2008年11月23日

鉄砲玉の美学あるいは替え玉一丁

これが容疑者だ 銃刀法違反容疑で逮捕

 多数の報道陣にひるんだ様子もなく、正面を見据えた−。元厚生次官ら連続殺傷事件で、銃刀法違反容疑で逮捕された、さいたま市北区の無職、小泉毅(たけし)容疑者(46)を乗せたワゴン車は23日午前4時に警視庁麹町署を出発、警視庁本部に向かった。
 青いシャツ姿の小泉容疑者は2人の捜査員に挟まれ、後部座席の真ん中に座っていた。同署の駐車場からワゴン車がゆっくりとしたスピードで出てくると、待ちかまえた報道陣から多数のフラッシュが浴びせられた。

2008年11月23日 産経ニュース


「これが容疑者だ」って、「!」が7つくらいつきそうな勢いですが、まあ写真が載っているわけです、「小泉殺」じゃなかった「小泉毅」さんの。捕まった人の写真なんてよく掲載されるようですから、特に「これが」なんて言われる筋合いはないのですが、今回は特に念を押しておく必要があるようです。あれが容疑者なんですってさ。何のって、銃刀法違反のですけど。

肩書き「容疑者」の「小泉毅」さんは22日(土曜日)の夜9時20分頃に、血の付いたナイフとか26センチのスニーカー、次官宛伝票の貼ってある段ボール箱なんかを何故か日産レンタカーに載せて警視庁本部を訪れたものです。とりあえず報道された「証拠品」は全部忘れずに持ってきました。他にも報道されていない「証拠品」も怠りなく準備していたものと思われ、必要なものはちゃんと揃っています。住民票まで整えてきました。用意周到です。

誰がこんな立派な人物を「無職」のままにしていおいたのか。世の中には顧客から集金してきたお金をなくして帰ってくるようなマヌケが一杯いることを考えると、すぐにでも正社員として迎えたいという人事担当者も少なくないと思われます。

マスコミ対策も万全です。なにしろ僕が朝起きたらもう「アパートの隣人」が小泉さんにもらったとかいうエロDVDを見せびらかしていたり、「父親」がインタビューに答えたりしていたのですから、世の中寝る間もありません。僕が寝ている間にも記者さんたちは「小泉」さんの近所の人を叩き起こして、彼が「有名なクレーマー」だったり「目つきが悪く、感じが悪い」人だったり「粗暴そうな雰囲気」だったりという「悪口」を集めて回っていたようです。人当たりは悪いが仕事はきっちりする職人タイプ、といった感じでしょうか。

それにしても「動機」というのがめまいがしそうなほど息切れで救心です。「昔ペットが殺されたから」。これ思いついた人、エラいです。この件に関する報道で早いのはこれかな。

元厚生次官宅連続襲撃事件 「おれがやった」と46歳男が出頭、銃刀法違反の疑いで逮捕へ

さいたま市と東京・中野区で元厚生事務次官らが殺傷された事件で、22日夜、46歳の男が「あの事件はおれがやった」などとナイフを持って出頭した。警視庁は、銃刀法違反の疑いで男を逮捕する方針。
元事務次官の自宅を立て続けに襲った理由について、男は「飼っていたペットを保健所に殺されて、頭にきた」などと供述しているという。
ナイフを持って出頭したのは、「小泉 毅(コイズミ・タケシ)」と名乗る男で、所持していた免許証や住民票によると、さいたま市に住む46歳の男だという。
「小泉 毅」と名乗る男は、22日午後9時半ごろ、警視庁の本部庁舎にレンタカーで乗りつけ、「元事務次官を殺したのは自分だ」などと話したという。
男は、サバイバルナイフを8本持っており、その中には、血痕の付着したものもあったという。
また、スニーカーと宅配便で使うような箱も持っていたという。
警視庁は、男の身柄を麹町警察署に移して取り調べを進めており、正当な理由もなく刃物を所持していた銃刀法違反で逮捕する方針。
警視庁によると、「小泉 毅」と名乗る男は、取り調べに対し「さいたま市の山口剛彦元次官夫妻殺害と、中野区の吉原健二元次官の妻刺傷の2つの事件は、自分がやった」と供述したうえで、動機については「飼っていたペットを保健所に殺されて、腹が立った」などと述べているという。
警視庁は、男が所持していたナイフについた血痕や、スニーカーが足跡と一致するかなど、物的証拠の鑑定と供述の裏付けを急ぐ方針。

