2009年02月24日

みっともないからおよしなさい

阿久根市職員268人分の給与、市長がHPに公開

 鹿児島県阿久根市の竹原信一市長(49)が、市のホームページ(HP)に2007年度当時の市長、教育長ら幹部を含む職員計268人の年収、給料、14項目の手当の明細を1円単位で公開していることが23日、わかった。
 多くの自治体が職員給与の水準をHPで公表しているが、平均額などの公表が一般的だ。名前などは伏せられているが、懐具合を公表された職員からは「そこまでやるか」との声も出ている。
 市HPの市政情報の欄に消防を除く全職員の給与を表組みで掲載。年間の給料に加え、扶養、地域、住居、児童、期末、勤勉など14項目の手当が記載され、正確な年収が明らかになっている。いずれも1円単位で給与総額が多い順に番号を振って公開。名前はないが、医師、市長、副市長、教育長は役職を記載している。
 このうち職員で最も高いのは医師、市長に次いで3番目で、給料543万8400円、扶養手当37万2000円、住居手当32万4000円、時間外手当55万6284円などとなっており、年収は総額909万1695円。
 公開について、竹原市長は自身のブログ(日記形式のHP)で「19年度職員給与、手当明細も公開しました」と紹介し、市HPの該当サイトにつながるようリンクを張っている。そのうえで、「年収700万円以上の職員が54パーセント、大企業の部長以上の給料を受け取る人間が過半数にもなる組織が阿久根市民の上に君臨している」「職責や能力と給料の関係もデタラメとしか言いようがない」などと職員批判を展開している。
 竹原市長は読売新聞の取材に「市民から職員給与や退職金のことを知りたいと要望があったため掲載した。税金の使い道の話だから公開して当然。市は年間20億円の税収しかないのに多額の人件費を使っていることに市民がどう感じるかということだ」と話した。
 これに対し、ある職員は「自分の年収も載せられている。正直気分が悪い。出直し市議選に向けた選挙戦略としか思えず、『そこまでやるか』と開いた口がふさがらない」と憤りをあらわにした。別の職員は「阿久根市が他の自治体に比べて高いわけではないのに……」と話していた。

2009年2月24日  読売新聞


これがその表ですが
http://www.city.akune.kagoshima.jp/sisei/syokuin.pdf
竹原さんによると最近では大企業の部長の年収は700万円なんだそうです。多くの人の実感とはかけ離れているかも知れませんが、「多くの人」の大半は大企業に勤めてもいませんし部長以上のクラスでもありません。しかし20年くらい前の中小企業(商社)の部長の年収は800万以上でした。15年くらい前に別の中小企業(流通)の課長でも750万くらいだったのですが、僕が5年くらい前に中小企業の課長だった頃には600万もいかないという話しもありますから、大企業とか中小企業とか言っても色々あるわけです。もしかすると「名ばかり部長」というのもいるのかも知れません。

ところで竹原さんは全職員の給与明細を公開してしまったのですが、これは職員間に要らざる軋轢をうむものとなるでしょう。その程度の数の組織だと、「職員氏名」の欄が空白になっていても、誰がどの辺だかだいたい分ってしまうものです。

最も知られたくない個人データは、男性が“年収”、女性が“住所”−日本RSAが発表

 日本アール・エス・エー(株)は、コンピューター上のセキュリティーに対する会社員の意識調査結果をまとめた。

 それによると、もっとも知られたくない個人データは、男性では“年収、資産や負債”が全体の56.6%を占め1位、女性では“住所や氏名”が全体の37.1%を占め1位となった。また、“あなたの住所や年齢、趣味、能力といった個人データに値段をつけるとしたらいくらか”の問いには、男性では“100万円〜1000万円”、女性では“1万円〜10万円”という回答が最も多かった。個人データの外部流出については、年齢が高くなるにつれて“流出している”と感じる人が多い。

 また、企業内情報の漏洩については、注意を払っていない人が全体の40.6%にのぼっている。なかでも営業部門に勤める人では54.6%が“注意をしていない”と回答しており、最もセキュリティー意識が低い。

 調査結果の詳細は、同社ホームページで公開されている。

 また同社は、セキュリティー関連の情報を提供するメールマガジン“セキュリティ・ニュース”を18日から隔週で配信する。暗号技術や最新技術動向についての解説、新製品/サービス情報を電子メールで配信するもので、購読料は無料。
(報道局 桑本美鈴)

1998年12月16日 ASCII24


ちょっと古い話しだけど、今でもそんなに変わりはしないでしょう。年収300万の人が年収700万に上がれば当面は文句を言わないと思いますが、同じ組織の中で年収がほぼ同レベルの人たちの間ではであればその中で多い少ないということが気になるでしょう。しかしこの表はあくまで諸手当込みの年収順に並んでおりまして、「扶養手当」「住居手当」「通勤手当」「児童手当」まで公開されています。これらの情報は個人を特定する助けになるでしょう。阿久根市職員諸君は「給料」の欄に注目して自分に近い人を見れば誰のことだかだいたいわかると思います。そこで自分よりあいつの方が給料が高いのはどうしたわけなのか、家族みんなで疑心暗鬼に陥るのも一興です。

ましてや竹原さんは「職責や能力と給料の関係もデタラメ」などと書いてしまっていますから、組織内での収入の格差に正当な根拠が無いということも言ってしまっています。これではますますある職員が入庁時期や階級を同じくする他の職員との年収格差について不満を抱かずにはおれません。

民間の会社経営者はこのような形で個々の従業員の給料を、お互いに分るような形で公にしたりはしないものです。竹原さんは自衛隊上がりの土建屋だそうで、「経営という観点から見れば」などというワリには経営者としてのセンスは全然ないみたいです。竹原さんのブログによれば要するに「給与と手当だけで17億3千万円、市の人件費として更に退職手当や共済年金などのための支出が加わる。 阿久根市の税収はわずか20億円。今後は景気の悪化で税収は更に減るだろう。」というところが要点なんで、この比率をどう評価するかはともかくとして、つまりは総額が分れば良い話しなんです。

しかし総額だけ出すと、医師を除けば市長の給料が一番多いことは誰にでも想像がつきますから、市長の給料はいくらだとか、減らしゃいいだろうが、とか言われることが予想されます。竹原さんが職員全員の給与明細を公開したのは、自分自身への攻撃を避けるためであると考えられるでしょう。その代わりに個々の職員の年収に注目を集めて「民間より高い」とか言わせる一方で、市長自身の給料は実際の「大企業の部長」クラスでしかないことを示しているわけですね。

民間より高いから異常なのか、民間が低いのか、民家より低くて良いのか、という議論はともかくとして、組織の長が部下全員に迷惑をかけてまで自分の身を守る姿を見せるのが「選挙対策」になるとは、阿久根市というのはよほど変わった世態風俗をもった土地であるようです。無責任や不誠実な人柄が重んじられる土地であるようですし、温泉もあるし、やみくもに旅情をそそられたりもしますが、そんなニキビみたいなところに行って潰されてしまうのもイヤです。宮尾すすむさんは阿久根市の出身らしいので、ちょっくら出掛けていって「ああ日本の市長」をやってもらいたいな。


posted by 珍風 at 18:04| Comment(2) | TrackBack(1) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
そんなに給料もらってるんですか近隣の長島は赤潮で大変なのに
Posted by 凄い at 2010年10月12日 19:28
阿久根市にも赤潮の被害が発生していますけど。
Posted by 凄くない珍風 at 2010年10月12日 20:49
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