2010年12月30日

年末年始は荒れ模様?

紛失:警視庁署員、APEC警備資料を−−不審者見分け方など


 警視庁北沢署員が11月、横浜市で開かれたアジア太平洋経済協力会議(APEC)の首脳会議の警備に関する内部資料を紛失していたことが同署への取材で分かった。同2〜15日まで警備に使用していたレンタカー内に置き忘れた可能性が高いという。

 北沢署によると、紛失したのは警備の編成表や検問の際に不審者を見分けるための注意点などを記した文書。A4判5枚で、書類をはさむ透明なファイルに入れていたという。個人情報は含まれていなかった。

 加藤芳雄・北沢署長は「署員による忘失が発生したのは遺憾。指導を徹底し、再発防止に努める」としている。【小泉大士】

2010年12月30日 毎日新聞


「個人情報は含まれていなかった」んだそうで、何よりですが、「紛失」した文書には「不審者を見分けるための注意点」が書いてあったそうです。つまり、どんな人の「個人情報」を収集すべきであるか、ということが書いてあるわけです。

もっとも、毎日の小泉さんの書き方はヘンでして、見た感じアヤシイのが「不審者」であることから、「不審者の見分け方」などというものは存在し得ません。町を荒らす自警団の皆さんも「不審者」ということを盛んにおっしゃるわけですが、「審」というのは「つまびらか」という意味ですから「不審」とは「よくわからない」ことを指します。したがって「不審者」とはすなわち「何だかわからない人」「誰だか分からない人」であり、多くの場合そこら辺を歩いている人ですから「誰だか分からない通行人」ということになりますが、これは「見分ける」までもなく、多くの場合全ての通行人が「誰だか分からない人」であることは明らかでしょう。

もっとも、「不審者」という言葉のいい加減な用法は、もっぱら警察やマスゴミが自警団などの比較的愚かな人々を誤導しようとするときに用いられるもので、さすがに内部ではあまり使用されないようです。つまり「不審者」の中から一定のターゲット「を見分ける」ことが問題になるのであって、その「ターゲット」とは何か、ということが問題になるわけです。実際のところ『朝日新聞』は「テロリストや過激派関係者などを見分ける」としている他、日本テレビでも「テロリストを見分ける」と言っています。

警察はあまたの「不審者」の中から「テロリスト」や「過激派」を「見分ける」のであって、決して知り合いを見つけたりウォーリーを探したり松本人志を目撃して「視聴者は見た!」に投書しているわけではない、らしい、のですから「不審者を見分ける」という書き方は不正確でなければ不十分です。

NHKによれば「北沢警察署は当時、文書の回収状況を確認していなかった」そうであり、『中日新聞』では「APEC終了後の同15日、署に返したはずだが、返納を覚えている署員がいない」としています。それなら「紛失」したこと自体が認識されないはずですが、日本テレビによれば、これは「28日に外部からの指摘を受けて発覚した」ということであります。

世間は広いものですから、「外部」というのがまた「不審」ですが、警察に「外部」の監査が入って警備書類の数を勘定しているということもあまり考えられません。可能性としては既にこの文書の内容が何者かによって公開されており、それを見つけた「外部」がご注進に及んだということも考えられないわけではありませんから、探したい人は探すと見つかるかもしれません。その場合、これは小林麻央さんの「梨園御乱行漏洩事件」に続く今年5番目のリークとなります。

もっとも、「テロリストや過激派の見分けかた」などという情報の価値は極めて低いものです。イスラム諸国の人は最初から「テロリスト」の中に入っていますし、何よりも「テロリスト」というのは、実は誰でもなれるものなのです。もちろん誰でもがAPECや首相公邸などを攻撃対象に出来るわけではないんですが、そんなメジャーどころを狙う必要はありません。

『「テロ対策」入門』(テロ対策を考える会)によれば「テロリズム」とは「社会への何らかの訴えかけが意図された、物理的被害よりも心理的衝撃を重視する暴力行為」であるとされているようですから、大事なのは対象ではなく「意図」であるとは一応は言えるのかも知れませんが、「社会」が「心理的衝撃」を与えられることによって「訴えかけ」られてくれる、という事情もあります。

これは「暴力行為」が社会的合意の不整合を突っつく場合に生じることですが、ここから、ときに「被害者」を動員した「暴力行為」に対するマスゴミの非難がこの不整合の存在自体を否定する為に行なわれること、そして未然に防止すべき「犯罪」の主体が「不審者」つまり「誰でもみんな」として不定義されることの理由が分かります。

つまり「テロリスト」を「見分ける」ことは不可能なんですが、APECぐらいになるとやはり素人さんには難しいでしょうから、それなりに練達の士が当たる、ということもあるかもしれません。しかしながら誰でも思い立ったが吉日で気軽に実行される「テロリズム」への「対策」というものは、そんな大雑把なものではないようです。

共通番号制度 基本方針策定へ

個人の所得などを一元的に把握する「共通番号制度」について、政府は、来年秋の臨時国会に関連法案を提出することを目指し、来月にも法案の骨格となる基本方針を策定する予定で、年明けから共通番号の導入に向けた議論が本格化する見通しです。

政府は、税の適正な徴収や社会保障の安定を図るため、個人の所得などを一元的に把握する「共通番号制度」の導入を進める方針で、菅総理大臣も「医療・年金・介護の3つのサービスも、この制度ができれば、よりよいサービスがより公平にできる」と述べ、早期の導入が必要だという認識を示しています。そして、政府としては、来年秋の臨時国会に関連法案を提出することを目指し、来月にも法案の骨格となる基本方針を策定する予定です。基本方針では、国民それぞれの生活事情に応じたきめ細かな行政サービスが可能になるなど制度導入のメリットを強調するとともに、番号を付与する具体的な時期も盛り込むことにしています。一方で、政府は、プライバシー保護の点から国民の間に共通番号に対する抵抗感があることを踏まえ、個人情報保護のための対策の取りまとめも急ぐことにしていて、年明けから共通番号の導入に向けた議論が本格化する見通しです。

2010年12月29日 NHK


やはり個人個人の所得「など」を把握し、「国民それぞれの生活事情に応じたきめ細かな行政サービス」を行なうことが必要のようです。とはいっても仕事のない人に仕事を、家のない人に家を与える、というわけではありません。ただ単に、政府の「サービス」が「国民それぞれの生活事情に応じた」ものになる、というだけです。「国民それぞれ」に「サービス」してくれるわけではありません。誰か他の人にします。


posted by 珍風 at 12:15| Comment(2) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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