2010年01月13日

ヤン坊キー坊天気予報

夫婦別姓だと家庭が崩壊するという人の心理はよく分りませんが、この点について普段から何を考えているのかよく分からない千葉県あたりの御意見をちょっと聞いてみたいと思います。負数同士を掛けるとプラスになると言うではないですか。そこで去年千葉県議会が採択した意見書によると

選択的夫婦別姓のための民法改正に反対する意見書

民主党を中心とした新政府は、選択的夫婦別姓の実現のために民法を改正する法案を次期通常国会にも提出使用とする動きがある。

選択的夫婦別姓は民主党の党是と言えるもので、衆院選マニフェストのもととなった民主党政策集「INDEX2009」に、「選択的夫婦別姓の早期実現」が掲げられている。

フリードリヒ・エングルスは、1884年に著した「家族・私有財産制度・国家の起源」の中で、“資本主義社会を崩壊させ、社会主義国家を実現するための最も有効な手段として、社会生活の最小単位である「家族」を崩壊させ、私有財産制度を消滅させる”としている。

民主党中心の政府は、「夫婦別姓、子供も別姓」となる選択的夫婦別姓制度導入により、家庭崩壊が叫ばれて久しい日本社会の家族に、とどめの一撃を加えようとしている。

「夫婦も別姓、子供も別姓」社会は、まさしく「国親思想」、「子供は国家のもの」とする社会主義・全国主義国家である。

「子供は国家のもの」とする社会主義・全体主義国家の発現の典型例が、ポルポト政権下のカンボジアで行われた大量虐殺である。国家が子供に親殺しを命じた結果が、あの大量虐殺であった。

我が国は、個人主義の行き過ぎによる弊害を避け、共同体の中でそれぞれの役割を持ち分け、その上で個人を尊重するという社会風土を培ってきた。これは、家族、地域共同体、国家、ひいては地域共同体の構成員たる人間に必要な信念であり、人類共存の途を拓くものである。

よって、国会及び政府においては、本来極めて特定の勢力による主張に、ただ形だけ安易に同調することなく、人類、地域、国家の成り立ちを十分に考察し、選択的夫婦別姓のための民法の改正を行わないよう、強く要望する。

以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。


『家族・私有財産・国家の起源』から説き起こす重厚な出だしは好調ですが、そこでエンゲルスの主張として言及されている箇所は間違いですな。いくらエンゲルスでも家族が「崩壊」すると私的所有が消滅するなんて言わないでしょう。逆は言いますがね。

ちなみに日本の民法では「親族法」と「相続法」を合わせて「家族法」だと言っているんですが、これは諸国家の民法典の考え方からすると異例だといいます。しかしこのような法律を持つ日本ではエンゲルスの議論がより理解されるのではないでしょうか。

いずれにしても千葉県の人々は理解していないようで、最初からこの調子ですからその後はグダグダです。社会主義なのか全体主義なのか個人主義なのかよくわかりません。個人主義が「行き過ぎ」るとポル・ポト政権みたくなるというのもかなり無理な相談です。

たぶん嫌いなものを列挙しただけなんだろうと思いますが、餓鬼がカレーライスからニンジンとタマネギを排除するようなもんでしょう。しかし「共同体の中でそれぞれの役割を持ち分け」なんて言っている分にはポル・ポトさんとも相性が悪いわけでもないようです。餓鬼がニンジンを残す場合は細かく刻んだりして分らなくすると平気で食べちゃうものです。

やはり千葉県に期待した僕が間違っていたようですが、これは千葉県オリジナルの文書なんでしょうか。そう願いたいものです。しかし例えば外国人参政権に反対する意見書を可決した県議会の中には、意見書案を自民党本部から貰って来たものもあるようですから、わかったものではありません。

外国人参政権、14県議会が反対 「保守」掲げ自民主導

 47都道府県のうち14県議会で、昨年の政権交代以降、永住外国人の地方参政権の法制化に反対する意見書を可決したことが、朝日新聞の調べでわかった。このうち7県はかつて、賛成の意見書を可決している。いずれの可決も自民県議が中心になった。夏の参院選や来春の統一地方選に向けて、民主との違いを際だたせようとする狙いがある。

