2010年04月04日

毒餃子をもって毒を

世界でも超一流の死刑大国から日本に4人前のお届けです。餃子付き

菅氏『4人死刑厳しい』 中国首相と会談、懸念表明


 【北京=池田実】北京を訪問中の菅直人副総理兼財務相は三日午前、中国の温家宝首相と会談した。中国政府が日本人四人の死刑を執行すると通告した問題について、菅氏は「麻薬の密輸は懲罰が必要だが、日本の基準からみると、(死刑は)厳しいとの意見を持つ人もいる」などと懸念を表明した。温首相は「処罰は中国の法律に基づいたものだ。(日本国内への麻薬密輸は)何千人もの命を危険にさらす重大な犯罪だ」と理解を求めた。
 菅氏は、中国製ギョーザ中毒事件の容疑者が拘束されたことについて、「中国側の努力を評価したい」と述べた。
 そのうえで、「より解明が進んだ段階で(真相を)明らかにしてもらうことが日本国民の安心につながる」と指摘、中国側に真相究明に向けたさらなる努力を促した。温首相は「一度として捜査の手を緩めたことはなかった」と語ったうえで、日本側が評価していることに感謝の意を表した。
 会談では、経済不均衡をもたらしている、として米国などが切り上げなどを強く迫っている人民元相場についても議論。
 「賢明な判断を期待する」とした菅氏に対し、温首相は「貿易にはいろんな側面があり、一方的に言われるものではない」などと述べた。

2010年4月3日 東京


鳩ポッポは「残念だポッポ」、平野さんや岡田さんは「懸念」、福島さんは「やめてもらいたい」と言っていますが、今ひとつ迫力がありません。一方で讀賣新聞は聞いた風なことを吹聴していますが

中国の死刑執行通告「日本の反応見るため」外交筋
 

【北京=大木聖馬】日本人死刑囚3人の刑執行を新たに通告してきた中国には、3月末に1人目の執行を通告した際に「懸念」表明にとどめた鳩山政権が強く反発し、日中関係に大きな影響を及ぼすことはないだろうとの強気の読みがある。

 中国は、日本が今回の死刑執行を「人権問題」ととらえ、態度を硬化させる可能性は小さいと見ている。

 日中外交筋は、3月29日の赤野光信死刑囚(65)に対する刑の執行通告について、「日本の反応を見るために揚げた観測気球だった」とみる。ここで、日本側は「国民感情への影響を懸念する」と伝えるにとどめ、中国側を非難しなかった。昨年12月、人権問題の観点から自国民の死刑執行に激しく反発した英国政府とは全く異なる対応だった。

 同筋によると、これによって、中国は残り3人の死刑囚の刑執行を行える条件が整ったとみなした。1972年の日中国交正常化後、日本人死刑囚の執行が行われてこなかった最大の理由は、対日関係に影響を及ぼすことへの懸念であり、4人もの死刑執行は、事実上、この歯止めが外れたことを意味する。

 中国は、東シナ海のガス田開発、習近平・国家副主席訪日時の天皇陛下との会見などを通じ、鳩山政権との間では、ある程度強く押しても日中関係は壊れないと見始めている模様だ。

 一方、深刻な薬物汚染に苦慮する中国では、国籍を問わず厳罰に処すことは、国内治安を維持する上で不可欠の対策とも見られている。覚せい剤50グラム以上を密輸した場合の最高刑は死刑と刑法で規定、覚せい剤取締法などの最高刑が無期懲役の日本よりはるかに厳しい罰で臨んでいる。

 また、中国人だけの死刑執行に対しては、大国意識を強める国民から批判が集まりかねない事情もある。

2010年4月2日 讀賣新聞


中国が「鳩山政権との間では、ある程度強く押しても日中関係は壊れない」と見ている、と讀賣新聞は書いていますが、別に鳩山政権でなくても日本政府はこの問題に対して強くは出られません。讀賣はダーティ・時事とともに英国政府との対応の違いを強調していますが、日本はイギリスあたりとは事情が違うのです。

日本では「人権上の観点から」政府が死刑そのものに批判的な立場を取ることが出来ません。死刑を廃止している英国に比べると、最初から強いことを言えない状態なのであって、首相が誰で政権党がどこであっても、中国にとっては手強い相手ではない、目糞鼻糞関係にあります。

したがって、マスゴミも日本人が些細な犯罪行為を理由に殺されようとしていることに関しては恐ろしく寛容です。たとえそれが中国であってもです。せいぜい「司法システムの不透明さは、大きな問題」(産經新聞)、「中国の司法手続きが適正だったかとの疑念」(讀賣新聞)を指摘するくらいなものです。

