企業に義務付け 検討会提言


 職場での精神疾患を把握する方法について検討していた厚生労働省の「職場におけるメンタルヘルス対策検討会」は7日、健康診断とは別に、うつなどの兆候がないかなどをチェックするストレス検査の義務付けを提言する報告書を公表した。

 7月の報告書案では、プライバシー保護に対する懸念があったため、健康診断でストレス検査を行うことは見送られた。今回の報告では、ストレス検査を健康診断と別の枠組みにし、プライバシーを守る方法も示すことで、すべての企業が取り組みやすいようにした。

 報告書によると、企業は健康診断とは別に「よく眠れない」「ゆううつだ」などの項目を含むストレス検査を実施。医師は、面接が必要であると判断した場合、労働者本人だけに通知し、企業には知らせないようにする。

 面接に応じるかどうかは本人が判断する。面接の結果、医師が休業や残業の制限、配置転換などが必要と判断した場合、本人の同意を得た上で、企業に意見を言うことができる。企業側は面接を理由に本人に不利益な取り扱いは行ってはならない。

 報告書案の段階では、健診の問診票にストレス検査の項目を追加し、自覚症状を確認するとしていた。ただ、自覚症状の有無や医師との面接の必要性は企業側に伝えられる形となっていた。このため、検討会の委員や厚労省内からは「自覚症状のある労働者が不利益な取り扱いを恐れ、きちんとした検査はできない」などの異論が出ていたという。

 今後、公労使でつくる労働政策審議会で労働安全衛生法改正の必要性も含めて議論し、早ければ2012年度からの実施を目指す。ストレス検査に含める項目や、検査費用の負担、医師の守秘義務などの問題については労政審で詰める。

2010年9月7日 asahi.com


検査は義務づけとなる見込みですから、労働者はこの検査を受けるように企業から強く勧奨されることになりますが、この検査にどのように回答するか、その結果に基づいて意志による面接を受けるかどうか、面接の結果医師が企業に意見を言うかどうか、これは全て労働者の「自己責任」です。企業は「不利益な取扱を行なってはならない」そうですが、不利益な取扱を行なったところで企業に損害は生じないのですから、当該労働者に対しては不利益な取扱が行なわれることになりますが、その責任は労働者側にある、ということです。

したがって自殺リスクを抱えた労働者は、この「検査」にどのように対応しようともリスクが軽減されることはありません。検査でウソをついてメンタルな問題が存在しないフリをしても何の役にも立ちませんが、自分の問題を企業に対して明らかにすることは彼を不利な状況に追い込む可能性があり、それはリスクを高めるでしょう。どっちに転んでもマシなことはありませんが、どうせもう死ぬつもりだからどっちでもいいや、という人もいるかも知れません。しかしハイリスクグループに属する多くの人が、転び方によって結果が大いに違って来るものなのです。

もっとも企業側から見れば、ある労働者は検査の回答を偽って自ら救済の機会を失ったのであるし、別の労働者が左遷されたと思って自殺しても、それは企業として自殺防止のための措置をとったものであるということが出来ますから、これはなかなか便利な制度です。個々の労働者の自殺リスクはどうでもいいですが、企業にとっての労災リスクを軽減する意味で、この「検査」は責任のかなりの部分をを労働者に押し付けることが出来るでしょう。

ついでに、「医師の守秘義務などの問題については労政審で詰める」そうですが、労働安全衛生法では「産業医は、労働者の健康を確保するため必要があると認めるときは、事業者に対し、労働者の健康管理等について必要な勧告をすることができる」(第13条)とされているところ、内緒にしておくのはどうかと思うお医者さんもいるでしょうし、企業との契約関係を重視して、「必要」でない「勧告」も求められれば積極的に行なうにやぶさかでない、という人もいるでしょう。てゆーか、「産業医」ってのは労働者にあまり信用されていないので、とりわけこのような役割には適していない、というのが実情ですが。
posted by 珍風 at 15:02| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年09月08日

Who is worse than the Worst?

