2011年02月28日

暴走過呼吸ダッチワイフ

特捜部の起訴権分離検討=「暴走しやすい」−笠間検事総長


 笠間治雄検事総長は28日、都内の日本記者クラブで会見し、村木厚子元厚生労働省局長が無罪となった郵便不正事件の再発防止策として、特捜部から起訴権を分離することを検察内部で検討していることを明らかにした。特捜事件で主任検事を補佐する立場に公判部など他部の検事を置き、起訴の可否を判断させる案が浮上しているという。

 笠間検事総長は特捜部による独自事件について、「個人的には、自分で捜査、起訴するため暴走しやすいと考えている」と述べた上で、「内部では賛否両論がある。外部からの声などを総合的に判断したい」と話した。

 3月からの試行を決めた特捜事件の取り調べ一部録音・録画については「不適切な取り調べは必ず根絶できる」と理解を求めた上で、「全面可視化は説得過程も録画されるなど組織的犯罪で難しく、容認できない。取り調べに頼らなくてもいい武器が付与されたら考えようもあるが、今はそうしたシステムが確立されていない」とした。

2011年2月28日 時事


笠間さんには口がダッチワイフになりそうです。もっとも、そういうダッチワイフもいささか古典的ではないかと言われている昨今ではありますが、定価68万円也の高級ラブドールも、もし彼女が「本物そっくり」だとしたら、この発言を聞いて先祖帰りしてしまうのではないでしょうか。いかにももったいない話であります。

笠間さんによると特捜部は「自分で捜査、起訴するため暴走しやすい」から「起訴権を分離」すれば良いんじゃないかということです。どうしてそういうことになるのかちっともわかりません。「警察の事件は検察が冷静な目で判断する」ことになっているので、特捜部にもそのような仕組みを作ろうという話らしいのですが、どんなもんだか。

検察の「冷静な目」というのがどんな目だか知りませんが、おそらく「冷凍した目」か何かの間違いではないでしょうか。とりあえず凍らせて保存してあるかもしれませんが、何も見えません。このような「目」のおかげで、実際のところ夥しい冤罪事件の発生をみているのが現状であります。警察の事件ですら検察は「冷静な目」で見ていません。ましてや検察の事件を検察の他部の検事が「冷静な目で判断する」など、到底無理な相談であるというべきでしょう。

笠間さんは立場が立場だけに根拠なく検察を信頼しているようです。もっとも立場が違っても、検察を信頼しなければならない場合には、根拠なくして信頼するほかに道はありません。したがって笠間さんに「「不適切な取り調べは必ず根絶できる」と理解を求め」られても困ってしまうわけで、検察を信頼してどうぞ安心して密室にお越しくださいと言われてもそういう気持ちにはなりにくいものです。

もっとも世の中には奇特な人がいないわけではありません。笠間さんの言いたいようなことを全て代わって言ってくれているのか、笠間さんがこっちの人の意見を聞いて喋っているのかよく分らないというほど、驚異の人肌モミモミ感まで再現した拘りの逸品です。

【主張】特捜事件可視化 新たな捜査手法が前提だ


 東京、大阪、名古屋各地検の特捜部は3月18日から、取り調べ過程の一部の録音・録画(可視化)を試行する。対象を特捜部が手がけた事件で容疑者を逮捕したケースに限り、「真相解明機能を損なわない範囲内」としている。

 報告を受けた法相の私的諮問機関「検察の在り方検討会議」には、可視化の範囲に対する批判や、全面可視化を求める意見もあったという。

 だが、全面可視化には賛成できない。捜査機関が冤罪(えんざい)を生んではならないが、犯罪を摘発しなければならない責務もある。取り調べを全面的に可視化してしまうと、真実を聞き出すことは極めて困難になるだろう。可視化の論議は、刑事司法手続き全体の見直しと並行して進められるべきだ。

 今回の試行は、厚生労働省の元局長の無罪が確定した郵便不正事件を受けて行われる。大阪地検特捜部による押収資料の改竄(かいざん)は、到底許すことができない権力の犯罪だった。全検察を挙げて猛省すべきなのは当然である。

 ただ、特捜部の主たる対象事件は政官界の汚職や企業犯罪だ。物的証拠の乏しい疑獄事件では、供述に頼るケースが多い。被疑者の聴取は、全人格を懸けた対決にもたとえられる。時には取調官もプライバシーをさらけ出す。目の前の録音・録画機材は、「真実の吐露」の妨げにならないか。

 取り調べの全面可視化を導入している英国やイタリア、豪州、米国の一部の州では、併せて司法取引や通信傍受なども認めている。司法取引とは、被告人が共犯者を告発したり捜査に協力することを条件に、刑を軽減するなどの捜査手法のことだ。

 供述を得にくい贈収賄事件や暴力団犯罪、テロ事件などの捜査に有効だとされる。可視化によって捜査力の劣化が懸念されるなら、こうした新たな捜査手法の導入を検討すべきだ。日本を「疑獄天国」にしてはならない。

 特捜事件ではないが、昭和40年、「吉展(よしのぶ)ちゃん誘拐事件」で逮捕され、否認を続けた容疑者が涙で犯行を認めたのは、警視庁の担当刑事による郷里の母親からの伝言だった。

 「もし息子が誤ったことをしたなら、どうか真人間になるように言ってください」。全面可視化の取調室で、母の言葉は被疑者に伝えられるだろうか。

2011年2月25日 惨刑新聞


ここんちの人にジャーナリストの真似をしろとは言いませんが、「可視化によって捜査力の劣化」を「懸念」しているのは、「新たな捜査手法の導入」をやりたがっている人だけです。もっとも、海外諸国で「テロ事件などの捜査に有効だとされる」のは別段「司法取引」だけではありません。第一「司法取引」が可能なのは容疑者が犯罪組織や「テロ」組織の一員である場合だけです。むしろ、かなり「有効」な「捜査手法」が「拷問」であることは誰でも知っています。これなら容疑者が犯罪に関わっていない事実があるとしても、そんなことは捜査の妨げになりません。

このような「新たな」というよりはむしろ古くからある「捜査手法」の活用に際して、「一部可視化」が何の障害にもならないことは明白でしょう。脅かしたり侮辱したり苦痛を与えている間はカメラを止めていてよいのです。検察は今まで通り杜撰な捜査をすることが出来ますから、「一部可視化」の代わりに検察に何かくれてやる必要などはないのです。

「全人格を懸けた対決」というのもおかしな話でして、これもむしろ取り調べ側が招いた事態であるといえるでしょう。たかが犯罪くらいで相手の全人格を否定し、萎縮させ威圧し、もって相手の「人格」に打ち勝ってそれを自由にコントロールして思うような供述を得ようとする、というような捜査手法がそのような「対決」を招いたり、「真人間」だの「土下座」だのという茶番を演じることにもなるようです。

それにしても、取り調べが全面可視化されると取調官は容疑者の母親の言葉(とされるもの)を「伝える」ことができないのでしょうか。別に出来るのではないか。どうせ落とすための演技ですから土下座つきでもやる分には一向に構わないのではないかと思わざるを得ません。それが自分のプライドある仕事だと思うことができるのであれば。それともこの「美しい」話の裏には何か表ざたにできないようなマズいことでもあったんでしょうか。

てゆーか実は小原さんを落とした決め手が「母親の土下座」だったというのは平塚八兵衛さんが相当脚色している疑いが濃厚です。もちろん平塚さんのことですから、それこそ「拷問」のようなこともあったのかもしれませんが、小原さんに関しては小原さんが自分で余計な事を喋ってアリバイを崩しちゃったことが大きいようです。これをきっかけに矛盾点を理詰めで追及していくことになります。産経新聞や笠間さんは知らないかもしれませんが、捜査には「拷問」や「感情」に訴える茶番、「司法取引」や「囮捜査」といったトリックの他にも、比較的当たり前なので忘れられがちな古典的な「手法」があるようです。まあ笠間さんにはそんなことムリなんでしょうけど。
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2011年02月25日

歴史の始まりと終わった男

2万6000円に「びっくり」=子ども手当論議時、満額困難を示唆−菅首相


 菅直人首相は24日午後の衆院本会議で、民主党が衆院選マニフェスト(政権公約)で子ども手当の満額支給額を月2万6000円としたことについて「私もこの議論がなされている小沢(一郎)代表の当時、『2万6000円』と聞いたときに一瞬ちょっとびっくりしたことを覚えている」と述べた。

 社民党の阿部知子政審会長が「現実の財政状況の中で満額2万6000円の給付は当面不可能だ」と指摘したことへの答弁。当初、満額支給額の多さに驚き、実際の支給も困難との認識を示したとも受け取られる発言で、野党側の反発が予想される。

 首相は子ども手当支給の現状について「(半額の)1万3000円(支給)を実行している」と説明した上で、9月をめどにマニフェストを見直す考えを重ねて表明した。

2011年2月24日 時事


またまた「実務家」の面目躍如たる発言であります。この人も少しは「実務」の方に勤しんでみてはどうかと思うのですが、あいにく与えられた仕事は「実務」ではありません。とにかく「政権交代」を一刻も早く「戻す」という、いわば「虚務」が役割ですから、そのためには実に下らないことも平気で口にしなければならないのです。

岡田さんも一緒になって「びっくり」に加わったようですが、この人たちは当時「びっくり」して、それでどうしたかと言うと、どうもあまりにも「びっくり」しすぎて何も出来なかったようです。とりあえず「びっくり」したものの、それはそれで終わってしまい、後はぴくりともしなかったようなのは、彼等の立場上些か問題なしとはしません。

自民党の谷垣さんは「『小沢さんが提案したものだからおれは責任を負わないぞ』と言っているように聞こえた。無責任極まる発言だ」と言っています。確かにそれもあるでしょう。この間は桜井さんも「公約は当時ごく一部の人が中心になって作った。作った人たちが出てきて、きちんと説明してもらいたいというのが偽らざる気持ちだ」などと、かなり「無責任」なことを言っていましたし、現在の「民主党」執行部の姿勢がマニフェストに対して無責任であることは間違いないでしょう。

とはいえ、この「びっくり」がそのままスルーされてしまったのは、菅さんや岡田さんが「小沢(一郎)代表の当時」から無責任であったからである、とも言い難いものがあります。いや、別にその「当時」は彼等にも責任感というものが溢れていて、最近になって急に無責任になったと言いたいわけではありません。人の性格がそんなに簡単に変わってはたまるものではありません。

もっとも、加齢に伴う脳機能の低下などによって人格の変容をきたすことはままあるとのことですので、菅さんや岡田さんもそういう年頃なのかもしれないのですが、これはどうもそういうことではないようです。要するに、菅さんや岡田さんはあのマニフェストに関して責任を負わなければならないとは思っていなかったのです。彼等は「政権交代」が起こるなどということは全然考えていませんでした。

そんなもんですから、多少「びっくり」したところでどうせ「野党の言い分」ですから大丈夫、と思ったんでしょう。その次に自分が代表になった時には、好きなようなマニフェストを作れば良いのです。前のマニフェストで政権を取れなかったのであれば、マニフェストを変更することには十分な理由があるわけです。

ところが困ったことに民主党は政権を取ってしまいました。これは「民主党」の想定外の事態です。「そんなつもりではなかった」というのが菅さんの本当のところでしょう。そんな菅さんにとって、2009年のマニフェストなどは単なる迷惑でしかありません。実行する気もなければ守るつもりもありません。なんたって「びっくり」しちゃうようなもんだったんですから。

幸いなことに、旧政権党を中心に、「政権交代」もしくは「マニフェスト」に関して菅さんと思いを同じくしている人が沢山いますから、現在装いも新たに括弧付きの「民主党」となった「民主党」はそういう人たちとの連携を模索しているところで、菅さんはそのために「民主党」の代表をやっておられます。もっとも、旧政権と同じなら旧の方に政権を戻せ、というのが旧政権の偽らざる気持ちでしょうし、その方が道理にかなっているわけです。

もちろん「政権交代」を予測出来なかった菅さんは有権者のニーズなど知ったことではありませんし、そんなことを考える気もありません。おまけに政権を担うつもりもなかったのですから、それはそれで首尾一貫した態度であると言えるわけですが、何のために政治家をやっているのかよく分からないといえばその通りでもあります。

