2008年11月11日

君こそスターだ!

【政論探求】「田母神論文」審査の真実

 田母神俊雄・前空幕長に対する参考人聴取が11日、参院外交防衛委員会で行われた。なにやら審査経過への疑念が浮上しているようなので、審査委員としてかかわった立場から、あえて事実関係を明らかにしておく。誤解に基づいて参考人聴取が行われてはたまらないと思うからだ。
 論文募集を企画したアパグループの元谷外志雄代表は中山泰秀衆院議員(当時外務政務官)に審査委員を依頼、中山氏は快諾したが、2回の審査会に秘書を代理として出席させた。この秘書が「自分は田母神論文に零点をつけた」とテレビで述べたという。このため、田母神氏を最優秀賞にするための工作があったのではないかと疑われる要因となった。
 中山氏の立場も考えて内密にしておこうかとも思ったが、秘書の「零点」というのは事実に反する。これによって、渡部昇一審査委員長はじめ審査に当たった側の名誉が汚されるのだとしたら看過できない。
 寄せられた論文235点をアパ側がまず25点に絞り込み、審査委員は執筆者名が伏せられた作品を読んだ。2回目の審査会の前にそれぞれが最優秀賞から佳作までの候補作品を選び、得点をつけてアパ側に送った。これを審査会で集計し、元谷氏を含めた5人全員が点を入れた田母神論文が最高点となった。
 中山氏の秘書は当初、別枠でカウントすべき学生部門の1作品に最高点をつけてしまい、審査が混乱した。そこで仕切り直しをするといった経緯はあったが、この秘書は田母神論文に明らかに点数をつけていた。「零点をつけた」という話が出てきたゆえんは不明だ。
 もし、間違えて1作品多く点数をつけてしまい、自分の点数表の訂正を求めたというのであれば、削除すべき対象はほかにあった。
 以下は論文応募者の名誉にかかわることになるから、黙っていようと思ったのだが、こういう経過になった以上は明らかにする。
 アパのスタッフがパソコンで検索した結果、25点の中に、盗作の疑惑がぬぐえないものがあった。秘書はこの作品に得点をつけており、削除するならこれを優先すべきであった。
 いずれにしろ、この秘書は田母神氏の受賞を最終的に認め、満場一致で決まったのである。
 政治問題化しているから、保身に走る気持ちは分からないではないが、とんでもない誤解を生んでいる以上、秘書のうかつな発言は重い。(客員編集委員 花岡信昭)


花岡さんによれば審査委員は5人、その内訳は審査委員長渡部昇一さんに花岡さん、藤誠志ことアパグループ代表元谷外志雄さん、そしてどういうわけかカーキチ(死語)の中山泰秀(三世)さん。あと1人が不明と、こういうことになっております。

中山さんは電通を経て政治の世界に入られ、NOVAとべったりだったり、「小泉前総裁の再登板を実現する有志の会」に加わってみたり、橋下を担いでみたりと、碌なことをしていませんが、ここにきて「アパ友」の花岡さんにまで批判されてしまいました。どうも中山さんはアパよりもポルシェの方が大切であるという極めて正当な判断の結果、審査を秘書に任せたところ、秘書は田母神さんの作文には「零点」をつけたと言ったのだといいます。

花岡さんによると秘書の言い分は正しくないんだそうですが、参考人承知されても何が問題になっているのか全く理解できずに「自説」の正当性を主張する田母神さんを見ていると、とにかく彼から逃げたいという中山さん側の気持ちも分からないことはありません。

国会では田母神さんの「説」が正しかろうと正しくなかろうとどうでもいいのです。田母神さんが自分の作文を「いささかも間違っているとは思っていない」としても、そんなことは誰も問題にしていないのでした。

とはいっても、田母神さんの「確信」は、別段歴史研究のうえでの話しではなく、どちらかというと森さんやバカ殿に頼ったものなのです。田母神さんとしては自民党のエラい人が言っていることと同じことを書いて何が悪いのか、おそらく全く理解していないでしょう。

田母神さんにとっては「アパ友」の「ウラ見解」の方がよっぽどリアルだったのであり、「アパ友」の存在なくしてあの「論文」は書かれることもなかったでしょうし、それが「政府見解」に反するという自覚も希薄であったものと思われます。

彼の態度は「政府見解」に反してでも「言論の自由」を行使する、といったような立派なものではありません。彼の「論文」は「ウラ見解」と「アパ友」をバックにつけた気楽な作文です。何かに対峙して独りで立っているわけではありませんから退職金を返納する理由もありませんが、「生活が苦しい」とは笑わせます。

空幕長の給料がいかほどか存じませんが、とりたてて薄給でもなかったのではないでしょうか。どこでどんな女に入れあげたものか知りませんが、「生活が苦しい」はずはないでしょう。またたとえ生活が苦しくても、一応は政府の見解に反する見解を実名で書き記し、あまつさえ懸賞論文に応募する以上は、「離任式」だの「退職金」だのは最初から諦めてかかるのが普通ではないでしょうか。

もっともいくら田母神さんでも、こうして公になってみると自己の文章力について疑義も生じることでしょう。トンデモ歴史ライターとしての前途は極めて多難であり、不安に満ちた真っ暗闇であることはご本人が一番自覚しているのかも知れません。

そこでこの花岡さんの記事を読むと、田母神さんの自己の能力についての疑いと将来の生活への不安はあながち無根拠なものではないことが分かります。花岡さんは「中山氏の秘書は当初、別枠でカウントすべき学生部門の1作品に最高点」を付けたことを指摘しています。秘書さんは審査の仕組みがよく分かっていないままに全部の応募作をまとめて採点したところ、最高点は学生さんだったというのです。

これは多分、学生部門優秀賞の多田羅健志さんのことなのではないかと思われるのですが、花岡さんの記事は、多田羅さんの方が田母神さんのよりも実質的に優れていたと言っているのです。すくなくともそのような評価が存在したことを公にしたものです。

ということで、次代のスターはどうやら田母神さんではなくて多田羅さんということになったようです。もはや花岡さんすら田母神さんから静かに身を退いていこうとしているわけで、田母神さんはもはや孤立無援の状態にあるのです。

しかし田母神さんには、そのような状態で尚も自分の考えを書き記していく技術も覚悟もありません。そうであれば退職金を返す気がないのももっともなことです。トンデモライターの道は閉ざされました。これからどうやって生きていけば良いのか全く分からないのです。目の前の現金を手放したいという気持ちには、ちょっとなれませんよね。もっとも、田母神さんが今まで貰ってきた給料はすべて国民から絞り取ったものなのですから、今まで貰った給料を全部返してもらうのが筋というものです。退職金だけで済ませるかと思ってるんだったらとんだ勘違いですな。


posted by 珍風 at 22:48| Comment(1) | TrackBack(2) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
はじめまして
ブログ覗かしてもらっています。
ヨロシクお願いします。

Posted by かふぇ at 2008年11月23日 21:34
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