「最悪VSより悪い」の選択=菅、小沢両候補を批判−竹中氏


 竹中平蔵慶大教授(元総務相)は7日、都内で講演し、民主党代表選について「ワースト(最悪)対ワース(より悪い)の対決だ」と述べた。菅直人首相と小沢一郎前幹事長のどちらがワーストか明言はしなかったが、両候補を痛烈に批判した。

 竹中氏は「菅首相の経済政策で日本経済が良くなると考えている専門家は一人もいない」と厳しく評価。小沢氏については剛腕と評される強引な政治手法を念頭に「民主主義のあり方として極めて不健全。歴史的には政党が対立してうまくいかないときに独裁政権が台頭する」と語った。 

2010年9月7日 時事


どうやら竹中さんは当ブログの熱烈な読者であるようです。当ブログは、最近になって急に一番上のキャッチフレーズが2〜3日で変わって行くという極めて落ち着きのない状態にあるわけですが、ついちょっと前に「ワーナー」と「日の丸」の間に「WHICH IS WORSE THAN THE WORST?」と書いておいたら、光栄なことに、生まれつき盗癖があるので有名な竹中さんにまんまと盗まれてしまったようです。

まあ、僕は竹中さんがいうような意味で言ったのではありませんし、雑魚が何を言おうと知ったことではないのですが、それにしてもパソナに「講演」の派遣を発注している冴えない人たちは誰かと思ったら

日経平均株価算出60周年記念シンポジウム
金融大転換と資本市場の未来

日時 2010年9月7日(火) 13:30〜17:00(開場 13:00)
会場 日経ホール(東京・大手町) 日経ビル3F
主催 日本経済新聞社、日本経済新聞デジタルメディア、QUICK


なんと『日本経済新聞』さんなのですから呆れたものです。竹中さんはこの「シンポジウム」で、2つある「基調講演」のうちの最初の方を担当されました。いわゆる「前座」であります。

基調講演1
13:30〜14:25
「国際金融情勢と日本」
竹中平蔵氏


竹中慶大教授、経済低迷「政府が経済語れない」 日経平均シンポ


 日本経済新聞社と日本経済新聞デジタルメディア、QUICKは7日午後、東京・大手町の日経ホールで日経平均株価算出60周年記念シンポジウムを開催した。基調講演した竹中平蔵・慶大教授は、日本の経済が低迷していることについて「円高への対応や経済政策が弱いことが問題ではなく、政府が経済を語れないことが最大の問題」との見方を示した。

 菅直人政権が景気活性化のため雇用を重視していることに関しては「雇用は経済の活性化により派生的に発生するもので順番が逆」とし、「(こういった)経済の基本に対する議論が全く欠如している」と述べた。円高の対策としては「為替介入ではなくデフレを解決するしかない」といい、そのために「国債発行などで財政赤字を拡大してでも需給ギャップを埋めるべきだ」と語った。

 また「中期的に法人税は引き下げなくてはいけない」と改めて主張し、「(産業の)大空洞化が起きており5%程度の引き下げではほとんど意味がない」と指摘した。〔NQN〕

2010年9月7日 日本経済新聞


どうやら竹中さんの認識では、竹中さんがやっていたアレは「政府が経済を語」っていたことになるんだそうです。確かに、竹中さんは菅さんに比べると100倍も1000倍も「経済通」であるようです。なにしろ菅さんと来たら「経済」の方は全くの「ゼロ」なんですから、何倍しても平気なのです。

まあしかしそれでも、菅さんは3回も「雇用を重視している」わけですが、これは「政策目標」です。実はこれは「経済」の話ではありませんで、「政治」の問題です。竹中さんの「専門」は「経済」の一知半解ですから「雇用は経済の活性化により派生的に発生するもので順番が逆」だと言って済ましているのですが、経済屋さんにとっては「派生的」な効果にしか過ぎないものが、「政治」にとってはターゲットになります。

国民生活のために経済を活性化するのが政治であって、竹中さんは順番が逆です。「(こういった)政治の基本に対する議論が全く欠如している」のが竹中さんの悪いところであり、最悪なところであり、最悪よりもっと悪いところだったりするわけで、少なくとも「政治家」には最も不向きな人であったと言えるでしょう。日経のお座敷でバカを言ってもらっている方が世の中のためです。

ところで、竹中さんがお座敷を終えて帰った後で「「よい市場」とは何か」というお題でパネルディスカッションをやったようですが、まあ視点によっては「よい市場」というテーマは大変に興味深いもんであるとも考えられるのですが、果たして「よい市場」とは「何」だかわかったんでしょうか。

「金融を成長産業に」「投資家教育を」 日経平均シンポ討論会


 日本経済新聞社と日本経済新聞デジタルメディア、日経グループのQUICKが7日午後開いた日経平均株価算出60周年記念シンポジウムの討論会では、日本の課題として金融分野を成長産業化する必要性や、投資家教育推進などの意見が相次いだ。

 菊地正俊・メリルリンチ日本証券チーフ株式ストラテジストは、「政府の新成長戦略では金融政策は1番最後だった。金融はうまくやれば雇用を吸収する成長産業になれる。アジアに逃げた投資家を東京に戻す戦略が必要だ」と政府に注文を付けた。

