2009年09月20日

ムダに沈む村

八ッ場ダム建設:中止問題 地元の長野原町長「白紙の状態で」 国交相に文書 /群馬

 前原誠司国土交通相が八ッ場ダム(長野原町)の工事中止を明言し、23日に視察を予定していることについて、地元の高山欣也長野原町長は19日、「地元住民との意見交換会を開催するにあたり、中止ありきのままでは地元住民の心情からしても出席する事はできない。中止については白紙の状態で意見交換をお願いする」とした文書を前原国交相あてに送付した。22日までに回答を求めている。
 同役場ダム対策課は「前原国交相が現地入りする前に、白紙状態で来てほしいという地元の要望を改めて示す必要があった」と、文書送付の意図を説明している。【庄司哲也】

2009年9月20日 毎日


マニフェストに謳ってるのですからタブラ・ラサとはいかないわけですが、もちろん高山さんとしてはそんなことは先刻承知、「白紙」にすればしたでまた「ブレた」と言うことになっています。さりとてマニフェストを撤回しない限りは意見交換会をボイコットするのであり、その責任はやはり民主党にあると主張しうるわけですから、まあ頭を使ってみたと、こういう事ですね。

対するにマエバリは「治水も利水も代替案を示さなければ周辺自治体のみなさんが不安になるのは当たり前」などと、これまた論点を外して見せます。高山さんの地元長野原町にある川原湯温泉では、最初のうちは「地元住民にとっては、ダム事業は『公共事業』ではなく『生活福祉事業』」だと訴えていました。もともと八ッ場ダムは「利水」にも「治水」にも「今治水」にも「正露丸」にも関係がない、といってはナンですが、まあ実際のところほとんど関係がないと言っても良いくらい、全くその意義は失われているのです。それは今ではダム計画によって破壊された観光資源の再建の中心なのであり、要するに現在では八ッ場ダムは観光施設であると考えられています。

ここで問題は、そんなことを言うと国民の間からは一温泉地のために巨額の血税を投じていいのかという至極当然な疑問が湯煙の如くわき上がってくるのを如何ともしがたい、というところにあります。高山さんとしては川原湯温泉がいかに我国にとってかけがえのない財産であり世界的に見ても極めて価値の高い保養地であるとかナントカということについて理解を求める必要があります。ちなみに温泉の評判はそんなに悪くありません。「湯かけ祭り」は裸の男衆がお湯をぶっかけ合う奇祭として知られており、かつては田河水泡先生も滞在したという、まあそんな程度です。つげ義春先生は滞在したかどうか知りませんが、一部の意見によると「つげ義春的」ではあるようです。こうなるともはや褒めているんだかけなしているんだかわかりません。

そんな温泉に何千億の巨費を投じるというのも考えものでありますし、そんなことをするとその貴重なる「つげ義春的」の魅力を大いに損なうことにもなりかねません。そこで高山さんとしては温泉場の都合はとりあえず置いておいて、「治水」だの「利水」だのという「建前」で、いわばマエバリの土俵で話しをせざるを得ないのです。そしてそうなると治水利水のためにはもっと安くて効果的な「代替案」ならいくらでもあるんですから、高山さんには不利な展開です。どう考えても曙同様「出たら負け」ということになってしまいます。出るに出られません。

いわゆる流域の関係自治体の首長さんたちも「水がめ」がどうしたとか言っているようですが、水がめの背中に子亀を乗せて、自民党こけたら皆こけた、となるのが関の山というものです。この壮大な観光施設の予算は現在のところ4600億円。仮に建設を強行すればもうちょっとアシが出て、クビも出て尻尾も出るのかも知れませんが、これは観光事業によってペイされなければなりません。東京都を始めとした関係自治体の皆さんは川原湯温泉に出掛けていって4600億円を落っことしてこなければならないことになりますが、全住民が一泊ずつすればトントンくらいですか。ちなみに東京ディズニーランドの初期投資額は2000億円程度でしたが、ご参考まで。東京ディズニーランドが千葉にあるんだったら東京オリンピックが長野原町でも構いません。ダムに沈めちゃうんですから。


posted by 珍風 at 21:18| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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