しかしながらこれは考えようによっては大変なことで、菅政権は史上稀に見る「政権を失うための政権」であり、いわば「死滅に向かう権力」なのです。その彼方に待ち受けているのは旧政権が再び政権を取り、「政権交代」などなかったかのように永遠に統治を続ける「歴史の終わり」に他なりませんが、それで終わったかと思っていると「びっくり」させられること請け合いであります。
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2011年02月23日

日の丸特攻自爆テロ

小沢氏処分の常任幹事会決定要旨 


 民主党の小沢一郎元代表の処分に関する22日の常任幹事会決定の要旨は次の通り。

 【強制起訴】党所属議員が刑事事犯等に問われて逮捕・起訴された場合は離党届の受理か、倫理規則に基づく処分を行ってきた。検察審査会の起訴議決に基づく強制起訴が通常の検察による起訴とは異なることについて一定の考慮は必要だが、国会議員本人が起訴された事実は重い。判決確定までは推定無罪の原則が働くが、それは検察による通常の起訴も同様。公訴事実の認定は司法判断に委ねられており、処分の是非についての判断材料とすべきではない。

 【元秘書の起訴】小沢議員の元秘書3人が逮捕・起訴されている。直ちに倫理規範に反する行為に該当するとは認められないが、小沢議員の資金管理団体に関し、元秘書が逮捕・起訴されていることも考慮すべきだ。

 【政倫審】執行部は役員会決定に基づき、衆院政治倫理審査会に速やかに出席するよう要請してきたが、小沢議員はこれに応じていない。これも考慮すべきだ。

 【結論】小沢議員本人が強制起訴されたことは、倫理規範に反する行為に該当すると認め、通常の起訴と異なる点があることを踏まえ、当該事件の判決が確定するまでの間の「党員資格の停止」処分とする。

 【停止期間】党の指針は党員資格停止の期間は「1回の処分で原則最長6カ月以内」としているが、裁判手続きに要する期間を予見することはできないため、例外として、その期間を判決確定までの間とする。判決結果により、別途処分が検討される場合があることを付記する。

2011年2月22日 共同


岡田さんは「強制起訴と普通の起訴は違うと考えているので、そういう意味で従来に比べれば軽いかもしれない」と言っていますが、そんなに軽くないかも知れません。「判決確定まで」というのは場合によってはほぼ無期限ということを意味します。

したがって「強制起訴と普通の起訴は違う」と言っているようですが、「違う」からどうなのかよく分かりません。実際のところ常任幹事会は「一定の考慮は必要」とはいうものの「国会議員本人が起訴された事実は重い」としていますので、「違う」点についてはあまり「考慮」していないものと考えられます。「除籍」もしくは「離党勧告」の処分としなかった理由は、専ら党勢の維持を目的としたものでしょう。

まあ、小沢さんの方も「検察審査会の起訴議決に基づく強制起訴が通常の検察による起訴とは異なる」と言っているわけですが、それに対する民主党の「判決確定までは推定無罪の原則が働くが、それは検察による通常の起訴も同様」という見解はある意味で当然ではあります。しかしながら近頃では「通常の起訴」における検察の「確信」とやらがどういう体のものであるのかっつーことは餓鬼でも知っていますから、検察による起訴であっても「無罪」がより強く「推定」されますし、強制起訴の場合は「無罪」は「確信」されさえするかも知れません。むしろ従来の「逮捕・起訴された場合は離党届の受理か、倫理規則に基づく処分を行ってきた」という方針自体、いかがなものであったかと思わざるを得ないところでしょう。

これは「起訴されたこと」が「倫理規範に反する行為に該当する」とは言えないだろう、ということを意味します。そもそもこれはおかしな理屈でありまして、何かを「される」ことが「行為」に該当するものであるのかどうか疑問なしとしません。自分は何もしていなくても何かを「される」ことは多いものですし、警察や検察がらみだとそのような危険はより深まります。人生いつ何時身に覚えのないことでとっ捕まらないとは限らないのが日ノ本の習いです。むしろこれは強姦被害者の「落ち度」をことさらに言い立てる類いの暴論でありましょう。

この処分は「民主党」が検察への忠誠を態度に表したものであるかも知れません。きっと何か疾しいことがあるか、裏取引でもあるのではないかと疑うのが人情というものです。もっともこれは多分に「民主党」を買いかぶった推定でありまして、あの人たちのことですからただ単に、検察様のご機嫌を損ねるのが怖いだけなのではないかという気もします。菅さんによれば検察官も皆さん「有能」ですから、無能な人たちとしては尻尾を振るに如くはありません。取調べの可視化が一向に進まない、てゆーかむしろ逆方向に強力なドライブがかかっているようなのももっともなことです。この点、「民主党」には期待出来ないでしょう。

もっとも「民主党」にどの点を期待していよいのかよくわかりません。何も期待出来ないという話もありますがそんなことはありません。パカッと割れてしまうことなどは大いに期待出来そうです。あるいはボロボロと崩れるのかも知れませんし、グッシャリと潰れたり、ドカンと爆発する可能性もあります。周りを巻き込む迷惑千万な爆発に菅さんの勝算があるのかも知れません。そうでなければわざわざ検察に尻尾を振ってみせる意味がありません。てゆーか爆発でバラバラになって残ったのはピクピク動く尻尾だけだったり。
posted by 珍風 at 05:45| Comment(3) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年02月20日

ワンセグにセイカイカメラ

石原発言の要旨


 「核問題の議論」に対する東京都の石原慎太郎知事の発言の要旨は次の通り。

     ◇

 隣には北朝鮮があり、その国には邦人が何百人も拉致されていた。中国は、尖閣諸島にああいう仕掛けをしてきた。ロシアは北方四島を暴力的に奪い、回復することなしに今度は中国と共同開発をするという。核を持っている国が、核の保有で日本に対してはっきりした敵意を持っている国が間近にある。こういうシチュエーションの国家は世界にない。

 今さら領土を返せと言ってもそんなものはセンチメントにすぎない。日本政府の高官が、ロシアの大統領とか首相が北方四島を訪問することを「けしからん」と言っても、犬の遠ぼえにもならない悲鳴でしかない。通用するわけがない。

 領土問題で日本がはっきりものを言う。しかも条件付きで言うことができるようになることが必要。その発言の力をバックアップするのは軍事力。世界はそういうメカニズムでしか動いていない。

 オバマ米大統領がノーベル平和賞をもらった後に、新しい核兵器のシミュレーションをやった。日本もコンピューターでまずやったらいい。どれくらいの期間で開発できるのか。

 国連は信用できない。安全保障理事会の常任理事国は全部核を持っている国。既得権で後は絶対入れない。そういう中で、国民もうすうすいろんなものを感じている。あちこちで領土問題が起こり、発言力が全然なくて、いつも物を言われて萎縮するしかない。

 ましてや、今の内閣は典型的な無能内閣になった。これからの活路はいろいろあるだろうが、その一つに「日本も持とうと思ったら持てるんだぞ」ということを、せめて高いレベルで議論することを国民が歓迎するのはごくごく当たり前。国民の危機感の表れだと思います。

2011年2月18日 産經ニュース


なんですか、「条件付き」ってのは、この文脈だと「領土を寄越さないと核攻撃するぞ」みたいなことを言う、ということになるんですかね、「北朝鮮」とロシアと中国に。なかなか見上げたもんですが、こういう人がいる以上は核なんか持たない方が良いようです。

石原さんもこういうことを言うからには核にビビっているわけですが、なにも軍事力は核兵器ばっかりではありません。総兵力ならびに総火力において日本は中国もしくはロシアにかないませんから、たとえ核兵器を保有したところで軍事力において勝ることは出来ません。したがって石原さんの考え方によれば「そういうメカニズム」に従って、やっぱり「いつも物を言われて萎縮するしかない」ことになります。

こんな石原さんに「無能」呼ばわりされる菅さんがなんだか可哀想でもなんでもありませんが、石原さんは特に外交に関して見識を持っているわけではないこと前原さんと同断であることを知れば少しは気が休まるかも知れません。石原さんの核に関するアイデアは「北朝鮮のミサイルが日本に当たれば、長い目で見て良いことだろうと思った。日本は外界から刺激を受けない限り、目覚めない国だからだ。」というような、はなはだ暢気なものであったりもするのです。

連合赤軍の末裔である石原さんは日本が「目覚める」ために多少殴ったりする必要があると思っているだけのようです。問題は「北朝鮮」の方で石原さんの思うとおりに攻撃を加減してくれるかどうかなんですが。いずれにしてもこういう連合赤軍式のやり方だと、「目覚め」させなければならない相手が永遠に眠ってしまったりすることが多いものだということは戸塚宏さんの経験でも解っていると思うんですが、石原さんは解っていないようです。

もっとも、もしかしたら「北朝鮮」だったら石原さんに協力してくれるかも知れません。早速核実験用の坑道の掘鑿を始めて石原さんを支援しているかのようです。あとはロシアや中国に交渉してどっか差し支えないところに1発落としてもらうようにすればいいわけですが、そんな交渉をしている暇があったら領土問題を片付けた方がよりマシであることは言うまでもありません。

ともあれ、石原さんは毎日のように面白いことを言っているので東京都民には人気があるんだそうですが、石原さんの貴重な発言をそのまま放置しておくのはもったいないということで、頓馬ドット株式会社ではこの度デジタルTV上で作動する拡張現実ソフトウェア「セイカイカメラ」を発表しました。

TV視聴時に「セイカイカメラ」を起動すると画面に登場する人物に関連する情報がフキダシのように重ねて表示されます。付加情報には本人の経歴や過去の発言一覧などがあり、ユーザは新たな情報を自由に付加することが可能であり、その情報も全ユーザに共有されます。

したがって石原さんがTVに映ると、

「前頭葉の退化した六十、七十の老人に政治を任せる時代は終わったんじゃないですか」などという名言や、

「せっかく頼まれて人を送ったら村議会のばかどもが否決した。おれは『お前ら、東京の顔をつぶしたな。そのうちひどい目に遭わせてやる。覚えていろ』と言ったんだ」と言ったかと思ったら

「自分の言うことを聞かなかったら邪魔をするぞというのは、フェアじゃない。スポーツマンの言うことではない。非常にチープな政治家ですよ」と言ってみたり、

「日本の兵士が死亡するのを見れば国民は怒り、結束し、政府を支持するだろう」という発言に続いて

「他人の不幸をチャンスとして喜ぶような表現は日本人の感性に合わない」というのが出て来るので善良な都民の皆さんはすっかり混乱してしまうというわけです。

もちろん渡辺美樹さんが出てきても

「ビルから飛び降りろ!」

などという甘ったれたセリフがフキダシになって表示されますが、これの実践例の報道記事にもリンクが貼られていたりするので大変参考になります。

役員刺した元社員、自ら油かぶり火つけ飛び降り


10日午前11時過ぎ、大阪市中央区内久宝寺町のビルで「人が刺された」と110番通報がありました。警察が駆けつけると、3階の運送会社「ヒガシ21」の副社長・中村靖さん(66)が左脇腹などを刺されて倒れているのが見つかり、重傷です。中村さんを刺したのは元社員の55歳の男とみられ、隣のビルにある駐輪場の屋根の上で、意識不明の状態で倒れているのが見つかりました。ビルの関係者によると、男は3階のエレベーターホールで中村さんともみ合いになり、灯油のようなものを自分にかけて火をつけ、飛び降りたということです。警察は、退職をめぐるトラブルがあったとみて調べを進めています。

2010年12月10日 テレビ朝日


ところで石原さんはどうやら都知事選に出る気でいるみたいですから、「セイカイカメラ」の活躍が多いに期待されるわけですが、

「いい質問だ 救われる」 東京・石原慎太郎知事 


 「とってもいい小説書いているよ。いい質問だ。ちょっと救われるよ」

 4月の都知事選を控え、都議会や、外食大手「ワタミ」前会長の渡辺美樹氏(51)の出馬表明などで浴びるように進退に関する質問を受けた1週間。石原慎太郎知事は18日の定例会見で、3期12年の創作活動を聞かれると頬を緩めた。

