2010年09月13日

ブーイングと退場

かすむ基地問題 名護市議選
「今訴えないでいつ訴えるの」→←「地域の人応援」
候補・市民にも温度差


 【名護】米軍普天間飛行場の辺野古移設問題に絡み、市長派と反市長派の過半数獲得がクローズアップされる名護市議選。一方で、候補者の訴えは基地問題よりも地域に密着した政策が大半だ。県内外のメディアが注目する「争点」と、選挙運動の実態には温度差がある。

 「今、訴えないで、いつ訴えるんですか」

 辺野古移設反対を前面に掲げる与党系候補者は言葉に力を込めた。

 市内137カ所に設置された掲示板でも、ポスターに基地問題の文言が入っているのは37人のうち2人だけ。基地問題に触れる候補者が少ないことに不満だという。

 同候補者は移設容認の住民が多いとされる地域にも足を運んだ。洗濯物を干している最中に同候補からビラを受け取った70代の女性は「基地問題では投票しない。地域の人を応援したい」と苦笑いする。

 「市長が(移設に)反対だから私も反対だと支持者に説明してきた。改めて訴えることではない」と話す現職の候補者。「一人でも多くの人に頭を下げた方が票になる」。飲みかけたお茶を残したまま事務所を飛び出した。

 反市長派も一票にすがる実情は同じ。地域活性化を訴え2期目を目指す候補者は「票がかぶる仲間≠熨スい。移設問題のスタンスがどうこうより、人を見かけたら頭を下げないと。もう誰と戦っているか分からなくなってきた」と焦りを隠せない。

 福祉政策を訴え、4期目を目指す候補者は「過半数? そんなこと考える余裕はない。自分のことで頭がいっぱい」と話すと、事務所を訪れた有権者を笑顔で出迎えた。(統一地方選取材班)

2010年9月10日 沖縄タイムス


まあ、「温度差」はあったようで、9日の東京の最高気温は28.6度、名護市では31.3度でしたから、だいぶ違うといえば違うようです。もっとも、「移設容認の住民が多いとされる地域」の「70代の女性」が「移設容認の住民」であるとは限りませんから、その「苦笑い」の意味は微妙なんですが。

いずれにしても候補者たちは「飲みかけたお茶を残したまま事務所を飛び出した」り、取材もそこそこに「事務所を訪れた有権者を笑顔で出迎えた」りしていますから、あまり突っ込んだことが聞けるような状況ではなかったようです。選挙は大変ですから、新聞記者などはつい置き去りにされてしまうもののようです。

そこで早速、東京の通信社もこれにあやかった記事を書いて、選挙の結果を予め無視するために予防線を張ってみた模様です。

「普天間」言及避ける候補者=名護市議選、12日投開票−沖縄


 任期満了に伴う沖縄県名護市議選が12日、投開票される。11月28日投開票の県知事選とともに、米軍普天間飛行場移設問題の行方を占う選挙として注目を集めているが、移設問題を争点に掲げる候補者は多くない。幅広く支持者を獲得したい候補者にとっては、有権者を刺激しかねないテーマでもあり、言及を避けているようだ。

 稲嶺進市長は日米共同声明に盛り込まれた同市辺野古への移設に反対。市長支持派のある候補者は自らも反対の立場だが、選挙戦で移設問題に触れることはほとんどない。支持者には移設容認派も多く、彼らを「刺激しない言い方はないか」と頭を悩ませた結果だという。この候補者は「(市議選は)地縁・血縁の世界」と強調する。

 一方、1月の市長選で敗れた移設容認派の島袋吉和前市長を支持する候補者の1人も「支持者が求めていないから」として移設問題は避けている。約300人の支持者に当選後、取り組んでほしい課題を尋ねたところ「複雑なゴミ分別の簡素化」が最も多かったという。移設問題は1件だけで「市民が市議に求めるのは身近な生活の問題を何とかすること。基地問題は求められていない」と話す。