 ビル・ワイルダー日興アセットマネジメント社長は、「(買収防衛策として買収者の出資比率を下げる)ポイズン・ピル(毒薬条項)や株式持ち合いは弱い経営者を守るために導入している」と指摘、会社を活かすための市場環境整備が必要との見解を示した。

 川村雄介・大和総研専務理事は、「投資家教育はまだ浸透していない」と言及。「中学生や高校生など、頭の柔らかい若いうちからアントレプレナーシップ(起業家精神)などを教えるべきだ」と述べた。

 大杉謙一・中央大学教授は「現在の日本政府、世論の雰囲気は市場、資本主義、金融を嫌う方向に極端に振れている。市場のいいところを生かさないと将来の生活水準は下がる。嫌うのでなく共生すべきだ」との見解を示した。〔NQN〕

2010年9月7日 日本経済新聞


金融産業の活性化によって「雇用」が増えるんだとか、弱い経営者を保護するために市場環境を整備するんだとか、前座の素人よりも前向きな意見が出て来ているようですが、まあそうやって「よい市場」というものを作って行こうと、そういうことなんでしょう。しかしそれでもやっぱり「嫌」われちゃってるようです。「市場」には「いいところ」もあるんだそうですが、「極端」に「嫌」われているというんですが、どうしてそんなに嫌われることになったのか、そんなことになっているのはどこの誰のせいなのか、そんなことは明らかにされていません。おそらく、言わなくてもみんな分かっているんでしょうし、張本人が楽屋で聞いているかもしれないので言えないのです。打ち上げが気まずくなるじゃないですか。
posted by 珍風 at 11:27| Comment(6) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年09月06日

プラダを着た悪魔が来たりてフェラを吹く

小沢氏が菅政権批判「役人になめられる」


 民主党代表選に出馬した菅直人首相(63)と小沢一郎前幹事長(68)が告示後初の日曜日となった5日、大阪市北区のヨドバシカメラ前で街頭演説会を開いた。

 聴衆は約3000人(主催者発表)。まずは菅氏が「日本の政治にとって一番重要なのは国民が政治に参加できること。政党の運営をオープンにし、資金の活用もオープンにしていく。クリーンでオープンな政党をしっかりつくりあげること約束する」と熱弁をふるい、小沢氏をけん制した。ただ、首相が薬害エイズの話に触れると「おまえの自慢話はもういいぞ!」のヤジも飛んだ。

 これに対し、前日の東京のように「必勝 小沢一郎」などの横断幕が並ぶ中、小沢氏は菅政権が「口だけの政治主導」に陥る可能性を指摘。「役人になめられる」と批判し、「困難な時代があればあるほど自分が先頭に立って乗り越えていかなければならない」と決意を述べた。

2010年9月6日 SANSPO.COM


菅さんは市川房枝、ミドリ十字、という過去の栄光にすがるにはまだ早い、というのはまだ若いから、というだけではなくて首相としてまだ何もやっていないということもあるわけですが、口調だけは攻撃的な菅さんに比べて小沢さんの言い方はソフトなものです。

菅さんだと「役人になめられてしまう」というのは、相当に配慮した言い方であるといえるでしょう。世間の認識では菅さんは役人にナメられていません。そんなことは全くありませんが、菅さんは役人と一緒になって国民をナメていると思われているかも知れません。

役人にナメられるのも気に入りませんが、その上菅さんまでがナメに来ているのですから気持ち悪いったらありゃしません。これなら夜な夜なジャニーさんにナメられて、ついでにゴックンまでしてもらった方がマシというものです。しかしながら政治家というものはとかくナメられがちなものです。

ナメナメがお得意なお口上手はお役人様には限りません。マスゴミのお口上手は、これは連中のジョブですからブロウですが、財界の皆さんや単細胞な野蛮国アメリカの白色土人も舌をベロベロしながらヨダレをたらして襲いかかって来るのです。

国民生活に直結する雇用問題について、菅さんは大事なことなので3回言う、という極めて具体的な政策をお持ちのようでありますが、最近になって映画を観たようで、代表選対策のために「新卒者・雇用特命野郎Aチーム」というものを立ち上げたようです。

既卒採用促進、政府が支援策 専門家は形骸化を懸念


 大卒者の就職難解消などを目的に、政府が卒業後3年以内の既卒者も新卒扱いとする緊急対策をまとめたことに対し、東北の学生からは歓迎する声が上がる一方で、実効性を疑問視する見方も出ている。雇用した場合の助成制度については「魅力が薄い」と言い切る企業もある。

 緊急対策は8月30日、政府の新卒者雇用・特命チームが経済対策の基本方針に盛り込む形でまとめた。指針の改正で卒業後3年間は新卒として企業の採用試験に応募できるようにし、正社員として採用した企業には奨励金を出す。