 この日も、都議会で都議から出馬要請を受けたことについての感想を聞かれ「非常に影響もあるし非常にないかもしれない」と渋面。

 だが、「趣味より大事なもの」という文学についての質問に変わると表情は一転。「人間は仕事しながら他の趣味を持つことで発想力が出てくる」

 今後の創作活動には「書いたら素晴らしいと思う長編小説が7本ある。死ぬまでに間に合うか分からないけど」とおどけてみせた。

2011年2月20日 産經ニュース


こんな「いい質問」をしたヤツの気が知れませんが、石原さんの「仕事」というのは何なんでしょうか。石原さんにとって文学は「趣味より大事なもの」なんだそうですから、あれでも文学が「仕事」なのかも知れません。そのうえで「他の趣味を持つことで発想力が出て来る」んだそうですから、文学のために「趣味」として都知事を続ける必要があるようです。石原さんの「趣味」につき合わされる都民は自業自得というものですが、そういわれてみれば成る程、「趣味」の域を出ないものではあります。

どっちが、という話もありますが、売れない長編小説を7冊も出版しなければならないとあっては、この出版不況下に文芸春秋社にとっては死活問題でしょう。もっとも、石原さんが見事に落選して文学に精進され、売れない本をどんどん出して文春が倒産するのであれば、世の中のために良い事をしたということになりそうです。
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2011年02月19日

筋が通らぬ呆れた異様な行動に問われるクソ拭き紙の国民の生活における使い道

「あまり目くじらは立てない」とカッコつけてみても世間は大評判、てゆーか早速マスゴミは包囲網を敷きましたよ。

 参加メンバーの代表格である渡辺浩一郎氏は、予算関連法案の採決時に反対する可能性について「あり得る」と認めた。あらかじめ明白な造反行為を想定しているなら、会派離脱ではなく離党すべきだろう。

 そもそも、16人はいずれも当選1〜2回で、衆院比例代表選出の議員だ。民主党の看板で当選しながら、このような行動に出ることに正当性はあるのか。

2011年2月18日 産經新聞「主張」
「16人会派離脱届 呆れる『権力闘争ごっこ』」


「権力闘争ごっこ」と言うワリには一生懸命批判「ごっこ」をしている産經さんは「民主党の看板」というのは単に「民主党」という文字列のことだと思っているようですが、「看板」とは2009年の公約に他なりません。「当選1回」つーのは正にその「看板」を背負っている人ですね。

「看板」を裏切っているのは菅さんたちの方なのですから、「離党」しないで「このような行動に出る」ことには充分な「正当性」があるんですが、この見やすい理屈がマスゴミには全く理解されないようで、各社様こぞって「きっぱり離党すればいい。」(朝日)「いっそ集団離党する方がすっきりするのではないか。」(讀賣)「離党した方がよほど筋が通るというものだ。」(毎日)「党の了承を得て無所属に転じるか、議員辞職するのが筋」(日経)だと騒ぎ立てています。

てゆーか多分そのうち本当に離党しそうな勢いですから、これを単なる「内紛」として片付けるのは、希望的観測に基づいた頓珍漢な非難に過ぎないのかも知れません。

 確かに今回の分派行動は菅直人首相にとって大きな打撃となり、政権の行き詰まり状況を表すものだろう。こうした内部抗争が続けば続くほど、民主党そのものへの国民の不信は増幅していくだけだ。まず、それを指摘しておく。

2011年2月18日 毎日新聞社説
「民主党内紛 会派離脱は筋が通らぬ」


「内部抗争」かどうか知りませんが、『毎日新聞』ではみんなで揃って悪い方向につっ走ることによって国民の信頼を得ているんだそうです。まあ、確かにマスゴミはそれをやっていますな。そんなことやってるから新聞が売れないんです。まず、それを指摘しておく。

毎日さんや産經さんには洒落にならんかも知れませんが、比較的売れている『讀賣新聞』は部数をかさに着てより大胆であります。

 渡辺氏らは、菅政権が前向きな姿勢を示している衆院選政権公約(マニフェスト)の見直しや消費税率引き上げについて、「国民との約束を捨てた」などと強く非難している。

 菅政権は、政権公約を大胆に修正すべきだ。財源を含む社会保障と税の一体改革の具体案作りも急ぐ必要がある。

2011年2月18日 讀賣新聞社説
「小沢系『離脱願』 問われる菅首相の統治能力」


大胆にも「国民との約束を捨て」るべきだと書いているわけですが、菅さんなどまだまだ公約の破り方が足りない、もっとやれということでしょう。しかしこれは「民主党政権交代に責任を持つ会」が反対していることに賛成しているだけですから、意外にもナベツネさんは現「民主党」に対する認識においては一致していることが明らかになりました。ただちょっと人格に問題があって、約束を破ることをなんとも思わないようですが。

ついでに『日本経済新聞』も似たようなことを書いています。

 民主党が「国民の生活が第一」という看板を下ろさないのであれば、政策実現より党内政局を優先するような対応は許されない。

 民主党は予算関連法案の修正や、社会保障と税の一体改革などの具体案を早急にまとめ、自民党などとの接点を探ることに全力を挙げるべきだ。

2011年2月18日 日本経済新聞社説
「国民の生活より内紛が第一の民主党」


「看板」とか「一体改革」を「急」んだとか、「民主党」と違って統制が取れていることはよく分かりましたが、日経の「国民」にはビンボー人は含まれていないこともみんな知っています。

それにしても『朝日新聞』は何かのっぴきならない事情でもあったようで1日遅れで社説を出しましたが、それは人をして深い宗教的思索へと導くような、そういう類いのものでは一切ありません。

 この造反が罪深いのは、菅首相に打撃を与えるからではない。有権者が「そんなことをしている場合か」とあきれかえり、政権交代への幻滅や政党政治そのものへの冷笑という病をさらに重くしかねないからである。

2011年2月19日 朝日新聞社説
「小沢氏系造反−異様な行動に理はない」


これはもう、どう読んでも書いた人のお人柄がひしひしと伝わって来る、とでも言いたいようなものです。「政権交代への幻滅」や「政党政治そのものへの冷笑」をもたらしたのは主に菅さんに他なりませんから、これは暗に菅さんのことを批判しているととられても仕方がありません。

菅さんも最近では精神のお加減が思わしくないようですので、このような当てこすりは毒になりますので控えたいものです。しかしながら、この文章はそっくり『朝日新聞』にお返しすることが出来ますし、コピーしてその他各社にも転送するのも喜ばれます。「政権交代への幻滅という病」のウイルスを製造してバラまいてくれたお礼に。
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2011年02月17日

粛正と内紛のあいだ

枝野氏、小沢氏処分巡る亀井氏「連合赤軍」発言に「内紛とは言わない」と反論


 枝野幸男官房長官は16日の記者会見で、国民新党の亀井静香代表が民主党の小沢一郎元代表の処分問題をめぐり「連合赤軍を思いだす」と発言したことに関連し「党の規約に基づいて、党の機関でしっかりと手続きを踏んで進められている。内紛とは言わない」と反論した。

2011年2月16日 産經新聞



枝野さんが珍しく正しいことを言いました。そうです、「内紛」とは言いません。「粛正」と言います。まあ、亀井さんが遠慮してそんな言葉を使わなかっただけなのかも知れません。

それにしても「連合赤軍」だそうです。亀井さんは昔取調べたことのある永田洋子さんが死んだもんだからちょっと思い出したんだと思いますが、確かに「ちょっとした違いを取り上げて追及し、総括して殺してい」ったわけですが、アレは「違うから殺した」というワケでもないでしょう。

アレは多分、大変に厳しいお舅さんやうるさい姑がいるようなもんです。そういう人たちが嫁を家風に合わせようとして教育しようとしたのではないか。もっともこの「教育」にはゴールがなく、姑さんが死ぬまで終わることはありません。家風に合わない嫁は死んでしまっても仕方がない、というのは些か過激ですが、嫁と違って単に追い出せば良いというわけではなかったという事情もあります。

あそこのお宅では家風に合わせることを「共産主義化」と言ったわけですが、そういうことはどんな集団にもあります。あまり思想的な問題ではないようで、お家にもあるし、学校にも会社にもあるでしょう。野球部が坊主頭を強制されるように革命戦士は髪を切らなければなんなかったりするのはフツーのことです。

多くの集団はある目的を持っていて、そのために集まっているのですが、連合赤軍の場合は、まず共産主義化された革命戦士を育成することを目的としていました。嫁を働かせたり餓鬼を生ませたりするよりも先ず家風に合わせさせることを第一の目標にしてしまったようなものですが、相手を「正しい」道に導こうとする点では「私が直す!」と言っているのと同様です。おそらく連合赤軍の正当な後継者は戸塚ヨットスクールでしょう。

いずれにしても社会の変革を目指す集団が現行社会のあまりよろしくない傾向をより強化した形態で保持していたことが明らかになったんですから、その手の集団に加入しようという人がいなくなるのも道理です。そういうことはお家や学校や会社で沢山のメに遭っているんですから、これ以上集団のストレスに晒されるのは危険レベルを超える可能性があります。

ちなみにそういう意味では結婚もヤバいのですし、妊娠出産などはもってのほかであります。田舎の方では、本当に、妊婦さんがちょっと派手な格好をしたり、お化粧でもしようものなら糾弾されてしまいます。殺されないのは餓鬼を生ませるという目的が優先しているからでしょう。都会の方ではもうちょっと開けているようですし、お金が沢山あるとウルサい舅や姑から離れて生活することも出来ますから大分楽になりますので、女の人はそういう条件と結婚したがるものですが、そう上手くいくものでもないようです。

このように人生いたるところ連合赤軍ありですから民主党が連合赤軍でも良いような気がしますが、「踏み絵」の対象になるような1年坊主は別として、いくらなんでも小沢さんを総括して「民主党員」としての自覚を持たせるとか、新自由主義者として覚醒させようとか、そんな無理なことは考えていないでしょう。それに民主党の執行部と小沢さんとの「違い」は「ちょっとした」ものには留まらないものであるとも考えられます。

もちろん、「共産主義化」の「敗北」を重ねた結果、とても「革命」どころではなくなってしまった、という点において、小沢さんを排除することによって政権運営を危うくしている民主党は連合赤軍と似ているのかも知れませんし、連合赤軍が自ら殺害することによって失った同士は4割を超えますから数字の加減もナカナカ良いわけですが、いくら連合赤軍でも最初からそんなに沢山殺すつもりではなかったでしょう。しかし民主党執行部は党が崩壊しても自分たちは政権の椅子に座り続けるつもりでいるようです。実はそのためには小沢さんがなるべく沢山連れて出て行ってくれる方が望ましいのかも知れません。
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2011年02月15日

調和と協和の国、日本

エジプト:熱気冷め、不協和音 警官隊デモに市民怒声


 【カイロ鵜塚健】市民のデモの力でムバラク前大統領の独裁体制を倒した「革命」から2日たった13日、カイロの熱狂の温度は徐々に下がり始めている。タハリール広場から去るべきか去らざるべきか、議論を続けるデモ隊を軍が押しのけ、車を通し始める。デモ隊を弾圧した警官らは市民との和解と待遇改善を求めデモ行進。ムバラク政権から任命された幹部の追放を求め、銀行員らはストを決行した。改革への熱い思いの次の矛先を探しあぐね、カイロは戸惑っているように見える。

 「政治犯の釈放が先だ」。広場に居座りを決め込んだデモ参加者が排除しようとした兵士にくってかかる。小競り合いになり、兵士が棒を振り回した。軍と市民が衝突するのは初めてだ。軍は市民が泊まり込んでいたテントの撤去作業を開始した。「新しい国づくりに向け、当面軍を信じていいのではないか」(食堂経営、マフムードさん)との声もあるが、軍主導の暫定統治でムバラク一派が居残るのではないかと疑問を呈する人もいて、果てしない議論が続く。

 地元メディアによると警官隊が隊列を組み賃上げを求めてデモを始めた。「市民と警察は手を携えている」。つい先日まで、デモ隊に催涙弾を撃ち、暴行した警官隊の主張に、「非人間的な行為をやったのはおまえらだ」と市民から怒鳴り声があがる。「すべて上からの命令でやったんだ」。あまりの怒りの激しさに泣き出す警官もいる。軍はデモを解散するよう指示し威嚇射撃した。内務省前に移動した警官らにワグディ内相は、「チャンスがほしい」と待遇改善への努力を約束した。内相は警官らが市民への暴行で訴追されないことも示唆した。