もっとも、その点についても日本もあまり他人のことを言えた義理ではありません。たしかに裁判は公開されているようですが、取調べの過程は「不透明」であり、つい最近に冤罪の懸念のある死刑執行が行なわれた疑いすら存在します。中国では覚醒剤を運んだ人が死刑になろうとしているようですが、日本では何もしていない人が死刑になっているのかも知れません。これではどっちがエラいのか分らないではありませんか。

ところで日弁連の新会長は極めてクレバーにも、死刑を温存しながら中国の死刑を批判する根拠を自由権規約に見いだしました。

中国政府の邦人に対する死刑執行通告に関する会長声明


中国政府は、麻薬密輸の罪で死刑判決が確定している日本人男性に対し近く死刑を執行すると、3月30日までに日本政府に通告したとのことである。



しかしながら、わが国が批准し、中国がすでに署名している国際人権(自由権)規約(以下「規約」という。)の第6条2項は、「死刑を廃止していない国においては、死刑は、犯罪が行われた時に効力を有しており、かつ、この規約の規定及び集団殺害犯罪の防止及び処罰に関する条約の規定に抵触しない法律により、最も重大な犯罪についてのみ科することができる。」としており、自由権規約委員会は、その一般的意見6(16)において「『最も重大な犯罪』 の表現は死刑が全く例外的な措置であることを意味するように厳格に解釈されなければならない」と述べている。「最も重大な犯罪」とは、少なくとも人の死という結果を伴う犯罪に限定されることを意味するのであって、現にイラン政府に対する自由権規約委員会の総括所見(1993年)において、自由権規約委員会は、規約第6条の観点から、経済犯罪や人の死という結果を伴わない犯罪に対して死刑を科すことは規約に反すると明言しており、さらに、タイ政府に対しては、死刑が規約第6条2項が示す「最も重大な犯罪」に限定されず、薬物の違法取引に適用されうることに懸念を表明している(2005年)。



自由権規約委員会や日本が理事国を務める国連人権理事会は死刑廃止を視野に入れて死刑の適用が可能な犯罪の削減を求めている。同様の事態がヨーロッパの国民について生じた場合、政府は前面に出て、自国民の処刑を避けるためにあらゆる手段を執るはずである。日本は死刑制度の存置国ではあるが、同様の犯罪の場合には無期刑が最高刑であり、死刑の対象とはされていない(覚せい剤取締法第41条2項)。国内法では死刑を科し得ない事件について、国際人権基準に明確に反する死刑によって日本国民の生命が奪われようとしている事態を座視するべきではない。



内閣総理大臣、官房長官はこの死刑の執行予定に関して既に「懸念」を表明されたと聞くが、当連合会は、わが国の政府に対し、規約第6条によって日本国民に保障された生命権を保護するために、死刑執行しないよう、中国政府に対して明確な要望をすべきことを求める。

2010年(平成22年)4月2日
日本弁護士連合会
会長 宇都宮 健児


とはいえ、温首相は「何千人もの命を危険にさらす重大な犯罪だ」と言っていますから、暗に「薬物の違法取引」が「人の死という結果を伴う犯罪」であるかのように述べているのであって、これは自由権規約を念頭に置いた発言であると考えることが出来ます。もちろんこれは詭弁ぽいのですが、宇都宮さん一本とられました。

日本政府としては中国政府に対して「日本国民に保障された生命権を保護するために、死刑執行しないよう、中国政府に対して明確な要望」などすることが出来ません。日本政府は自らの死刑制度を維持するために他国の死刑を尊重しなければなりません。そのためには日本人の命などいくらでも喜んでどこの国にでも差し出すでしょう。大切なのは死刑制度なのであり、運び屋の人命などではないのです。


posted by 珍風 at 05:47| Comment(2) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
ヨミウリやサンケイ的には大っ嫌いな中国と現政権を同時に叩けてこんな美味しいネタは無いと言ったところでしょうが、嫌いなモノを叩くのと自己保身のためならダブル・スタンダードも虚報も誤報も捏造も厭わない彼らが一見論理的な書き方をしているところが笑止であります。つかそんなことはちっとも気にしない厚顔無恥さが彼らの強みとも言えますが。
Posted by ike at 2010年04月05日 13:22
論理的には「完全審理」てゆーか「完全裁判」が存在し得ます。讀賣や産經の社説は、そうでなければ死刑はねーじゃん、と言っているんですがこれはマスゴミの基本的な立場です。つまり死刑が行なわれている以上、冤罪なんてあり得ない。仮にあったとしてもそれは極めて稀な例外なのです。
Posted by 一見論理的厚顔無珍風 at 2010年04月05日 21:31
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