 今春の卒業生の就職内定率(3月末現在)が約8割にとどまる東北学院大。現在も求職中の卒業生の一人は「今まで以上に多くの企業に応募できる」と期待する。

 現役学生にも緊急対策は朗報のようで、法学部4年の女子学生(22)も「就職浪人は学費が掛かる。卒業しても新卒者として就職活動ができるのはありがたい」と話す。

 東北大の男子大学院生(25)は効果に懐疑的だ。就職できずに修了を見送って就職活動を続けた経験を基に「新卒一括採用の慣行がなくならない中で、既卒者が就職活動を続けるのは厳しい」と強調。「政府の理念はいいが、企業が従うかどうかは疑問だ」とみる。

 これに対して宮城県内のメーカーの採用担当者は「国の助成金も、人材を育てる経費を考えると魅力が薄い」。別の企業の担当者も「新卒者と比べてよほど優秀だと思えなければ、既卒者を採るメリットがない」と語る。

 就職情報サービスの毎日コミュニケーションズ(東京)の栗田卓也氏は緊急対策を評価しつつ、「企業側が既卒採用にどれだけ対応するか分からず、形骸(けいがい)化が心配だ。国が企業への働き掛けと具体的な支援をすることが大切だろう」と指摘する。

2010年9月1日 河北新報


「卒業後3年間は新卒として企業の採用試験に応募できるように」したところで、企業の方で卒業3年目の人を「新卒」として扱ってくれるとは限りませんから何の意味もありません。しかしながら既に「体験雇用」という、企業にとっては魅力的な短期雇用にも助成金が出されています。新たな「指針」では、この「体験雇用者」を正規雇用した場合に奨励金が出ることになっています。

したがって企業としては「新卒者」を募集の上、まず「体験雇用」にして助成金をもらい、その上で正規に雇用するとまた奨励金がもらえるので、「新卒者」にとっては関門が増えることになります。すなわち卒業時に「体験雇用」してもらえるかどうか、そして正規に雇用してもらえるかどうか、ということです。当然、ある人は「バツ1」になって放逐され、履歴書が複雑になりますが、企業の採用担当者は「職歴欄」に何か書いてある「新卒者」を採用したがらないでしょう。

一方小沢さんは法人税を下げないこともないそうですから役人にナメられそうですが

小沢氏、法人税率「下げるなら、社員へ配分を」 
正規雇用社員の割合規制に意欲


 民主党代表選に立候補した小沢一郎前幹事長は3日午前、テレビ朝日番組に出演し、日本の法人税率の水準について「社会保険の負担も含めて比較すれば(国際的に)高くない」との見解を示した。そのうえで「法人税率を引き下げる論点も悪くないが、もうかった分をどれだけ社員に配分するかだ」と指摘、税率を下げる場合は社員への利益配分を手厚くする必要があると強調した。

 日本の法人税の実効税率は40%超。経済協力開発機構(OECD)加盟30カ国の平均26.3%と比べ高いとされる。2011年度税制改正では、経済産業省が法人税(国税)の基本税率を5%引き下げるよう要望している。

 米軍普天間基地の移設問題に関連し、沖縄に駐留する米海兵隊について「もう海兵隊の実戦部隊はいらないと思う。米国も軍事技術の発達で前線に大兵力を置く必要はないとの判断だ。だから欧州からも引き揚げている」と語った。

 雇用問題に関し小沢氏は「法的な規制で、非正規社員と正規社員の割合を定めることも必要だ」と述べた。「非正規社員を雇ってすぐクビを切るやり方を許すべきではない」とも語り、大企業などを念頭に、正規社員の雇用を増やす政策に意欲を示した。

 情報公開のあり方については「(首相を記者団が取り囲んで質問する)ぶら下がりよりも、定期的にちゃんと会見すればいい。月に1回でも2回でもいい」と語った。

2010年9月3日 日本経済新聞


誰を雇用するかが企業の勝手なのと同様、「社員への利益配分を手厚くする」かどうかも企業の勝手であります。やりたきゃやるし、やりたくなければやりません。そして多くの場合、やりたくないのでやりません。てゆーか「再分配」てのは税制の役割じゃないかという気もしますが。

やんなきゃ法人税を下げてやらないよ、というのも一つの手なのかも知れませんが、小沢さんは一歩踏み込んで「法的な規制で、非正規社員と正規社員の割合を定めることも必要」と言っています。どのような内容になるかは不明ですが、この場合、世間をナメ切った企業が「法的な規制」を守らないことが常識となっている労働分野で「規制」の実効性をいかに確保するかが問題になるでしょう。「雇用」問題の一定部分は制度的なものですが、あとの半分は違法行為が野放しになっていることなのです。もっとも、一番大きな問題は、政治家ではなくて労働者がナメられちょる、ということですが。
posted by 珍風 at 12:03| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年09月04日