 広場では銀行員らが「(幹部は)去れ」と大声をあげる。ムバラク前大統領に指名され、高額な報酬を得る幹部への不満が爆発したのだ。教職員組合の男性らが「権力にコントロールされるのはごめんだ」と叫んだ。

 ムバラク前大統領を倒して自由を得ることでは一致していた市民の次の目標は多様だ。一体感を取り戻そうと、デモ隊は18日の金曜礼拝の日に「勝利の行進」を予定している。

2011年2月14日 毎日新聞


鵜塚さんには気の毒ですが、これは「不協和音」ではありません。ついこの間まで不当逮捕と拷問にあけくれ、民衆をいじめてきた警察官が「便乗」しようとするのを許さないのは当然のことでしょう。エジプトでは政府系銀行、国営鉄道、石油省、保健省などでデモが発生しており、その要求はムバーラクさんに気に入られて高待遇を得ていた幹部を追い出し、一般職員の待遇を改善することです。彼らは自分の職場のミニ・ムバーラクを追放しようとしているのです。

一般に長期政権は社会の隅々にまでその影響力を及ぼしており、特にお役所関係では旧政権と良い関係を築いてきた人がトップにいるものです。そういう人たちを放っておくとロクなことになりません
。彼らはすべての変革に組織的に抵抗し、やがて反撃に出てリベンジを果たしてしまうでしょう。ムバーラクさん一人が辞任したからといってそれですませるわけにはいかない道理です。

先日鳩山さんは、外務省や防衛省の官僚連中が県内移転に固執しててダメだったみたいなことをボヤいていましたが、それこそ「政権交代」が進行していなかったということに他なりません。日本では民主党が選挙に勝って、それで満足してしまいました。国民がそれで気が済んでしまったようなのは残念ですが、民主党自身がそれで「終わった」と思ってしまったのが敗因でしょう。

それでも小沢さんなどは旧政権の集票マシーンを奪取すべく努力していたようですが、追いつきませんでした。何よりも旧政権に忠誠を誓ったからこそ出世して偉くなっている官僚やマスゴミをどうすることもできなかったのは、公務員の組合を動かすことのできる可能性があり、マスゴミ内部にもシンパが多く存在した民主党であっただけに残念な展開であったと言えるでしょう。

その意味で「組合に乗っかっている民主党に公務員改革ができるのか」と言った橋下さんは誤っており、「組合に乗っかっている」にもかかわらず「改革」ができなかったことの方が問題であったりします。まあ、民主党にはそんなつもりはさらさらなかった、あるいはそんなつもりのない人の方が多かった、という人の心を踏みにじるような可能性もないわけではないんですが。

いずれにしても、エジプトは現在のところ日本の轍を踏むつもりはないようです。デモは民主化プロセスを監視しており、軍との衝突こそその証拠です。警官のデモは望ましいものであり、「上からの命令でやった」んだったら、その「上」を引きずり出してくればよろしい。それができない間は市民の怒号に包まれるのもまた望ましいことに違いありません。エジプトのオマワリさんは市民の「激励」に応えるべきであり、「警官らが市民への暴行で訴追されない」というような甘い誘いに乗ってはいけません。そんなことになったら身の安全は保証いたしかねます。

それにしても高みの見物を決め込む極東の子ザルが「熱気冷め、不協和音」とは失礼な話ではあります。もっとも、鵜塚さんの立場を思いやることも大切です。まったくの話、本当であればマスゴミの記者さんなどは市民に怒鳴られて泣かなければならなかった立場なのです。鵜塚さんにしてみればエジプトのオマワリさんこそ自らのありえたかもしれない姿なのですから、恐怖のあまり糞でも漏らしながら「熱気が冷め」て「不協和音」を奏で始めることを祈っていたに違いありません。ああ日本が恋しいよな。
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2011年02月14日

僕の下半身とあなた

原口・維新の会に橋下知事「おもしろくなった」


 民主党の原口一博前総務相が13日、政治団体「日本維新の会」と「佐賀維新の会」を結成する考えを明らかにしたことで、大阪府の橋下徹知事は「おもしろくなってきた。有権者は既存政党に嫌気がさしている。中央政界の枠組みを超えて、(政治を)変革していかないといけない」と期待感を示した。

2011年2月14日 讀賣新聞


そんなに「おもしろい」のかどうか分ったものではありません。もっとも、気の狂った民主党執行部の方もかなり「おもしろい」ことをやっているのですから、政界はワケの分からん連中が何が何やら「おもしろい」ことをしでかす世界のようであります。

小沢氏「党員資格停止」=裁判終了まで−民主


 民主党は14日、国会内で菅直人首相も出席して役員会を開き、政治資金規正法違反罪で強制起訴された小沢一郎元代表の処分問題について協議した。その結果、小沢氏の裁判で判決が確定するまでの期間「党員資格停止」とすることを15日の常任幹事会に提案することを決めた。ただ、小沢氏を支持する議員らは処分に反発しており、党内の亀裂が拡大しそうだ。


 岡田克也幹事長は処分の理由について、(1)小沢氏の強制起訴(2)同氏の衆院政治倫理審査会への出席拒否(3)元秘書3人の逮捕・起訴−の3点を挙げた。これに対し、輿石東参院議員会長、平田健二参院幹事長、羽田雄一郎参院国対委員長が「処分は必要ない」と反対を表明。しかし、首相は「幹事長の提案を是とする」とし、党員資格停止が妥当と結論付けた。


 小沢氏の処分は、常任幹事会が党倫理委員会(委員長・渡部恒三最高顧問)の意見を聴取した上で最終決定する予定で、岡田氏らは早期に決着させたい考えだ。

2011年2月14日 時事


「党員資格停止」というのは、大雑把に言って党費だけ取られて党員としての権利を剥奪されることですが、それでも党員であることに何らかのメリットがあればともかく、最近では別に資格を停止されていない党員まで党員であることを隠したがる民主党でありますから、これをやると小沢さんとしては民主党から出て行く良い「口実」になるかも知れません。

まあ、別にいいんですが、昨年9月の代表選の盛り上がり方を見る限りでは、世間の皆さんが小沢さんに注目するとこと大であることに異論はないでしょう。党内勢力の大きさは言うまでもありませんが、やはり民主党は小沢さんあっての民主党であるという側面は否定出来ません。

とはいうものの、2009年に「政権交代」を成し遂げた民主党は、例の「マニフェスト」の民主党ですから、現在の民主党とは縁もゆかりもない、何だか知りませんが全然別の政党であるようなのですから、小沢さんにいてもらっても困るんでしょう。もっともそうなると議員の半分は「水増し」みたいなもんですから「3分の2」だとか暢気なことを言っている場合でもないんですが。

一方、民主党を「乗っ取られて」口惜しい思いをしている鳩山さんが自派議員と小沢派及び弟やネズミ男を誘って新党を結成するかの観測があるそうですが、これは「憲法改正」を掲げるそうです。いや、それは民主党の「2009マニフェスト」にも、巻末に「国民の自由闊達な憲法論議を」というのを入れてもらってましたが、これは改憲志向を隠さないとはいえそれが具体的な政治日程に上らないという保証でもあったわけです。

おそらく「改憲」は票に結びつきませんが、それだけに、それに対する民主党てゆーか菅直党としては、当分改憲はしない、と言っていれば大丈夫です。社民とも組めます。しかし鳩山新党は同じ改憲志向の自民党と組むことは出来ません。改憲の目的が異なるからです。自民党のそれは単に日米軍事同盟の運用のためですが、鳩山さんのは必ずしもそうではありません。

まあ、鳩山さんとこも上手くいったら平気で自民党と組んだりしそうで、政治の世界ですから何でもアリですが、一方で小沢さんとこの原口さんは河村さんや橋下さんと連携しようとしており、この辺が「第三局」として有望視されるに至っているのは渡辺喜美さんにためには気の毒なことですが、別に僕の友達じゃないので知ったことではありません。

もっとも、「減税」だの「地域主権」だのが本当に「国民の生活」のためになるかどうか、些か疑問なしとはしません。これはそれらの「政策」がどーのこーのというよりは橋下さんや河村さんの政治姿勢が「国民の生活」を志向しているとは思えないわけですが、ここに小沢さんが加わるとどうなるか分かりません。

今の民主党にしても、あんな惨状を呈しているとはいえ、元々の民主党はあんなもんだ、という言い方も出来るわけです。むしろ普通なら民主党に票を入れないような人が2009年には入れたのであり、それは民主党が支持されたというよりは小沢さんが民主党そのものを国民のニーズに合わせてカスタマイズしたということです。小沢さんが「政権交代」の「功労者」であり、これを大事にしなければならない、というのはその意味です。

小沢さんは国民のニーズを汲み取ることを重視しており、河村さんについてもその点を評価しています。これが足腰であるということを考えると、鳩山さんはちょっと下半身が弱いように見えるのは、あの人は要するに学者ですから仕方のないところがあるとはいえ、奥さんがああいう感じですから下半身については断定し難いところがあるわけで、それでも使い道がないわけではありません。

そういうわけで小沢さんが「維新の会」をどう使って、鳩山さんと連携していくのか、というところが今後の見所ということになりますので、渡部恒三さんが明日あたり何を言うのかはどうでもいいことですから僕はチョコ喰って寝ますが、自分で買ってきたのを奥さんが溶かして作ったヤツでから。「力が衰えている」んですよ、下半身が。ええもう、そうですとも。
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2011年02月12日

イラクとバチカンとエジプトの建国記念日

どっか東の方の口だけはでかいことを叩く島々のそれとは違って、エジプトの「建国記念日」はどうやら本物なのかもしれませんが、1979年の同じ日に革命政権をおっ立てたイランが

「偉大な勝利」たたえる=イラン


 【エルサレム時事】イラン外務省報道官は11日、同国のアラビア語衛星テレビ局アルアラムで、ムバラク・エジプト大統領の辞任について、「偉大なエジプト人の意志によってもたらされた偉大な勝利である」と述べ、民衆デモの成果をたたえた。AFP通信が伝えた。ムバラク氏の辞任が発表された11日はくしくも、1979年のイラン革命から32周年に当たる。


 イランはエジプトとの国交を断絶したままだが、今回の民衆蜂起への支持を表明。最高指導者ハメネイ師は、エジプトにイスラム体制の樹立を呼び掛けていた。

2011年2月11日 時事


と、何だか見当違いなくちばしを挟む一方では、それに対抗して

「エジプト国民、世界変えた」 
米大統領、ムバラク氏辞任を歓迎


 【ワシントン=弟子丸幸子】エジプトのムバラク大統領の辞任を受け、米欧など国際社会の各国首脳から歓迎の声が相次いだ。オバマ米大統領は11日、ホワイトハウスで「ムバラク氏は辞任によってエジプト国民の変革への渇望に応えた」との声明を発表。「エジプトの人々は自身の国を変えることで、世界も変えた」と語り、エジプト国民の民主化運動をたたえた。

 オバマ大統領は「これは(政権)移行の終わりではなく始まりだ。困難な日々が待ち受けている」と指摘。エジプト軍部に対して「国民が信用できる移行を進めねばならない」と呼び掛け、非常事態法の解除、自由で公正な大統領選挙と憲法改正などの具体的な措置を求めた。

 同時に「米国はエジプトの友人かつパートナーであり続ける」とも語り、民主化を全面支援する姿勢を強調した。

2011年2月12日 日本経済新聞


などと、「米国はエジプトの友人かつパートナーであり続ける」という、これは場合によっては人をすっかりうんざりさせてしまうようなものでもあり、ストーカーの人はよくこんなことを言っているみたいですが、エジプトは早くもそれを狙う様々な勢力の脅威に囲まれているというわけです。

現状ではアメリカと関係を密にしているであろう軍部が全権を掌握しているようですから、次期大統領は「エルバラダイ」さんか「スレイマン」さんか知りませんが、まあアメリカとしては一安心というところであって、オバマさんのほとんど手放しの「エジプトの人々」への賞賛は余裕の表れであると言って良いでしょう。

