2011年03月26日

十八時の放射線浴

放射線を知る(上)放射線とは何か 不安定な原子核から放出


 一般によく使われる「放射能」という言葉は、物質が放射線を出す能力を持っていることを指している。放射性物質は、放射線を出す能力=放射能を持った物質という意味だ。

 では、放射線とは何か。物質を構成する原子核には安定しているものと不安定なものがあり、このうち不安定な原子核は余分なエネルギーを放出することで、安定した別の原子核になろうとする。この、別の原子核になるために放出されるエネルギーが「放射線」と呼ばれている。

 今、食品などに付着した放射線物質の単位として、「ベクレル」をよく見かけるが、これは不安定な原子核が、エネルギー=放射線を1秒間に何回放出しているかを示している。つまり、10ベクレルは1秒間に10回放射線を放出しているという意味を持つ。

 ただ、人体に与える影響の強さは放射性物質によって異なる。そこで、人体に与える影響度については「シーベルト」という単位で数値化されている。

 放射線は人体に影響を与えるというが、一般的に、普通に生活していても年間約2.4ミリシーベルトの自然放射線を受けている。国連科学委員会の2000年の報告によると、その内訳は呼吸で1.26ミリシーベルト、大地からが0.48ミリシーベルト、飛んでくる宇宙線からが0・39ミリシーベルト、そして食物からが0.29ミリシーベルトだ。このほか、胃のX線検診1回で0.6ミリシーベルト、CTスキャン1回で6.9ミリシーベルト被曝している。

 一方、ブラジルのガラパリという地域では、年間10ミリシーベルトの自然放射線を受けているが、それでも健康への影響はないとされている。

 現在、各地で大気中に1マイクロシーベルト以下の放射線が観測されているが、1マイクロシーベルトというのは1ミリシーベルトの千分の一。現状では人体に影響はない。心配しないでほしい。

 ■池内嘉宏(いけうち・よしひろ) 理学博士、財団法人日本分析センター理事

2011年3月22日 産經新聞



「放射線は人体に影響を与えるという」ときに、必ず胃部X線撮影が0.6mSvであるとか、X線CTは6.9mSvだとかいう事になっています。よく、このくらいの線量で人体にこういう影響があるという一覧表があるわけですが、その様な表には必ず医療被曝の値が入っているものです。これは一説には自民党政権が入れさせたという話もあるんですが、医師が全く安心して平気で患者をスキャナに放り込んでいると思ったら大間違いです。

てゆーか同じ胃部X線でも、「Wikipedeia」によれば4mSvということになっているし、CTは7〜20mSvとされています。立場によって違うのかも知れませんが、様々な見解があるようです。

線量限度の被ばくで発がん 放射線、少なくてもリスク


放射線被ばくは低線量でも発がんリスクがあり、職業上の被ばく線量限度である5年間で100ミリシーベルトの被ばくでも約1%の人が放射線に起因するがんになるとの報告書を、米科学アカデミーが世界の最新データを基に30日までにまとめた。



報告書は「被ばくには、これ以下なら安全」と言える量はないと指摘。国際がん研究機関などが日本を含む15カ国の原発作業員を対象にした調査でも、線量限度以内の低線量被ばくで、がん死の危険が高まることが判明した。



低線量被ばくの人体への影響をめぐっては「一定量までなら害はない」との主張や「ごく低線量の被ばくは免疫を強め、健康のためになる」との説もあった。



報告書はこれらの説を否定、低線量でも発がんリスクはあると結論づけた。業務や病気の診断や治療で放射線を浴びる場合でも、被ばく量を低減する努力が求められそうだ。



米科学アカデミーは、従来被ばくの発がんリスクの調査に用いられてきた広島、長崎の被爆データに加え、医療目的で放射線照射を受けた患者のデータなどを総合し、低線量被ばくのリスクを見積もった。



それによると、100ミリシーベルトの被ばくで100人に1人の割合でがんを発症する危険が判明。この線量は、胸部エックス線検査なら1000回分に相当するという。



また、100ミリシーベルト以下でもリスクはあると指摘。10ミリシーベルトの被ばくになる全身のエックス線CTを受けると、1000人に1人はがんになる、とした。



また、国際がん研究機関などが約40万7000人の原発作業員らを長期追跡した調査では、100ミリシーベルトの被ばくにより、がん死の危険が約10%上昇するとの結果が出た。



調査対象の平均累積被ばく線量だった約19ミリシーベルト程度でも、がんの死亡率がわずかに高まる可能性が示された。



日本の商業原発では2002年度の1年間に作業員が浴びた線量の平均値は1.3ミリシーベルト、最も多く被ばくした作業員は19.7ミリシーベルトだった。




※線量最小化の正しさ裏付け 利益と危険、厳密に評価を



低い線量の放射線を浴びても、発がんの危険性があるとの調査結果は、国や国際放射線防護委員会が「放射線被ばく線量は最小化すべきだ」としてきた正当性を裏付けるものといえる。

