2010年08月06日

環状で冠状な感情の勘定

その武田邦彦さんを「お気に入り」の先頭に入れているのが他ならぬ我等がブログ市長、竹原信一とかいう男であります。

8月下旬に臨時議会招集、阿久根市長 手続き指示


 鹿児島県阿久根市の竹原信一市長は8月下旬に臨時議会を招集する方針を固め、5日、職員に告示の手続きを取るよう指示した。

 専決処分で2日に副市長に就任した元愛媛県警巡査部長、仙波敏郎氏(61)によると、招集の告示は盆明けになりそう。臨時議会では、市長が3月定例会以降、議会を招集せずに相次いで専決処分した条例改正や補正予算など18件の承認を求めるとみられる。

 ただ、国の制度改正などに伴う5件以外は反市長派市議の反対多数で不承認となる見通し。国の見解をまとめた行政実例によると、議会が承認しなくても専決処分は有効だが、専決処分を乱発した市長の政治責任を問う声は高まりそうだ。再び議会が混乱することも予想される。

 反市長派は、市議会を常時開会中の通年議会とする条例制定案や、半減にされた職員ボーナスを元の金額に戻す条例改正案など3議案を提案する。浜之上大成議長は「正々堂々と議論できるように議会を運営したい」と話した。

2010年8月6日 讀賣新聞


一部では人気者の仙波さんを、彼には相応しいとは思われない役職に就けてみたり、貼紙を剥がしただけで気分でクビにした係長を復職させてみたりと、リコールに向けて姑息な弥縫策を繰り返す竹原さんですが、今度は議会を招集するんだそうです。

人間目先の事に捕らわれがちですからそういうやり方も効果的なのかも知れません。しかし、報道などを見る限り「目先の事に捕らわれがち」な傾向は竹原さんを支持する阿久根市民の方々においてより顕著に見られるようです。たとえば「公務員の給料が民間と比較して高い」というのは「目先」の事実ですが、言われてしまうとその気になってしまう人というものはいるものです。ところが、それはもしかして民間の方が低すぎやしないか、とも考えられるでしょう。

したがって竹原さんの「目先」の弥縫策は、元々竹原さんを支持していたような人々には有効かとは思われます。しかし竹原さんからはなれて行ってしまった人から見ると、またセコいことをやって誤摩化そうとしているな、としか思ってもらえないのではないでしょうか。

讀賣新聞によれば、議会の招集は竹原さんにとって何らデメリットを生じないということであります。なんと「議会が承認しなくても専決処分は有効」なのだそうです。ちなみに「専決処分」という用語は地方自治法の180条に出て来るんですが、同179条の地方公共団体の長による事件の処分についても「専決処分」と言うことになっていて

第179条


普通地方公共団体の議会が成立しないとき、第百十三条但書の場合においてなお会議を開くことができないとき、普通地方公共団体の長において議会を招集する暇がないと認めるとき、又は議会において議決すべき事件を議決しないときは、当該普通地方公共団体の長は、その議決すべき事件を処分することができる。

2.議会の決定すべき事件に関しては、前項の例による。

3.前二項の規定による処置については、普通地方公共団体の長は、次の会議においてこれを議会に報告し、その承認を求めなければならない。


いわゆる「緊急の場合」、とはいえ「普通地方公共団体の長において議会を招集する暇がないと認めるとき」には専決処分をしても良いことになっているのですから、要するに首長はほぼ好きなように「事件を処分」することが出来る事になっています。常日頃トンデモのデパートのような深い思索に耽っている竹原さんには、そんな「暇」があるはずがありません。

第3項では「次の会議においてこれを議会に報告し、その承認を求めなければならない」とされていますが、そういえば「承認」が得られなかった場合にはその処分を無効とする、とは書いてありません。単に「承認」を求め、承認されなかったら、ああそうですか、で終わりです。議会にはなす術がありません。

そういうわけなので、議会を招集する事に決めた8月5日の竹原さんのブログは

 そもそも議員には全く責任がない。首長に全ての責任がある。たとえば住民からの訴えに対して「不当に損害を与えた」と裁判の判決が出れば首長が個人で損害を償わなければならない。
議員と市長は対等ではないのだ。にもかかわらず条例などは議員たちが多数決で決める一元代表制である。
決めるのは議員、責任者は市長。これが現実だ。今のように個人や仲間の損得や気分で議決する「感情の府」の議会が本当に必要だろうか。
住民のための合理的な行政運営の責任の上に、議員の機嫌取りまで首長に負わせるのは要求過剰というものだ。

2010/08/05 (木) 昔から日本の議員はバカばかり?!
http://www5.diary.ne.jp/user/521727/


「決めるのは議員、責任者は市長。」なるほど大変なお仕事かも知れませんが、それが当たり前なので気に入らなきゃ辞めれば良いんじゃないかと思うんですが、これは制度そのものへの、まあ竹原さんの不平不満というものです。

しかしながら「今のように個人や仲間の損得や気分で議決する「感情の府」の議会が本当に必要だろうか。」というのは、これは議会の仮に現状がこういうものであるとすれば、それに対する批判であり、これは当然、本来あるべき議会の姿というものを想定しているはずです。

