2013年03月05日

天皇を撃て!

とは言うものの、雛人形の起源については色々言われておりまして、まず「天児」というものがあります。これは「あまがつ」と読み、棒で十字架を作ったものに衣装を着せた簡単な人形です。これを幼児の枕元に置いてお守りにしたそうです。

もうひとつ、「這子」というのがあって、「ほうこ」読むんだそうですが、こっちは簡単な縫いぐるみです。これもお守りみたいなもんとして3歳になるまで幼児に持たせていた様ですが、まあ玩具というか、投げられたり踏まれたりというメに遭っていたに違いありません。

これをペアにしたのが内裏雛の起源だというんですが、その前にもっと簡単な人形として「形代」(かたしろ)があり、これはもう草とか何かで極めて簡単に人間のシルエットを作って、これで体を擦るんです。そうすると身の穢れがそっちに移るから、川とかに流しちゃう。トイレットペーパーを連想すれば概ねそのようなものですが、このアイデアは未だに「流し雛」の習慣に生きています。

まあそういった「オマジナイ」的なものが雛人形ですが、現代の雛人形は毎年川に捨てたりするにはちょっと値の張るものです。これは呪術と関係のない遊戯用の人形というものがまた別にありまして、その人形遊びを「雛遊び」とか言ったわけですが、その遊戯が呪術と結びついた、てゆーか川に大便を垂れて平気な時代が終わりを告げ、下流の人々の飲料水などにも考えが及ぶようになったことから、人形を飾っておくことにしたものかどうか、定かではありません。

「雛遊び」というのは「リカちゃん」のようなものですが、これが天皇と皇后だということになったのは江戸時代の事だといいます。とはいえ、元々が元々ですから、雛祭りといえば相変わらず天皇は流されたり吊るされたりしなければならないことになっています。

「扇子投げてひな人形を倒すゲーム」はひどすぎる
 フジいいとも企画に批判殺到で差し替え



   フジテレビの昼の顔「笑っていいとも!」で、「扇子を投げてひな人形を倒す」というゲームが行われ、インターネット上で非難の声が巻き起こった。

   ひな人形は宮中を表しているという説があり、旧皇族・竹田宮家子孫の竹田恒泰さんも「雛人形は天皇と皇后、仕える大臣や女官を模して造られた」と説明している。番組では批判を受けてか、途中から人形ではない的に差し替えられてしまった。

扇子を投げてお内裏様とお雛様を倒すと100点

   問題のゲームがあったのは、いつも番組の最後に行われる「曜日対抗いいともCUP」でのことだ。この企画は、週替わりで毎日同じゲームを行い、曜日ごとの出演者が合計得点を競うというものだ。

   2013年2月25日からは「もうすぐひな祭り ひな人形を倒センス〜!」というゲームが行われた。3段のひな壇にひな人形を模したプレートを飾り、扇子を投げてお内裏様とお雛様を倒すと100点、三人官女は50点、五人囃子は30点というものだった。

   出演者は人形を倒すことに熱中し盛り上がっていたが、視聴者は違った。放送中、ツイッターで「雛人形に扇子投げるって…」「雛人形に扇子投げつけて倒すゲームってどういう企画だよ」「お雛様を扇子で倒すゲーム見て『ひでぇ〜』って旦那が」など、疑問の声が投稿された。

フジテレビのサイトで「雛祭りは皇室と深い関係」説明されていた

   YouTubeにもゲームの動画がアップロードされると、コメント欄に「胸糞わるい」「フジテレビらしい番組ですね。知性のかけらもない」「『お内裏様』とは、『天皇陛下』のこと。それを標的にするということは、天皇陛下の絵を標的にするのと同じ」など批判が書き込まれた。

   フジテレビでは公式サイト内のオリジナルコンテンツ「少年タケシ」で、竹田恒泰さんから皇室について学ぶ「皇室のきょうかしょ」というコーナーを運営している。この中には「皇室と雛祭り」というコラムもあり、「雛祭りは皇室と深い関係があります。雛人形は天皇と皇后、そして仕える大臣や女官(にょかん)を模して造られたものです」「江戸時代後期になると、天皇・皇后を模して、お内裏様(だいりさま)とお雛様と称し、宮中の束帯(そくたい)を正確に再現した雛人形が作られるようになります。雅な宮中の伝統的衣装をまとった雛人形を飾ることには、皇室への崇敬の念が込められているほか、お雛様のように、女の子がすくすくと成長し、立派な大人になることを願う親の心が表されているのです」と説明されている。

