2012年07月20日

インドの山奥で修行するぞ修行するぞ

中学生のくせに渡邉美樹さんのマネをして「飛び降りろ」と言ってみたりするのが流行っている様ですが

契約社員で賃金抑える手法に反発 スズキのインド子会社暴動


 スズキのインド子会社、マルチ・スズキで18日に発生した従業員による暴動は、生産体制の急拡大を図る企業側と、低賃金で採用される短期契約社員たちとの摩擦が背景にあるようだ。マネサール工場では昨年にも労働争議が起きており、昨年度は計画より生産が8万5千台も少なくなるなど、大打撃を受けた。今年1月にはマネサールで第2工場が稼働、反転攻勢をかけようとした矢先だっただけに、先行きの不透明感が強まっている。

 現地の関係者の話を総合すると、マネサール工場は約3000人の従業員のうち半数以上が短期の契約社員という。契約社員の給与はハリヤナ州の最低賃金を上回るものの、福利厚生では正規社員には及ばない。契約社員には他州出身者のほか低カースト出身者が少なくない。

 インフレの進行で食料品や燃料費は高騰し、契約社員の生活は「働けど苦しくなる状態だ」(現地のエコノミスト)という。急成長する大企業で、収入が増える正規社員との格差を目の当たりにする契約社員には賃金面での不満が高まっていたようだ。

 共産党系の労組による外国資本の大企業を標的とした労組立ち上げの動きがあったの情報もあり、スズキ側も警戒を強めていたとの指摘もある。

 スズキは今後、西部グジャラート州に新工場を建設する方針だ。州政府の影響力が強く、外国資本の誘致に積極的なことから労働争議が抑えられるとの期待が高い。リスクヘッジの側面もありそうだ。

 スズキのインドでの生産台数は日本国内の102万台(昨年度)を抜き、世界生産280万台の4割を占める「生命線」だ。争議が長期化すれば業績悪化は避けられない。

 急成長するインドの自動車産業では、韓国の現代自動車や外資系タイヤメーカーなどでも、組合設立の要求をめぐる労使対立がたびたび問題化している。半面、これはインドに限った問題ではない。中国では賃上げや待遇改善を求めるストやデモが頻発し、バングラデシュでも同様の動きが相次いでいる。(外信部 田北真樹子、経済部 平尾孝)

2012年7月19日 産經新聞


とゆーよーな話があるわけですが、まあ「不満が高まっていた」ことは間違いないでしょう。ちなみに雇用契約形態によって同一労働でも賃金が違うというのは日本のような国では割と一般的です。もっとも日本では「暴動」はあまり一般的ではありません。日本では「州政府の影響力が強く、外国資本の誘致に積極的なことから労働争議が抑えられ」ているからでしょう。

しかし日本ではインドの「カースト制」に原因の一端があるというような報道が一般的であります。もっとも、「カースト制」はこの際余り関係がないという説もありまして

マルチ・スズキの工場での暴動で死亡した人事部長、手足骨折で放火された事務所から逃げ遅れ


 【ニューデリー】スズキのインド子会社であるマルチ・スズキ・インディアの同国北部マネサール工場での従業員による暴動で死亡した人事部長は、両手両足を折られていて、事務所が放火された際に逃げることができず窒息死していたことが明らかになった。

 マルチ・スズキの広報担当者が、検視の結果を引用して伝えた。18日夜の暴動で死亡したアビナッシュ・クマール・デヴ人事部長(50)の遺体は「黒焦げ」になっていたが、金歯のインプラントを基に家族が確認したという。19日夕に火葬が行われた。マルチ・スズキは、売上高でインド自動車業界最大。

 インド北部ハリアナ州の警察幹部は20日、同警察がマルチ・スズキの労働組合幹部12人の捜索を開始したことを明らかにした。この警察本部長補佐はダウ・ジョーンズ経済通信に対し、これまでに同州マネサール工場の従業員91人を逮捕したと明らかにした。

 同本部長補佐は「マルチ・スズキは12人を告発した。労働組合の幹部だ」と伝えた。さらに、「捕まえて尋問する」と語った。

 マネサール工場の従業員たちは18日に暴徒化して事務所などに放火し、デヴ氏が死亡するとともに、警官9人や日本人駐在員2人を含む100人近い幹部が負傷した。数十人の幹部が依然、入院している。

