2009年05月30日

戒厳令の昼夜兼行不眠不休

敵基地攻撃が可能であるというのはアホ太郎が言う通り鳩山一郎さんの意見だそうです。

わが国に対して急迫不正の侵害が行われ、その侵害の手段としてわが国土に対し、誘導弾などによる攻撃が行われた場合、座して自滅を待つべしというのが憲法の趣旨とするところだというふうには、どうしても考えられないと思うのです。そういう場合には、そのような攻撃を防ぐのに万やむを得ない必要最小限度の措置をとること、例えば、誘導弾などによる攻撃を防御するのに、他に手段がないと認められる限り、誘導弾などの基地をたたくことは、法理的には自衛の範囲に含まれ、可能であるというべきものと思います。

1956年2月29日 衆議院内閣委員会 鳩山総理答弁船田防衛庁長官代読


他国の領土内の基地を攻撃することまで「憲法の趣旨」に反しないということですが、鳩山さんはそれでも尚かつ「改憲」を主張していたところをみると、彼の発想が「自衛」を超えたものであることが容易に想像されます。

もっとも鳩山一郎さんは「誘導弾などによる攻撃が行われた場合」について言っているようなのですが、現在では「専守防衛」の範囲がなし崩し的に拡大され続けた結果、敵基地攻撃論も先制的自衛権の問題として考えられているのであって、鳩山一郎さんの50年前の答弁を引き合いに出すのはアホ太郎らしい的を外した発言です。こんなことで何処を「攻撃」することやら。

コイヌミ内閣が成立させた「武力攻撃事態等における我が国の平和と独立並びに国及び国民の安全の確保に関する法律」によれば「武力攻撃事態等」とは第2条により

武力攻撃事態 武力攻撃が発生した事態又は武力攻撃が発生する明白な危険が切迫していると認められるに至った事態をいう。

武力攻撃予測事態 武力攻撃事態には至っていないが、事態が緊迫し、武力攻撃が予測されるに至った事態をいう。


とある通り、武力攻撃を受けなくても「事態が緊迫」していれば「武力攻撃予測事態」ということになります。このような場合について同法の第3条には

武力攻撃予測事態においては、武力攻撃の発生が回避されるようにしなければならない。


ということになっていますから、政府は「事態が緊迫」さえすれば「他に手段がないと認め」ることによって「武力攻撃の発生が回避されるように」するために「誘導弾などの基地をたたく」ことをしても良かろう、という見解を取りたいようです。すなわち現代の「敵基地攻撃論」とは、武力攻撃を受ける以前に、防衛名目での先制攻撃を行う条件を追究しているところであり、例えば某「北朝鮮」国が、日本まで飛ばせるミサイルに核弾頭を搭載した段階で「武力攻撃に着手した」とみなす、とか、もっと早い段階で「着手」を認めるとか。存在するだけで「脅威」だ、連中は軍事力を保有しておる、こっちを攻撃するつもりに決まってる、それは「着手」だ。

このような議論が日本では行われている、というよう事を「北朝鮮の核実験」の後でことさらに強調した結果、日本政府としては朝鮮民主主義人民共和国に対して防衛的先制攻撃を仕掛ける意思を表明した事になったようです。なにしろ核兵器は中国やロシアにもあるんですが、「北朝鮮」のそれだけが「敵基地攻撃論」の対象になるんですから、「北朝鮮」にとっては相当「事態が緊迫」してきました。

そこで当然、「北朝鮮」側も「先制自衛権」を行使して日本の「基地」を攻撃することになります。しかし日本政府は日本には先制攻撃を行うだけの軍事力がないことを嘆いているので、攻撃の意志はあっても力はないそうです。そこで「北」としてはもうちょっと日本政府を激励するために、日本への攻撃の規模、すなわち日本が今後増強すべき軍事力の程度についてのガイドラインを示すことにしました。いわゆるお買い物メモです。

日本全土が報復圏内と北朝鮮警告 敵基地攻撃能力論に反発

 【北京29日共同】北朝鮮の朝鮮労働党機関紙「労働新聞」は29日、自民党内で敵基地攻撃能力保有論が取り上げられ、麻生太郎首相が法的な可能性に言及していることなどを「再侵略の野心の表れ」と非難、「日本が再侵略戦争を起こすなら、全土が報復打撃の圏内となる」と警告する論評を掲載した。朝鮮中央通信が伝えた。
 論評はまた、「日本の主要都市である東京、大阪、横浜、名古屋と京都には、日本の人口の3分の1以上が住み、工業の基幹部分が集中している」とした上で、「強力な反撃が行われれば、日本は修羅場になるだろう」と強調した。

2009年5月29日 共同


それによると「敵」の攻撃力は「日本全土」を対象としており、特に、どういうワケか知りませんが「名古屋」をも含めた「主要都市」に打撃を与える、ということになっています。そこで少なくともこの5都市を同時、あるいは順次攻撃する能力があるか、今後そうなるように頑張る、その辺を目安に日本も頑張れ、というのが「目標」になることになります。

まあ実際に日本が先制攻撃を行うようなことになってしまうのであれば「修羅場」になってしまっても構わない、「修羅場」おもしれえじゃねえか、東京と大阪と宮崎と千葉は是非頼む、特に東京は千代田区辺りを念入りにやってくれ、という人もいるかも知れませんが、「戦争」というのはいわばそんな「乱暴」なものではなかったりもしますので過剰な期待は禁物です。世の中そんなに甘くはありません。

専制的自衛権論に基づく敵基地攻撃論やら非武力的侵害行為に対する自衛権行使論などは何よりも「国内の軍事的緊張」を高めようとしています。「北朝鮮」に典型的でありアメリカ合衆国においても顕著な「準戒厳状態」の常態化がその目標であり、もちろんアメリカから兵器とかを購入することも大事ですが、国民の権利保障を一時的に停止する「非常事態」を継続することによって事実上「改憲」と同様の効果をもたらすものです。これはイデオロギー的な「改憲」論よりもより実用的であると言えるでしょう。もっとも日本では「平時」でも憲法の一部はしょっちゅう「停止」しているような気がしますけど。


posted by 珍風 at 16:11| Comment(2) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
そしてその武力は当たり前ですが、いずれ国内の不穏分子とか友人のアルカイーダ(仮称)に向けられるというわけですね。
Posted by usop at 2009年06月17日 00:38
必要であれば。大抵は法とその執行で足ります。「アルカイーダ」の友人としての地位は極めて不安定なものです。「弟の友人の友人」なんて、まるで「アイドルとセックスした人」みたいなもんです。
Posted by 珍風 at 2009年06月17日 04:14
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