2011年04月20日

健康と環境と脅迫の核偽術

【電力危機を経済活力に!】(1)気を緩めると大規模停電 不足慢性化の恐れ
 

 東京電力福島第1原子力発電所事故など東日本大震災による「電源喪失」で今夏、関東・東北地方は電力危機が懸念されている。国内総生産(GDP)のほぼ半分を生み出す両地方で企業活動が停滞すれば、日本経済の失速は避けられない。生産を落とさずにいかに夏を乗り越えるのか、知恵と工夫が必要だ。危機は、節電・省エネ型の経済構造や働き方への転換を進める好機でもある。

 東電は7月末時点で5200万キロワットの電力供給力を確保し、5500万キロワットを目標に上積み努力を続けている。政府も先にまとめた節電対策で、大口利用者の場合、日中の瞬間的な最大電力使用量の25%削減、一般家庭にも15〜20%削減を求めた目標の緩和を検討中だ。だが、気を緩めるわけにはいかない。

 猛暑になれば東電管内の最大消費電力は6千万キロワットを超える。たくさんの人が一斉に冷房を強め、一瞬でも使用量が供給量を上回ると、需給バランスが崩れ、「不規則で大規模な停電」につながりかねない。

 福島第1原発は「廃炉」が濃厚で、福島第2も地元の理解を得るまでは再稼働できない。日本の消費電力の約3割を賄ってきた原子力発電を再び安定的な電源として運用するには、安全と信頼を取り戻す長く厳しい道のりが待ち構える。電力不足が、慢性化するのは避けられない状況だ。

 第一生命経済研究所は、電力不足による生産の落ち込みなどで、今年度のGDPが3兆円以上目減りする恐れがあると試算する。震災による自粛ムードと相まって消費が萎縮する懸念も拭えない。経済活力の低下は復興の妨げにもなる。

 日本に今求められていることは、電力危機を活力にしてより効率的な経済構造や働き方を実現し、日本人のライフスタイルを含めた社会全体の大きな変化につなげていくことだ。

2011年4月20日 産經新聞


「日本人のライフスタイルを含めた社会全体の大きな変化」とか書いていますが、要は「生産を落とさずに」ということのようですから、「生産」の為にビンボー人に犠牲を強いる「社会」に「大きな変化」が訪れることなどは期待すべくもありません。

てゆーか原発が「安全と信頼」を保持していたためしなどないのですから、それを「取り戻す」ことなど出来ようはずもなく、その意味では「安定的な電源」であったことなど一度たりともなかったりするわけですが、そうでなくても原発の稼動停止が著しい電力不足に直結するという見込みは根拠に乏しいようです。「気を緩めると大規模停電」などは単なる脅し文句でしかないことは周知の事実でしょう。

とはいえ、これが単なる脅し文句でない事は誰でも知っています。要するに東電が電気を停めてしまえば、それが「単なる」脅しではなく本当の脅迫である事がわかるというわけです。この場合、「気を緩める」というのは国民の多くが「原子力発電を再び安定的な電源として運用する」ことに反対し、原発の廃止を求める「気」になる、という意味でしょう。要するにそれは心がけ次第、ということなのです。

つまりあなたが原発に反対すると東電は電気を停めるということです。そうすると医療機器で命をつないでいるあなたの隣人が死にます。それでもいいんですか、というのが東電が提示している僕たちの生きる条件です。未来のために現在を殺すか、現在のために未来を殺すか。

これは大変にキビシーので、石原さんなどはパチンコや自販機を槍玉に挙げています。それは大変にもの柔らかな言いようであると言えるでしょう。だからといって要点を外しているわけではありません。「節電」が必要なのであり、それは原発が稼働していないからなのであり、原発を受け入れるのでなければ不便な思いをすべきである、というわけです。ここで石原さんが「不便」を特定の、特に敵に回してもコワくない人たちに押し付けようとしているのは、いかにも彼らしいといえば言えるものではありますが。

石原さんの忠実なバカ、じゃなかった馬鹿、いや部下である猪瀬直樹さんなどは、その有り余る才能を持って石原さんの言い分を敷衍しているわけですが、あまりにも才能がありすぎて『産經新聞』あたりとあまり変わらなかったりするのは、才能の方をいち早く「節電」してしまったもののようです。なにしろそのタイトルは「節電を機にライフスタイルの見直しを 快適さとは別の尺度で生活設計を考える」などというものなのです。そして猪瀬さんの思いついた「快適さ」というのはどうも「温水洗浄便座」に尽きるようです。
http://www.nikkeibp.co.jp/article/column/20110418/267282/?top_jihyo

たしかに最後の方で「会社の夏休みを分散して取得し、ヨーロッパのように避暑地に行くようにすれば、東電管内の使用電力量は抑制される」などと書いていますが、本気とは思えません。「避暑地」ってどこですか。タダで連れてってくれるんですか。てゆーか「夏休みを分散して取得」するのは会社全体が休業しないためではないんですかね。

もっとも「避暑地」の話は付け足しに過ぎません。それは「快適」だからです。猪瀬さんは「快適さとは別の尺度」を推奨しています。隣の家で機会に接続されている爺さんの命と引き換えなのは「快適さ」なのであって、未来の命ではありません。まったく肩の荷が下りるというものです。そして「快適さ」とは、「不要不急」のものなのです。パチンコとか自販機とか温水洗浄便座はすべて「不要不急」ですが、問題は電力消費ではないようです。「尺度」が問われているのであり、それは「快適さ」を排除するということに他なりません。

それは多分、石原さんや猪瀬さんの本気の「思想」です。しかしそんな「思想」も他の人にとっては道具でしかありません。そんな役割に甘んじる中で、たまにちょっとだけ好きな色を塗らせてもらう、そんな「ライフスタイル」に満足しなければ現在の地位はありません。そしてそれは決して「快適」ではないと思うのですが、やってみれば結構楽しいものであったりするのかもしれないのです。