 反対の意見書を可決したのは秋田、山形、茨城、埼玉、千葉、新潟、富山、石川、島根、香川、佐賀、長崎、熊本、大分の県議会。主に自民党議員が提出し、昨年10〜12月に採択された。

 意見書は、首長や地方議員は地方公共団体の住民が選挙するとの憲法の規定をもとに「日本国民でない外国人に選挙権を付与することは憲法上問題がある」としている。

 全国都道府県議会議長会によると、2000年までに30都道府県が参政権を求める意見書を可決した。在日本大韓民国民団(民団)の要望や、「憲法は永住外国人に地方選挙の選挙権を与えることを禁じているとはいえない」との95年の最高裁判決が影響した。

 島根県議会は地元選出の竹下登元首相が日韓議員連盟会長で法制化推進派だったこともあり、95年に賛成の意見書を可決。昨年12月には一転して反対の意見書を可決した。小沢秀多県議は「保守を掲げてきており、絶対に譲れない問題」と説明する。統一地方選は小差で当落が分かれることが多く、法制化で外国人の投票が実現する影響を懸念する声も党内外にあるという。

 自民党石川県連幹事長の福村章県議は「政権交代で状況が変わった」と話す。「かつて賛成したのは、法制化が現実的ではなかったから。賛成を要望した人の顔を立てておけと安易に考えていた」

 衆院選の大敗後、自民の谷垣禎一総裁は「保守」を掲げて党再生を目指す。党本部は「問いあわせがあった県連には可決された意見書を送っている」と話す。反対の意見書を提出した埼玉県の自民県議は、党本部から意見書案を入手したという。「民主は中がバラバラだから」と、民主を揺さぶる狙いがあったとも話す。

 民主党は政策集で地方参政権の早期実現を掲げ、昨年12月に小沢一郎幹事長が「通常国会には現実になるのではないか」と発言した。

 民団の地方参政権獲得運動本部の徐元テツ(テツは吉を並べる)事務局長は「前向きだった竹下元首相や小渕恵三元首相が亡くなり、自民では国威発揚の風潮が高まって法制化の流れが変わった」と指摘。「変化は残念だが、本音が現れた感じがする」と話す。

 法務省によると、国内には永住外国人計約91万人が暮らしている。(福井悠介、渡辺志帆、野村雅俊)

2010年1月8日 asahi.com


ついこの間まで政権を取っていた自民党にだけは「憲法違反」についてものを言う資格がないとも言えるのですが、「改憲」を掲げる野党である自民党が現行憲法を盾にして反対しなければならないというのも情けない話しではあります。

もちろん憲法解釈に基づく反論は、少なくともエンゲルスの誤解から始めるよりは幾分かマシなものであると言えるかも知れません。もっとも例の1995年2月28日の最高裁判決は、現行の制度を違憲状態であるとして安定性を壊すことなく、立法行為によって制度を変更することをも違憲ではないとしたものです。要するに外国人に参政権を付与しても付与しなくても憲法違反ではない。

憲法の方はともかく、讀賣新聞などは

永住外国人に地方選挙権を認めれば、北朝鮮、韓国、中国などが自国出身の永住外国人を通じて、日本政府の方針とは異なる主張を地方から浸透させようと、影響力を行使できる余地が生まれる。

「外国人参政権 小沢氏の発言は看過できない」(2010年12月15日 讀賣新聞社説)


なんて心配をしているようですが、別段外国人に参政権を認めなくても、14の県議会で「日本政府の方針とは異なる主張を地方から浸透させようと」しているのですから心配には及ばないでしょう。もっとも外国人参政権はアメリカが警戒しているであろう東アジア共同体構想と繋がるものですから、自民党の動向が「アメリカなどが自民党を通じて影響力を行使」しているものであるとすれば、讀賣さんとしてはもう心配していいものやら悪いものやら分りません。アメリカに忠誠を誓わないものがいるという意味では、日本人も日本における「外国人」に他なりません。「国民」は自民党支持者の「名誉白人」に限られなければなりません。道理で千葉県にいっぱいいるわけだ。
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posted by 珍風 at 14:35| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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