2011年01月09日

マエバリ帝国の逆襲

前原外相、暗に中国に民主化迫る


前原誠司外相は、インドネシアが直接選挙で大統領を選び、言論の自由を認めることで尊敬を勝ち取っていると持ち上げることで、暗に中国に民主化を迫った。

同外相がワシントンの戦略国際問題研究所(CSIS)で行った30分ほどの講演(英語)では、アジアに焦点が置かれた。同外相は9日まで同地に滞在する予定。

前原外相はアジアの「新しい秩序」に繰り返し言及。それを、「覇権ではなく協力によって」構築するべきだと述べた。また、「法による支配と民主主義を具現する制度的基盤」を作るべきだと呼びかけた。

明白に中国と結びつけることはしなかったが、前原氏は、民主化の成功例としてインドネシアを持ち上げた。同国は「直接選挙で大統領を選び、言論の自由を尊重することで民主国家としての政治的安定を享受している」ため、アジア地域を主導する国の一つとして尊敬されている、と指摘した。

中国については、米国に代わり日本の最大貿易相手国になったことに触れ、「国際社会と協調して平和的に発展」するよう訴えた。

前原外相は数百人の聴衆を前に、野党の代表だった5年前にワシントンを訪れたときに集まった人数はもっとずっと少なかったとジョークを飛ばし、「野党より与党の方がいいと実感している」と述べた。

講演後のクリントン米国務長官との会談では、両者とも同長官の言う北朝鮮の「挑発的行為」に対する懸念を表明した。前原外相は中国が示唆している6カ国協議再開について、北朝鮮が「具体的な行動」を起こせば、日本が受け入れる余地ができるだろうと述べた。ただ、その行動が何であるかは特定しなかった。

講演で環太平洋連携協定(TPP)に対する農家の懸念への対応方法を聞かれた同相は、日本の国内総生産(GDP)に農業が占める比率が1.5%にすぎず、国として残り98.5%に注目すべきだと答えた。

さらに、「貿易自由化を日本再生のきっかけにすべきだ」と強調。農業を守るための施策は失敗しており、農業従事者の平均年齢は66歳弱だと説明した。

また、6月をめどにTPP交渉に参加するかどうかを決めるとして、菅直人首相のスタンスを踏襲した。

記者:Peter Landers

2011年1月7日 ウォール・ストリート・ジャーナル日本版


「数百人の聴衆」はマエバリのことを何だと思ったでしょうか。今は「与党」である「民主党」に属するらしい、このアヤシゲな東洋人を、彼自身の発言から日本の外務大臣であると確信することは極めて困難であるように見えます。おそらく彼はアメリカ政府の日本担当チームの一員であるとでも思ったのではないでしょうか。

その判断は正しくはないにしても真実をついたものであると言えるでしょう。マエバリは日本政府が直面すべき問題に関して不十分にしか認識していないばかりではなく、全くの他人事のように話します。

「TPPに対する農家の懸念への(日本政府の)対応方法」について尋ねられたマエバリは、日本の農業に置ける対GDP比が低いことを指摘し、「要するにどうでもいいことだ」と言わんばかりの態度を示しています。この発言は日本の農業従事者を怒り狂わせる可能性があるばかりではなく、同じ政府に属するはずの農政担当者に対しても著しく配慮を欠くものであると言わざるを得ません。

日本が島国でありその複雑な地形に展開している農業が、大規模機械化農業を念頭に置いた「大胆な農業改革」には適さないことは周知の事実であり、マエバリの発言は「死刑宣告」にも等しいものですが、一方で彼は、それは高齢者福祉の問題に過ぎない、と言っているようです。それは農地の、とりわけ山間部の農地の荒廃を意味することになりますが、マエバリは国土交通大臣として始まった彼の国務大臣としての経験から学ぶことが少なかったことも、周知の事実です。

彼は日本にTPPへの参加を要求するのとそっくり同じように、中国にも「民主化」を要求しています。その視点は全くアメリカのものなので、「聴衆」の混乱を招くことは避けられません。中国が「米国に代わり日本の最大貿易相手国になった」にも係らず、日本にとって日米同盟が「死活的な重要性を持つ」と語るとき、その意味は不明です。しかしながら中国の経済的な躍進が、アメリカにとっての日米同盟の重要性を増すことになる可能性はあるでしょう。

このアヤシゲな東洋人が「アメリカ」を主語として語っているように見えるのは、もしかすると東洋的な謙遜と傲慢の入り混じった態度で、頭の足りないアメリカ人に対して日本人が幼児に呼びかける時のように語りかけているのかもしれませんが、彼がアメリカの為に全力を尽くすであろうことは期待出来そうです。

マエバリにとっては日本農業の破滅もしくは「改革」は、アメリカ経済の主要な障害である「反米」的な日本の農業従事者の団体を解体を意味します。その後で農業がどうなろうとマエバリの知ったことではありませんが、これはかつて日本の国鉄「改革」によって労働組合に壊滅的打撃を与えたのと同様の効果をもたらすものとなるでしょう。もちろん、日本の農業生産がゼロになってしまうことはないと思われますが、「大胆に改革」された農業においては、それに従事する人は「賃金農奴」化することが予定されています。

ILOには農業従事者及び農村地域における手工業または関連職業に従事する賃金労働者の結社の自由を守る「1975年の農業従事者団体条約(第141号)」というものがあり、正式な名称を「農業従事者団体並びに経済的及び社会的開発におけるその役割に関する条約」と称し同時に採択された「農業従事者団体並びに経済的及び社会的開発におけるその役割に関する勧告」を伴っていますが、例によってこの条約は日本では批准されていません。
http://www.ilo.org/public/japanese/region/asro/tokyo/standards/st_c141.htm

そればかりかこの条約はTPPに加盟もしくは加盟を希望している諸国のいずれにも批准されていません。労働者を使い捨てるなんてもっての他、死んだら畑の肥やしにでもしてしまおうという人たちにとって、農業は「穴場」となりえます。当該産業の特性はありとあらゆる労働規制を無視する口実になり得る一方で、それに従事する労働者を保護する仕組みは存在しません。いずれは何らかの措置が講じられる可能性はありますが、早期に参入して生き血を啜り、手早く儲けてとっとと撤退すべきフロンティアがここにあります。後に残るのは荒れた土地と飢えた人々です。

もっとも、「改革」された農業は餓死した労働者を勝手に肥料として畑に蒔くことを禁じるでしょう。遺伝子組み換え作物の導入とともに大量の化学肥料などの投入が義務づけられることになります。そしてそれらの薬剤に暴露された農業労働者の死体はさすがに危険すぎて手も出せないのです。腹が減っても共食いも出来ません。


posted by 珍風 at 19:20| Comment(8) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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