2008年11月23日00時39分 FNNニュース


「飼っていたペットを保健所に殺されて、腹が立った」。夜中の0時半に何を言い出すんだよ。かなり了解不可能な「動機」です。しかし懸命なる産經新聞では、なんとこの報道の前に、いち早くフォローを入れました。てゆうか事前の場合は「フォロー」とは言わないのか。まあ、ちょっと先走って早漏。

「今の40代は幼稚な人多い」識者コメント

 評論家の大宅映子さんの話「40代といっても、昔と比べ、今は幼稚な20代に見える人が多い。子供のころからぬくぬくと育ち、見た目だけでなく、中身も20代の人がいる。バックグラウンドが分からないが、そんなに大した人ではないのではないか。最近は理屈なしに、恨みといった古典的な動機の範囲にも入らない理由で事件を起こす人がいる。仮に年金問題が理由だとしたら、奥さんは全く関係ない。常識がない人のことを考えても分からないが、逃げる気もなかったと思う。その気なら、もっと計画するでしょう」
 元警視庁1課長、田宮栄一さんの話「警視庁に名乗り出た男が事件の犯人だとすれば、捜査や報道に追い詰められ、逃げ切れないと思ったからではないか。あるいは自己顕示欲が強い性格なのかもしれない。所持したナイフの血痕が誰のものなのかが重要となる。年金問題など厚生労働省にいろいろな問題があり、どんな理由があったとしても、男を『正義の味方』にして許してはならない」
 藤本哲也中央大教授(犯罪学)の話「今回の事件は現場に堂々と足跡を残すなど、いつ捕まっても構わないという犯人の心理が感じられる。犯行に対する信念ともいえ、ナイフやスニーカーなどを持って警察に出てきたのは当然と感じる。現場を管轄する警察署ではなく、警視庁の本部に現れたことも、犯行の意図を社会に示したいという意識をうかがわせており、自ら名乗り出ることも当初から計画していたことではないか」

2008年11月23日00時19分 産経ニュース


「40代といっても、昔と比べ、今は幼稚な20代に見える人が多い」んだそうですよ、40代の諸君。「幼稚」か「若さ」か、その辺の違いは全く主観的ですから。しかし20代がそんなに「幼稚」なんですかね20代の諸君。大宅英子さんは20代の頃に株式会社日本インフォメーション・システムズを設立され、企業等の「幼稚な」文化イベントを「幼稚に」プロデュースしたりなんかしたまま現在に至るまでも「幼稚」ですが、大丈夫です。20代には見えません。39分のニュースを見るまでの20分間、映子さんの「コメント」は意味不明です。そして今でも意味不明です。何故「バックグラウンドが分からない」のに「そんなに大した人ではないのではないか」と言えるのか。てゆうか、もしかしてコワイ「バックグラウンド」があるかもじゃん。滅多なこと言うと大変じゃん。なんたってああいう事件の「容疑者」ですから、どんな「バックグラウンド」があるもんだか分かったもんじゃありません。それにむしろ「逃げる気もなかった」のは不思議でもなんでもない。コワイ「バックグラウンド」が「ない」ということを知っていなければなかなかこんなこと言えませんぜ。まあ僕も「常識がない人のことを考えても分か」りません。

