2011年04月14日

サイハイおじさん

「原発周辺20年住めない」 首相発言として伝わり波紋 全村避難の村長「これが政治家の言葉なのか…」と涙


 「10年住めないのか、20年住めないのか…」

 菅直人首相が13日、官邸で松本健一内閣官房参与と会った際、東京電力福島第1原発の半径30キロ圏の避難・屋内退避区域について、少なくとも10年間は居住が困難との認識を示したとの情報が駆け巡った。原発被害の深刻さを示す衝撃的な発言だけに、情報は一気に広がった。首相は同日夜、公邸に戻る際、記者団に「私が言ったわけじゃありません」と否定した。

 情報の発信源は松本氏が首相との会談直後に行った記者団への説明。松本氏は「10年住めないのか、20年住めないのかということになってくると、そういう人々を住まわせるようなエコタウンを考えなくてはいけないということを言っていた」と発言。時事通信が首相発言として速報した。

 波紋は全村避難の対象となっている福島県飯舘村にも広がった。住民への説明会の途中で情報に接した菅野典雄村長は「少しでも早く戻れるようにするのが政治家の仕事なのに、これが政治家の言葉なのか。全く悲しくてならない。直ちに抗議する」と涙ながらに訴えた。住民からは「そうだ」との声が上がった。

 このため首相は、松本氏に電話をかけて記者団に情報を否定させた。ただ、松本氏は、長期間にわたって原発周辺が居住困難になる見通しを首相に説明したことは認めた。その上で移住先として内陸部に5〜10万人規模のエコタウンを建設する案を示し、首相も賛同したことを明らかにした。

2011年4月13日 産經新聞



選挙後に急に正直になる政治家の習性から考えると、「少なくとも10年間は居住が困難との認識を示」すことに特に問題はありません。そう思ったからそう言ったまでであり、選挙後のこの時期というのは、思ったことを言ってみるには一番いい時期ですらあります。

したがって「これが政治家の言葉なのか」という菅野村長の言葉は、政治的センスの著しい欠如を示すものであると言えるしょう。それこそ「これが政治家の言葉なのか」と疑わしむるものがあります。思うに、国政などとは比べ物にならないほど「甘い」飯館村の政治状況の然らしむるものであると言えるのではないでしょうか。

実際のところ、菅さんはその必要のない限りは自分の見通しを隠そうとはしないようです。

「最悪なら東日本つぶれる」=専門家自任、笹森氏に明かす−菅首相


 「最悪の事態になったときは東日本がつぶれることも想定しなければならない」。菅直人首相は16日夜、東京電力福島第1原発の事故をめぐり、首相官邸で会った笹森清内閣特別顧問にこう語った。放射性物質の飛散により、広大な地域でさまざまな影響が出かねないとの危機意識を示したとみられる。


 笹森氏によると、首相は「僕はものすごく原子力に詳しいんだ」と専門家を自任。東電の対応について「そういうこと(最悪の事態)に対する危機感が非常に薄い」と批判し、「この問題に詳しいので、余計に危機感を持って対応してほしいということで(15日早朝に)東電に乗り込んだ」と続けた。

2011年3月16日 時事


なにしろTVに出て来る「専門家」が全然「専門家」でも何でもないのですから、菅さんが「専門家を自任」することに何の妨げもないのが日本の現状です。確かに菅さんの見通しはTVに出て来る「専門家」の見解とはかけ離れたものであったかも知れませんが、3月16日には事故状況は間違いなく重篤なレベルに達していたわけですから、菅さんが「ものすごく原子力に詳しい」と言ったとしても、これだから素人は恐ろしいね、などという必要もなかったようです。

「専門家」には何種類かあるようで、TVに出て来て適当なことを言ってお茶を濁すのも、そういう事をやる「専門家」ですし、余計な事を喋るのでTVに出してもらえない「専門家」もいます。そして実は、みんなには内緒ですが菅さんには正確な所を教えてあげている「専門家」もいることでしょう。

「最悪の事態」を仮定すると「東日本がつぶれる」というのも、半径30キロ圏内が「10年住めないのか、20年住めないのかということになってくる」というのも、いわば極めて当然な「認識」なのであって、特に奇異な事を言っているわけではありません。もっとも、後になって「情報を否定させ」るあたりが「政治家」といえば「政治家」ですが、そんな気を遣ってウソをつかない限りにおいて菅さんには政治家としての瞬間が突発的に訪れるのかも知れません。

このような多重人格的な立場は、首相としては珍しいものなのかも知れませんが、考えてみたらそんなに珍しいものではありません。日本女性のキモノには「チラリズム」の伝統があり、この語源が浅香光代さんであるというのも「衝撃的」であったりしますが、未だにポルノに修正を加えている日本では真実は露出されず、何かの拍子にチラリと見せる「衝撃的な発言」を出したり引っ込めたりして事の重大さを示唆することになっているようです。

ところが『産經新聞』は「絶対領域」のただ中で涙の抗議を行う菅野村長に同情的なようであります。まあ単に菅さんに同情的でないというだけですが。菅さんの言葉のマジックで放射性物質があっちへ行ったりこっちへ行ったり消えてなくなってみたりするのであれば大変便利なのですが、「政治家の言葉」にそんな力はありません。

しかし「政治家の言葉」に気休めを期待するのも間違っているでしょう。本当は正確さと責任をもった言葉が必要なんでしょうが、「パンチラ」だの「ニーソ」だのと言っているような性的風土の中では最初から期待すべくもありません。そしてそんな所ばっかり見ていると肝心のお顔の方がカワイクないどころの騒ぎではない事に気がつくのが遅れてしまうものです。


posted by 珍風 at 06:14| Comment(2) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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