 市内にある観光関連会社の幹部は「政府やマスコミが市議選の結果を移設に賛成か反対かで見ることは間違っている。市民は候補者を地域の経済を発展させてくれるかどうかで選ぶ。自分の生活で必死なんだから」と、市議選と移設問題を結び付ける世論を批判していた。

 「市議選は、定数27に37人が立候補。稲嶺市長派が18人、反市長派が17人、2人は態度が明らかになっていない。」

2010年9月10日 時事


ゴミの分別があまりにも複雑なもんで基地移設問題は「争点」ではない、したがって選挙の結果がどうであろうとカンケーない、という趣旨の記事であり、こうして書いておけば何が来たって大丈夫、矢でも鉄砲でも核兵器でも持ってきやがれ、準備万端の体制で余裕をもって開票を見守ることが出来るというわけです。ところが好事魔多し。

蓋を開けてみれば辺野古移設反対派の「圧勝」という結果になりました。記事をよく読んでみれば「市長支持派のある候補者」は、基地問題に触れることが「ほとんどない」そうですから、少しはそっちの方にも言及するようですが、「前市長を支持する候補者」は「移設問題は避けている」ということであります。つまりどちらかというと移設容認派が態度を明らかにしないようにしていた、というようにも読めるわけで、その辺は抜かりはありません。

実は日本のマスゴミがこんな記事を書いている時に、アメリカではモレルさんが絶妙なタイミングでMV22オスプレイ配備を改めて言明し、そのことは日本政府も既知であることを明かしてしまいました。普天間飛行場移転計画は、代替飛行場におけるオスプレイの運用が前提となっていたのです。もっとも、オスプレイはゴミの分別以上にウルサいので住民には内緒です。

一方その頃、政府はよせばいいのに「防衛白書」を発表し、沖縄は「東アジアの各地域に対し距離的に近い」と書き、グアム、サイパンは遠いと言わんばかりですが、従来機に比して5倍の航続距離を持つオスプレイが導入されるとこの距離感は全然違って来ます。「白書」はいわばオスプレイ隠しをしているわけですが、そうやって日本政府が必死に虚偽文書を作成している間にペンタゴンがバラしてしまったようなもんです。

そういうことを名護市民も知っていたりするわけですが、この辺りの事情を菅政権が甘く見ていたことは否定出来ません。上記のような暢気な記事は、国民に、あたかも基地問題など存在しないかのような印象を与えるために書かれるようですが、菅政権ではこのような記事を率先して鵜呑みにするようです。たしかに菅さんにとっては沖縄の基地問題などは存在しないが如しでありますから別に良いようなものですが、その結果、種明かし済みの手品を披露してブーイングを浴びるということになるのです。ご苦労様でした。やっと終わったよ。


posted by 珍風 at 23:59| Comment(2) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
突然すいません!

『2010年国際ジュゴン年に〜基地ではなく ジュゴン保護区を』の署名を、集めています。どうぞ、ご協力よろしくお願いします。

☆署名用紙の署名とインターネット署名(日本語・英語)があります。
 できれば全てにご協力お願いします(重複OKです)。
 *インターネット署名(日本語版)
  http://www.shomei.tv/project-1384.html
 *インターネット署名(英語版)
 http://www.thepetitionsite.com/1/no-to-military-baseyes-to-dugong-protection-area
 *署名用紙のPDFはこちら
  http://www.sdcc.jp/iucn/2009-2010-sign.pdf
 *署名の詳細はこちら
  http://www.sdcc.jp/iucn/2009-2010-petision.html
  
もしよろしければ、この署名の拡散もお願いします!
Posted by konishi at 2010年09月14日 11:30
>konishi様

「提出先」が「内閣総理大臣 鳩山由紀夫殿 」になってますが、なんとかならんのですか。
Posted by いずれそのうち内閣総理大臣珍風 at 2010年09月14日 20:31
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:

※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。

この記事へのトラックバック
×

この広告は180日以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。