2011年10月08日

IZO2011

世の中には『産經新聞』を購読して面白がるという高尚な趣味があります。この趣味の高尚たる所以は、何か面白いことが書いてあると一人で笑っているに留まらず、他の人にもこれを教えてあげて、ひとつウケてやろう、というサービス精神の存在でしょう。

そんなわけで、天狗佑太呂さんも「朝刊もなく値段も安くページ数も広告も少なくエコ」だからという理由で『産經新聞』をご購読のようで、もっとも「朝刊もなく」は「夕刊もなく」の間違いだとは思いますが、とはいっても『産經新聞』のことですからこのうえ朝刊までなくなってチラシだけになったところで何の差し支えがあるわけでもないのですが、「阿呆な政治記事やコラム満載で失笑出来るお笑い材料としては参軽が最適」であるとされているところ、やはりその道の方であると拝見致しました。

んで、天狗さんによると賛成新聞では「『まじめで堅実』大善裁判長」という記事を載せているんだそうであります。
http://tengunosasayaki.blog.eonet.jp/109/2011/10/post-75e7.html

これは面白可笑しい話である半面、「報道被害」というものを考えざるを得ない事例でもあります。なにしろ大善さんは天下の『産經新聞』が「まじめで堅実」と評するような人物である、ということが満天下に知れ渡ってしまったのであります。

裁判官も人の子ですから生活のために色んな判決を書くのは致し方ない面もあるでしょう。しかしその人格まで『産經新聞』レベルに貶められる、というのは少々気の毒なようでもあります。『産經新聞』に褒められる。家族や親戚の方はこれを見てどう思われるのか、産經新聞社の記者は考えたことがなかったのでしょうか。裁判官といえば自分は他人よりエラいと思いがちの人たちであります。ご家族は尚更でしょう。そのような方々が、まさか『産經新聞』並みだと言われようとは、人を馬鹿にするにも程があります。

と思ったら

小沢氏裁判に「堅実で真面目な人」


 小沢氏の裁判を担当するのは、東京地裁刑事11部。大善(だいぜん)文男判事(51)が裁判長を務め、平塚浩司(47)、井下田英樹(41)の両判事が横に並ぶ。

 大善裁判長は1986年に任官。名古屋、高知、広島の各地裁などを経て、01年から司法研修所教官を4年余り務めた。06年から高松高裁事務局長を4年務めた後、10年春に東京地裁の部総括判事に着任。裁判員裁判を多く手がけてきた。周囲の評価は「堅実で真面目な人」で一致する。

 検察官役を務める指定弁護士は3人。中心の大室俊三弁護士(62)は、リクルート事件や、今年9月に無罪が確定した旧日本債券信用銀行の粉飾決算事件などを担当してきた刑事弁護のベテラン。政治資金規正法に詳しい村本道夫弁護士(57)、山本健一弁護士(47)を加え、推薦した第二東京弁護士会は「政治的な中立性を重視し、実務に徹して選んだ」という。

 小沢氏弁護団は9人で構成し、主任は弘中惇一郎弁護士(65)だ。村木厚子・厚生労働省元局長が無罪となった郵便不正事件、故・三浦和義氏の「ロス疑惑」事件、薬害エイズ事件などで無罪を勝ち取り、「無罪請負人」とも呼ばれる。長年、コンビを組んできた喜田村洋一弁護士(60)は、法廷で相対する大室弁護士とは司法修習の同期で、旧知の仲という。

2011年10月6日 asahi.com


なんのことはない、『朝日新聞』も一緒になって「堅実で真面目な人」などと書いています。「まじめ」が「真面目」になったのは「漢字くらい読み書きできるんだぞ」という、ウェブ記事に面倒なルビを振る『讀賣新聞』や括弧書きで読みがなをつける『産經新聞』との、いわゆる「差異化」というものでしょう。

とはいっても大善さんの名前には括弧をして「(だいぜん)」と書いてあります。このお名前は大変読みにくいものとされている模様です。そうでもないようなのですが、少なくとも「鈴木」やら「佐藤」やら「大室」とか「弘中」などといった下々の、村一同で同じ名字を付けたようなのとは違うんだぞ、という気遣いが実に心憎いまでに行き渡った紙面であるということが出来るでしょう。

