2012年08月18日

熱中時代 会社員編

暑すぎる職場、法令違反?節電の落とし穴とは…


 残暑が厳しい中、職場で節電し過ぎると、法令違反になる恐れがあります――。

 全国で節電が求められている今夏、多くの企業や家庭で、「エアコン温度を高めにする」という取り組みが定着してきている。だが、労働安全衛生法が事業所の室温を28度以下に保つよう定めていることはあまり知られていない。厚生労働省は「節電に取り組む際も熱中症の予防に気をつけて」と呼びかけている。

 同法の「事務所衛生基準規則」では、事業者は室温を「17度以上28度以下になるように努めなければならない」と明記。罰則はないが、28度は熱中症を防ぐ上限の温度だとされている。

 だが、空調がオフィスビルの消費電力に占める割合は5割近い。厚労省は5月、「節電期間中は29度まで上げても致し方ない」との見解をまとめたが、企業からは「規則違反になるのでは」との問い合わせが続出した。

 結局、同省は「違反」と認めた上で、▽まずは28度とするよう努める▽29度に引き上げる場合も熱中症予防策を講じる――という対応が必要だとし、6月に経団連などの経済団体や全国の労働局に通知した。

 労働現場では様々な取り組みがみられる。顧客へ2010年比で10%以上の節電を要請中の関西電力(大阪市北区)。本店では「20%」の目標を課し、要請期間(7月2日〜9月7日)の設定温度は29度だ。「水分の補給を」などと記したポスターを貼り、社員へ注意を促している。

2012年8月18日 讀賣新聞


別に「落し穴」でも何でもありません。「事業者は室温を「17度以上28度以下になるように努めなければならない」と明記」してあるそうですからこれは「努力義務」という奴です。当然のことながら「努力義務」ですから罰則はありませんが、讀賣新聞では御丁寧にも「罰則はない」と「明記」しております。

確かに「28度は熱中症を防ぐ上限の温度」なのかも知れませんが、「だが」、そうは言っても「空調がオフィスビルの消費電力に占める割合は5割近い」のです。「消費電力」とは電気料金のことですが、ここで使われている「だが」は、「熱中症」よりも電気料金の削減が優先されるべきことを示しています。情け深い厚生労働省は「違反」を「認め」て「「節電期間中は29度まで上げても致し方ない」との見解をまとめ」てくれていますから、全く安心して「節電」に取り組むことが出来ます。

そのかわりに「熱中症予防策を講じる」必要があります。例えば「ポスターを貼」るなどというのは、極めて有効な「熱中症予防策」であるとされています。水分がなくてもポスターがあれば大丈夫です。何故なら壁に貼られたポスターは空気中の水分を吸収してしまうからです。これで蒸し暑さが軽減されるとともに、「社員」の皆さんは「水分」と書かれたポスターに群がってちゅーちゅー吸うことも出来るのです。誠に至れり尽くせりの「予防策」であります。

とはいえ熱中症で命を落とすことも稀ではない様ですから、事は人の生き死にに関わることです。ということはつまり、これは笑い事なのです。

7割殺人協定 大手100社調査


 東証一部上場の売り上げ上位百社(二〇一一年決算期)の七割が、厚生労働省の通達で過労死との因果関係が強いとされる月八十時間(いわゆる過労死ライン)以上の残業を社員に認めていることが分かった。厚労省の指導が形骸化し、過労死しかねない働き方に歯止めがかかっていない現状が浮かんだ。 

 本紙は今年三〜六月、百社の本社所在地の労働局に各社の「時間外労働・休日労働に関する協定(三六協定)届」を情報公開するよう求めた。さらに各社の労務管理についてアンケートし、三十六社から回答を得た。

 開示資料によると、労使で残業の上限と決めた時間が最も長いのは、大日本印刷の月二百時間。関西電力の月百九十三時間、日本たばこ産業(JT)の月百八十時間、三菱自動車の月百六十時間と続いた。百社のうち七十社が八十時間以上で、そのほぼ半数の三十七社が百時間を超えていた。百社の平均は約九十二時間だった。

 国は労働基準法に基づき、労使間の協定締結を条件に月四十五時間まで残業を認めており、特別な事情があれば一年のうち半年まではさらに上限を延長できる。一方で、厚労省は過労死認定基準として「発症前一カ月に百時間か、二〜六カ月に月八十時間を超える残業は業務との因果関係が強い」と通達している。

 アンケートでは、健康被害の原因となる長時間残業が可能になっている現行制度について、三十六社のうち二十二社が「見直しは必要ない」「見直すべきだが現実的に難しい」と回答した。「見直しが必要」は二社だけだった。

 厚労省は長時間労働を抑制するため労基法を改正し、一〇年四月から残業の賃金割増率を引き上げた。しかしアンケートでは十三社で、法改正前より実際の残業時間が長くなっていた。改正前より協定の上限を下げたのは、日野自動車だけ。

 経団連労働法制本部の鈴木重也主幹は「協定の上限時間が長くても実労働時間はもっと短い。経営側は需給調整のため労働時間に柔軟性を持たせたいという思いがある。円高などで今、国内で事業を続けるのは大変。過労死は重要な問題だが、法律で残業時間の上限を定めるなど労働規制を強めれば、企業はますます活力を失い、成長は望めなくなる」と話している。

◆法律に限度時間を

 西谷敏・大阪市立大名誉教授(労働法)の話 企業が労働者側と長時間の協定を結ぶのは、繁忙期や突発的な事態に備えるためだが、大手の七割で協定時間が過労死基準を超えているのは、ゆゆしき事態だ。法律そのものに限度時間を定めるべきだ。例えば欧州連合(EU)では、残業を含めて週四十八時間が限度となっている。大手企業の大半には労組があり、労組も協定を見直して残業制限に努力すべきだ。

2012年7月25日 東京新聞


「過労死基準」を上回る時間外労働を命じることが適法なのですから、事務所の室温が「熱中症を防ぐ上限の温度」を超えることなど何でもありません。労働者がバタバタくたばるようでなければ「企業はますます活力を失い、成長は望めなくなる」のです。お人好しの労働者諸君は「企業」はモノやサービスを売って利益を上げてるんだと思っているかもしれませんが、実際にはそういうバカが死ねば死ぬ程儲かることになっています。

「「規則違反になるのでは」との問い合わせ」をした「企業」様向けに、讀賣新聞はそんな労働者諸君のための「落とし穴」てゆーか「墓穴」を用意しました。オフィスが29度だろうが39度だろうが罰則はありませんし、ポスターさえ張っておけば極めて良心的だということです。お盆休みもそろそろ終わりということで、これは絶妙なタイミングで出されたメッセージであります。つまりあなたが休み明けに会社に行くと、エアコンが停まっていて噴き出し口はポスターで塞いであります。ポスターには水分を補給するように書いてありますが、ここで水分「だけ」を補給すると塩分とミネラルが不足してますから、あなたは痙攣を起こしてぷるぷると死にますが、それで充分会社のために尽くした、ということになるわけです。


posted by 珍風 at 23:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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