一部の研究者の間では、一定量以下の被ばくに害はなく、免疫効果が高まってかえって体にいい「ホルミシス効果」があるとの説も根強いが、今回の調査結果はこうした主張を退けた。

国の安全基準では、原発や医療業務に従事する人など職業被ばくの線量限度は5年間で100ミリシーベルト以下、1年間で50ミリシーベルト以下。

また、一般人は年間1ミリシーベルト以下とされる。専門家は、従来の基準をただちに見直す必要はないとしている。

米科学アカデミーの報告書によると、全身エックス線CTで1回に浴びる線量に相当する10ミリシーベルトで、1000人に1人ががんを発症する危険性がある。

専門家は、こうした医療被ばくが認められるのはあくまで、検査で未知のがんが見つかって早期治療できる「利益」が、被ばくによるがんの「危険性」を上回るという厳密な評価に基づいていることを強調。

こうした利益が見込まれる場合でなければ、余分な被ばくを極力避けることが大原則だとしている。



※従来評価より高リスク

草間朋子(くさま・ともこ)・大分県立看護科学大学長(放射線防護)の話

 

原発作業員の調査は、低線量の放射線を長期間、被ばくした人を対象にした初の大規模な調査だ。低線量でも影響があること、さらに、瞬間的に被ばくした広島、長崎での調査を基にした従来の評価より高いリスクを示していることは興味深い。

カナダなど一部の国のデータに引っ張られて高くなった可能性があるが、低線量では人体に影響がないと言い張るのは難しくなったのではないか。



※国際がん研究機関


世界保健機関(WHO)の付属機関として1965年に発足。現在日本を含む16カ国が参加し、本部はフランスのリヨン。がんを引き起こす原因や発症のメカニズムの解明、予防や治療法の研究が目的。

約900種類の化学物質や食べ物、電磁波などの環境要因について、ヒトへの発がん性を5段階に分類した評価報告が主な成果。放射線やウイルスの発がん評価にも力を入れている



※被ばく線量限度


個人が受ける放射線の被ばく線量の制限値。国際放射線防護委員会の勧告に基づき、各国が導入。日本では放射線障害防止法で定めている。

一般人は1年間で1ミリシーベルト。原発や医療現場にいる放射線業務従事者は1年間で50ミリシーベルト、5年間で100ミリシーベルトとされる。自然放射線と、エックス線検査など医療で浴びる放射線は含まれな
い。

日本の商業原発で2002年度の1年間に作業員が浴びた線量の平均値は1・3ミリシーベルト、最も多く被ばくした作業員は19・7ミリシーベルトだった。


2005年7月1日 共同


アメリカのX線CTは10mSvなんだそうですが、この線量で「1000人に1人ががんを発症する危険性がある」そうですから、病院でやってるんだから身体に悪いことはないだろうと考えるのは早計です。病院では「検査で未知のがんが見つかって早期治療できる「利益」が、被ばくによるがんの「危険性」を上回るという厳密な評価に基づいて」やってるんだそうです。まあ、そう願いたいものです。

もっとも、「未知のがん」を見つけるための検査でいちいちCTスキャンやってません。アレは結構高いので、現状では「健康診断」的に使うのは一般的ではなく、少なくとも既に何らかの症状があって治療を要する患者に使っているようですから、リスクに比較した利得はより大になりますが、だからといって線量が低くなるわけでもありません。

一時は「健康に良い」というので原発の近所に引っ越したり、レントゲン車の後をつけて集団検診に紛れ込んでX線を浴びて来て「いやー若返るわい」という人も多かったようですが、そんな人いませんが、そういう「放射線ホルミシス」のようなことをいう人が最近あまりいないようなのは、この報告書がきっかけになっています。

しかしながら、「「被ばくには、これ以下なら安全」と言える量はない」という趣旨はあまり徹底されているとは思えません。てゆーか放射線の確率的影響については敢えて無視されているのが現状です。松本義久さんはTVに出て来て盛んに「100mSv以下の被曝で人体における影響が確認されたことはない」と繰り返しておられます。

まあ松本さんはまだマシな方で、「あとみん」では「200mSv」のところに「(これ以下の被ばくでは放射線障害の臨床的知見はない)」とされていますので、
http://www.atomin.go.jp/atomin/high_sch/reference/radiation/jintai/index_06.html
こういう話にも「半減期」があるようですが、これは確定的影響に限った話であることを断った上で言ってもらいたいものです。もっとも、「確認されたことはない」という言い方だと、それが「ない」ということも「確認されたことはない」ことにはなりますが。それから松本さんはグラフを書いたりするのもコワい。口で言っていることとは裏腹にグラフの線が上に向かって上がって行く可能性がある状況であることを、イヤでも思い知らされるというものです。


posted by 珍風 at 11:51| Comment(2) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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