もっとも、「拷問庁長官」スレイマンさんが次期大統領になったりだとか、彼が実権を握って軍政が固定化するというというようなことになるとかなり不安定化するかも知れません。一方でエジプト人民は当日のところは大変に楽観的であります。

「自由がやってきた」=政権打倒、民衆の歓喜爆発−街頭はお祭り騒ぎ


 軍最高評議会が権力を掌握することになったが、学生のアマルさん(21)は「軍が公正な選挙への憲法改正など民衆が望む民主化を進めてくれるはずだ。軍が民衆の要求に背くなら、再びタハリール広場を占拠する。民衆はデモという体制監視の武器を手にした」と未来への期待に胸を躍らせた。


 一方で、30年の独裁が倒れた急激な政変への戸惑いの声も。ある男性は「今までに味わったことのない喜びだが、将来への恐れと心配があるのも事実」と打ち明け、「選挙まで軍がどう国政を運営していくのか、全く分からない」との不安を口にした。ガマルさん(49)は「国に奉仕してきたムバラク氏がこうした形で政権の座を追われたのは悲しい」と複雑な表情をのぞかせた。

2011年2月12日 時事



アマルさんは「軍が民衆の要求に背く」見込みは少ないと見ているようですが、そういうことがあったら「再びタハリール広場を占拠する」と言っています。ということは解散してしまうようなのですが、そういえばデモ隊の「新党」というか、名乗りを上げているグループ、「若者の怒りの革命連合」だとか「若者たちのエジプト」、「我々はみな、ハーリド・サイードだ」ってのもありましたが、それらはどうなったんでしょうか。

どうもムバーラクさんが早期に辞任することによって、これらの新しい勢力が雲散霧消してしまう可能性がある、てゆーか軍主導の「辞任」の主要な目標はそれだったのではないでしょうか。すでに軍と拷問長官、「エルバラダイ」と野党とのあいだで「秩序ある」政権移行への道筋はほとんど付けられていたのであり、それらの人々にとってその障害はムバーラクさんではありません。むしろムバーラクさんが居座り続けることによって、街頭勢力が若くて革新的な、世俗的で、何よりも反米的な新たな政治勢力として台頭して来る可能性があるのであり、ムバーラクさんが結果としてそのような勢力を育てることになってしまうことを怖れた、ということも考えられます。

したがって「デモ」が「体制監視の武器」であるならば、それはこの「移行期」にはむしろ機能し続けなければならないでしょう。タリハール広場は占拠し続けられる必要があります。それ故に軍はこの広場を占拠し、監視し、封鎖さえするかも知れません。そして「軍が民衆の要求に背」いた暁には、若者たちは先ず第一にこの広場を軍から奪取することから始めなければならないのです。
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2011年02月11日

甲種第2類優良殺人者免許証

無罪判決が確定したら平田さんには「ゴールド殺人免許」ですよ。一般のオマワリさんは普通の「殺人免許」ですから「ゴールド」を取得するように頑張って下さい。

発砲の警官に無罪判決 中国人死亡、宇都宮地裁


 栃木県西方町で2006年6月、中国籍の羅成さん(当時38)が、県警の巡査長、平田学被告(35)=当時巡査=の発砲で死亡した事件で、宇都宮地裁は10日、特別公務員暴行陵虐致死罪に問われた平田被告に無罪(求刑懲役4年)の判決を言い渡した。佐藤正信裁判長は「発砲は正当防衛にあたる」と述べた。同地裁の付審判決定で裁判が始まっていた。検察官役の指定弁護士は控訴を検討する。

 判決によると、羅さんは06年6月23日夕方、西方町真名子の路上で、平田被告から職務質問をされて逃走し、民家の庭にあった竹の棒や石灯籠(いしどうろう)の宝珠(重さ約3キロ)を持って抵抗した。平田被告が拳銃を1発撃ち、弾は羅さんの腹に命中。羅さんは死亡した。当時、羅さんは研修ビザの期限が切れていた。

 法律が定める警察官の武器使用の基準に照らして、発砲が正当防衛にあたるか否かが争点だった。佐藤裁判長は、拳銃を構えた平田被告と宝珠を掲げた羅さんが相対した場面について「羅さんが突然、一気に距離を詰めながら、1メートルもない至近距離から攻撃を加える急迫性の高い状況だった」と指摘。発砲は自身の生命身体を守るため、やむを得ずにした行為だったとした。

 裁判で、検察官役の指定弁護士は「平田被告は羅さんの攻撃に対し、警棒や威嚇射撃で対応できた」として、発砲は違法で、正当防衛も成立しないと主張していた。

 判決後、検察官役の指定弁護士の太田うるおう主任弁護士らが記者会見し、「判決内容を分析し、検察官役として証明できなかった事実は何かを検討したうえ、控訴するかどうか決めたい」と語った。

2011年2月11日 asahi.com


なんかこれ、状況がよく分からないんですが。平田さんは壁際に追い詰められてでもいたんでしょうか。それだと若干同情の余地はあるといえるでしょう。もっとも、そんな平田さん側に有利な状況が存在したとすれば判決でも言及され、マスゴミも書いているでしょう。警察側に有利なことがあったかも知れないとおもわれるとき、報道されていないのであればそれは存在しないと考えるべきでしょう。

もっとも、追い詰められ、頭上に宝珠を掲げられた状態で相手を射撃した場合、宝珠はそのまま平田さんの頭の上に落ちて来るかも知れないのですから、そのような極めて「急迫性の高い状況」では、発砲が行なわれないものであると思われます。逆に言えば「急迫性」がそれほど高くない場合でなければ発砲は行なわれません。

一口に「発砲」と言っても使い捨てライターの着火のように簡単には行かないんですが、平田さんもそこは警察官ですからタイミングを過たず射撃に及んだようですが、判決も認める「至近距離」であるにも拘らず狙いを外しているのは残念な結果です。

平田さんは「至近距離」から左太股を狙ったのに「左腹部」に当ててしまいました。警察ではどういう訓練をしているのか、ちょっと興味のあるところです。的に当てたりしているのでしょうか。ちゃんと出来るのは引金を引くところまでで、弾がどこへ行くのかはよくわからん、たとえ「至近距離」といえども弾丸の行方については責任を負いかねる、という人が拳銃を携帯してそこら辺をうろついている状況は極めて剣呑であると考えられます。

もっとも、オマワリさんがそんないい加減な人ばかりであるとは限りません。平田さんの名誉のために、平田さんが狙いを外していない可能性にも言及すべきでしょう。平田さんの弾は平田さんの狙ったところに飛んで行ったと考えてあげることは大切なことです。平田さんは腹部を狙って撃ったのであり、それは相手が強そうだったので脚部に当てたのではその攻撃力を減殺出来ないと思ったからではないでしょうか。

一般に腹部なんかを撃つと相手が死んでしまう可能性が高いのですし、警察ではオマワリさんにそういうことを教えています。そしておそらく、警察ではオマワリさんに、万が一相手が死んでしまっても罪に問われることはないだろう、ということも教えているのかもしれません。そうでなければいくら平田さんでも人を射殺する決心などなかなかつくものではありません。

それにしても殺された羅さんは、特に「犯罪者」というわけではありません。「公務執行妨害」なんだそうですが、それはあらゆる「公務執行妨害」の例に漏れず、平田さん側が作り出したものです。路上等で、相対的弱者を呼び止めて何らかの威力を持って何事かを要求する場合、それは「カツアゲ」とか「職務質問」とか呼ばれるわけですが、それを行なう者がオマワリさんという特殊な地位にある場合に限り、それに抵抗することは「公務執行妨害」と呼ばれるのであり、その内実は街頭でよくやっている争いごとと変わるところはありません。

そういう場合に、「弱者」と踏んだ相手が意外と強くて逆にやられちゃったりということも当然あり得ます。世の中とはそういうものです。見込み違いというものは誰にもあるもので、それがイヤなら「職務質問」などは止めておけばいいだけの話です。しかしオマワリさんは制服を着て威圧している他に拳銃なども持っているのですから、たいていの場合は勝てることになっています。

拳銃についても、見せるだけでも脅かしになるのであって、弾の入っていない拳銃が思わぬ威力を発揮することも多いものです。それでもダメな場合は拳銃についてデモンストレーションを行ないます。つまり「威嚇射撃」ですが、凄く大きな音がしますし、これで戦意を喪失してしまう相手もまれではありません。

このように、オマワリさんはその「実力」としてもかなり有利な立場に置かれています。逆に言えば一般市民はハンデを付けられているのであり、このような圧倒的な力の差があるのにオマワリさんにも「正当防衛」というものがあり得るというのが正直驚きですが、それはともかく、一般市民に対するハンデの設定は当然のことであり、それは本当はオマワリさんよりも一般市民の方がエラいからなのです。

オマワリさんも出来たら是非とも従うべき法律は、犯罪者を含む一般市民を保護することをその目的としている、はずです。実態はともかく、そういうことになっているのです。ですからオマワリさんは大きな顔をすることなく、道も端っこの方を歩いて、ご飯もあまり多く食べず、無闇に人に話しかけたりしないでおとなしくして、しかも呼ばれたら直ぐに飛んで来るように気をつけていることが求められます。

そういう心がけを忘れて市民に馴れ馴れしく話しかけ、気に入らないと怒る、などというオマワリさんは石で頭を潰されても仕方がないのかもしれません。しかし僕は常に良き主人であることを心がけ、みんなで使う「僕」を無闇に使えなくしたりすることに賛成するものではありません。彼等に「正当」な「防衛」などをする権利がある、と認めるのも社会の進歩というものでしょう。オマワリさんだって人間なんだ。

そしてそうであれば当然、市民もハンデはなしにすべきでしょう。僕たちも拳銃を買ってきて、オマワリさんの「腹部」に当てないようによく練習をしなければならないということです。しかしいくら練習しても狙いがはずれるという不幸な事態は誰にでも起きるというのであれば、オマワリさんの武装を解除する方がより望ましいことは言うまでもありません。
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2011年02月09日

キャンプについてのノート

さあ、今すぐキャンプに出掛けましょう。いいから行きましょう。イヤでも行くのです。誰でもやむを得ず出掛けなければならない時が来ないとも限りません。「自分にはそんなことは絶対にない」と思うのは単なる思い過ごしです。とりあえず心構えだけはしておいても損はありません。

もちろん急な話ですから、とりあえず前もって必要な物はありません。だんだん揃えていきます。だから多少のお金は持って出ましょう。あとはあなたの体力と、行く先々の風景を楽しむ心が支えとなるでしょう。

しかしながら何の予備知識もなくいきなり戸外に裸足で飛び出すのは考えものです。先達の言葉はどれもこれも貴重なものですが、「専門家」の言葉にも耳を傾けておくべきであることは言うまでもありません。

専門家も感心する「市橋達也のサバイバル術」ヘビの毒抜き完璧


 沖縄の離島の小さなコンクリート小屋に潜伏して、サバイバルの日々を生活を送っていたという市橋達也被告。その暮らしぶりは「専門家」の目から見てどうなのか、「朝ズバッ!」はサバイバル術に詳しい柘植久慶氏に評価してもらった。

 まず生活の基本となる住居にについては、「いいところを見つけた。野外生活としては条件最高だ」と高評価。中には火を焚けるかまどを作っており、コンクリートブロックの壁に穴をふたつ開けて通気を確保していた。これなら魚も焼ける。

 「穴は二つ開けるのがミソ」と柘植。ひとつだけだと風向きによって、室内が煙だらけになってしまうという。
 
 手記には毒ヘビらしきものを処理して食べたといった記述もあるが、その毒の抜き方、さばき方は完璧なんだそうな。

 こうしたことから、市橋はサバイバル術を相当準備、勉強したと見られるという。

 司会のみのもんた「だいたい、図書館でいろいろ文献を調べてって、すごいなあ」

 市橋の研究熱心さに素直に感嘆していた。

2011年1月27日 J-CASTテレビウォッチ


柘植さんが高く評価しみのさんが感嘆するその「サバイバル術」とは何か?その貴重なエッセンスがここにあります。数字は本のページですから、本を買った人が参照するにも便利なものです。