例えばこれだけ暑い日が続くと「今日は涼しい」と思ってしまうように

小沢氏発言の反響「率直」「改悪も予想される」


 検察審査会の在り方を疑問視した3日の小沢一郎民主党前幹事長の発言。「率直に言ったなという印象。プロが判断したことに素人が起訴というのはおかしいという制度上の問題を指摘する意見は多く、圧力をかける狙いではないだろう」と話すのはジャーナリストの田原総一朗氏。

 「国民には不愉快かもしれないが、代表選に国民が投票するわけではない。議員の過半数を握っている自信の表れが発言の背景にあるのではないか」とみる。

 一方、「政治資金オンブズマン」共同代表の上脇博之神戸学院大法科大学院教授(憲法)は「小沢氏を起訴相当とした議決がやや感情的な内容だったこともあり、制度を疑問視する一般的な意見が出てくることを恐れていた」と話す。

 その上で「制度は市民参加を実現させた意義のあるものだ。小沢氏の発言は、政治家を聖域化する形に制度を改悪することも予想させるもので、審査の対象者が言及するべきではないだろう」と述べた。

2010年9月3日 Sponichi Annex


大脇先生も「一般的な意見」が、まさか当事者から出て来るとは思っていなかったかも知れませんが、しかし、何故「審査の対象者が言及するべきではない」と言えるのかどうかよく分からない点もあります。

小沢さんを「起訴相当」とした検察審査会の議決について、大脇さんは今回は「やや感情的」と言っていますが、議決が出た当時はそのあまりの「感情的」ぶりに「びっくり」してしまっていたようです。

「絶対権力者」である小沢氏に「無断で」「隠蔽工作等をする必要もない」等として「起訴相当」の議決が出たのは、素朴な国民感情でいえば理解できなくもない。
だが、憲法及び刑事法の立場からすると、決定的な証拠とは言いがたい。

「疑わしきは罰せず」だからだ。

感情的な表現が随所に出てくるが、そのような感情に基づき「情況証拠」だけで「起訴相当」とするのは、無理があるのではないだろうか。

上脇博之 ある憲法研究者の情報発信の場 2010年4月28日
「検察審査会の小沢一郎「起訴相当」議決には2度驚いた!」


「驚いた!」の1度目は「起訴相当」の議決そのものであり、2度目はその「理由」なのですが、大脇さんはこの「議決の理由」について、「やや感情的」どころか「感情に基づ」いていることを指摘しています。

この「議決」はむしろ、徹頭徹尾「感情的」が貫徹されているのであって、「感情的」というよりも単なる「感情」を補助員がなんとか形にしたようなものであると言えるでしょう。半年も経たないうちに大脇さんの評価は大幅に甘くなったようです。

ところで大脇さんは同ブログの9月4日のエントリで2回目の検察審査会はもうちょっと丁寧に行なわれると書いています。

もし検察審査会が2度目の「起訴相当」議決をする場合には、1回目よりも議決書は詳細なものになるし、議決書の作成には「必ず」審査補助員に「補助」させなければならない。

……つまり、2度の「起訴相当」議決に強制起訴の効果を持たせている改正検察審査会法は、市民参加に特別の意義を与えただけではなく、刑事裁判の審理を意識して弁護士という専門家に「補助」させているのである。
その意味で、検察審査会の議決は、単純な市民感覚の表れではない。

上脇博之 ある憲法研究者の情報発信の場 2010年9月4日
は、この投稿で書いた以上のような内容である。
「小沢一郎氏の改正検察審査会法に対する発言への危惧」


「一般的な」規定ではそうなっていますが、1回目の議決に「補助」がつかないわけではありませんし、この場合は実際についています。「弁護士という専門家に「補助」させている」から「検察審査会の議決は、単純な市民感覚の表れではない」のであれば、1回目の議決だって「やや」であっても「感情的」とは言えないことになります。「補助員」の有無は議決の適正を保障するものではありません。

もっとも、検察審査会が「起訴相当」の議決(検察審査会法第39条の5第1項)をし、これに対し検察が公訴を起こさないとい打つうちを受けた場合にその当否の審査(第41条の2)が行なわれるのであり、これが「2回目」というやつですが、その際には

第四十一条の七  検察審査会は、起訴議決をしたときは、議決書に、その認定した犯罪事実を記載しなければならない。この場合において、検察審査会は、できる限り日時、場所及び方法をもつて犯罪を構成する事実を特定しなければならない。
2  検察審査会は、審査補助員に前項の議決書の作成を補助させなければならない。


