2012年12月20日

徐々の奇妙な要件

自公連立協議、「原発」で公明譲歩…大筋合意


 自民党の甘利、公明党の石井両政調会長は19日、国会内で連立政権に向けた政策協議を行い、大筋で合意した。

 25日に自公党首会談を行い、両党首が署名して正式に合意する。

 合意文書案には、〈1〉震災復興と防災・減災対策〈2〉経済対策〈3〉社会保障・税一体改革〈4〉原発・エネルギー政策〈5〉教育再生〈6〉外交・安全保障〈7〉憲法〈8〉政治・行政・公務員制度改革――の8項目が盛り込まれた。

 この中では、大型の2012年度補正予算を編成する方針や、安倍自民党総裁の考えに基づき、「大胆な金融緩和の断行」が盛り込まれた。消費税率を引き上げる際、生活必需品の税率を低くする軽減税率の検討も明記した。

 両党間で隔たりのあった原発政策では、「原発ゼロ」を求める公明党が譲歩し、「原発依存度を下げていく」との表現に落ち着いた。自民党が求める憲法改正に関しては、「憲法審査会の議論を進める」とした。

2012年12月19日 讀賣新聞


いや、「下げていく」のではなくて「徐々に下げていく」んだそうです。何と比較して「下げる」のか、何時までにどの程度「下げる」のかは明らかではありません。しかもそれが「徐々に」です。

「徐々に」とは困難な言葉です。普通には「ゆっくりと」という意味になるでしょう。しかしあるときにはそれは、「隙をついて急速に」ということを意味するかも知れません。この言葉自体はほとんど何も意味していないのですが、ヒントとなるのは文脈でしょう。

公式に表明されたときの「徐々に」は、何も動かないことを予め説明します。最初から「徐々に」と言ってるんですから、千年とか二千年くらい経っても全然変わらないからといって文句のつけようがありません。何しろ事は地質学的、あるいは核物理学的なタイムスケールを有しているのですから、眼に見える様な変化は期待すべくもないのです。

それに対してウラで使われる「徐々に」は、物事の確実な進行を約束します。これもやはり眼に見える様な変化ではありません。しかしそれは何も起こっていないということではありません。別に眼に見えないという事ですらないのです。ちょっと眼を離した隙に一歩、また一歩と進む、ダルマサンガコロンダ方式です。まあ「見えない」というよりは「見せない」、達磨大師が他人が眼を離した隙に寝転んで四肢を充分に伸ばしていたのと同様、気がつかないうちに事態は進展し、気がついた時にはタッチされているのです。

そこで今回の「徐々に」は公に言われているんですから、「徐々に下げていく」とは「下げない」という意味です。公明党の「譲歩」は予定どおりでしょう。今回の選挙の争点は「脱原発」だったのであり、核発電反対派の一掃が課題だったのだとすれば、これは「勝利」と言って良いのです。もっとも、「勝負」は争点を隠すことによってついたわけですが。

負けた方は「脱原発」だか「卒原発」だとか言っているから負けたのではないのですが、そういうことを言っていると負けることになっていたのかも知れませんし、別の土俵に引きずり出されたのかも知れません。石原さんの言うことは何だかわかりませんが、「原発反対」が「ポピュリズム」だったのであれば、どうして負けたのか説明してもらいたいもんではあります。これは選挙の結果が「民意」に反していることを意味する事になるんですが、そうであれば選挙の結果、じゃあ一体アレは誰の「意」なのか、明らかにされる必要があるのです。


posted by 珍風 at 21:47| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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