 15 急な出発に際してポケットに財布が入っていること
 16 アパートのごみ捨て場でジャンパーとサンダルを拾う
 18 駅の水道で怪我をした足を洗う
 21 図書館で飲食、新聞
 26 民家の駐車スペースに眠る
 30 配達員から新聞をもらう
 31 スーパーの裏口で残飯、ゴミ(衣料)をあさる
 32 ホームレスと服を交換
 32 線路沿いを歩く
 32 スーパーの試食品を喰う
 35 公園で眠る
 39 畑の茂みで眠る
 40 鍵のかかっていない車で眠る
 60 シイタケのビニールハウスで眠り、シイタケを喰う
 63 ラジオを聴く
 64 公園の障害者用トイレで眠る
 64 ホームレスからゴアテックス上下と寝袋をもらう
 67 コンビニの残飯を喰う
 73 西成でバックパックを拾う
 79 子どもには注意しよう
 80 公園や民家や店先の蛇口から水をもらう
 80 水場があるときは下着や体を洗う
 80 シャワーに使うためのホースを持つ
 87 ビワを喰う。糖分を摂ると頭が冴える。「そしてその時、急に、僕はリンゼイさんはもう生き返らないんだってわかった」
101 島に持って行くもの。ライター、調理器具、ビニールボート、寝袋、1週間分の食糧と飲み物、釣り道具、ナタ、洋服
102 島に持って行く本は?答えを持っていること。『ライ麦畑でつかまえて』
114 アルミ缶集めで金を稼ぐ
127 土工。重い物を担ぐコツ
130 飯場では少しでも疑われたと思ったら逃げる
131 島に持って行くもの。スコップ、野菜の種、ござ、大きなゴミ袋、虫眼鏡、飯ごう、鍋、裁縫道具、本、缶詰
132 図書館で動植物について調べる
133 蟹を食う
135 フィッシング情報
136 燃料は流木
136 ペットボトルの蟹の罠
136 潜水をしてウニ、エビ、ナマコ
136 ヤドカリを喰う
137 毒ヘビの調理法
141 蜂の子を喰う
152 土工。職場ではあいさつ、笑顔。「はい」と従うだけ
152 飯場で誰かに借金を頼まれたら「実家に送っている」と言う
153 働いて得たお金は腰に巻いて隠す
155 現場では「気に入られるようにしろ」
159 鼻の整形60万円
161 番号は大体「110」
161 島に持って行くもの。テント、イス
174 身分証明証のいらないマンガ喫茶に泊まる
182 飯場では身分について「書けないことがあったら書かなくてもいいよ」。犯罪者が逃げ込んで来ることを前提としている職場は存在するが
183 安全策はあってないようなものであり
186 土工は「人間でない」と思われている
201 最初の印象がいい人は、後になって態度が変わるから信用しない
212 眉間を高くする手術は40万円
217 インターネットはフェリーを調べるにも形跡が残る
226 空き家に捨ててあった服に着替える
230 パーティーグッズで変装なんて無理だ

これらは全てのキャンプ愛好家とファミリー、そしてオトッツアン、オッカサンならびにビンボー人各位にとって示唆に富むものであって、僕たちはこれを感謝して受け取るでしょう。オジサンのアイドル小向美奈子さんもご参考までに。「感謝」という言葉の意味を知るための一番いい方法は「感謝」されることです。
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2011年02月08日

美しい東京の私

石原知事に出馬要請へ 自民系各種団体


 今春の東京都知事選をめぐり、都内の約300の業界団体で構成する自民党系の「都各種団体協議会」は7日、常任世話人会を開き、石原慎太郎知事(78)に4選出馬を要請する方針を決めた。近く代表者が石原知事と面会し伝達する。

 同会では、出席者から「民主の知事が誕生したら、事業継続が危機的状況になる」「対外的に物を言える石原知事しかいない」など続投を求める声が相次いだ。

 石原知事は進退を明言していないが、各団体の新年会などでは出馬を求める声が強くなっていた。都連もこれらの業界団体を通じ、働きかけを強めていく。

2011年2月8日 産經新聞


やはり『産經新聞」はこうでなくっちゃいけません。実に見事なもんであります。ほとんど尊敬すべきだと言って良いでしょう。「自由が危ない」などと言って失笑を買っている場合ではありません。

これこそ見出しの鏡だと言って良いでしょう。ウソは一文字も書いてありませんが、しかし嘘八百です。見出しによれば、「自民系各種団体」が石原さんに出馬要請をしたようです。「自民党系」の「各種」の「団体」がです。ということはつまり、何だか知りませんが、とにかく沢山の、色々と「各種」の「団体」が方々で石原さんに出馬を要請しているのに違いありません。

ところが見出しだけを見て記事を読まない者は幸いなるかな。実際には石原さんに出馬を要請しているのは「各種団体協議会」というたった一つの組織なのですから、何だか急に寂しくなってしまいます。

中川雅治さんによれば「東京都各種団体協議会は昭和46年に設立され、自民党を支援する東京都内の様々な業種の業界団体300余で構成されています」んだそうであります。
http://www.nakagawa-masaharu.jp/report/20/0624kakusyudantai.html

しかしそんなことは天下の『産経新聞」にも書いてあります。何だか知りませんが東京には「自民党系」の「業界団体」が300位存在するということであります。もっともその「業界団体」は、各業界として独自の利害関係を主張することなく、300もの「業界団体」が集まって一致協力しているというのであります。これはいかにも不可思議なことであります。

「各種」の「業界団体」同士の間で利害の葛藤などは存在しないのでしょうか。てゆーか相互に関連性のない「各種」の「業界」の「団体」がいかにして「協議」を通して一致し、例えば石原さんに都知事選に出てくれなどという「方針」を「決める」ことができるのか、よくわかりません。

なにしろ石原伸晃さんによれば、そこには「トラック、タクシー、歯科、医科、看護、介護、食品、不動産」などという「分野が広い各種」というよりは単に「雑多」なだけの「業界」の「団体」が参集しているというのです。
http://www.youtube.com/watch?v=Jv1amEEsqaE

実際のところこの寄せ集めは自民党東京都連、てゆーか石原伸晃さんのマシーンです。というよりはむしろ、「東京都各種団体協議会」というのはただの自民党員の集まりに他なりません。自民党の幹事長自らパパに助けてくれと言っている、大変に微笑ましい親と子の関係が垣間見える、てゆーか衆人環視の中で恥ずかしげもなく展開するのです。

当の石原(父)は石原伸晃ってのは「誰ですかそれは? 勝手なこと言ってるらしいけどさ、はあ。それはそれでいいでしょう。彼には彼の責任があるだろうから。世の中には人材、もっとたくさんいると思うよ」などと言っていますが、石原さんの言うことを真に受ける人はいません。

しかしながら、もちろん石原伸晃さんが自民党の中で威張るには未だに親の七光りを必要とするという事情もあるんでしょうが、都知事選に際して自民党には「人材」がいない、「世の中」にはいるかもしれませんが、自民党には金輪際どこを探しても影も形も見つからない、という事実を見過ごすわけにはいかないでしょう。

もちろん、石原慎太郎さんが息子に、ひとつそっちの方から「要請」を上げてくれ、と頼んだ可能性も否定出来ませんが、どちらにしろ権力にしがみつく石原親子の動きは多分に恥ずかしいものであって、見るに耐えない醜態であるといって良いでしょう。

78歳にもなってこんなことをしている石原さんに対しては、「お前はムバラクか!」というツッコミを誰かがすると思いますが、まあ、少し若いようであるとはいえ、どうせ近いうちに死ぬわけです。もちろん早いに越したことはありませんが、「醜態」というのであれば石原慎太郎さんは今までにも散々それを、しかも世界中に晒してきています。今になってちっとやそっとみっともない真似をしたところで誰も驚きません。もちろん自分自身に恥じることはないでしょうな。

そして僕たちは「日本ってのはエジプトあたりと一緒かよ」と言われたら、「エジプトあたりと一緒にされては先方に申し訳ありません」と言うことが出来まるのです。つまり謙譲の美徳と日本の民族的独自性を誇示するよい機会であります。なにも石原さんは当選する必要はありません。出馬するだけで、ほとんど目を疑うほどの独特な日本的美の体現であります。
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2011年02月07日

拷問基地の騒音問題

エジプト:ムスリム同胞団、大多数支持得ず−−米大統領


 【ワシントン草野和彦】オバマ米大統領は6日、米FOXテレビの番組で、エジプトのイスラム原理主義組織「ムスリム同胞団」について、その「反米的思想」に警戒感を示しつつ、エジプト国内では「大多数の支持を得ていない」と評価した。その上で、憲法改正後の次期大統領選挙を経たエジプト政府と協力関係を築くことに自信を示した。オバマ政権はムスリム同胞団が加わったエジプト政府と野党勢力の対話を支持している。

2011年2月7日 毎日新聞


オバマ大統領のすばらしい指摘、すなわち「最大野党」であるムスリム同胞団は「大多数の支持を得ていない」のです。

もちろんオバマさんは、同胞団が「反米思想」だからそう言ったわけで、別に他意はありません。相手が「反米」でなければこんなことは言わないことは請け合います。実際、オバマさんは「同胞団主体のイスラム政権か、従来の世俗的な抑圧体制かの二者択一が迫られているわけではない」と言う一方では「エジプト国民が抑圧される状況」を公然と支持しています。

「エルバダライ」さんは可哀想に蚊帳の外に置かれたようですが、これは彼自身の失策によるものです。彼は共闘関係にある同胞団と同様に民主化を求める街頭の運動から距離を取っていたようであり、後からやってきて残り物の福を狙いましたが、しかし、このタイミングの悪い「遅刻」はいかにも目立ちすぎるものであったようです。

もっとも、この点についてはスレイマンさんが有力な競争相手を落とそうとしているということでしょう。スレイマンさんは同胞団と協議に入る一方で「エルバラダイ」さんをその席に呼ばないことによって「最大野党」と「エルバラダイ」さんを分断することに成功したのかもしれません。

その上で、アメリカは同胞団の影響力を最小化しようとしているようです。同胞団は「大多数の支持を得ていない」のです。しかしながら、これはむしろ当然なことです。いったい今どきどこの党派が「大多数の支持」を得ているというのか。

おそらく「大多数の支持」とは選挙制度のトリックによるものであり、これから「民主的」な選挙を行なおうとしているエジプトにはいまだ存在しません。事実、民主化を要求する声の「大多数」は、同胞団が直ぐに便乗するのを躊躇うほどに「世俗的」であったのであり、「エルバラダイ」さんが「遅刻」せざるを得なかったほどに「反米的」だったのであり、それは今までのエジプトの「与党」や「野党」の中には見いだせるはずもないものであったと思われます。

オバマさんはイスラームの鞭打ちとCIAの拷問のどちらでもない道があるかのように言っていますし、それは多分あります。しかしそれはオバマさんが言うような「米国のパートナーとなる政府」であるとは限りません。ところがオバマさんが求めているのは「エジプト国民の声を代表する政権」がめでたく「米国のパートナーとなる」ことです。

そして「エジプト国民の声を代表する」と称し、しかもアメリカの良きパートナーであった政権とは他ならぬムバーラクさんのそれであったことは明らかでしょう。アメリカは「ムバラク政権」の継続を望んでいるだけです。その限りではオバマさんはイスラームの鞭打ちと石打ちを諦めることが出来ます。それはゲシュタポの洗練された拷問技術によっで充分に補完することが出来るのです。それはCIAも一目置くアメリカにとっての中東の宝石です。周辺の自然環境へのダメージも比較的ソフトであり、何の心配もありません。防音してるから。
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2011年02月06日

象徴拷問制民主主義

エジプト副大統領が野党と権力移行で会談−米国務長官が支持表明


 2月6日(ブルームバーグ):エジプトのスレイマン副大統領は、9月の選挙前のムバラク大統領からの権力移行を協議するため野党指導者と協議した。権力移行のプロセスは米政府や同盟国も支持を表明している。
 
 スレイマン副大統領は5日、カイロで新ワフド党などの指導者と会談。与党国民民主党(NDP)では、ムバラク大統領の次男ガマル氏が政策委員長を辞任した。

 同副大統領は6日に憲法修正の準備を目的とした25人で構成する委員会のメンバーを指名する、とエジプト国営のアル・アハラム紙は報じた。同国野党は大統領選への立候補を困難にしている憲法上の制約を緩和するよう求めている。