そういうわけで10年以上「温暖化」が努めていた役割を「快適さ」が果たすことになったわけです。ちょうど人事異動の季節でもありますので、ここで世間の「自粛」ムードに負ける事なく盛大な歓送迎会を催すべきでしょう。もっともこの世界では大先輩の煙草がまだ現役で癌ばっているようですから、「温暖化」だってもう引退して休んでいてよいというわけでもないかも知れませんが、だいたい流行るものは要警戒であるとはいえ、「生産」の為に尻を冷やすのもこの夏流行の兆しが。

喫煙の有害性に関する歴史


1900年(明治33年)、生命統計学者らが肺癌の増加を指摘(喫煙と疾患の関連を示唆した最初とされる)。その後さまざまな研究が行われ、タバコやタバコ煙の成分が分析され始めた。やがて臨床的・病理学的・疫学的に、タバコの人体への影響の研究が進み、1930年には肺や循環器疾患の発症率や死亡率の上昇が指摘された。その後もさまざまな国・研究機関でタバコの研究は増えていき、ドイツではナチス統治下で、またアメリカ合衆国では1938年ごろ生物学者レイモンド・パール (Raymond Pearl) が、タバコは健康に悪影響を及ぼすと発表している。

1939年から1963年の間に、肺癌に関してだけで29の逆向き研究が行われ、1952-1956の疫学研究の発表以降、喫煙と肺癌の関係が特に注目されるようになり、1950年代から1960年代の間に医学界や各国政府のコンセンサス「喫煙は、特に肺癌や心臓血管疾患に関して健康を脅かす」が発表された。リーダーズ・ダイジェスト誌も、喫煙がいかに公衆衛生に害を及ぼすかを示すことによって喫煙率を減らすキャンペーンを始めた。

1954年(昭和29年)初頭、タバコ産業の代表者らは、喫煙と健康の問題研究を後押しする目的で、「たばこ産業研究会」(Tobacco lndustrv Research Committee/TIRC)を設立し、研究に積極的に資金提供・情報収集を行い、喫煙が健康を害するとの科学的な証拠はないと示した。

以前と比べ多くの禁煙活動が進んだものの、2008年(平成20年)時点では、世界保健機構 (WHO) は「世界各国で喫煙による死の予防が不十分」と公表している。

ウィキペディア
http://ja.wikipedia.org/wiki/喫煙


1900年からの先駆的な研究の存在にも係らず、「喫煙の有害性」に関しては1950年代を中心に、しかも「癌」をターゲットに研究が進められて来た事が明らかであります。一方その頃は核実験の最盛期でありまして、しかもその頃の核実験というものは青天白日のもと正々堂々と行なわれていたもんです。1950年代には16シリーズの核実験で187回の核爆発が行なわれました。

またまたその一方では広島・長崎での貴重な「実験」のデータが収集されつつあり、1950年代初頭をピークとした白血病の発症、その後に続くがんの発症が確認されていたところです。ここで核とがんとの関係が「公式に」認められたわけではないのですが、認めるまでの間に大急ぎでそれ以外の「発癌物質」の探求が行なわれたと思えないでもありません。「喫煙と肺癌の関係が特に注目されるようにな」ったというよりは、注目させたのかも知れません。

まさに「煙幕」といった感じですが、エンストロームとカバットが研究費を煙草メーカーに頼っていたんですから、それ以外の人もどこかから費用援助を受けていたんでしょうし、その「どこか」が核兵器についてどのようなスタンスをとっているかというのは興味深い問題であります。連邦政府やWHOの方がフィリップ・モリスやJTより信頼できるというわけではありません。

もっとも最近では喫煙とがんとの間はやはり放射線がとりもっているという研究もありますので、悪い事は出来ません。ここで問題になっているのはラジウムのようで、これはとりあえず核実験とは無関係らしいのですが、放射線とがんとの切っても切れない関係が再確認されてしまったのは少々惜しい事のようでもあります。

中皮腫や喫煙で「肺がん」が起こる仕組みを解明 - 岡山大学チーム


アスベスト(石綿)吸入による中皮腫や喫煙などによる肺がんが起こる仕組みを、岡山大の中村栄三・地球物質科学研究センター長らの研究チームが解明した。

石綿やたばこ、粉じんに含まれる鉄が肺に入ると、鉄を含む「フェリチン」というたんぱく質が形成される。フェリチンは大気中などにある放射性物質ラジウムを集めて蓄積させ、がんを引き起こすという。28日付の日本学士院発行の自然科学系英文学術誌に論文が掲載される。

これまで石綿を吸入すると、肺にフェリチンが形成されることが知られていた。研究チームは形成過程を突き止めるため、中皮腫や肺がん患者の手術後の肺切片を詳しく調べた。

すると、6人の中皮腫患者のフェリチンからバリウム、鉛、カドミウムなどの重金属が検出された。中でもラジウムは海水中の100万〜1000万倍に相当する高濃度だった。肺がん患者6人でも同様の傾向がみられた。

研究チームは、高濃度のラジウムが出す放射線で強力な内部被ばくが起き、肺組織の遺伝子を損傷させてがんを発生させると結論付けた。研究チームの岡部和倫(かずのり)・国立病院機構山口宇部医療センター呼吸器外科医長は「肺のラジウム蓄積量を調べる技術や、肺のフェリチンを溶かす薬剤を開発できれば、早期診断や治療につながる」と話している。

2009年7月28日 毎日


この記事を読んで「喫煙者から放射線が出ている!」と思った人がいたらしいのですが、きっとつくば市の人でしょう。


posted by 珍風 at 23:52| Comment(2) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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