てゆうかこれは大宅さんがというよりも見出しの問題ですね。「幼稚」な「動機」に納得するための鍵を与えてくれているわけです。問題は鍵が先にあって一体これは何の鍵だろう、扉が見つからないという状態が続いたことで。これは不正入試者が解答だけ教えてもらって問題をまだ見ていないような気分、って何のことだか分かりませんが、ともあれ「動機」についてはどうきてもこの線でイクみたいで、朝日の、これは本当に「フォロー」です。

「ペット処分され腹立った」 小泉容疑者、出頭時に語る

 「事務次官を殺した」などと話して東京の警視庁に22日午後9時20分に出頭し、銃刀法違反容疑で逮捕された小泉毅容疑者(46)は「保健所にペットを処分されて腹が立った」などと話したとされる。また、出頭前の午後7時ごろにはTBSテレビのホームページに本人と見られる書き込みがあり、「今回の決起は年金テロではない!今回の決起は34年前、保健所に家族を殺された仇討(あだう)ちである!」などと記されていた。
 「元厚生次官宅襲撃事件」と題した書き込みで、「やつらは今も毎年、何の罪の無い50万頭ものペットを殺し続けている。無駄な殺生はするな」などと書かれていた。
 山口県柳井市に住む父親によると、小泉容疑者が3歳ぐらいから小学2年か3年まで飼っていた白い犬は病気で死んだ。その後、家に来る茶色い野良犬を飼うようになったが、自宅で営んでいた駄菓子屋の客や周囲の人によくほえるため、保健所に処分してもらった。息子には相談しなかったという。
 「息子は『いやだ』と言っていた気がする。そのことを根に持っていたのかもしれない」と父親は話した。

2008年11月23日12時58分 asahi.com


「ドラえもん」は助けてくれないようですが犬は助けてくれるようです。国立大に入ったものの中退して、職を転々とするうち「家族」とも連絡が途切れがち、ついにはワケ分からん動機で大罪を犯す、という彼のストーリーは何らかの精神疾患の連想を促しますが、「事件」の「凶悪性」とか「計画性」とかに鑑みて統合失調症を疑いながらの死刑判決まで行くかも知れません。「小泉」さんがそこまで分かっているかどうか知りませんが、まあ「そんなに大した人ではない」ようですから、執行まで行ってしまっても大丈夫でしょう。まだまだ活用できるかも知れません。例えば今後は行政の不透明性を高めるようになるかも知れません。役人がどこで何をやっているのかあまりよく分からないようになる、ということも「人命尊重」の観点からして十分に考えられることであります。

TVで「小泉」さんのアパート見ましたけど、表札がなくて鉛筆で名前が書いてありました。いつ書いたんでしょうか、スゴい鉛筆もあったものです。見た感じでは、向かいのアパートの住人の「生活感がない」という、まさにそんな感じですね。40男が独りで暮らしているにしてはキレイ過ぎます。仕事も何やってるのか分からないのに家賃滞納なし、更新料もきちんと払うというのもエラいものです。怒鳴ったり下の部屋の住人を追い出したりするのが「仕事」だったのかも知れませんが、時には大きなヤマがあるのが「仕事」というものであります。


posted by 珍風 at 19:56| Comment(4) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
それにしてもずいぶんと出来の悪い「替え玉」を出してきたもんですね。辻褄を合せ過ぎて辻褄が合わなくなっちゃった。それを報じる産経グループも妙に饒舌だし・・・。

まあ「犯人自首」の一報を聞いて、横尾"亀頭"和子さんもホッと胸を撫で下ろしているかと思うと、ちょっぴり不愉快な気分になりましたよ。
Posted by やきとり at 2008年11月24日 11:31
大宅映子に横尾和子、オマケに構構息子の多田羅くんといえば…?
Posted by 珍風 at 2008年11月24日 12:42
元厚生省次官刺殺事件と中大事件の類似性

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Posted by 宮崎 at 2010年05月27日 20:43
たしかに城戸淳二教授を殺すのであれば万人が納得出来る「動機」が作れるかもしれませんけどね。
Posted by 珍風な卒業生 at 2010年05月28日 13:01
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