ことが義務づけられているなっているのは大脇さんの指摘している通りであります。しかしながらこれは「できるかぎり」の話でしかありませんし、「審査補助員」については1回目の議決においても満たされていた条件ですから、「2回目」をそんなに信用しても良いものであるかどうかはやはり疑問です。

だいたい、んなこと言うんであれば、1回目の議決を「感情的」であると批判するべきではなく、ましてやそれを受けて「国会議員の刑事責任の問題と政治的・道義的責任の問題はそれぞれ別々に考えなければならない」などと言って側面から援護するべきでもありません。むしろ「1回目はいい加減なんだから気にしなくてよい」と言うべきだったのです。

もっとも、「単純な市民感覚」が「複雑な市民感覚」になったとしても、こんなことは要するに大脇さんが勝手に心配しているだけのような気もします。単純な怒りや嫌悪、あるいは複雑繊細な人情の機微に入ったところで、「感覚」は「感覚」でしかありません。

「市民感覚を司法に」検審制度の見直し論に千葉景子法相が反論


 民主党代表選に出馬した小沢一郎前幹事長が検察審査会制度への疑問を投げ掛けたことをめぐり、千葉景子法相は3日の閣議後会見で、「市民感覚を司法に生かしていくことが世の流れだ」と反論。小沢氏が提起した見直し論を突っぱねた。検審制度の是非が、代表選の新たな争点となる可能性も出てきた。

 小沢氏は同日朝のテレビ出演で、検審制度について「強制力を持つ捜査当局の判断を、素人が悪いとか良いとか議論する仕組みは、国民による検証の対象になる」などと指摘。自身への捜査結果の正当性を説明しながら、検審制度のあり方について問題提起した。

 放映後の開催となった会見で千葉法相は「発言の詳細は承知していない」と前置きしながらも「裁判員制度も、検審制度も国民が主権者たる責任を果たしていくためにある」と説明。「今はその制度が生かされるかどうかが課題だ。見直しはそれから先の話」と断じた上で「今は普通の市民の生活感覚から、司法というジャンルの社会問題を、解決していく場や、そうした手続きが大事ではないか」などと持論を展開した。

 政局がらみの質疑にはとかく慎重姿勢な千葉法相だが、今回の踏み込んだ回答ぶりは民主党内に憶測を呼んだ。菅氏支持議員は「検審の対象となっている小沢氏に制度をうんぬんする資格はない。法務行政の責任者として、そんな怒りを抑え切れなかったのではないか」と推測。一方、小沢氏支持議員は「政策論争の論点をずらし、党全体へのマイナスとなる」と批判した。

 代表選にあたり法相は「野党時代の自分たちは『ころころ総理が代わるのはおかしい』と主張してきた」(8月27日の閣議後会見)などと述べ、事実上、菅直人首相の再選支持を示唆してきた。3日の会見では参加記者から「今日の一連の発言は小沢氏への批判か」と突っ込まれたが「あくまで一般論です、一般論」とかわした。

2010年9月4日 神奈川新聞


そして、カボチャ頭の「一般論」によれば、「感覚」で充分なんだそうです。理性のかけらもないとはこのことですが、そんなものは最初から期待されてもいないのでした。これは大脇さんが思っているような「市民参加」ではなく、市民の「感覚」の動員です。事実を「できるだけ」詳細に特定したり、弁護士が「補助」しても、それはそもそも「感覚」をデコレートする以上のものではないんですから、大脇さんは自分の思い込みで制度に過剰な期待をかけてしまっているのかも知れません。

もっとも、「今後、改正検察審査会法が政治家に有利なように改悪される議論が大きくなるのではのではないか、と危惧」している大脇さんは、ここで言う「政治家」とはどんな「政治家」のことなのかはっきりしていないんだと思います。それを言うのであれば検察審査会制度が、現状で既に、ある(複数の)「政治家に有利なように」使われているのは明らかでしょう。大脇さんにしてこれですから、「市民感覚」がちっともアテにならない所以であります。
posted by 珍風 at 12:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年09月03日

遺棄された男と女

当初は「事件性なし」だった「事件」ですが、「政権交代」のおかげでここまで来たのかも知れませんし、まだ「政権交代」がここまでしか来ていないのかも知れません。

押尾被告3日初公判、裁判員に裁かれる


 合成麻薬MDMAをのんで容体が急変した東京・銀座のクラブホステス、田中香織さん(当時30)を死亡させたとして保護責任者遺棄致死などの罪に問われた元俳優、押尾学被告(32)の初公判が3日、東京地裁で開かれる。