「大善」はおそらく「大膳」の産経化したものだと思われますが、なかなかに由緒正しいお家柄と推認されます。これは「大膳大夫」と言う閑職、いや官職から来ています。「大膳職」の一番偉い人のことですが、要するに食材調達から調理までやる部署、とはいっても天皇の食いもんは「内膳」の掌るところ、「大膳」は臣下に対する饗膳が担当です。位階は従四位下。

まあ毎日のご飯のことですから、ここはひとつ「堅実」で「真面目」にやって頂くに越したことはないわけで、単に面白そうだからといってエクスペリメンタルな方面に走るのは考えものではあります。とはいっても毎日同じようなものでも困るものですから、大変にお加減が難しゅう存じますところのものでございます。

それで糞マスゴミがこぞって賞賛してやまない大善さんの「人格」も、別の言い方をすれば別の言い方になるもので、

小沢「無罪」 最大の難関は超カタブツ裁判長


◆人生初の判断を下せるのか

検察審査会に強制起訴された民主党の小沢一郎元代表に対する判決が、来年4月下旬に言い渡されることになった。
司法関係者の間でも「無罪は確実」といわれ、政界をメチャクチャにした不毛な争いにはサッサとケリをつけて欲しいが、心配のタネがある。
小沢裁判を担当する東京地裁の大善文男裁判長(51)の存在だ。

大善裁判長は1986年任官。東京地裁を皮切りに名古屋地裁、高松地裁、広島高裁の判事を経て、昨年4月に東京地裁刑事11部の総括判事となったベテランだが、司法界では「堅物判事」として有名だ。刑事事件が専門のある弁護士は「無罪判決を一度も出したことがないのでは」と言うほど、極めて保守的で予定調和的な判決ばかり出してきた。

被告人が「無罪」を主張しようが、お構いなし。淡々と実刑判決を言い渡す。全面無罪を主張する小沢にとっては、ちょっと厄介な裁判長なのだ。

大善裁判長のクールさが如実に表れたのは、昨年6月の裁判員裁判。都内で起きた2件の強盗事件を巡り、強盗致傷罪に問われた被告の事件への関与が争われたケースである。
「被告は、実行犯で知人の男に『強盗を指示した』として逮捕されたが、捜査段階から一貫して容疑を否認。唯一の証拠は『指示された』という実行犯の供述だけでしたが、その実行犯が公判の過程で『実は自分ひとりでやった』と供述を翻したのです。実行犯の捜査段階での供述と公判での証言のどちらが信用できるのか。判断の難しいケースですが、大善裁判長はアッサリと『捜査段階の供述の方が具体的かつ詳細に状況を述べている』と検察側の主張を支持。被告を『否認を続け、反省の態度が全く見られない』と断罪し、懲役9年の実刑判決を言い渡したのです」(司法記者)

小沢の元秘書3人の裁判では、検察調書の大半が「任意性」を否定され、証拠として採用されなかったが、大善裁判長の手にかかると、どう転ぶか分からない。

来月スタートの裁判で、カタブツ判事は小沢に“人生初”の無罪判決を言い渡すのか。常識的な司法判断を期待したい。

2011年9月10日 日刊ゲンダイ


ついにその名に相応しくなく、煮ても焼いても喰えない「カタブツ」にされてしまいました。こういうのは鰹節のように少しずつ削って主要な料理の上に載っけたりするのが精々でありまして、とても主菜を張れるような食材ではございませんです。

実際のところこの判例は「カタブツ」だの「クール」だのという軽い言葉で片付けるにはあまりに重大な冤罪の可能性があるようですが、とにかく有罪にする他に能がない、というのが大善さんの「使い途」なんでしょう。小沢さんの裁判は「暗殺」でありますから、大善さんに担当させるにはまことに相応しいというわけです。

ところで稲盛和夫さんは「大善は非情に似たり」とか言っていたようですが、全然意味は違うようです。むしろ大善さんは豪快に斬って斬って斬りまくる一方で粗暴にして教養に欠ける点、「司法界の岡田以蔵」といえば褒め過ぎでしょうか。


posted by 珍風 at 06:58| Comment(0) | TrackBack(1) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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