2011年01月15日

主は冷たい土の中に

江田法相:「死刑、欠陥抱えた刑罰」 執行命令に慎重姿勢−−就任会見


 江田五月法相は14日夜に首相官邸などで開いた就任会見で、死刑制度について「死刑という刑罰はいろんな欠陥を抱えた刑罰だと思う」と述べた。その上で「法定刑に死刑があり、裁判で選択して確定することもある。死刑だけ法相が執行命令するのはどういう意味があるのか、しっかり考えていきたい」と慎重姿勢を示した。

 江田法相は死刑執行について「普通の刑罰なら機械的に執行するが、死刑だけは法相が命令する。国民世論、世界の流れも考え、政治家として判断すべきもの」とした上で、「国民の皆さんが許されざる犯罪にけしからんとなるのはよく分かるが、人には寿命がある。それいけやれいけと執行するのとはやや違うと思う」と述べた。【石川淳一】

2011年1月15日 毎日新聞


いい歳をして「しっかり考えていきたい」そうですが、今まで何を考えていたのか、いささか疑問なしとしません。そのくらいのことはちゃんと考えてから法務大臣になるならなってほしいものであります。まあ、例によって「仮免許」の積りかもしれませんので、稚拙なハンドルさばきで轢死的に殺されてしまう人も出ることでしょう。

今のところ江田さんの言葉はどうとでも解釈できます。「死刑だけ法相が執行命令する」ことになっているのが「欠陥」である、という解釈も可能で、これだと死に神、てゆーか単なる殺人狂の鳩山弟さんと同じことになります。江田さん自身がこれに気が付いており、「それいけやれいけと執行するのとはやや違うと思う」といっていますが、自ら「やや」とか、「と思う」と言う程度の違いでしかなかったりするそうですから、もしかするとおおむね同じなのかもしれませんし、これから同じになる可能性を秘めていると言ってもいいのかも知れません。

どうも江田さんは死刑執行にあたって法務大臣は「国民世論、世界の流れも考え、政治家として判断する」という機能を負っていると考えているようです。時事通信社ではこれを「世論の動向などを踏まえて慎重に判断する」と解釈しており、これは「世界の流れ」の方をを切り捨ててしまうという、かなり思い切った判断をあまり「慎重」にではなく行った結果だとはいえ、現在の民主党政権の中に置かれた江田さんが転びそうな方向を示唆するものであるともいえるでしょう。

言うまでもなく「国民世論」は例の「85%」ということになっていますし、「世界の流れ」はみなさんご承知のとおりです。この二つは全く相反しているのであって、江田さんはその間でヤジロベーのようにフラフラしているものの、判断基準は明確です。「政治家として」判断するんだそうです。

菅政権における「政治家」の意味に注意すべきでしょう。それはある人のあり方でもなければ何かをするための手段のようなものでもありません。それは一つの「目標」であって、彼らにとっての「政権交代」とはその目標の達成であったわけです。そういう人たちが沢山いて、それが「政権交代」を成し遂げる力となりました。

こういう人たちは誰かほかの人の「手段」になってしまうことになっているのですが、現状で何が起こっているかというと、「手段」の人が「目的」の人を否定しています。なんというかいまどき大変に弁証法的であるのは結構な話ですが、手段を目的に置き換えてしまった点が歴史への反逆ではないかという気もします。

んなことはどうでもいいのですが、要するに江田さんは「政治家」であり続けるための「判断」をするであろう、と思われます。言うまでもなく江田さんの「政治家」としての地位に「世界の流れ」はあまり助けになりません。「世界の流れ」は人を「思想家」にしてくれるかも知れませんが「政治家」にはしてくれないのです。人を「政治家」にし、「政治家」であり続けさせるのは「国民世論」です。

そういう事情で江田さん期待できるのは死刑の「欠陥」とかいうものをカイゼンして死刑制度をブラッシュアップすることくらいでしょう。例えば高齢者には執行を差し控える、という方向が江田さんの発言から導かれます。キチガイとかもやめといた方がいいとか、冤罪の疑いのある人も執行しない。そんな当然のことから始めてみるのも一つの手ではあります。

死刑囚には執行前にオムツをはかせると何かと便利だ、というカイゼン案も出るかも知れませんが、死刑を廃止だの何だのということは期待できないようです。江田さんは「法定刑に死刑があり、裁判で選択して確定することもある」ことをことのほか重視しています。逆にいえば、「欠陥」は直すためにある。たとえば婚姻制度には「欠陥」があって、同性同士ではできないとかいうことがあるわけですが、それが婚姻制度そのものの廃止にはつながらないようなものです。同性でも結婚できるようにすれば、婚姻制度はより洗練されるのです。

そんな江田さんも取り調べの可視化には「積極的」なんだそうですが、一方で

内閣改造・閣僚会見


 間違い、許されない

 中野寛成国家公安委員長

 警察は国民の人権、生命、財産を守るための実力行使の機関。間違いはひとときも許されない。(首相からは)機密情報漏えい事案を踏まえ、再発防止策を講じるよう指示を受けた。サイバー犯罪など新たな脅威にも直面しており、時機を逸することない対策を講じる。北朝鮮による拉致は主権の侵害で、重大で悪質な人権侵害。被害者家族は高齢で救出は時間との戦い。全ての被害者の一刻も早い帰国に向けて一層の力を注いでいきたい。

2011年1月15日 時事


「事案」とかね、すっかりオマワリさんの言葉がイタにツいてきていますが、キチガイはともかく間違いは許さない、というのであればなぜ取り調べの可視化への言及がないのか、まったく理解できないわけですが、よく考えたら中野さんの言う「間違い」というのは「機密情報漏洩」なんかのことで、冤罪で死刑になったとかそういう意味ではないようです。

菅さんは取調べの可視化なんて余計なことはすっかり忘れているので中野さんに指示しなかったのです。それどころか菅さんは、結果として、なかなかの慧眼であります。この後早速、石川さんが自主的に取り調べの可視化を行ったことが明らかになりました。言わないことではありません。今頃は「カシカ」というキャラクターがスク水を着て毎日テレビに出てきていてもおかしくないところですが、そうなっていないのにはちゃんと理由があるというわけです。

菅さんはその独特の弁証法的運動において「一個戻る」という双六的なことになってしまったので、弁証法もアテにはなりませんが、それでもちゃんと「主」を殺そうとしてはいるのです。そしてその後には「自然」の流れに任せていれば「自分」がおさまるというものです。


posted by 珍風 at 19:56| Comment(2) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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