ところが竹原さんは別々の話をゴッチャにして、つまるところは議会を無視して良い、との結論に達するのです。これは見やすい詭弁でなければ知能の著しい低下の徴候であると言うべきでしょう。竹原さんが引用する「にわやま由紀」さんも「自己利益を保守・追求するような、いやしくあつかましい人間に、公の仕事をさせてはいけない」と書いていますが、「バカ」に「公の仕事」をさせてよいとは書いていないようです。

ちなみに、竹原さん界隈での「感情」という語の用法ですが、それは例えばこんな風なものです。

「竹原信一という男 BBS」とタイトルは変わりませんが、
人物像や政治手法の好き嫌い(感情論)や昨今の騒がしい空気を越えて、
根本的かつ幅広い角度から有意義な議論ができる掲示板を目指したいと考えています。

竹原信一という男
新BBS(掲示板)について
http://ossanndream.blog101.fc2.com/blog-entry-363.html


竹原さんのかなり問題のある「政治手法」に関する否定的な評価のことを「感情論」といいます。「感情」を否定的な意味合いで使用すれば反論を抑制出来ると思っているようです。

ところが「感情」に対する「感情」を上手く利用するのも知能犯のテクニックです。竹原さんもやめておけばいいのにいっぱしの知能犯を気取りたいようで、仙波さんを勝手に「副市長」ということにしてしまった7月27日のエントリは、そういう意味ではかなり気の毒なものです。

彼が強く意識するのは「公益」、その力の源は仙波敏郎氏個人ではなく人間の社会が本質的に持っている生命力である。人類の生命力が彼に意思と力を与えている。仙波氏には人類全体に対して為すべき使命があると感じる。

2010/07/27 (火) 茨の道を選ぶ者


ひと言も意味が分かりません。意味が分かる必要もないのですが。一番意味不明なのは「公益」ですが、これは最初からその指すところが話者と聴者の間で共有されていない、その隙間でのみ使用される無意味語の典型のようなものであり、竹原さんも普段からその無意味力を少々過剰気味に利用しているところであるのは、他のこの語を使用する人とあまり変わりません。

よりワケが分からないのは「人間の社会が本質的に持っている生命力」という、一種の観念論的なタワゴトですが、これがどうも「人類の生命力」と同義なのかそうでないのかよく分からないという、たいしたものなのです。竹原さんの目論見としては「人間の社会」という、これはその意味するところはコンテクストに依存するんですが、そのコンテクストがここでは不在であることからこれも意味不明ですけど、この不明な「人間の社会」を、不明をいい事に「人類」にズラし、なんだか知らないけどヤタラと話を大きくすることにあります。

これは、あまり上手くいっているとは申せませんが、典型的な詐欺師の口上です。あたかも「理念」のような事を語っているかの如くですが、実は内容のない「理念語」で煽動された「感情論」に他なりません。上手く乗せれば仙波さんは「人類全体に対して為すべき使命」を負っているのだ、と納得してしまうかも知れませんが、竹原さんは小規模な詭弁を弄するようなことはなんとかこなせるようですが、大風呂敷を広げる式の発言はだいたいスベッているようで、今回もその例に漏れていないのは残念至極であります。

しかしながら、これが口で言わせるとなかなか巧みなものである、という可能性を否定出来ません。「感情論」の世界ですからオーラルがイカせることはしばしばです。そして、もしかすると竹原さんはこの伝で仙波さんを乗せてしまったかもしれません。しかしもしそうだったとしても、これは竹原さんのオーラルテクニックが優秀であったのではなく、たまたま乗せる側と乗せられる側の「ノリ」が合致した、元より似たもの同士だった、という事かも知れません。仙波さんのようなタイプの「正義感」は「人類」とかの話に弱いことがあります。

極大から極小を自在に往還する、てゆーかデカいことを言うセコい人である竹原さんはリコール対策に余念がないようで、これはこれで見え透いているとはいえファンには堪らないんでしょうな。仙波さんが来たからちっとはマシになるだろう、とか思ってしまう人もいるかも知れませんが、リコールが成立しなかったら元に戻ります。てゆーかもっとヒドくなるんでしょうね。


posted by 珍風 at 11:06| Comment(2) | TrackBack(1) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
氏と基本思想が同一と思われる我が知事閣下はこんな戦術で議会を掌握しようと考えておられる様ですが、このヒトの場合はマスコミも議員も味方につける弁護士ならではの口先三寸能力があるわけで、そこら辺りをタケハラ氏も見習えば良いかと存じますが、元自衛官にはちょと厳しいか
http://www.sankei-kansai.com/2010/08/03/20100803-042062.php
Posted by ika at 2010年08月06日 14:37
「維新の会」程度のトリマキ議員なら竹原さんにもいます。産經新聞は橋下さんに「注目!」して彼のどうでもいいような発言を逐一報道しているようですが、竹原さんにだってデータ・マックスがついていまして、竹原さんのブログをそのまま引用して「ニュース」として流したり、インタビュー動画を流したりしていますから、同じような仕組みになっているようですな。
Posted by 珍風マックス at 2010年08月07日 07:47
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