 マルチ・スズキは19日、班長に暴力を振るったとして停職処分となっていた従業員の停職処分撤回を労働組合が求めてきた後に、この暴動が発生したと明らかにした。この工場では3200人の組立作業員が働いており、その約半分は常勤者で、残り半分は契約社員だという。

 一部報道では、班長と従業員間の議論は班長による階級制に基づく侮辱に端を発したものだったと伝えていた。しかし、先の警察本部長補佐は20日、警察はこれについては疑っていると話した。というのも、関係したとみられているこの班長は伝統的なヒンズー教の階級制に属さないインドの原住民族の出身だからだという。またこの従業員は下のほうの階級の出だった。

 同本部長補佐は、「発生時点ではカースト制に関することは関係していなかった」とし、「さらに、労働組合幹部の大半はこの班長や従業員の階級と何の関係もない地元出身者で、階級制の要因がかかわっていたという見方はここでは全く当てはまらない」と話した。

 本部長補佐は、警察は労組の12人の幹部が同工場で計画的な暴動を起こすために、工場の従業員の一部および、以前に解雇された従業員と共謀していたのではないかとみていることを明らかにした。労組の幹部たちは「企業側幹部と交渉をしていて、この工場の1階にいた。彼らが窓を割って、作業現場にいた従業員たちを招き入れ、企業側幹部全員に乱暴を加えたり、けがをさせたりした」と述べた。

 工場は暴動発生以降、閉鎖されており、広報担当者は工場再開の時間的なメドについては明らかにしていない。

記者: Santanu Choudhury  

2012年7月20日 WSJ日本版


「カースト制」なる「野蛮国の悪弊」に責任をおっかぶせようと言う気持ちは分かりますが、物事はそう上手くは運ばない模様です。仮に「カースト制」のようなものが機能しているとすれば、それは死亡したのがインド人の人事部長であり、「日本人駐在員」が軽傷ですんだというあたりなのではないかと思われます。しかしそれは実は「カースト制」ではなくて、日本人や「伝統的なヒンズー教の階級制に属さないインドの原住民族」も漏れなく参加させられるグローバルな身分制の野蛮なのでした。

いずれにしても「労組の12人の幹部が同工場で計画的な暴動を起こすために、工場の従業員の一部および、以前に解雇された従業員と共謀していた」ものだとしても、それは何故か、あるいは「従業員の一部および、以前に解雇された従業員」が「共謀」して多数による「暴動」を惹起することの出来る条件とは何か、ということになりますから、『産經新聞』の仮説もまんざら捨てたものではありません。

インド当局はこの機に乗じて約3千人の労働組合員を殺人罪に問う(ブルームバーグ)というあからさまな弾圧を仕掛けるそうです。ちなみにこの数は常勤及び契約社員を問わずマネサール工場の労働者全員に当たる数です。「組合」というよりは全ての労働者が相手です。てゆーか組織率が極めて高いようなんですが、確かに人が死んでいるわけですし、その「責任」は問われなければならないでしょう。そして思うに、その「責任」は日本の労働者にも問われなければならないのではないでしょうか。

スズキがこんなことになったのも、考えてみれば日本の労働者が企業を甘やかしすぎたことが原因なのです。甘やかされた日本企業は労働者なんて怖くないとばかりに軽い考えで外に出掛けて行って、本物の労働者の何たるかを知るハメになり、大使館に泣きつきます。外国に行こうなんて10年早いといえば早いんですが、100年遅いといえば遅いわけで、そうするとその国の当局は自国の労働者を弾圧せざるを得ません。それはナショナリズムに火をつけるようなものですが、アマチャンのやることは碌なことにならない道理です。

一方ではこの10年余りの間、日本の労働者は鍛えられていると言って良いでしょう。しかしそこでは労基署に駆け込んだり訴訟を起こしたりという個別の闘争という形態が有効になっています。日本では法律が企業を「暴動」から守ってくれているのです。しかしながら甘やかされた奴に限って感謝の念というものを知りませんから、そんな法律のない国に行ければ良いなと思い、そして実際に行ってしまい、死人を出しますが、死ぬのは「現地人」ですからどうでもいいことだったりします。それでめでたしめでたしということになるのかも知れませんが、日本でも40歳定年制などといって企業をもう一回鍛え直してやろうという気運が高まっていますから、日本でも人事担当者が何人か死ぬことになるのが明日の心だ。


posted by 珍風 at 22:57| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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