 米政府もこうした動きを支持するとともに、同国に圧力を掛け続けている。クリントン米国務長官はミュンヘンでの会合で、「現在事実上スレイマン副大統領がトップであるエジプト政府が公表した権力移行のプロセスを支持することが重要だ」との見解を表明した。

 エジプトの首都カイロ中心部のタハリール広場でのデモは5日で12日目となったが、広場は秩序を取り戻している。エジプト政府の公式発表によると、今月2、3両日のムバラク大統領支持派と反対派の衝突では、11人が死亡した。

2011年2月6日 ブルームバーグ


スレイマンさんが副大統領になったのは先月の29日、それまではエジプトの情報機関のトップでした。これが「秩序ある移行プロセス」のスタート地点で、スレイマンさんの副大統領としての最初の仕事が「ムバーラク派」を動員して反政府デモの参加者を殺害し、ジャーナリストをぶん殴ることであったことは御存知の通りです。

ところが「アメリカの友人」イル=バラーダイーさんはスレイマンさんが暫定政権に加わることを容認しました。ちょっと待った、そいつは誰だい?俺を呼ぶなら英語風に「エルバラダイ」と呼んでくれ。

一方で「イスラム原理主義者」のムスリム同胞団もスレイマンさんと協議に入りました。これはアメリカが怖れている、と伝えられる「イスラム過激派」が存在しなかったことを示します。それは一種の「大量破壊兵器」の類いだったようですが、実際のところ相当脅かされたのではないかと思われます。しかし一方で示された宗教政党として「合法化」してもらうというエサに飛びつくことになったのではないか。

この両者は反政府派の代表でもなんでもないのですが、それだけにいち早くアメリカ主導の「秩序維持」に馳せ参じ、それぞれに分け前を期待しているところです。この「秩序ある移行」は、確かにエジプトに他の「民主主義諸国」のそれと同じような体制を約束するでしょう。つまり今までより広い人々に「セレブ」への道が開かれることになるというわけです。「トカゲの尻尾切り」にあうかと思われたムバーラクさんにさえ、「象徴」の地位が与えられるでしょう。

次を狙う「エルバラダイ」さんや同胞団の連中にとっては、もちろんそうするだけの価値があるのです。むしろこれは十二分すぎるほどだといっていいでしょう。街頭に置き去り資されたでも参加者は、これからは敵となる可能性が高く、なんとしても抑え付けなでればなりません。そんなとき、スレイマンさんこそ頼りになる男であるといえないでしょうか。

もちろん軍人であったスレイマンさんは軍からも支持されています。これは重要な点です。しかし彼は何よりも拷問請負人としてアメリカの信頼を得ていました。CIAは世界中から「テロリスト」容疑者を簀巻きにしてエジプトに空輸し、優れたスポーツマンであるスレイマンさんのスタジアムに委ねていたものです。この公認スポーツの種目は「電気ショック」、「水責め」、「殴打」、「指折り」、「吊るし責め」から「カラテ・キック」による殺害にまで及ぶものであったといいます。
http://www.crikey.com.au/2009/05/07/essay-the-many-renditions-of-mamdouh-habib/

この種のスポーツについて、エジプトではドイツ人の指導者を迎えて養成してきたようです。特にエジプト国家治安局のアリー・アル=ナシェールは改宗前の名をレオポルド・グライムというゲシュタポ幹部でした。スレイマンさんはゲシュタポ直伝のナチ式拷問の伝統を受け継ぐ正統の後継者なのでした。

したがって「エルバラダイ」さんが「野党側の多くが、スレイマン氏が大統領側近で不適格と考えていることについては「解決可能な問題だ」と述べた」(共同)のも当然です。スレイマンさんならそのような問題はスポーツマンシップに則り「体で解決可能」です。もちろん「体」そのものがどっかに消えてしまうことも珍しくないわけですが、それはそれで一種の「解決」に他なりません。

アメリカが押し付ける「解決」は「移行プロセス」ではなく従来の政治体制の「仲間を増やす」ことでしかなく、独裁者を「象徴」に頂いて私腹を肥やすアメリカのイヌが世界で一番痛いイスラームの鞭打ちと世界に冠たるドイツ科学の電気拷問でビンボー人を抑圧するという、ほとんど理想的な「アメリカの秩序」の実現なのですから、今直ぐに拒否されなければこれがエジプトの政治体制として固定されることになるでしょう。
posted by 珍風 at 14:22| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年02月04日

実務家のコマシ方

連勝連敗の僕が大きなことを言えた義理ではないんですが

首相は革命家でなく実務家…菅氏が辻元氏に


 菅首相は3日夜、都内で民主党会派所属の辻元清美衆院議員らと会食した。

 出席者によると、首相は政権運営について「革命家でなく実務家でなくてはいけない。きちっと仕事をして、きちっと実績を残せる人だ。俺は頑張りたい」と語ったという。社会保障と税の一体改革などを念頭に置いた発言とみられる。

2011年2月4日 讀賣新聞


いかにもマズい口説き方であるといえるでしょう。「俺は」ときたもんだ。それは結構なことですが、「頑張りたい」というのは如何なもんでしょう。「頑張りたい」というのは、実際には「頑張らない」可能性があるわけです。いや、別に頑張らなくてもいいんですが、なんとなくアテントっぽくなってしまうのは致し方ありません。

それにしても「実務家」というのは何のことでしょうか。菅さんによればそれは「きちっと仕事をして、きちっと実績を残せる人」なんだそうですが、こんなことを言うと「革命家」というのは「いい加減に仕事をして実績が残らない人」みたいですが、まあそういえばそんな気もします。

「デジタル大辞泉」によれば「実務家」とは

1 実務に携わる人。
2 実際の事務を要領よくこなすことにたけている人。


なんだそうで、何かを「要領よく」「こなす」のが得意な人のことのようです。同じく「デジタル大辞泉」では「要領がいい」というのは

1 処理のしかたがうまい。手際がいい。
2 手を抜いたり、人に取り入ったりするのがうまい。


ことを指すようですが、しかし「手を抜いたり、人に取り入ったりする」ことは「処理のしかたがうまい」ことと矛盾しません。特に「実務」に関して「疎い」場合は、「手を抜いたり、人に取り入ったりするのがうまい」ことがそれを「こなす」ための唯一の手段であったりします。

「こなす」については多くの意味があるそうですが

1 食べた物を消化する。
2 かたまっているものを細かく砕く。
3 技術などを習って、それを思うままに使う。また、身につけた技術でうまく扱う。自在に扱う。
4 与えられた仕事などをうまく処理する。
5 売りさばく。
6 見下げる。けなす。
7 動詞の連用形に付いて、自分の思いのままにする意を表す。うまく…する。完全に…する。


確かに菅さんは「食べたものを消化する」ことに「たけている」ようです。しかしながら「疎い」人は「使う」ための「技術」の持ち合わせがないことから、「4」の意味が当てはまるでしょう。したがって菅さんは誰かに「与えられた仕事などを」「手を抜いたり、人に取り入ったり」して「うまく処理する」、そういうものに私はなりたい、なるように頑張るけどなれないかもしれない、ということのようです。

このような口説き文句は、フツーのお嬢さんには通用しそうです。部長の娘を口説くのにも良いかもしれません。しかしながら社長のお嬢さんがこれで落ちるかどうか、若干の心配なしとはしません。そもそも人に言われたことをやるだけだと言い切っている人は次期社長候補にものぼらない可能性が極めて高いのではないでしょうか。

ましてや辻元さんは取締役です。取締役にとっては与えられた仕事を「要領よくこなす」人などというものは要するに自分の部下です。それは優秀な、てゆーか優秀に見えるだけの三下に過ぎません。菅さんが「実務家」とか言っているのはまさに「人に取り入ったり」するものに他ならないと言えるでしょうが、相手によりけりです。そこらへんを見誤る辺り、早くも「実務家」失格の烙印を押されることは避けられません。

それともこれは何か夜の楽しいプレイのお誘いなのでしょうか。しかしこの場には菅さんの奥さんもいたというではないですか。なかなか大胆な「実務家」です。ほとんど何を考えているのか分かりません。とにかくそんなことを言っているので神奈川県の松沢さんの方がモテそうに見えてきます。

「うそつき政権、詐欺政権」「役人の小言」 神奈川・松沢知事、子ども手当を批判


 子ども手当の地方負担分への国費による財政措置は必要なしとした意見書が閣議決定されたことについて、神奈川県の松沢成文知事は4日、「全額国費でやるとマニフェストの方針が出ている。政権をとった後にも2度にわたり約束した。政治の約束が裏切られている。うそつき政権、詐欺政権だ。国のトップリーダーが言った通り、やってほしい」と強く非難した。

 さらに、松沢知事は「地方を裏切る身勝手な政治が今の政治不信をつくっている。このような態度を改めないかぎり、今の政権が国民の信頼を得るのは本当に難しい」と現政権を厳しく批判した。

 来年度の子ども手当地方負担分を巡り、神奈川県は昨年12月、新たな事務に地方負担を求めることや、地方負担決定までの手続きは地方財政法に反するとして、国費で返還するよう求める意見書を政府に提出していた。

 また、松沢知事は片山善博総務相が閣議後の記者会見で「地方側に追加的な負担は求めていない。決して理不尽な制度ではなく、理解してほしい」などと話したことにも言及。「役人の小言のような細かい議論ではなく、大きな政治論で議論している」と反発した。

2011年2月4日 産經新聞


言ったもん勝ちではありますが、口先だけでも言っておいた方が良いことというものあるでしょう。「実務」などは「役人の小言」なのです。松沢さんは「大きな政治論」を言っているそうです。松沢さんの「政治論」の当否はともかくとして、菅政権には「大きな政治論」などというものはこれっぽちっもない、ということは、松沢さんも何となく分かっているようです。しかし松沢さんは大きな勘違いをしています。菅さんたちが出来ないのは「大きな政治論」だけではありません。「小さな政治論」も無理なんです。

民主案、公約作成者が説明を=年金改革で桜井財務副大臣


 桜井充財務副大臣は3日の記者会見で、社会保障と税の一体改革に伴い、民主党の2009年衆院選マニフェスト(政権公約)が掲げた「最低保障年金」案に強い批判が出ていることに関し、「公約は当時ごく一部の人が中心になって作った。作った人たちが出てきて、きちんと説明してもらいたいというのが偽らざる気持ちだ」と述べた。

 また、菅直人首相が2日の国会審議で最低保障年金に必要な財源を具体的に示せず、公約修正を示唆したことについても、「アバウトな数字すら出せなかったので驚いている。せめて制度設計した時に(財源となる)消費税で何%になるか数字を出すべきだった」と語った。

2011年2月3日 時事


菅グループでは「政治論」はおろか自分の党のマニフェストにも無関係を装っており、そして本当にそれには無関心です。しかし誰かに「与えられた仕事」を「こなす」のが「実務家」であるとすれば、「ごく一部の人が中心になって作った」マニフェストであっても、それを「こなす」ことが出来るはずなんですが。それが出来ないとすれば、それはマニフェストが「革命」に見えたからに他なりません。「実務家」にとっては何かを変革するようなことはとんでもなく恐ろしい考えなのです。「与えられた仕事」であっても、それには責任が伴うからです。民主党の現執行部が「政権交代」をなかったことにすることに腐心しているのは、責任を問われるよりは世界が滅びた方が彼等にとって望ましいからに他なりません。そういう手合いは「政権を作っていく」気などはまるで持ち合わせないくせによそ様の「革命」まで邪魔するものです。

ムバラク氏即時退陣に疑問=前原外相

 前原誠司外相は4日の記者会見で、欧米諸国などでムバラク・エジプト大統領の即時退陣を求める声が出ていることについて「もっと現実的に物事を考えるべきではないか。新たな元首を選ぶにしても、国民が納得する選挙の在り方を検証しなければならない」と述べ、丁寧に政権移行を進めるべきだとの考えを示した。 

