2010年10月12日

まさおのたび

金正男氏単独取材応じる 三代世襲に違和感も


 北朝鮮の金正日総書記の長男・金正男(キム・ジョンナム)氏が、弟の正恩(ジョンウン)氏について、三代続く世襲に違和感を示しました。

 正男氏は、北朝鮮で軍事パレードが行われた前日の9日、ANNのインタビューに答えました。

 金総書記の長男・金正男氏:「(正恩氏が後継者になったのは)やはり、父親がご決断なさったのだと思います。(後継について)私はもともと遺憾なところもないですし、また関心もなかったので、まったく気にしていません」「弟には、北朝鮮住民のため、本当に住民の潤沢な生活のために最善を尽くしてほしいと願っています」「私自身は、いつでも海外で弟が必要とする時に助ける用意があります」「個人的には三代世襲について反対しています。しかし、それなりの内部的要因があったのではと思います。内部的要因があったら、それに従うべきだと思います」

2010年10月12日 テレビ朝日


まさおくんは自分が外されたからというわけではないでしょうが「世襲」に反対しています。もっとも、「内部的要因があったら、それに従うべき」だということですから、それほど強硬に「反対」するというわけではありません。あまり「反対」するのは危険なことですらあるでしょう。死んでしまったら元も子も孫も曾孫もありません。

まあ、「世襲」などということは日本はもちろんアメリカでも珍しいことではありません。「北朝鮮」は一応「社会主義国」だということになっているそうですから、その点では多少問題があるようですが、その「なんとか主義」というものも「内部的要因」によってどうにでもなるものであり、そういうことも日本はもちろんアメリカでも珍しいことではありません。

どうにかなっちゃった「社会主義」のことを「北朝鮮」の方では「チュチェ思想」とか言っているようですが、それによると「革命の主体は領袖、党、大衆の統一体」であって、大衆は従属的な地位を占めるものですがとにかく「統一体」をなすことになっています。

したがって「労働者階級の党は全党が領袖の思想で一色化され、領袖の唯一的指導のもとに一体となって動く思想的純潔体、組織的な全一体とならなければならない」とされる場合は、当然のことながら人民大衆も「思想的純潔体、組織的な全一体」にならなければならないことになっております。(「朝鮮労働党は偉大な領袖キムイルソン同志の党である」1995年10月2日キムジョンイル)
http://dprkj.v.wol.ne.jp/pdf/kimjongil04.pdf

このようにして「北朝鮮」では国を挙げて全員が思想的に純潔な全一体とならなければならない、てゆーか実際にそのようである、と言いたがるわけですが、その「思想」がアレな場合は、国全体がアレの集まり、という惨状を呈することになるとはいえ、どこの「全一体」でも同様ですが、別にそんなことはありません。そこで年がら年中不純分子を見つけては削除しなければならないことになります。

実際のところ、この「純化」の要請、絶えず「清浄化」を必要とする「一体」の思想が「世襲」を要請します。子どもは概ね親の遺志を継ぐものとされていること、日本の各選挙区で、殊に自民党の議員さんの後援会をなさっておられるような皆さんには馴染み深い考え方であると思われます。もちろんこれも実際にはどうだか分かったものではないわけですが。

偉大な領袖キムイルソン同志はわが党を党の偉業を代を継いでゆるぎなく継承していけるよう展望性をもって建設した。 人民大衆の自主偉業は領袖の偉業、党の偉業であり、世代を継いでおこなわれる歴史的偉業である。労働者階級の党は領袖の思想と指導を代を継いでゆるぎなく継承していくときときにのみ、指導的政治組織としての革命的性格と姿を変わることなく固守し、自らの栄えある使命を最後まで遂行することができる。党が領袖の思想と指導を正しく継承していくためには、党建設において継承性を徹底的に保障しなくてはならない。党建設において継承性を保障できなければ革命の世代がとだえて革命の背信者が現れ、領袖の偉業、党の偉業を台なしにするということは歴史が示す深刻な教訓である。

キムジョンイル「朝鮮労働党は偉大な領袖キムイルソン同志の党である」1995年10月2日
http://dprkj.v.wol.ne.jp/pdf/kimjongil04.pdf


「北朝鮮」の建国神話によると「党中央委員会総会の場で、主席とともにたたかってきた老闘士が」、「キムジョンイル書記を党中央委員会政治委員会委員に選出するべきであると一言一句に力をこめて」提起し」、「その瞬間、広い会議室に熱烈な拍手が湧き起こ」った、とされています。

