2008年08月21日

三位一体くたばっちまえ

裁判員制度施行時期に関する緊急声明

最近、一部から、来年5月21日から施行される裁判員制度の施行時期を延期すべきではないかという意見が表明されています。

しかし、当連合会は、刑事弁護を担ってきた立場から、また、国民の司法参加を願ってきた立場から、裁判員制度が予定通り実施されるよう強く求めます。当連合会は、裁判員制度実施に向けて、今後とも万全の体制で準備にあたります。

人質司法と言われるように密室の中での違法不当な取り調べが横行し、自白しないと保釈が許されない、いったん虚偽の自白をすると、撤回が許されず、捜査官が作成した膨大な調書のみが積み重ねられます。そして、99.9%が有罪判決であるという状況の下で、裁判官は有罪判決を下すことに慣れてしまい、有罪判決を書くための要素のみを無意識にピックアップしてしまうおそれがあります。捜査も裁判も官のみが行う状況ではチェックが働かず、一向に冤罪はなくならないのです。

今回の法改正で、公判前整理手続が導入され、弁護人の活動により、捜査側の手持ち証拠が広範囲に開示されることになりました。再審開始決定された「布川事件」のような冤罪事件で問題になった捜査側の証拠隠しの防止のためには大きい改善であり、裁判の充実にも良い結果をもたらしています。

しかし、人質司法や調書裁判という刑事裁判の根本的な欠陥はそのままです。

これを変えるためには、市民のみなさまに裁判に関与していただき、無罪推定の大原則の下、「見て聞いて分かる」法廷で判断していただくことが不可欠です。

「見て聞いて分かる」法廷では膨大な調書は存在できませんし、捜査も自白よりも物的証拠や科学的な捜査を重視する方向に向かわざるを得ません。


市民のみなさまにはご負担をおかけしますが、是非とも裁判員裁判に参加していただき、みなさまの健全な社会常識を司法の場に生かしていただきたいのです。

事前のアンケートでは不安を覚える市民の方が多いという報道がなされています。

この点、同じ市民が司法に直接参加し、検察官の不起訴の判断の妥当性を判断する検察審査会では、守秘義務を負いつつも、多くの市民が日常生活を中断して参加されていますが、参加前のアンケートではやはり多くの市民の方が参加に消極的です。しかし、一度審査員を経験された後では、実に96%の市民の方が「参加して良かった」と言う御意見に変わっています。諸外国でもこのような傾向は同じです。裁判員制度は誰もやったことがなく情報も少ないためご不安を覚える方も多いと思いますが、問題のある刑事裁判を良くするために是非ともご参加をいただきたいと考えています。

もちろん、今の裁判員裁判制度に改善すべき点がないというわけではありません。また取調べの可視化(取調べの全課程の録画)なども極めて不十分です。しかし、裁判員制度を実施することによって、改善すべき点は改善し、また、取調べの可視化(取調べの全課程の録画)をさらに広げたり、調書裁判の弊害や人質司法の弊害を改善する動きを進めていくことが大切です。裁判員裁判を延期したのでは何よりも根本的な欠陥を抱えた現行の刑事裁判が続く結果となるだけです。

多くの冤罪弁護事件を支援し、刑事弁護を担ってきた当連合会は、裁判員制度を延期して今の刑事裁判を継続するのではなく、この制度を実施の上、欠点があれば、実施状況を見ながら改善していくという方法で進めるべきであると考えます。

世界に誇れる刑事裁判の実現に向けて予定通り実施されるよう、ここに改めて強く求めるものです。

2008年(平成20年)8月20日
日本弁護士連合会
会長 宮ア 誠


確かに現状の刑事裁判制度には問題があり、そのひとつが糾問官が分裂したかのような裁判官と検察の関係にあることは間違いありません。その点について声明では「今回の法改正で、公判前整理手続が導入され、弁護人の活動により、捜査側の手持ち証拠が広範囲に開示されることになりました。」なんて威張っていますが、公判前整理手続は非公開であり、裁判員も参加していません。ところが裁判の帰趨はほとんどこの段階で決定してしまうようなものですから、声明に言うところのいわゆる「チェック」は今まで以上に働かなくなりました。

その意味ではむしろ米国式の陪審制に利点があります。もっともその場合、裁判の公正さを制度としていかに補償しうるかという問題があります。裁判官については、一応、身分保障などその独立を守る為の制度というものがありますが、一般市民たる陪審員には何の補償もありませんし、特に高い報酬が得られるというわけでもありません。ましてや近代的な法制度の基本的な発想すら耳にしたこともないという人が大半であって、裁判が「公正」でなければならないという観念さえ持ち合わせない人たちかもしれないわけです。そしてこの点では裁判員制度も全く同じような難点を持っています。

どうも裁判員制度は世界中から悪いところを集めたような感じがしますが、その場合に犠牲になっているのは憲法において被告人に保障されている「公正な裁判所の迅速な公開裁判を受ける権利」であります。また、「市民が日常生活を中断して参加」することに「配慮」して闇雲に「迅速」化した裁判は、逆に「すべての証人に対して審問する機会を充分に与えられ」る権利をも侵害する可能性があります。この制度が憲法違反であるといわれる所以です。

にも関わらす声明では「もちろん、今の裁判員裁判制度に改善すべき点がないというわけではありません」としながらも、「裁判員制度を実施することによって、改善すべき点は改善し、また、取調べの可視化(取調べの全課程の録画)をさらに広げたり、調書裁判の弊害や人質司法の弊害を改善する動きを進めていくことが大切です」などと乱暴極まる議論を展開しています。問題があることを認めながら見切り発車をして、悪いところは段々直していこうという話しですが、これによると少なくとも制度の発足当初は極めて不完全で危険な裁判が行われるということになります。この時期の裁判に当たった被告人はずいぶん不利な扱いを受けることになるのですが、それもやむを得ないというのが日弁連の見解です。こいつ本当に弁護士ですか。

そのうえ「取調べの可視化」が「広がる」などというのはいい加減な言い草で、全面的に可視化されるのでなければ都合良く編集された「作品」など見る価値もありません。その手の「映像作品」の証拠価値を否定する裁判官もいますが、騙されやすい素人に対しては印象操作として大きな力を発揮するでしょう。この点は重要と考えられます。日弁連はこんな声明を出すのではなく、少なくとも取調べの全面的可視化を取引条件として、それが実現されるまで裁判員制度についての一切の協力を拒むべきでしょう。それとも刑事裁判ってのは「裁判官と検察官と弁護士の御名において」厳かに執り行われてるんでしょうかね。くたばっちまえ、アーメン。

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「くたばっちまえ」のところはベース弾いてたモーリ(毛利公子)。向かって右の人ですが、彼女は出産中に胎児が死亡し老廃物が母体に逆流するという酷い死に方で29歳で他界。伴天連の呪いであろう。恐ろしいことである。


posted by 珍風 at 00:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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