2011年11月29日

ぐるぐる環状線山手線

大阪敗因「既成政党の閉塞感」=民主・輿石氏


 民主党の輿石東幹事長は28日の記者会見で、大阪府知事と大阪市長のダブル選挙で自民党とともに支援した候補が敗れたことについて、「既成政党への閉塞(へいそく)感というか、日本も世界的にも不況だから、閉塞感を何とかしてくれという気持ちの表れだ」と、敗因を分析した。

 ダブル選を勝利した地域政党「大阪維新の会」が掲げる「大阪都」構想への対応に関しては、「(協力の)要請があった時点で党としてどうするか検討していけばいい」と述べるにとどめた。敗北の影響については「国政にそのまま即影響してくるとも思えない」と語った。

2011年11月28日 時事


「閉塞感」なんだそうです。「閉塞感を何とかしてくれ」ということであるとのことでありますが、どうもよく分かりません。一体何が「閉塞」しているのだ肺か腸か。だいたい「閉塞感」をもたらしているものがはっきりと意識されているのであれば、それは「閉塞感」というよりは「反感」というべきでしょう。投票行動に即してみればそれは「不支持」であり、有権者が自民党や民主党に投票したくなかったから橋下さんたちが当選した、という説明は可能です。

もっとも、投票は義務ではありませんから無理にどこかに票を入れなければならないわけではありません。そこで、どうしてまた大阪維新の会なんかに票が集まるのかということが問題になって来るわけで、その時になれば「閉塞感」を持ち出して来るのも良いかもしれません。

ここで橋下さんたちが訴えていた「大阪都構想」なるものが選挙戦にもたらした効果を考えないといけないのですが、まず第一にこの構想自体に何の効果があるのかよく分かりません。つまり「大阪都」が出来たからといって何か良いことがあるとも思えないのです。二重行政が問題なんだったら政令指定都市を分割してしまった方が良くはないか。

もっとも政令指定都市とはいっても単に大きいだけで相変わらずひとつの自治体であり、その中の各地域に相対的自立性がない場合もあるでしょうから、分割すると言われても困るでしょう。同じ理由で大阪に「特別区」を作っても、それが構想どおり上手く機能しない可能性があることになります。

例えば東京の特別区のいくつかが「市」になりたがっているようですが、それが出来るところは良いでしょう。しかしながら逆に「市」になれない特別区もあるわけです。東京都には「区間格差」があるそうで、金持ち区とビンボー区があるようなのです。区に分かれているおかげで格差が固定される傾向があり、それは囲い込まれて切り捨てられ、やがて埼玉県に売り飛ばされて「北関東」に編入されてしまうかもしれません。

埼玉県を「北関東」と言うと怒られますが、大阪でも同じようなことが起こる可能性は高いでしょう。「ビンボー人はあっちに区分けして自分で頑張らせる」ということでしょうけど、そうやって足を引っ張っている区を切り捨てて「景気が良くなる」としても、一般の「都民」には何も回ってこないようです。

というようなことは全く関係なく橋下さんは勝利するわけですが、それはやはり「大阪都構想」が、内実はともかくとして、「何だかエラくなれそう」だからに他なりません。大阪も東京のようにエラくなれる、これが魅力的だったのです。

ここで残念ながら大阪の人たちは「東京の方がエラい」という前提を受け入れたことになるんですからもう東京に頭が上がりません。東京に来たら差別されても仕方がないのです。もっとも東京の知事は石原さんですから目糞鼻糞ですが、それはともかく、内容の無い「都」という称号に熱狂的に飛びつくという思慮のない行動が、大阪人特有のものではないことは彼等の名誉のためにも強調しておくべきでしょう。

自分の住んでいるところがエラくなったり、親戚にエラい人がいると威張ったり、自分の国が偉大だ、「国歌」「国旗」を大切にしよう、というのは同じことでありまして、自分に自信がない人のやることです。今もビンボーだし将来もビンボーな私は社会に必要とされていないのでいつ何時虫けらのように殺されてもおかしくありません。

このような感情を「閉塞感」と呼びたい人は呼べば良いわけですが、普通はもっと分かりやすく「怒り」とか言うんでしょう。ただし、「怒り」が行き場を失った場合は「閉塞感」と言っても良いようです。つまりこの場合「閉塞」しているのは「怒り」であることになります。しかし「閉塞」しっぱなしだと爆発するのでベントを行なうことになるでしょう。この場合は安全弁の設計がきわめて重要であります。

今回の選挙の結果によって、この安全弁を「右派っぽい、乱暴」な方面に開くことが有効であることが分かりましたが、別に目新しい発見でもありません。そんなことはかつての自民党でもやっていたことで、小泉さんとか安倍さんは「閉塞感」をもたらす圧力を上げ続ける一方ではそっちの方の弁を開いていたもんです。

それが当然のことながらあまり上手くいかなかったんですが、政界というのもあまり芸のない人々の集まりであるようで、現在のところ単に目先を変えて、「既成政党」を再編成して「民主党」が政権を担当してみたり「維新の会」とかが立ち上げてみたりしているんですが、連中が「閉塞感」を感じているのも、まあ無理のないことではあります。とはいっても大阪の人々がより一層の「閉塞感」に見舞われるのも間違いのないところですから覚悟しておいて下さい。


posted by 珍風 at 09:44| Comment(4) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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