神話によると金日成さんは「躊躇」したそうですが、ついにはこれを受入れ、金正日さんは朝鮮労働党中央委員会政治委員会委員に「選出」されることになりました。これが「北朝鮮」における伝統的な「世襲」の起源に関わる神話であります。(「チュチェ思想は未来をきり拓く新しい時代の思想」日本キムイルソン主義研究会会員 鈴木博)
http://dprkj.v.wol.ne.jp/pdf/suzuki_1.pdf

しかしこれを単に神話であるとして軽視するわけにも行かないでしょう。「世襲」が側近たちの提起するところであった、というのはいかにもありそうな話です。つまり側近たちに提起するように前もって指示をしておく、ということでもありますが、当の側近たちにしても、世襲による最高権力者に従っていれば、彼が失脚するリスクが低いことから、「世襲」は側近たちの利益にもなるということもあるのです。

このように、「三代世襲」は三代目魚武ならずとも日本人である僕たちには大変馴染み深い、とても納得のいくものです。例えば、「チュチェ思想」の影響も「チュチェ研」のようなものに留まらず、我国では極めて広い範囲においてその影響が見られるというのも、そう考えてみれば全く自然なことです。

天皇の國家統治を、やまとことばで、「しろしめす」「しらしめす」と申し上げる。「しろしめす」「しらしめす」とは、「知る」の尊敬語で、お知りになる、承知しておられる、おわかりでいらっしゃるといふ意である。「しらしめす」は、「しらす」(「知る」の尊敬語)に、さらに尊敬の補助動詞「めす」の付いた言葉で、お知りになるといふ意である。また、「きこしめす」とも申し上げる。「きこしめす」は「きく(聞く)」の尊敬語「きこす」に「見る」の尊敬語から転じた「めす」が付いて一語となった言葉で、聞きあそばす、お聞きになるといふ意である。

神の心を承って民に知らしめ、民の心をお知りになって神に申し上げることが、天皇の國家統治の本質である。このことによって、「君と民とは相対立する存在ではなく、精神的・魂的に一体の関係にある信仰共同体」としての日本國が成立する。

「日本天皇の國家統治と和歌」四宮正貴
http://www.max.hi-ho.ne.jp/m-shinomiya/ron/2009/ron090225.htm


「めす」が「尊敬の補助動詞」でも「「見る」の尊敬語から転じた」んでも、この際どうでもいいのですが、これはかの四宮正貴さんの書いたものです。四宮さんといえば聖徳太子について特にお詳しいことで知られていますが、「日本國」においても「君と民とは……精神的・魂的に一体の関係にある」と、ここには「チュチェ思想」の正しい「継承」が明らかにされています。

四宮さんはそれを「信仰共同体」と言い表しています。「信仰」の「共同体」ですから、これも間違いなく「アレの集まり」です。「アレ」というのは例の「アレ」のことで、要するにキチガイとかバカのことですが、国家全体をこのような狂った低能の集団と化そうという「思想」は「チュチェ思想」の真髄を余すところなく言い表していると申し上げても過言ではないでしょう。

ですから当然、四宮さんが「世襲」を正当化する「継承」の理論を同じ文章の中で提出していることを知ることは「北朝鮮」に関心を持つ人の義務とすら言えるものなのではないでしょうか。

御歴代の天皇そして皇太子は、血統上は天照大御神・邇邇藝命・神武天皇のご子孫であられ血統を継承されてゐるのであるが、信仰上は今上天皇も皇太子もひとしく天照大御神の「生みの御子」であらせられるのであり、天照大御神との御関係は、邇邇藝命も、神武天皇も、今上天皇も、皇太子も同一である。天皇は、先帝の崩御によって御肉體は替はられるが御神靈は新帝に天降られ再生される。ただしその御肉體・玉體・御血統は、皇祖皇宗から繼承されなければならない。

「現御神信仰」は今日においても「生きた真實」である。

「日本天皇の國家統治と和歌」四宮正貴
http://www.max.hi-ho.ne.jp/m-shinomiya/ron/2009/ron090225.htm


「血統上」だか「信仰上」だかわかりませんが、これは「継承性を保障」する「血統」に対する「信仰」に他なりません。そして「金日成との御関係は、金正日も、金正恩も同一」です。「領袖の思想と指導」は「先帝の崩御によって御肉體は替はられるが御神靈は新帝に天降られ再生される。ただしその御肉體・玉體・御血統は、皇祖皇宗から繼承されなければならない」のであります。これほど分かりやすい解説はないのですから、新聞は外交面の解説にこれを引用すべきでしょう。

「現御神信仰」は今日において、特に「北朝鮮」においては「生きた真實」なのです。天皇も最初はあんなものだったに違いありませんが、人類も進歩しないものであります。今から始めるのもどうかと思いますが、未だにやっているというのも呆れたものだとしか言いようがありません。


posted by 珍風 at 20:42| Comment(3) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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