2011年2月4日 時事
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2011年02月03日

エジプトの虎

吉野石膏によると「石膏利用の歴史は古く、紀元前2600年頃の古代エジプトにまでさかのぼります。古代エジプトのピラミッドに、石の目地材として石膏が用いられています。また、クフ王のピラミッドの王の石棺には、アラバスター(結晶石膏の一種)が使われ、さらには、クレオパトラがワインを飲むのに使った杯も、天然石膏から削り出されたものといわれてい」るんだってんですが、エジプトに虎はいないのにどうして「タイガーボード」なのか。
http://yoshino-hanbai.seesaa.net/article/54887685.html

死者は7人に、エジプトのデモ衝突 大統領派が発砲


 【カイロ=弓削雅人】エジプトの首都カイロ中心部のタハリール広場で起きたムバラク大統領支持派と反大統領派のデモ隊の衝突は3日未明(日本時間同日午前)も続き、中東の衛星放送アルアラビーヤによると、大統領支持派が反大統領派に向けて発砲し、4人が死亡した。ロイター通信などによると、2日からの衝突で少なくとも7人が死亡、1500人以上が負傷した。

 スレイマン副大統領は2日夜、半国営の中東通信を通じ、デモ隊に夜間外出禁止令を順守して帰宅するよう求め、デモの終結が反政府勢力との対話の条件だと指摘した。これに対し、反政府勢力はムバラク大統領が辞任するまでデモを続ける姿勢を崩していない。

 タハリール広場で起きた衝突では火炎瓶が飛び交い、銃声も聞こえた。広場近くの「ツタンカーメン王の黄金の仮面」を所蔵しているエジプト考古学博物館の敷地でも火の手が上がったが、被害はなかったもよう。

 反大統領派は、大統領支持派のデモ隊の多くは私服の警官だと主張しているが、内務省は否定している。

 国際原子力機関(IAEA)のエルバラダイ前事務局長は同日、衛星放送アルジャジーラに「まさに殺りく行為だ」と述べ、大統領支持派のデモ隊を非難。ムバラク大統領に対し、反大統領派が大規模デモを計画している4日までに辞任するよう再度求めた。

2011年2月3日 中日新聞


ムバーラクさんの大幅に引き延ばされた「退陣」表明に引き続いて突然、駱駝に乗ってやってきた人たちは、警察官の身分証を持つ「私服警官」の他にもいわゆる「ギャング」というか、日本の感覚だと「ヤクザ」に近いんでしょうか、そういう人たちであるとか、あるいはそこら辺のゴロツキのような人たちが100〜500エジプトポンドで雇われてるんだとか、この金額は実勢としては日本に置き直すと万単位の金額を意味するとかいう話もあります。

日本でも政府がヤクザを雇ったことがありますし、これは珍しい話ではありません。これらの人々が反政府派のデモの中で略奪などを行なった人と同じ人であるという可能性もあります。反政府派が思うように「暴徒」化していれば軍が実力をもって暴圧しなければならなくなるところ、どうも上手くいかなかったのではないでしょうか。

国家の抑圧と経済格差の存在はこのような集団がいわば緩衝材として働き、国民の生活を潤している一方ではイザ!というときには国家の暴力装置の非公式な、しかしそれだけに容赦のない限定解除された発動の要素となります。ちなみにその「イザ」は、小規模な形では日常的に存在するものであり、脅かされたり殴られたり殺されたりすることはしょっちゅうだったりするわけですが、国家体制の極めて深刻な危機に際しては大規模に組織化された動員が見られるでしょう。

したがって「ムバラク派」の出現はムバーラク政権が「退陣」表明にも拘らずますますその危機の度合いを深めていることを表しています。そこでますます勢いづくのが「同胞団」のお兄さんたちの方です。

「イスラエルとの平和条約破棄」=新政権主導へ意欲−エジプト・ムスリム同胞団


 【カイロ時事】エジプト最大のイスラム原理主義勢力、ムスリム同胞団の最高幹部の一人でカイロ大学教授のラシャド・バイユーミ氏は2日までに、ムバラク大統領退陣後の政権で主導権を握ることに強い意欲を示し、エジプトが1979年にイスラエルと締結した平和条約を破棄するほか、米国の援助拒否、シャリア(イスラム法)導入など、政策の抜本的修正を目指す意向を表明した。バイユーミ氏は同胞団内で最高指導者に次ぐ幹部3人の1人。時事通信のインタビューに対し、同胞団の一致した見解として明らかにした。

 欧米諸国は親米ムバラク政権の退陣後のイスラム勢力台頭を懸念しており、バイユーミ氏の発言は欧米側を一層警戒させる材料になりそうだ。

 同氏は「最高憲法裁判所長官と協議し、暫定政権を設け、民主選挙を容認する憲法改正などを経た後、大統領選や議会選に候補を立てる」と言明。改憲については、大統領再選回数の制限のほか、宗教政党容認、シャリアに基づく犯罪処罰規則の導入を求める考えを示した。

 さらに、イスラエルとの平和条約を「平和的な条約ではなく、エジプトにとって降伏条約だ」と批判。「新政権ではパレスチナ問題の解決が最重要外交課題になる」と語った。

 米政府の巨額の対エジプト援助に関しては「米国は中東諸国を破壊する敵だ。援助を受ければ米国の意向に従う必要がある」とし、新政権入りすれば援助を拒否する姿勢を明確にした。ムスリム同胞団を弾圧してきたムバラク大統領については、退陣後に「不正蓄財や政治犯弾圧、デモ参加者殺害などの犯罪行為での訴追を求める」と述べた。 

2011年2月3日 時事


やるなら今だ、という感じですが、かつて「イスラム原理主義」の政権掌握が可能であったような条件が存在しないことは別としても、これはアメリカの許容するところではありません。それだけではなく、とりあえすとっつぁんは刑事司法体系からイスラーム化を目論んでいるようですが、これは人口の1割を占めるコプト教徒ならびに人口の5割を占める女性、その他同性愛者とかその他の当然存在すべき人々にとっては脅威以外の何者でもありません。

ムバーラクさんのそれはともかくとして、エジプト人の危機はアメリカに支援された警察の電撃拷問とヤクザの棍棒、それに対するイスラーム化された石打ちと斬首との間にあって、選択すべき「第3の道」などというものが存在しないことでしょう。グローバルに死ぬことも、ローカルな「伝統」に閉じこもって殺し合うことも同じように望ましくはないようです。しかし社会主義とかは昔やってみたのですが、どうもちょっとアレだったということのようですが、しかしどこにもお手本とすべきものはありません。

しかしそれはどこでも同じようなものです。日本では失敗しました。少なくとも今のところはそのように見えます。とにかく余所の人が参考にして良いようなことは何一つやっていません。誰かが「第三の道」みたいなことを言っているかもしれませんが、それはベルルスコーニさんの言いそうにもないことを言えば「日焼けしたブッシュ」でしかありませんが、他の誰かが言っている「第三局」に至っては「日焼けしていないブッシュ」なんですからワケが分かりません。

「脱色したオバマ」というのもあるかもしれませんが、「黄色い悪魔」が有効な選択肢であるとは思えません。もっとも、「ルール無用の悪党に正義のパンチをぶちかま」すんなら話は別ですが。もちろんプロレスではパンチは反則です。しかし歴史的な瞬間における5カウント以内の反則は認められているのですし、その様な瞬間においてレフェリーはしばしば阿部四郎さんです。そもそも悪法が法である以上は「正義」はルールを越えたところにしか存在しないのです。
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2011年02月02日

エジプトの千夜と一夜

てゆーかこれが当ブログの1001回目の記事になるんだそうで、何やってんだか呆れたもんですが

エジプト、ムバラク大統領退陣へ 9月選挙に不出馬表明


 【カイロ共同】エジプトのホスニ・ムバラク大統領(82)は1日夜(日本時間2日早朝)、国営テレビで演説、今年9月に予定される大統領選に出馬せず、退陣する方針を表明した。約30年の独裁体制を続けた大統領は、100万人規模の空前の反政府デモなどで続投断念に追い込まれた。しかし、野党勢力は即時辞任を求めており、デモが続く可能性もある。

 ムバラク氏は残りの任期を平和的な権力移行や社会、経済、政治改革にあてると表明。大統領選立候補者を厳しく制限している憲法の改正を、野党などの求めに応じて進める考えを示した。

 人口約8千万人を抱える親米アラブの大国エジプトに、チュニジアの政変が波及した。イスラエルとパレスチナの和平仲介などに尽力したムバラク大統領が、民衆蜂起により退陣表明に追い込まれたことは、中東情勢や米国の中東政策などに重大な影響を与えそうだ。

 ムバラク氏は1928年、北部メヌフィヤ県生まれ。士官学校を卒業、72年空軍司令官となり、翌年の第4次中東戦争で活躍、75年副大統領に。81年10月のサダト大統領暗殺で大統領に就任した。

 内政面では長期にわたって非常事態法を維持。治安維持とイスラム勢力の封じ込めのため強権的手法を用い、民主化勢力から批判を受けていた。今年9月には大統領選が予定され、ムバラク氏が6選を目指して出馬するとの観測が出ていた。

2011年2月2日 共同


なかなかタフなジジイですが、おそらくこんなことでは誰も納得シナイ半島、これは「秩序だった移行」を目論むアメリカの観測気球でしょう。したがって今後の情勢によってはムバーラクさんには国外での恵まれた老後が用意されます。

少なくともエジプト人がアメリカに望んでいるのはそういうことでしょう。どっか余所に連れて行ってもらって、もう来ないように。エジプトで死にたいなら今すぐぶち殺すからこっちに寄越せというわけではないようですから、穏健極まると言えるでしょう。

アメリカとしてはムスリム同胞団あたりが主導権を握ることを避けたいわけですし、デモをやっている若者も別段イスラーム主義化を希望している様子もありません。しかしおそらく同胞団の皆さんはソノ気満々でしょう。エジプト人民はアメリカ経済による窮乏化と拷問に対して立ち上がったものの、背後には石打ちの意志を持ったオッサンたちが待っているのですから要注意というわけですが、こういうことはどこでもよくある話です。

おそらくアメリカにとって抑圧と資本主義の結びつきほど望ましいものはなく、それは東アジアでは有効に機能しています。そして全くの話、エジプトにおいて「イスラームの石打ちとアメリカの株式市場」の成功を阻んでいるのはイスラエルの存在だけのようです。

アメリカはこのイスラエルのために多額の軍事援助をしているそうで、直接イスラエルに大して行なわれるものが30億ドルくらいだそうですが、エジプトにも13億ドルだかの投資をしているということです。

その他にもいろいろありそうですが、ハッキリと軍事援助金として色がついているのがそのくらい、ということでしょうか。しかしこれは、考えてみればアメリカにとっては大した金額ではありません。

その程度の金額は日本からアメリカに対する軍事援助によって相殺されてお釣りが来ます。なんといっても日本はアメリカに対して1881億円もの「思いやり予算」という軍事援助をしていて、これがだいたい20〜22億ドルなんですから、全然平気です。ムバーラク政権は日本が支えてやっていたようなもんです。

ちなみに思いやり予算を含む日本の対米軍事援助は、基地交付金等及び提供普通財産借上試算を含めると約6700億円、約80億ドルの規模に達します。
http://www.mod.go.jp/j/approach/zaibeigun/us_keihi/keihi.html

これに対してアメリカの対外軍事援助は概ね80億ドル弱ですから、アメリカの平和と安全は日本のおかげです、てゆーか日本政府の在日米軍関係経費予算がそのままアメリカ政府の対外軍事援助予算になっているんじゃないか。なるほど道理で「東アジア情勢が緊迫」するわけですが、親米独裁政権の独裁者諸君は日本に足を向けて寝られませんよ。

もっともCIAが反政府活動家をエジプトに連れてきたり、エジプトの警察がアメリカ軍から拷問の講習を受けたりする分の数字はこの中に入っていないわけですが、エジプト軍は予算的にも兵器体系としてもアメリカと深く結びついていますから、「秩序だった移行」は軍を中心として行なわれることになるでしょう。しかしアメリカは「秩序」すなわち貧困と拷問を伴う「秩序」を壊さないようにそーっと「移行」することを期待しているのであり、そのような「移行」が行なわれる限り何かが解決するというわけでもないようです。
posted by 珍風 at 11:55| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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