 芸能人初の裁判員裁判は、香織さんの救命が可能だったかどうかが最大の争点。起訴状によると昨年8月2日夕、東京・六本木ヒルズのマンション一室でMDMAを一緒にのんだ香織さんは午後6時ごろに急性中毒症状となり、死亡時刻は同47〜53分ごろとしている。

 押尾被告の知人が119番したのは同9時19分ごろ。検察側は「死亡までに十分時間があり、救急車を呼んでいれば助かった」と指摘。これに弁護側は「異変から死亡までは長くて30分、急変から数分で死亡した。心臓マッサージなどの措置は取った」と反論する。

 公判では調書など90点が採用され、証人として救命医療の専門医や押尾被告にMDMAを渡して実刑が確定した知人男性(32)、香織さんの両親ら19人が出廷する。

 麻薬をめぐり、押尾被告と関係のある女性2人は別室からの中継回線で証言。事件に関連し、押尾被告と関係のある有名人のスキャンダルが暴露される可能性もある。

 関係者は押尾被告の近況について「猛暑で顔はやつれたが、今も腕立て伏せや腹筋などで体力を維持しており、無罪を確信する目の輝きは失われていない」。注目の被告人質問は13日の第6回公判で行われる。

 日大名誉教授(刑法)の板倉宏氏(76)は「普通の感覚ならすぐに119番通報するはずで、短時間での病院搬送は可能。保護責任者遺棄致死罪は成立すると思う。懲役8年の実刑では」との見解を示した。

2010年9月3日 SANSPO.COM


押尾さん側ではMDMAを田中さんが持って来たものであるとし、もって田中さんに対する保護責任が発生しないと言うようですが、困難な主張となるでしょう。田中さんにMDMAを販売した人か、同様に田中さんとともにMDMAを使用したという証人が調達出来れば何とかなるかも知れませんが。

しかしながら押尾さんは田中さんに「心臓マッサージなどの措置」を行なったそうですから、これによって「保護」が開始されたと考えることが出来、これによって保護責任の存在が認められる可能性もないわけではありません。

このあたりが「保護義務」の厄介なところで、行き倒れの人が倒れているのを助けるならちゃんと最後までやらないと、途中で投げ出しては行けませんよ、ということになるんですが、単なる通行人はこれを最初から放置して通り過ぎても罪にはなりませんから、無視するようにしているようです。

この意味では「保護責任者」という、結構難しいところを裁判員が「気分」で判断する、という面白い可能性があるんですが、押尾さんの場合は路上に裸の女の人が落ちていたわけではなく、密室に2人だけでいたことになっていますし、速やかに救助を要請することを妨げる要件もなかったことになっていますから、話は別です。

いずれにしても問題は「救急車を呼ばなかった」ことではなく「呼んだのが遅かった」ことですから、この間の押尾さん、てゆーか押尾さんの周辺の人々の動きが問題になることは間違いありません。押尾さんは別段ぼーっとしてたわけではなく、マネージャーに電話するなどして自己、もしくは関係者の「保護」の手を打とうとしていた模様ですが、それにしても出動要請までに死後2時間以上を経過しています。

その間の経過について、実は被告人本人があまり把握していない可能性すら存在しますが、ある種の隠蔽工作が行なわれたと邪推することは充分に可能です。とは言っても押尾さんが逃げたり隠れたりしたわけでもなく、本日より被告人として法廷に立つハメになっているのですから、この隠蔽工作は少なくとも押尾さんが責任逃れをするためのものではなかったのではないかと考えることができるでしょう。

救急車出動要請までに2時間という時間がかかったのも、単にモタモタしていて時間が経過してしまったのか、死亡したことを認識しなかったためにのんびりしていた可能性もあります。このような死亡においては高体温になることもあります。もちろん死んでしまえば体温は下がりますが、室温とも関係しますし。

しかし一方では、死んだかどうだか分からないからこそ、大事を取って時間を置いたということも考えられないわけではありません。知られては困ることを田中さんが知っているとすれば、彼女が生きたまま病院に連れて行かれるのは具合が悪いわけです。ところでその「困ること」というのは、少なくとも押尾さんと一緒にいたこと、ではなかったわけです。もしそうであれば今日の裁判はありません。しかしその「困ること」が明らかになるには「最低でも6年、とても6年じゃ無理だとは思いますが、9年、12年の歳月」が必要なのかも知れません。
posted by 珍風 at 11:33| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年09月01日