   番組では28日から突然、ひな人形を模したものではなくただ点数が書かれたプレートになった。ゲーム名も、「もうすぐひな祭り ナイスなセンスで倒センス」というものに変わっている。

2013年3月1日 J-CASTニュース


一説によると男雛を「お内裏様」、女雛を「お雛様」と称するのはサトウハチローの間違いだということですが、竹田さんもこう言っている事ですし、間違いと気違いは江戸の華ですからどうでもいいでしょう。エンガチョを天皇に移すのが「崇敬の念」ということであれば、それはそれで別に構いません。当方としてはバリヤを張るまでの事です。

この「穢れを祓う」というアイデアは二重の意味を持っています。ひとつには服についたホコリを払い落とすように「払う」という意味があります。しつけの良い人はブラシを使います。しかしそんな事をするとホコリは近くにいる他の人についてしまいますので、慎重な人はガムテープで取ります。これが「形代」の機能です。

しかし中には頭の良い人もいて、その際にはお金を「払う」ことにしたら儲かるのではないかと考えました。てゆーか実際には「祓い」は「穢れの除去」ではなくて、神に罰金を「払う」というのが元来の意義であったとも言います。神社は罰金を集めるところだったわけですが、そのうちに日常生活で避けれる事の出来ない様々な事柄を「穢れ」と称し、何も悪いことをしていないのに定期的に「お祓い」を必要とする様な仕組みになってしまいました。

そういうわけで神主さんは今でもハタキの様なものを振り回して祭壇を掃除しただけで何万円も取っていくわけです。あれを「お祓い」と称しているんですが、「払って」いるのはこっちじゃないか。何だかズルい様ですが、コスイ事にかけては西洋人も負けてはいません。キリスト教も全く同じ事をやっています。

キ印教で「購い」とか言っているのが正にそれで、あれは「原罪」という言い掛かりを等価交換したという思想です。何も悪い事をしていないのに有罪判決を下されるだけで冤罪被害なのに、罰金を代わりに払ってやったから有り難く思え、そのかわり言うことを聞けよ、というわけです。それで裁判官と罰金を払ってくれた人がグルなんですからとんでもない詐欺行為です。てゆーか「オレオレ詐欺」の類いと構造的に類似しています。

ところが、こういうアクドイやり口が蔓延る前には、折に触れて宇宙を元気づけるために王様を殺害するという麗しい習慣が存在したとも言われております。どうも王そのものが生きた「形代」として共同体の色んな不都合の責任を取らされたり、あるいは年を取って弱くなったとか病気になったとかすると共同体そのものがヤバいというのでクビになる、てゆーかクビを絞められて新しいのと取っ替えになったりということで、それはそれでなかなかブラックではあります。

「穢れ」をなすり付けて川向こうの異界に追いやってしまう「形代」がいつの間にか「天皇と皇后を模して造られ」ることになったのも、背景にこういう事情があったのだと思えば極めて自然な事に思えて参ります。天皇制がそんなに古いのであれば、天皇も古代の王と同じく殺されることによって機能するものなのかも知れません。

とはいえ実際には殺されるのが厭になった王様は、ホームレスかなにかを連れて来て「偽王」とし、そいつを殺させる事にした、といのが歴史の流れである様です。天皇制というのはそうなってから後の話でしょう。そして殺される役を人形にやらせるのであれば、人命尊重の観点からして大変に望ましいと言うことが出来るでしょう。むしろ投扇興の的となって、倒せば「100点」が「払われる」というのが「雛人形」の正しいあり方なのではないでしょうか。

まあ確かに、人間の形をしたものに物をぶつけて倒すことに興じる、というのはあまり趣味の良い話ではありません。少なくともいい大人が喜んでやる事ではないような気がします。僕たちはいつの日かそんなことをして喜んだりしなくなるなるかも知れませんが、その時には天皇もパチンコも要らなくなるでしょう。


posted by 珍風 at 22:38| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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