2011年03月16日

チャイナ・シンドロームは万事快調

原発作業員の放射線許容量引き上げ


 福島原発の事故を受け、厚生労働省は福島原発の作業員の被ばく線量の限度を、現在の2.5倍にあたる250ミリシーベルトに引き上げることを決めました。放射線許容量の引き上げは、初めてことです。



 原発作業員の被ばく線量の限度は、厚労省が所管する規則で100ミリシーベルトと定められていました。しかし、この許容量では現在の福島原発では短時間の作業しかできないということです。



 このため14日、官邸は厚労省に対し「作業員の被ばく線量の許容量を上げるよう」要請。審議会で検討された結果、250ミリシーベルトまで引き上げることはやむを得ないという結論がでました。

 これを受け、厚労省は15日付で「福島原発の作業員に限る」として、被ばく線量の限度を250ミリシーベルトに引き上げると改定しました。

2011年3月15日 TBS


まず、100mSvてのは緊急作業のときの作業1回あたりの被曝「許容量」です。誰が「許容」するかというと「緊急作業」をしない人が憐れみ深くも「許容」してくれているわけですが、「緊急」でないときはどうかというと、この値は5年間の被曝「許容」限度ですから、「緊急」というのは5年分を一度に浴びるという程度には「緊急」であるということです。

この「一度」というのが緊急作業現場の放射線量によって異なるわけですが、現場が100mSvであれば1時間です。5年を1時間で過ごすよい男(妊娠可能な女子を緊急作業に従事させてはいけない事になっています)、ざっと43800分の1です。もっとも「作業」が5年に1回で済むというわけではありません。今日も明日も仕事ですから、作業員は比較的近所に寝泊まりして、比較的弱い放射線に晒され続けているのです。

これを一気に2.5倍に緩和するというんで、これはまあ、忙しいから法定労働時間を1日20時間にするぞというような感じですが、1日の労働時間が24時間を越えることは難しいのに対して、放射線被曝量には上限がありません。

てゆーか10Svくらいに被曝するとすぐ死ぬわけで、これが上限といえば上限ですが、そこまで行かない程度で、「許容量」というのはご都合によって変更可能であります。例えば何事にも鷹揚であり、寛容にして許容範囲が広い『讀賣新聞』によれば

 放射線の専門家でつくる「国際放射線防護委員会」が示す国際基準では、緊急作業時の例外的な被曝線量の限度は約500ミリ・シーベルト。厚労省によると、250ミリ・シーベルト以下で健康被害が出たという明らかな知見はないといい、同省は「被曝した作業員の健康管理には万全を期す」としている。

2011年3月15日 讀賣新聞

さすがに「国際規準」でも、500mSvというのは「限度」であって「許容量」ではありませんが、その程度まで「規制緩和」してもノープロブレムであると言わんばかりです。おまけに「250ミリ・シーベルト以下で健康被害が出たという明らかな知見はない」そうですが、健康被害がないという明らかな知見も同様に存在しません。ちなみにある資料によれば250mSvで「白血球の減少」が発生します(http://ja.wikipedia.org/wiki/被曝)。

これによると500mSvで「リンパ球の減少」がみられるようです。「国際規準」ではちょっとぐらいの「健康被害」は「許容」されているようです。てゆーか、作業員の健康問題が「規準値」の根拠であるという明らかな知見は存在しません。1000mSvで「急性放射線障害」が起こり、そうなると作業が継続出来なくなります。「国際規準」による「限度」はその半分に設定されていて、作業の円滑な進行を助けています。

これが「国際規準」とかTPPとかいうものなんでしょう。有り難いことです。もっとも、日本では「緊急時」のための国内規準を「緊急時」には政府が勝手に何のためらいもなく変更してしまうのですから、あってもなくても同じだと言われればそれまでですが。

しかしながら、元々の「許容量」だと「現在の福島原発では短時間の作業しかできない」んだそうですから、現場は400〜500mSvくらいになっているんでしょう。もしかするとそれ以上なのかも知れませんが、事故が「100mSv」という値を「許容量」として決定した時点で想定されていた規模を超えるものになっているのは確かでしょう。事態が「想定外」であることは、制御不能に陥る可能性を示すものですが、東京電力と政府は死んでもそんなことは言いません。言う時にはもう死んでいますが、死んでいるのは僕とかの方ですから。


posted by 珍風 at 10:33| Comment(2) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

広告


この広告は60日以上更新がないブログに表示がされております。

以下のいずれかの方法で非表示にすることが可能です。

・記事の投稿、編集をおこなう
・マイブログの【設定】 > 【広告設定】 より、「60日間更新が無い場合」 の 「広告を表示しない」にチェックを入れて保存する。


×

この広告は180日以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。