ミッション・インポテンツ

会談に継ぐ会談、過去の帳簿をひっくり返してアラ探し、菅さんは全力を尽くして回避を試みたにも関わらず、新聞に「密室」がどうのこうのと言われるのがイヤになってしまって、結局は「これからも協力しあってやっていこう」などと言質を取られた上で代表選に追い込まれましたが、鳩山さんが「ボクはいったい、何だったんでしょうね」と、例によってトボケまくる一方、選挙をやるならやるでやっぱり「国民不在」とか批判されるんですからいいかげん新聞を読むのは止めればいいのに。

代表選では小沢さんが勝利する可能性が高く、また小沢さんが負けた場合でも「協力しあう」ことになっていますし、菅さんが「協力」を拒むのであれば小沢さんは敗者に相応しく潔く去る、という結果にもなりかねないことから、いずれにしても民主党政権の政策は大きく変化することは避けられません。

しかしこの「変化」は、2009年のマニフェストに戻るということになりそうなのであり、代表選は1年振りに「政権交代」に活を入れ直す、ということになりそうです。それで「国民の生活が第一」になるのはいいのですが、それでは困るという人が出て来るのも当然のことです。たとえば、次の純然たる「非国民」にとって、このような事態は極めて憂慮すべき事態であり、緊急かつ慎重な対応が求められるようなのです。

普天間移設、沖縄知事に配慮必要=日米は柔軟対応を−元米高官


 【ワシントン時事】マイケル・グリーン元米国家安全保障会議(NSC)アジア上級部長は31日、沖縄県の米軍普天間飛行場移設問題に関し、11月の知事選で再選を目指す仲井真弘多知事に配慮し、日米両政府は柔軟な対応を取る必要があるとの考えを示した。ワシントン市内で記者団に語った。

 グリーン氏は、同県知事選で、より現実主義的な仲井真氏の再選が移設問題の進展に決定的に重要だと強調。代替施設計画の確定を強引に進めれば同氏が反対の姿勢を強めざるを得なくなるため、拙速を避けることが「政治的には最善の道だ」と述べた。 

 一方で、報告書に現行計画のV字案と日本側が求めたI字案が併記されたことに「国防総省内には不満がたまっている」とも指摘した。

2010年9月1日 時事


小沢さんは代表選の争点に「普天間」を持って来る可能性があり、持ってこなくても小沢さんの対米政策は菅さんとは随分異なっており、代表選の結果に関わらず民主党政権の基地問題に対する政策も、この3カ月間の「政治的空白」期間とは違って来ることになります。グリーンさんは現在の沖縄県知事を「より現実主義的」、すなわち「ちょろい」と見ていますが、それでも「配慮」が必要であると言っています。

「配慮」とは仲井真さんを「反対」方向に追いやらないように、知事選までは計画を確定させないこと、そして民主党が知事候補を立てることによって反対票を割り、伊波さんの当選を阻むことを意味します。この「配慮」は現在進行中であり、民主党沖縄県連は独自候補の擁立に動いている模様ですが、代表選で民主党の執行部が変わる場合には対応が変わるかも知れません。

したがってグリーンさん同様「非国民」であるアメリカ大使館機関紙日本語版、ごんべんに「売る売る」と書く元祖従米新聞は、販売拡張の大号令と同時に、代表選についてのおざなりとともに緊急の社説を掲載したものです。

普天間報告書 首相みずから沖縄の説得を

困難な課題を先送りするだけでは何も生まれない。日米関係を改善し、沖縄の基地負担軽減を実現するため、菅首相は、地元関係者の説得に全力を挙げる必要がある。

(2010年9月1日 讀賣新聞社説)


本家隷米新聞も負けていません。

【主張】普天間移設報告 先送りは何も解決しない

菅首相も岡田外相も地元の変化を座して待つのでなく、率先して住民を説得していく指導力を発揮することが何よりも必要だ。

(2010年9月1日 産經新聞「主張」)


このように趣旨はほぼ同じなんですが、きっと出所が同じなんでしょう。菅さんは沖縄を「説得」する「必要」があると言われています。出来るか出来ないか知りませんが、というのは沖縄県民が説得されるものであるかどうかということもありますし、菅さんに誰かを説得する能力があるのかということもあるわけですが、どちらも難しそうなのです。しかし菅さんは負ける前にこれだけはやって行けと言われているようです。これは公開命令書であり、これだから菅さんは新聞を読むのを止められません。これが最後の不可能なミッションなのです。尚、これらの新聞は自動的に消滅する、といいのに。
posted by 珍風 at 16:51| Comment(7) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

広告


この広告は60日以上更新がないブログに表示がされております。

以下のいずれかの方法で非表示にすることが可能です。

・記事の投稿、編集をおこなう
・マイブログの【設定】 > 【広告設定】 より、「60日間更新が無い場合」 の 「広告を表示しない」にチェックを入れて保存する。


×

この広告は1年以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。